■令和元年観艦式参加予定艦
令和元年観艦式中止は残念でした、このオタワも観艦式外国祝賀艦として参加予定であっただけに再開を期待していましたので残念です。

はるな型護衛艦、舞鶴に在った海上自衛隊最初のヘリコプター搭載護衛艦ですが、はるな型がHSS2を搭載しても、はるな型は大丈夫です、と完成させる事ができたのはベアトラップのお陰と言える。もっともカナダ海軍はより小型の艦にシーキングを搭載しました。

ハリファクス級、一番艦ハリファクス、二番艦バンクーバー、三番艦ヴィルドケベック、四番艦トロント、五番艦レジャイナ、六番艦カルガリー、七番艦モントリオール、八番艦フレデリクトン、九番艦ウィニペグ、十番艦シャロットタウン、十一番セントジョーンズ。

十二番艦オタワ、と都市名を冠しています。カナダの大都市がわかるありがたい名といいますか、カナダのフリゲイトを見たらばカナダ都市名をいえば確率は高い。1992年から1996年まで、むらさめ型護衛艦と同世代の艦が短期間で一挙に建造されたということ。

英連邦の一員であるカナダは第二次大戦中にもイギリスより巡洋艦を貸与され、フィジー級のウガンダ、スイフトシェア級のオンタリオを運用していましたが、建国以来戦艦を運用した歴史はありません。しかし戦後1972年からDDH,これを初めて導入した歴史がある。

ヘリコプター駆逐艦を運用した先駆者としてのカナダ海軍。イロコイ級駆逐艦は4隻建造、満載排水量4200tの駆逐艦でした。しかしベアトラップ着艦拘束装置の採用でシーキング対潜ヘリコプター2機を艦載機として運用、更に艦砲に5インチ砲も一門搭載していました。

はつゆき型と同程度の水上戦闘艦にこの航空機運用能力は凄い。1986年には5インチ砲を取り外しMk41VLSを搭載、ターターシステム艦に改造されました、かなり興味深い艦で一度見てみたかったのですが2017年に最後の一隻が除籍されていまして、残念でした。

カナダ海軍はハリファクス級とは別にDDHとして設計された四隻のイロコイ級を運用していました。最後の一隻が2017年に除籍されているのですが、DDHという呼称、ひゅうが型が望見できましたので、あれもDDHですよ,とちょっと異文化交流を試みたのですが。

DDHの重視、しかしこれは言い換えればカナダ海軍が対潜戦闘を重視していることの裏返しでもあります、ハリファクス級は巡洋艦ではありませんので、大きさ、そして搭載できるものにも限度、多機能の中でも特に秀でた性能を全ての分野に含めることはできません。

1960年代の第二次大戦型護衛駆逐艦後継構想、搭載出来る装備品は限られ、その選択肢の中でカナダ海軍が重視したのは対潜戦闘能力でした。サンローラン級護衛駆逐艦、イギリス供与の駆逐艦を置き換えたカナダ初の国産艦は対潜戦闘を重視した護衛駆逐艦でした。

サンローラン級護衛駆逐艦満載排水量は2600tですが、ベアトラップ着艦拘束装置の追加によりシーキングヘリコプターの運用能力を付与させた事で注目されます。サンローラン級7隻、改良型でヘリ非搭載のレスティゴーシュ級12隻、揃った数が量産されてゆきます。

マッケンジー級4隻は武装強化型の准同型艦、原型を大型化させヘリコプター整備性を強化したアナポリス級2隻、しかし、ミサイル時代にはいり潜水艦が対艦ミサイルを運用する時代にはいると何れも陳腐となり、思い切った大型艦で旧式艦を置き換える事とします。

ハリファクス級はこうして生まれました。対潜戦闘を重視するべくSQR-501戦術曳航ソナーの搭載と大型対潜ヘリコプターの搭載を第一とし、その上で対空戦闘や対水上戦闘にもバランスのとれた戦闘システムを構成する、ハリファクス級の設計哲学は以上の通りです。

オタワを一見しての通り、船体はステルス性を重視しているような形状となっていますが、どちらかといえばこれは北太平洋と北大西洋の厳しい環境に露天設備を局限化した結果、といえるのかもしれません。実際、艦橋構造等は通路が目抜き構造となっていまして。

北太平洋を航行中にこの目貫構造の通路でコインでも落としたらば、と若干心配になる構造ではありましたが、言い換えれば水がたまれば氷結し危険である、ということの裏返しなのでしょう。波浪もきつく、甲板を閉塞舷側構造とする設計はステルスよりも船として。

一方、今回の日本訪問は親善訪問が目的ですが、任務は北朝鮮の国連制裁違反である瀬取監視、このために12.7mm重機関銃を6丁、舷側や丈夫構造物に搭載していました。他方、アメリカ駆逐艦の様な銃座付近の防弾板陣地は無く、まだまだ平和な状況を想定している。

ゾディアック、と大書された複合高速艇、ゾディアックはこの種の搭載艇の有力メーカーですが、もう一つ、無人対水上標的が二隻搭載されていました。やはり親善訓練を行うため、という事なのでしょうか、それとも危ない不審船への臨検支援用なのでしょうか。

無人対水上標的は、用途を標的と強調されましたので、素朴な疑問は素朴な回答で終わったのですが、塗装は黒く、なんといいますか照準しにくい塗装のものに敢えて照準を行う訓練、という事なのでしょうか。これら併せて搭載艇は全部で4隻搭載している構図に。

カナダはカナダ統合軍として陸海空を統合運用しているため、正確にはカナダ統合軍海上部隊という公称なのですが、カナダ海軍の方が通りがよい。さてこの通りの良い名の海軍、カナダは海上保安庁や沿岸警備隊にあたる準軍隊の海上法執行機関がなく海軍が担います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
令和元年観艦式中止は残念でした、このオタワも観艦式外国祝賀艦として参加予定であっただけに再開を期待していましたので残念です。

はるな型護衛艦、舞鶴に在った海上自衛隊最初のヘリコプター搭載護衛艦ですが、はるな型がHSS2を搭載しても、はるな型は大丈夫です、と完成させる事ができたのはベアトラップのお陰と言える。もっともカナダ海軍はより小型の艦にシーキングを搭載しました。

ハリファクス級、一番艦ハリファクス、二番艦バンクーバー、三番艦ヴィルドケベック、四番艦トロント、五番艦レジャイナ、六番艦カルガリー、七番艦モントリオール、八番艦フレデリクトン、九番艦ウィニペグ、十番艦シャロットタウン、十一番セントジョーンズ。

十二番艦オタワ、と都市名を冠しています。カナダの大都市がわかるありがたい名といいますか、カナダのフリゲイトを見たらばカナダ都市名をいえば確率は高い。1992年から1996年まで、むらさめ型護衛艦と同世代の艦が短期間で一挙に建造されたということ。

英連邦の一員であるカナダは第二次大戦中にもイギリスより巡洋艦を貸与され、フィジー級のウガンダ、スイフトシェア級のオンタリオを運用していましたが、建国以来戦艦を運用した歴史はありません。しかし戦後1972年からDDH,これを初めて導入した歴史がある。

ヘリコプター駆逐艦を運用した先駆者としてのカナダ海軍。イロコイ級駆逐艦は4隻建造、満載排水量4200tの駆逐艦でした。しかしベアトラップ着艦拘束装置の採用でシーキング対潜ヘリコプター2機を艦載機として運用、更に艦砲に5インチ砲も一門搭載していました。

はつゆき型と同程度の水上戦闘艦にこの航空機運用能力は凄い。1986年には5インチ砲を取り外しMk41VLSを搭載、ターターシステム艦に改造されました、かなり興味深い艦で一度見てみたかったのですが2017年に最後の一隻が除籍されていまして、残念でした。

カナダ海軍はハリファクス級とは別にDDHとして設計された四隻のイロコイ級を運用していました。最後の一隻が2017年に除籍されているのですが、DDHという呼称、ひゅうが型が望見できましたので、あれもDDHですよ,とちょっと異文化交流を試みたのですが。

DDHの重視、しかしこれは言い換えればカナダ海軍が対潜戦闘を重視していることの裏返しでもあります、ハリファクス級は巡洋艦ではありませんので、大きさ、そして搭載できるものにも限度、多機能の中でも特に秀でた性能を全ての分野に含めることはできません。

1960年代の第二次大戦型護衛駆逐艦後継構想、搭載出来る装備品は限られ、その選択肢の中でカナダ海軍が重視したのは対潜戦闘能力でした。サンローラン級護衛駆逐艦、イギリス供与の駆逐艦を置き換えたカナダ初の国産艦は対潜戦闘を重視した護衛駆逐艦でした。

サンローラン級護衛駆逐艦満載排水量は2600tですが、ベアトラップ着艦拘束装置の追加によりシーキングヘリコプターの運用能力を付与させた事で注目されます。サンローラン級7隻、改良型でヘリ非搭載のレスティゴーシュ級12隻、揃った数が量産されてゆきます。

マッケンジー級4隻は武装強化型の准同型艦、原型を大型化させヘリコプター整備性を強化したアナポリス級2隻、しかし、ミサイル時代にはいり潜水艦が対艦ミサイルを運用する時代にはいると何れも陳腐となり、思い切った大型艦で旧式艦を置き換える事とします。

ハリファクス級はこうして生まれました。対潜戦闘を重視するべくSQR-501戦術曳航ソナーの搭載と大型対潜ヘリコプターの搭載を第一とし、その上で対空戦闘や対水上戦闘にもバランスのとれた戦闘システムを構成する、ハリファクス級の設計哲学は以上の通りです。

オタワを一見しての通り、船体はステルス性を重視しているような形状となっていますが、どちらかといえばこれは北太平洋と北大西洋の厳しい環境に露天設備を局限化した結果、といえるのかもしれません。実際、艦橋構造等は通路が目抜き構造となっていまして。

北太平洋を航行中にこの目貫構造の通路でコインでも落としたらば、と若干心配になる構造ではありましたが、言い換えれば水がたまれば氷結し危険である、ということの裏返しなのでしょう。波浪もきつく、甲板を閉塞舷側構造とする設計はステルスよりも船として。

一方、今回の日本訪問は親善訪問が目的ですが、任務は北朝鮮の国連制裁違反である瀬取監視、このために12.7mm重機関銃を6丁、舷側や丈夫構造物に搭載していました。他方、アメリカ駆逐艦の様な銃座付近の防弾板陣地は無く、まだまだ平和な状況を想定している。

ゾディアック、と大書された複合高速艇、ゾディアックはこの種の搭載艇の有力メーカーですが、もう一つ、無人対水上標的が二隻搭載されていました。やはり親善訓練を行うため、という事なのでしょうか、それとも危ない不審船への臨検支援用なのでしょうか。

無人対水上標的は、用途を標的と強調されましたので、素朴な疑問は素朴な回答で終わったのですが、塗装は黒く、なんといいますか照準しにくい塗装のものに敢えて照準を行う訓練、という事なのでしょうか。これら併せて搭載艇は全部で4隻搭載している構図に。

カナダはカナダ統合軍として陸海空を統合運用しているため、正確にはカナダ統合軍海上部隊という公称なのですが、カナダ海軍の方が通りがよい。さてこの通りの良い名の海軍、カナダは海上保安庁や沿岸警備隊にあたる準軍隊の海上法執行機関がなく海軍が担います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)