北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.10.15-2022.10.16)

2022-10-14 20:01:41 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 本日は鉄道の日ですが金曜日でもありますので今週末の自衛隊関連行事をみてゆきましょう。

 北部方面隊創設70周年記念行事が10月16日日曜日に札幌市の真駒内駐屯地にて行われます、なお事前応募が必要な行事となっていまして応募はすでに締め切られています。北部方面総監部は札幌駐屯地に置かれていますが、式典会場とするには狭く第11旅団司令部の置かれる同じ札幌市の真駒内駐屯地が会場として用いられることとなったのでしょう。

 北部方面隊は旭川第2師団と東千歳第7師団、帯広第5旅団と真駒内第11旅団に第1特科団と第1高射特科団、重厚な装備体系を以て冷戦時代、ソ連極東軍の巨大な軍事圧力を自衛隊の抑止力だけで抑え込んだ防衛の最前線であり、冷戦時代は陸自幹部にあって一度は北海道勤務を果たさねば一人前ではないとさえ言われ、自衛隊戦車の大半が配備されます。

 ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、日本にとっても隣国であるロシアが意味不明の口実により隣国へ侵攻したという衝撃は1979年のソ連軍アフガニスタン侵攻以来であるとともに、重戦力を動員しての冷戦時代型大規模侵攻、核兵器による恫喝とNBC状況下での戦闘という、一時は時代錯誤と揶揄する方さえ居た認識が単なる平和ボケであった事を示している。

 北部方面隊記念行事は50周年記念行事が札幌ドームにて行われたという過去もありましたが、札幌ドームでは東夷北部方面隊隷下の全ての部隊から連隊旗を結集させる行事となりました。今回は真駒内駐屯地、旅団祭では自走砲が空包射撃とともに戦車が装甲車と共に突撃を加える展示が可能という広さです、どういった行事となるのか興味がわきますね。

 今治開港100周年みなとフェスティバル100ブルーインパルス祝賀飛行、明日土曜日に行われます。今治港での祝賀飛行は愛媛県に5年ぶりのブルーインパルス飛行ともなる機会でして、今治港みなと交流センター上空を中心に1100時から1120時まで飛行展示が行われる、なお、ブルーインパルスは九州の築城基地に展開し飛行展示を行うとのことです。

 今治港を中心に飛行するブルーインパルスですが、飛行展示は会場だけではなく市街地の広い場所から見る事が出来る経路をとっているとの主催者側の発表がありまして、COVID-19新型コロナウィルス感染症に留意し、余り集まり過ぎないように、ということでしょう。標高の高い糸山展望台や来島海峡大橋付近というのも、ご当地感が映えますね。

 横須賀基地一般公開。10月15日土曜日に第二術科学校オープンスクールなどは行われます。そして日曜日10月16日には横須賀オープンベースとしてアメリカ海軍横須賀基地が一般公開されます。よこすか開国花火大会というものも予定されていまして、一部を基地から見る事も出来るという。アメリカ海軍のイージス艦などを間近に見る貴重な行事といえる。

 横須賀オープンベース、ご注意いただきたいのは国籍を表示できる写真つき公的身分証明書が必要となり、日本国籍かアメリカ国籍以外の方は入場できない場合があるとのことですのでご注意ください。一般公開されるのは三笠公園内ゲート、詳しい案内などについては横須賀市観光情報を運営する横須賀市コールセンターなどで知る事が出来るようです。

 豊川駐屯地創設72周年記念行事、10月15日と16日に開催されまして、こちらは事前応募が必要で応募はすでに締め切られています。豊川駐屯地は第10師団隷下の第10特科連隊及び第10高射特科大隊、中部方面混成団隷下の第49普通科連隊本部、第4施設団隷下の第6施設群などが駐屯しています。FH-70榴弾砲はウクライナでも大活躍していますね。

 FH-70榴弾砲はイタリア政府などが余剰装備をウクライナへ供与したもので、39口径の155mm榴弾砲、設計こそ新しいものではないのですが砲兵火力は古くとも標定と運用の方が重要という事を如実に示しているもの。事前応募制とはなっていますが、式典は例年駐屯地に隣接しています豊川訓練場において行われ、多少は外から行進などが見えるのです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・10月16日:北部方面隊創設70周年記念行事(事前応募制)
・10月15日:横須賀基地一般公開
・10月16日:横須賀オープンベース
・10月15日10月16日:豊川駐屯地創設72周年記念行事(事前応募制)
・10月15日:今治開港100周年みなとフェスティバル100ブルーインパルス祝賀飛行

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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北朝鮮が巡航ミサイル実験-2000km飛翔と目標に命中を発表,求められる低空目標探知-自衛隊早期警戒機増強

2022-10-14 07:01:40 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ミサイル防衛
 弾道ミサイル防衛という単語がミサイル防衛という単語に統合された背景には弾道ミサイル以外に巡航ミサイルという脅威が在った為なのですが、それはすでに現実に。

 北朝鮮は12日、朝鮮半島西方の黄海に向け新型の巡航ミサイル実験を実施、ミサイルは2発が発射され2000km先の目標に命中したとの事です、巡航ミサイルの飛翔時間は3時間に達していたとのことで、2000kmの射程と命中精度から考えた場合、これらの巡航ミサイルは日本国内の在日米軍基地や自衛隊基地等に脅威をおよぼすものと考えられています。

 巡航ミサイルについては、低空飛行する為に探知が難しいとの指摘がありますが、これは地上のレーダーサイトのみで警戒した場合であり、早期警戒機など航空機からの警戒監視により補足はそれほど難しい事ではありません、逆に極超音速滑空兵器等と違い、亜音速である巡航ミサイルは捕捉さえ出来れば、航空自衛隊の高射隊でなくとも迎撃は可能です。

 巡航ミサイルについては師団や旅団高射特科部隊が装備する81式短距離地対空誘導弾C型や、その後継である11式短距離地対空誘導弾システムなどでも迎撃が可能であり、射程内を飛行する限り高射機関砲でも撃墜は可能です。早期警戒機により探知できたならば、弾道ミサイルよりも非常に速度は低い為、迎撃準備などの時間的猶予も十倍以上あります。

 早期警戒機、問題は航空自衛隊の早期警戒機はE-767早期警戒管制機4機とE-2C早期警戒機13機、この早期警戒機を二桁装備している組織は世界でも数か国のみと非常に高い水準にあるのですが、数の上での主力はE-2C早期警戒機、空母艦載機であり機内が非常に狭く手洗いさえ使えません、巡航ミサイル脅威が増大するならばこの態勢では不充分という。

 北朝鮮巡航ミサイル、今回は2000kmを飛翔したとのことですが、過去に北朝鮮が開発した巡航ミサイルは射程1500kmとなっていまして、射程は大幅に延伸した事になります。有事の際には特に弾道ミサイル防衛部隊等に対して弾道ミサイルと同時に発射するならば防衛システムを飽和状態とさせる懸念がありますし、核兵器運搬手段としての懸念がある。

 E-2D早期警戒機の航空自衛隊導入計画が進められており、自衛隊の早期警戒機は強化される最中ではあるのですが、E-2Dも空母艦載機、E-767のように交代要員の仮眠スペースがありませんし、E-767は空中給油により連続20時間以上の飛行が可能ですがE-2Dでは四時間から五時間が限度となっていまして、多少高くとも長く飛べる機体の増勢を検討すべきです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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