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大雨特別警報-山形県と新潟県に発令-東北北陸豪雨災害,温帯低気圧化した台風6号が大気の川を東北北陸に供給

2022-08-04 20:00:57 | 防災・災害派遣
厳重警戒-東北北陸豪雨災害
 大雨特別警報は既に解除されましたが豪雨災害が東北地方と北陸地方で広がっています。

 沖縄付近で先日発生した台風6号が温帯低気圧となったことで、大気の川を形成し大量の雨雲が供給され、3日に日本海から東北地方に伸びた前線に沿って熱帯低気圧が雨雲を供給、遥かに離れた東北地方において記録的な豪雨と水害を引き起しています。現在行方不明者は2名とのことですが、大規模な土砂災害が発生、被害の全容は把握できていません。

 大雨特別警報が3日に山形県に発令され、本日未明に新潟県にも発令、新潟県と山形県そして石川県を中心に記録的大雨となり、各地で河川の氾濫や土砂災害など大きな被害が出ているとのこと。既に新潟県と山形県では警察消防に対応できない被害が出ている事から自衛隊へ災害派遣要請が出されており、これを受け、自衛隊の派遣が開始されています。

 山形県では大江町において最上川が氾濫し住宅浸水の被害が出ています、山形県大江町の百目木地区と鹿子沢地区では越水により複数の住宅が浸水被害に見舞われ、山形県川西町では浸水地域に孤立により救助を求める通報があり消防が救助に向かっているとのこと。そして町内で橋梁崩落により軽自動車が転落する被害がありましたが死傷者はありません。

 山形県、飯豊町では住宅浸水により救助を求める通報が100件を超え、橋梁崩落もあった。崩落した橋梁は県道10号線沿いの大巻橋で通行中の自動車が流されたとの通報があったものの消防は継砲が夜間であり救助を断念、朝から救助開始を当初予定していましたが濁流の流れが激しく現場に近づけず目視で可能な範囲で捜索したが発見に至らなかったという。

 JRは米坂線の手ノ子羽前椿間の鉄橋が崩落、磐越西線でも阿賀川支流の濁川で鉄橋が崩落し、羽越本線の一部と米坂線及び磐越西線では運行が停止しています。鉄橋は損傷ではなく橋げたが崩落している為、復旧には時間を要する事が予想され特に赤字路線でもあることから厳しい状況となるのかもしれません。JRによれば東北新幹線は運行を再開しました。

 新潟県では、自衛隊に災害派遣要請が出され第30普通科連隊が出動中です。新発田地域広域消防本部の発表では村上市荒川地区の全域が浸水被害に遭い、関川村と胎内市において床上浸水や床下浸水が数百件あり、道路冠水や道路陥没数十か所が確認されている、そして土砂災害により村上市金屋は周辺全ての道路が埋まるか水に浸かり、孤立状態とのこと。

 石川県では小松市で時間雨量100mmという猛烈な雨が降り、山間部の地域で道路通行不能による孤立地域があることから、石川県は午後の災害対策本部会議にて孤立地域救出に関する災害派遣を要請しました。また小松市を流れる梯川で氾濫、埴田と鵜川町及び遊泉寺町の右岸付近で越水被害が確認、金沢市伏見川と白山市の手取川も氾濫水位に達している。

 石川県では県知事が県庁に登庁できない状況です、馳知事は公務の白山国定公園PR行事へ昨日から白山に登山中でしたが、情勢の悪化を受け今朝から下山を開始しました、山小屋を出て無事登山口まで下山しましたが、県道通行止めにより孤立地域に居り、随行の県職員とともに宿泊施設に避難しているとのこと。災害対策本部長の知事が孤立しています。

 福井県では福井市全域に避難指示が発令されました、これは9万9872世帯 26万5904名が対象となっていて、特に福井県でも線状降水帯が確認されていることから水害の危険性があります、ただ、これから夜間となる為危険な地域に居住している住民へ避難を呼びかけるべきなのでしょう、特に全住民を避難させる避難所、市内は勿論県内にもありません。

 山形県と新潟県、続いて石川県で行われています自衛隊による災害派遣は孤立者救助に重点が置かれています。なお、現在のところ氾濫河川はありますが、越水による浸水被害であり、より広範囲に浸水被害を及ぼす堤防決壊に至っていないことは僥倖でしょうか。なお、気象庁は今夜も雨量の強い状況が一部地域で続くため、警戒を呼び掛けています。

 防災について、先ずは平時から知る事が重要です。河川に関わらずハザードマップの確認なども必要でしょう、こういいますのも過去の鬼怒川堤防決壊常総市水害では決壊地点から10km以上先まで浸水しています、これは堤防を壊した水流が標高に沿って長距離を流れた為で、河川から距離があるといっても楽観要素にはならないのですね、確認が必要だ。

 豪雨災害は甚大な被害を引き起します、しかし一番恐ろしいのは地震や津波と火山や台風と違い、既に豪雨が始っている状態であっても普段の雨量と比較する事はあっても、これが越水や土砂崩れや内水氾濫など目に見える状況となるまで、社会の枠組みは救助や避難の為の休業などの措置を執り難く、気付いた時には既に被災地に居るということが、多い。

 避難については、事前避難の重要性や避難所への移動などは防災訓練では演練されるのですが、避難所開設は自治体住民の所掌である場合に深夜に避難所開設をする場合の難しさや、また避難の為の移動が内水氾濫等の状況では難しい場合もあります。そして避難中に道路浸水等と遭遇しても後続車や先行車に続いて進んでしまい引返せない事もありうる。

 避難経路とともに公共施設の確認、そして忘れてはならないのは鉄道高架や大規模商業施設は夜間に避難できない場合もあり、避難所として受け入れているか、一時避難所の中には立体駐車場以外の駐車場しか受け入れていない場合もあり、そもそも夜間無人の施設や浸水が予想される際には警備員含め避難する場合もあり、ハザードマップ確認も必要です。

 危機管理は個人がやり過ぎますと神経質と揶揄されるものです、丘陵地で無理な造成を行っていない地域や、中層以上のマンションであれば土砂災害や河川増水による水没の懸念などはないのですが、国土の七割が山岳で都市部を形成する平野部の大半が河川の土砂で形成されたという地皺に富んだ日本ではそうも参りません、防災は留意すべき命題です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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