■特報:世界の防衛,最新論点
今回は各国のヘリコプター関連の装備状況について新しい情報を纏めてみました。

アメリカ国防総省はコロラド州兵が初のUH-72B軽ヘリコプターを受領したと発表しました。UH-72Bラコタヘリコプターの受領式典は8月4日、ミシシッピ州のコロンバスにあるエアバスヘリコプター社施設において行われ、2022年に納入される18機のUH-72Bヘリコプターの内2機が引き渡され、州兵航空隊のUH-60ヘリコプターと混成運用する。

コロラド州兵はUH-72B最初の配備部隊として選定された背景には中西部に位置するコロラド州での山間部捜索救難や州警察の麻薬取り締まり作戦支援へ高出力のエンジンを搭載したヘリコプターが必要とされた為で、UH-72Bを活用する事で、高性能であるが運用コストの高い既存のUH-60の飛行時間を節約する事にもつながるとの期待があるようです。

UH-72B軽ヘリコプターはエアバスH-145-D3の軍用型で、UH-72Aとの外見上の相違点はテイルローター部分が密閉形状へ変更している点ですが、エンジン出力の25%向上など山間部での運用能力向上など、高山部での運用性能は強化されています。配備は州兵用であり連邦軍での海外運用などは想定されていませんが、割り切った任務には十分な性能だ。
■米空軍のMH-139A
AW-139は日本では公官庁を中心に100機近くが運用されているのですが自衛隊には見向きもされないという、UH-60の補完的な機種として最適に思えるのですが。

アメリカ空軍は九月までにMH-139AグレイウルフヘリコプターのFAA補足型式証明を取得しました。現在空軍には機体4機が試験用に配備されていて、型式証明に必要な飛行試験は空軍第413飛行試験飛行隊が実施し、FAA連邦航空局より補足型式証明という暫定的な運用手続きを行い、今後型式証明獲得に向けてアメリカ空軍は各種の試験を行います。

MH-139AグレイウルフヘリコプターはUH-1N軽輸送ヘリコプターの後継として配備されるもので、空軍は80機の導入を予定しています。任務には要人輸送や連絡輸送という平時の任務も含まれますが、重要な任務はICBM大陸間弾道ミサイル基地などアメリカ本土の基地施設が敵特殊部隊等の攻撃を受けた際、警備部隊を緊急展開させる用途も含まれます。

MH-139AグレイウルフヘリコプターはガリレオヘリコプターのアグスタウェストランドAW-139ヘリコプターの軍用仕様で、AW-139は日本でも海上保安庁や警視庁に大阪府警などが運用中だ。製造はフィラデルフィアのレオナルド工場にて行われている。その性能は最大離陸重量6.8tで人員15名を輸送、巡航速度は306km/hで航続距離は1250kmです。
■チェコへAH-1Z供与
自衛隊もUH-1J後継機に同系統のUH-2を選んだのですからUH-2を元にAH-1Wの四枚ローター型を製造するかAH-1Zという選択肢はあっていいと思う。

チェコ国防省は8月19日、AH-1Z戦闘ヘリコプター6機とUH-1Y軽輸送ヘリコプター2機をアメリカ政府より無償供与されました。チェコ陸軍は既に2020年、ベル社との間でAH-1Z戦闘ヘリコプター8機を5億6000万ドルにて取得契約を結んでおり、くわえてUH-1Y軽輸送ヘリコプターも4機を導入する契約を2020年にすでに結んでいます。

AH-1Z戦闘ヘリコプターについて、チェコ陸軍は冷戦時代にソ連より導入したMi-24/35ハインド攻撃ヘリコプターの後継機に充てる事となっています。その納入は2023年から2024年にかけ行われる予定です。AH-1Z戦闘ヘリコプターとUH-1Y軽輸送ヘリコプターは機体構成要素の85%が共通であり、合計20機が揃う事となり整備効率が高まるでしょう。

AH-1Z戦闘ヘリコプターは愛称がヴァイパー、AH-64Eアパッチガーディアンの陰に隠れる形で輸出には縁が遠い状況が続いていましたが、取得費用と運用費用をAH-64Eよりも抑えているという事で近年徐々に採用国が増えています。UH-1Yは愛称がヴェノム、多用途ヘリコプターですがハイドラ70ロケット弾やM-134ミニガンなども搭載が可能です。
■豪州UH-60再選定
自衛隊も航空自衛隊が用途廃止したUH-60救難ヘリコプターを再生改造して陸上自衛隊へ移管する選択肢はあってよかったのではないか。

オーストラリア国防省はUH-60M多用途ヘリコプター40機の有償供与についてアメリカ国務省の承認を受けました。この契約には機体40機に加え、T700-GE 701Dエンジン88基とAN/AAR-57-CMWSミサイル警報システム44基およびH-764U-GPS航法装置 96 基、AN/ARC-231RT-1808A SATCOM航空無線システムなどが含まれているとのことです。

NH-90輸送ヘリコプターをユーロコプター社、現在のエアバスヘリコプターズ社より取得していたオーストラリア軍ですが、高温のオーストラリア国内では故障が相次ぎ、短期間で運用を断念し代替にUH-60M多用途ヘリコプターを導入する事となりました。なおNH-90はニュージーランドでも運用されていますが、こちらには顕著な問題はありません。

UH-60をオーストラリアが導入するのは今回が初めて絵はありません、1986年から39機のS-70を導入しており、初号機は輸入しましたが1987年からデハビラントオーストラリア社が38機をライセンス生産しています、しかし後継にNH-90が決定した事で退役が始り2021年に最後の機体が退役しましたが、今回改めてUH-60を再度選択した構図です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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今回は各国のヘリコプター関連の装備状況について新しい情報を纏めてみました。

アメリカ国防総省はコロラド州兵が初のUH-72B軽ヘリコプターを受領したと発表しました。UH-72Bラコタヘリコプターの受領式典は8月4日、ミシシッピ州のコロンバスにあるエアバスヘリコプター社施設において行われ、2022年に納入される18機のUH-72Bヘリコプターの内2機が引き渡され、州兵航空隊のUH-60ヘリコプターと混成運用する。

コロラド州兵はUH-72B最初の配備部隊として選定された背景には中西部に位置するコロラド州での山間部捜索救難や州警察の麻薬取り締まり作戦支援へ高出力のエンジンを搭載したヘリコプターが必要とされた為で、UH-72Bを活用する事で、高性能であるが運用コストの高い既存のUH-60の飛行時間を節約する事にもつながるとの期待があるようです。

UH-72B軽ヘリコプターはエアバスH-145-D3の軍用型で、UH-72Aとの外見上の相違点はテイルローター部分が密閉形状へ変更している点ですが、エンジン出力の25%向上など山間部での運用能力向上など、高山部での運用性能は強化されています。配備は州兵用であり連邦軍での海外運用などは想定されていませんが、割り切った任務には十分な性能だ。
■米空軍のMH-139A
AW-139は日本では公官庁を中心に100機近くが運用されているのですが自衛隊には見向きもされないという、UH-60の補完的な機種として最適に思えるのですが。

アメリカ空軍は九月までにMH-139AグレイウルフヘリコプターのFAA補足型式証明を取得しました。現在空軍には機体4機が試験用に配備されていて、型式証明に必要な飛行試験は空軍第413飛行試験飛行隊が実施し、FAA連邦航空局より補足型式証明という暫定的な運用手続きを行い、今後型式証明獲得に向けてアメリカ空軍は各種の試験を行います。

MH-139AグレイウルフヘリコプターはUH-1N軽輸送ヘリコプターの後継として配備されるもので、空軍は80機の導入を予定しています。任務には要人輸送や連絡輸送という平時の任務も含まれますが、重要な任務はICBM大陸間弾道ミサイル基地などアメリカ本土の基地施設が敵特殊部隊等の攻撃を受けた際、警備部隊を緊急展開させる用途も含まれます。

MH-139AグレイウルフヘリコプターはガリレオヘリコプターのアグスタウェストランドAW-139ヘリコプターの軍用仕様で、AW-139は日本でも海上保安庁や警視庁に大阪府警などが運用中だ。製造はフィラデルフィアのレオナルド工場にて行われている。その性能は最大離陸重量6.8tで人員15名を輸送、巡航速度は306km/hで航続距離は1250kmです。
■チェコへAH-1Z供与
自衛隊もUH-1J後継機に同系統のUH-2を選んだのですからUH-2を元にAH-1Wの四枚ローター型を製造するかAH-1Zという選択肢はあっていいと思う。

チェコ国防省は8月19日、AH-1Z戦闘ヘリコプター6機とUH-1Y軽輸送ヘリコプター2機をアメリカ政府より無償供与されました。チェコ陸軍は既に2020年、ベル社との間でAH-1Z戦闘ヘリコプター8機を5億6000万ドルにて取得契約を結んでおり、くわえてUH-1Y軽輸送ヘリコプターも4機を導入する契約を2020年にすでに結んでいます。

AH-1Z戦闘ヘリコプターについて、チェコ陸軍は冷戦時代にソ連より導入したMi-24/35ハインド攻撃ヘリコプターの後継機に充てる事となっています。その納入は2023年から2024年にかけ行われる予定です。AH-1Z戦闘ヘリコプターとUH-1Y軽輸送ヘリコプターは機体構成要素の85%が共通であり、合計20機が揃う事となり整備効率が高まるでしょう。

AH-1Z戦闘ヘリコプターは愛称がヴァイパー、AH-64Eアパッチガーディアンの陰に隠れる形で輸出には縁が遠い状況が続いていましたが、取得費用と運用費用をAH-64Eよりも抑えているという事で近年徐々に採用国が増えています。UH-1Yは愛称がヴェノム、多用途ヘリコプターですがハイドラ70ロケット弾やM-134ミニガンなども搭載が可能です。
■豪州UH-60再選定
自衛隊も航空自衛隊が用途廃止したUH-60救難ヘリコプターを再生改造して陸上自衛隊へ移管する選択肢はあってよかったのではないか。

オーストラリア国防省はUH-60M多用途ヘリコプター40機の有償供与についてアメリカ国務省の承認を受けました。この契約には機体40機に加え、T700-GE 701Dエンジン88基とAN/AAR-57-CMWSミサイル警報システム44基およびH-764U-GPS航法装置 96 基、AN/ARC-231RT-1808A SATCOM航空無線システムなどが含まれているとのことです。

NH-90輸送ヘリコプターをユーロコプター社、現在のエアバスヘリコプターズ社より取得していたオーストラリア軍ですが、高温のオーストラリア国内では故障が相次ぎ、短期間で運用を断念し代替にUH-60M多用途ヘリコプターを導入する事となりました。なおNH-90はニュージーランドでも運用されていますが、こちらには顕著な問題はありません。

UH-60をオーストラリアが導入するのは今回が初めて絵はありません、1986年から39機のS-70を導入しており、初号機は輸入しましたが1987年からデハビラントオーストラリア社が38機をライセンス生産しています、しかし後継にNH-90が決定した事で退役が始り2021年に最後の機体が退役しましたが、今回改めてUH-60を再度選択した構図です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)