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ウクライナ軍事支援拡大,ドイツはゲパルト自走高射機関砲をフランスはカエサル装輪自走榴弾砲を供与決定

2022-04-28 07:00:27 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ウクライナは適切な軍事支援が有れば勝利できるとの見解をアメリカのオースティン国防長官が示しましたが、その適切が軍事支援が始ります。

 ドイツ政府はウクライナへゲパルト自走高射機関砲のウクライナ供与を決定しました、その供与数は50両程度ということ。ゲパルト対空戦車としても知られるドイツ製の装甲車両は1979年に制式化されたもので、当時のレオパルト1主力戦車車体にエリコン35mm機関砲2門と索敵レーダーや火器管制レーダーを砲塔に一体化させた野戦防空車輛です。

 ゲパルト自走高射機関砲は自衛隊の87式自走高射機関砲が開発される際に参考とされたもので、ドイツ連邦軍での運用は終了していますが4000m以内に接近した敵の対地攻撃機や対戦車ヘリコプターに対し顕著に威力を発揮します。陸上自衛隊が装備する87式自走高射機関砲は第7高射特科連隊と第2高射特科大隊など僅かで48両、非常に高価な装備です。

 現在、対戦車ヘリコプターに搭載される対戦車ミサイルには射程6000m以上のものも多いのですが、この種の装備は瞬発交戦能力が高く、要するに森林など錯綜地形で知らずに対戦車ヘリコプターが高射機関砲の射程内に入る際に即座に照準し撃墜が可能です。またドイツは旧東ドイツ軍が装備していたT-72戦車も供与の方針ですが、整備状態が心配です。

 フランス政府はウクライナへ最新のカエサル自走榴弾砲供与を発表しました、これはウクライナ軍が運用する152mm口径の野砲をウクライナは希望していましたが旧ソ連規格の152mm野砲ではなく、NATO標準である155mm榴弾砲となっています。したし、アメリカがウクライナへ供与したM-198やM-777榴弾砲も155mm口径となっています。

 カエサル自走榴弾砲は52口径、つまり砲身の長さが155mmの52倍となっていて、野砲は一般的に砲身が長い方が恰も走り幅跳びの助走距離の長さのように射程の延伸に繋がります、そしてトラックなどで牽引する野砲は過去、スペインが45口径牽引砲を開発していますが、全長が長くなり過ぎ取り回しが利かない点が問題視され、M-777も39口径です。

 カエサル自走榴弾砲はフランスの開発当時GIAT社が、52口径の野砲をトラックに牽引するのではなく、荷台にそのまま載せれば車体全体の長さは運用可能な範疇に収まるとしたもの、射程は通常砲弾でも50km、つまり京都市から大坂城を十分狙える射程となります。NATO各国からはこれまでの携帯火器中心の供与から重装備供与へ転換が始まった様です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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