■防衛情報-ウクライナ戦争
防衛線があれだけ長いのですから何処かに間隙が有るのだと信じていましたが厳しい。日本の防衛に参考になる点を考えると戦線が多数となった場合に備えて師団数や退役した装備の予備保管は必要なのか、と。
ロシア軍が東部戦線において大規模攻撃を開始した、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日の戦況に関する発言において明らかにしました。これは8月4日付CNN報道などで配信されています。ゼレンスキー大統領によれば、戦闘が激しい前線地域はクピャンスク、リマン、バフムート、マリンカ、アウジーイウカ、即ち東部戦線全域です。
東部戦線での攻勢はウクライナ軍が優勢である南部戦線からウクライナ軍兵力を引き抜くための陽動であるとも考えられてきましたが、個の陽動と呼ばれた期間は既に七月いっぱい継続され八月になっても持続していることから、ロシア軍が東部地域での再攻勢を本格的に開始した可能性が出てきました。他方、南部戦線は概況が今一つつかめません。
南部戦線でのウクライナ軍前進は徐々に見通しが出ていますが、現実は当初期待されたよりもかなり遅く、これはロシア軍が大量に敷設した地雷原によるものです。この地雷原は同時に、ロシア軍が南部での再攻勢を計画する場合にも大きな障害となる可能性があります。南部ではこれ以上の戦果拡張をロシア軍が考えていないのか、現状は不明です。
■ロシア軍電子妨害
自衛隊は対空電子戦装置Ⅰ型を試験している最中ですが師団単位か連隊戦闘団単位か方面隊単位で薄く装備するのかどのように装備するかを考えてゆかなければなりません。
ウクライナ軍無人機はロシア軍電子妨害を受け運用が封じられている、7月27日付CNN報道としてウクライナ軍のオレクサンドルタルナフスキー南部軍司令官の発言を報道しました。ロシア軍は2014年クリミア併合の際に広範囲への電子攻撃を加え大きな戦果を挙げており、軍用通信を攪乱し携帯電話などの使用を強いることとなりました。
携帯電話などの民間インフラは妨害よりも欺瞞など攪乱行動に脆弱性を有しているため、ウクライナ軍行動の露呈や迷惑メールなどによりロシア軍砲兵のキルゾーンに誘致させ砲撃で殲滅されるなど大きな損耗を強いられてきました。現在のロシアウクライナ戦争ではロシア軍自身の無線機を妨害する為、電子戦が控えられたという背景もあります。
ムルマンスクBNという高さ100m以上の複数の可搬式アンテナを用いた電子妨害装置は半径数百kmの電子通信を妨害するとされ、NATOの海上データリンクシステムなどを無力化するために開発されました。ここまで行かずとも携帯式妨害装置は軍用以外の無人機には非常に大きな効果を発揮するため、電子戦の準備の重要性を示しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
防衛線があれだけ長いのですから何処かに間隙が有るのだと信じていましたが厳しい。日本の防衛に参考になる点を考えると戦線が多数となった場合に備えて師団数や退役した装備の予備保管は必要なのか、と。
ロシア軍が東部戦線において大規模攻撃を開始した、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日の戦況に関する発言において明らかにしました。これは8月4日付CNN報道などで配信されています。ゼレンスキー大統領によれば、戦闘が激しい前線地域はクピャンスク、リマン、バフムート、マリンカ、アウジーイウカ、即ち東部戦線全域です。
東部戦線での攻勢はウクライナ軍が優勢である南部戦線からウクライナ軍兵力を引き抜くための陽動であるとも考えられてきましたが、個の陽動と呼ばれた期間は既に七月いっぱい継続され八月になっても持続していることから、ロシア軍が東部地域での再攻勢を本格的に開始した可能性が出てきました。他方、南部戦線は概況が今一つつかめません。
南部戦線でのウクライナ軍前進は徐々に見通しが出ていますが、現実は当初期待されたよりもかなり遅く、これはロシア軍が大量に敷設した地雷原によるものです。この地雷原は同時に、ロシア軍が南部での再攻勢を計画する場合にも大きな障害となる可能性があります。南部ではこれ以上の戦果拡張をロシア軍が考えていないのか、現状は不明です。
■ロシア軍電子妨害
自衛隊は対空電子戦装置Ⅰ型を試験している最中ですが師団単位か連隊戦闘団単位か方面隊単位で薄く装備するのかどのように装備するかを考えてゆかなければなりません。
ウクライナ軍無人機はロシア軍電子妨害を受け運用が封じられている、7月27日付CNN報道としてウクライナ軍のオレクサンドルタルナフスキー南部軍司令官の発言を報道しました。ロシア軍は2014年クリミア併合の際に広範囲への電子攻撃を加え大きな戦果を挙げており、軍用通信を攪乱し携帯電話などの使用を強いることとなりました。
携帯電話などの民間インフラは妨害よりも欺瞞など攪乱行動に脆弱性を有しているため、ウクライナ軍行動の露呈や迷惑メールなどによりロシア軍砲兵のキルゾーンに誘致させ砲撃で殲滅されるなど大きな損耗を強いられてきました。現在のロシアウクライナ戦争ではロシア軍自身の無線機を妨害する為、電子戦が控えられたという背景もあります。
ムルマンスクBNという高さ100m以上の複数の可搬式アンテナを用いた電子妨害装置は半径数百kmの電子通信を妨害するとされ、NATOの海上データリンクシステムなどを無力化するために開発されました。ここまで行かずとも携帯式妨害装置は軍用以外の無人機には非常に大きな効果を発揮するため、電子戦の準備の重要性を示しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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