■横須賀基地のオランダ艦
日本とオランダの関係は江戸時代の長崎出島まで遡るものですが、コロナ禍下の横須賀基地にハンサムなオランダ艦が来航しました。
ヴェルニー公園を一望するJR横須賀駅前、横須賀基地といえばCOVID-19拡大前には挨拶のように散策していました街です故に、これは本当に久し振りだと異国情緒さえ感じるような印象で電車を降りて駅への長いホームを歩み進めましたが、駅前は異国そのもの。
エヴァーツエン。オランダ海軍が誇るデーゼンヴェンプロヴィンシュタイン級ミサイルフリゲイトです。デーゼンヴェンプロヴィンシュタイン級、昔は艦名を覚えるのに苦労しましたが、いったん覚えてしまうと、名前は世界史にもでてきます艦名ですので忘れにくい。
クイーンエリザベス空母戦闘群の一員としてヨーロッパよりはるばると日本間で派遣されてきましたミサイルフリゲイトです。こんな一隻が居ますと異国情緒もすごい、というものでしょうか、対岸には初来日のイギリス海軍空母クイーンエリザベスも停泊しています。
ハンサムな水上戦闘艦、一見した印象はこれにつきるのです。元々の設計が防空指揮艦といいますので、昔のトロンプ級ミサイル駆逐艦のような旗艦的な運用を念頭に設計した反映なのでしょうが、無駄はないものの必要な設備、あれば便利な設備が巧く並ぶ様子が。
トロンプ級は巨大な三次元レーダーを収めたドームが上部構造物の最上部に鎮座していまして、強烈な印象を受けたものです。しかし発想は同じなのか、三次元レーダーはAESAレーダー方式となりまして、やはりマストの最上段の形状、SPY-1のイージス艦とは違う。
イージス艦はレーダー周波数帯を画定する際に近距離中距離よりも遠距離を索敵する、防空中枢艦としては一見当然に思われるものの、防空をかい潜られたものよりも潜らせない防空を重視するためにシステムが大型化し、艦橋構造物に一体化する構造です。一方で。
APARについてはアンテナ部分が軽量で、それでも250kmの索敵能力を有する、その軽量なアンテナをマストの先端という、見通し線がもっとも長い距離を稼ぐことが可能な位置に配置するという、これも防空艦ならではの設計の極致、という固有の発想に基づきます。
デーゼンヴェンプロヴィンシュタイン級は、そしてステルス設計をかなり重視しているものの、上部構造物間の通路を空中回廊のように配置するなど、これは考えれば、乗員は面倒でも船体を迂回すれば良いという間工学の認識を排した点に好感度があるのですね。
防空指揮艦、もちろんこれには指揮する艦隊があってしかるべきですが、現在のオランダ海軍戦力では、艦隊と呼べるものを常設する規模には達していません、スラバヤ沖海戦やバタビア沖海戦の頃とは違う、しかしNATOの艦隊を指揮することは考えたものという。
トロンプ級ミサイル駆逐艦、思い出すのは1998年のユーゴ空爆の際にNATO旗艦として地中海に派遣されましたが、アメリカ艦隊の旗艦がマウントホイットニー、ドック型揚陸艦を改造した巨大な通信能力を有する指揮艦であったために、苦労したことがありました。
マウントホイットニーの通信能力はトロンプ級の33倍を常時接続するものでしたので、データリンクを結んだ50秒後にトロンプの通信能力がオーバーフリーズしてしまい、旗艦としての用途を担えなかった、という椿事がありました、無論、NATO空爆の実戦中に、だ。
たちかぜ。海上自衛隊も同時期に護衛艦隊旗艦を護衛艦むらくも、からミサイル護衛艦たちかぜ、に交代させていましたが、トロンプ、たちかぜ、ともにターターシステム搭載の艦隊防空艦、考えれば旗艦を後に自衛隊でも陸上施設へと、移すことになるのですが、ね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
日本とオランダの関係は江戸時代の長崎出島まで遡るものですが、コロナ禍下の横須賀基地にハンサムなオランダ艦が来航しました。
ヴェルニー公園を一望するJR横須賀駅前、横須賀基地といえばCOVID-19拡大前には挨拶のように散策していました街です故に、これは本当に久し振りだと異国情緒さえ感じるような印象で電車を降りて駅への長いホームを歩み進めましたが、駅前は異国そのもの。
エヴァーツエン。オランダ海軍が誇るデーゼンヴェンプロヴィンシュタイン級ミサイルフリゲイトです。デーゼンヴェンプロヴィンシュタイン級、昔は艦名を覚えるのに苦労しましたが、いったん覚えてしまうと、名前は世界史にもでてきます艦名ですので忘れにくい。
クイーンエリザベス空母戦闘群の一員としてヨーロッパよりはるばると日本間で派遣されてきましたミサイルフリゲイトです。こんな一隻が居ますと異国情緒もすごい、というものでしょうか、対岸には初来日のイギリス海軍空母クイーンエリザベスも停泊しています。
ハンサムな水上戦闘艦、一見した印象はこれにつきるのです。元々の設計が防空指揮艦といいますので、昔のトロンプ級ミサイル駆逐艦のような旗艦的な運用を念頭に設計した反映なのでしょうが、無駄はないものの必要な設備、あれば便利な設備が巧く並ぶ様子が。
トロンプ級は巨大な三次元レーダーを収めたドームが上部構造物の最上部に鎮座していまして、強烈な印象を受けたものです。しかし発想は同じなのか、三次元レーダーはAESAレーダー方式となりまして、やはりマストの最上段の形状、SPY-1のイージス艦とは違う。
イージス艦はレーダー周波数帯を画定する際に近距離中距離よりも遠距離を索敵する、防空中枢艦としては一見当然に思われるものの、防空をかい潜られたものよりも潜らせない防空を重視するためにシステムが大型化し、艦橋構造物に一体化する構造です。一方で。
APARについてはアンテナ部分が軽量で、それでも250kmの索敵能力を有する、その軽量なアンテナをマストの先端という、見通し線がもっとも長い距離を稼ぐことが可能な位置に配置するという、これも防空艦ならではの設計の極致、という固有の発想に基づきます。
デーゼンヴェンプロヴィンシュタイン級は、そしてステルス設計をかなり重視しているものの、上部構造物間の通路を空中回廊のように配置するなど、これは考えれば、乗員は面倒でも船体を迂回すれば良いという間工学の認識を排した点に好感度があるのですね。
防空指揮艦、もちろんこれには指揮する艦隊があってしかるべきですが、現在のオランダ海軍戦力では、艦隊と呼べるものを常設する規模には達していません、スラバヤ沖海戦やバタビア沖海戦の頃とは違う、しかしNATOの艦隊を指揮することは考えたものという。
トロンプ級ミサイル駆逐艦、思い出すのは1998年のユーゴ空爆の際にNATO旗艦として地中海に派遣されましたが、アメリカ艦隊の旗艦がマウントホイットニー、ドック型揚陸艦を改造した巨大な通信能力を有する指揮艦であったために、苦労したことがありました。
マウントホイットニーの通信能力はトロンプ級の33倍を常時接続するものでしたので、データリンクを結んだ50秒後にトロンプの通信能力がオーバーフリーズしてしまい、旗艦としての用途を担えなかった、という椿事がありました、無論、NATO空爆の実戦中に、だ。
たちかぜ。海上自衛隊も同時期に護衛艦隊旗艦を護衛艦むらくも、からミサイル護衛艦たちかぜ、に交代させていましたが、トロンプ、たちかぜ、ともにターターシステム搭載の艦隊防空艦、考えれば旗艦を後に自衛隊でも陸上施設へと、移すことになるのですが、ね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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