北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】第4施設団52周年大久保駐屯地祭【3】師団施設大隊の観閲行進(2013-05-26)

2017-09-10 20:05:46 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■第3師団・中部方面混成団
 大久保駐屯地には第3師団隷下部隊と中部方面混成団隷下部隊も駐屯しています、第4施設団の隷下部隊と共にその観閲行進も始まりました。

 大久保駐屯地は第4施設団と第3施設大隊の駐屯地です。第4施設団、中部方面隊隷下の建設工兵です。第3施設大隊、第3師団隷下の戦闘工兵です。同じ施設科部隊ですが、戦闘工兵と建設工兵ではその任務が多少違います。ただ野戦特科と高射特科程は違わない。

 施設科部隊、工兵部隊は戦場の主役といっても過言ではありません。少なくとも普通科部隊は施設科部隊の支援が無ければ陣地構築から敵陣地攻略が難しくなりますし、戦車部隊も特科部隊も掩砲所等の陣地構築には自隊施設作業班だけでは達成できない任務が多い。

 工兵は中世ヨーロッパでは城塞攻略の主兵という位置づけにあり、具体的には王侯貴族を相手に直接降伏を談判する最終局面では野戦陣地ではなく永久築城の城塞を攻略する事が不可欠でした。そして、城塞攻略には工兵の存在が無ければ包囲戦のみとなってしまう。

 日本の名城百選や城郭探訪を扱うTV番組は多々あり、日本の城塞の入り組んだ形状が如何に外敵の侵入を抑え、防御を達成するかが紹介される番組構成のものが多いのですが、工兵が城塞を攻撃する際、城壁と郭を直接破壊する事で攻撃の主導権を握る事が出来ます。

 城塞攻略、工兵部隊が近現代軍隊にて地位を得るまでの戦史、長々と紹介しますと時間を要しますので現代の工兵部隊、建設工兵と戦闘工兵部隊について少し視てみましょう。工兵の任務は、障害構成、築城、渡河、障害処理、道路補修維持、架橋、施設建設、など。

 障害構成、師団施設や旅団施設等の戦闘工兵が実施するとともに、今日では方面隊施設の建設工兵が実施する任務です。障害とは防御陣地の前地戦闘等を担う陣地の外郭部分で、鉄条網や地雷原と対戦車壕や建築物に樹木や地形の造成等により敵接近を阻害するもの。

 戦闘工兵の任務としての障害構成は、防御戦闘における要諦となるほか、戦闘に際する撤退時の遅滞戦闘を強化し、また戦闘に敵を撃破した際の陣地奪還に際しての防御強化等重要な位置づけにあります。勿論、この際に敵歩兵と近接戦闘を展開する事は十分あり得る。

 築城、塹壕構築や特火点の建築に戦車や野砲を防護する掩砲所か掩蔽壕の構築、防御戦闘の要というべき任務を補強するのが施設科部隊です。現代戦闘において築城の意義を疑問視する方も多寡は別として有無は有り得るやもしれませんが地形防御の補強は鉄則の一つ。

 野戦築城と永久築城とに築城は分かれるのですが、自衛隊では主として野戦築城を戦術研究の主眼に置いている一方、永久築城に関する基本研究などが疎かになっていなかった、と云う事は自衛隊のイラク派遣に際するサマーワ宿営地建設等で最大限発揮されたもよう。

 渡河、地形障害の筆頭の一つに挙げられる河川を突破する事を云います。渡河は基本として敵前渡河を想定するものが多く、即ち河川は戦術上意義のある地形障害故に渡河部隊等を防御する戦術配置が基本となっており渡河中砲撃や航空攻撃に近接戦闘を想定するため。

 敵前渡河等は戦闘工兵部隊困難な任務の筆頭に挙げられるものですが、架橋装備や艀等を用いた応急架橋、舟艇を用いた小規模な渡河等を重ね、橋頭堡と橋頭堡を組み合わせ部隊を対岸に送ります。勿論、渡河点は敵の優先目標ですので渡河完了後の撤収は極めて早い。

 障害処理、敵が敷設した地雷原や対戦車壕に倒木や特火点等の防御物を処理する任務が障害処理です。何も準備せず敵防御陣地へ戦車隊を突入させれば障害物で停止した瞬間を対戦車火器で、白兵突撃を実施すれば装甲化部隊でも大損害を被る為、障害処理は重要です。

 攻撃に先立つ障害処理は小銃と銃剣を駆使する近接戦闘部隊の筆頭、普通科部隊の攻撃に先駆け、地雷原の位置把握や梱包爆薬と爆導索を駆使しての障害物や地雷原爆破処理等を担い、目の前に敵が現れれば施設科隊員が小銃と銃剣で始末する、極めて過酷な任務です。

 戦闘工兵の任務は以上、障害構成、築城、渡河、障害処理、というものでこの任務は近接戦闘部隊と重なる部分です。施設科を戦闘支援部隊と区分する訳ですが、相手から見れば普通科や機甲科部隊の先頭を前進する施設科部隊は、戦闘部隊そのものといえましょう。

 実際、戦闘工兵部隊は最後の予備兵力として師団や連隊戦闘団の予備隊という位置づけにもあてられることもあります。特に障害処理に用いる爆薬は特科部隊の砲弾に込められる爆薬よりも遥かに多く、対戦車地雷は一発で戦車を行動不能に陥れる。能力は侮れない。

 建設工兵は後方で、というわけではありません。現代戦闘は総力戦、兵站維持が作戦能力の要であり、輸送力と集積力、適宜適量の補給基盤と重装備から電装品に小火器に至るまでの整備や衛生基盤の維持、情報通信常続が求められ、この最初の基盤は施設科が創る。

 道路補修維持、戦闘支援における需要な任務は後方連絡線の維持です。第一線への普及物資が無ければ基本的に事前集積品頼りとなりますし戦力回復も後方連絡線頼りとなります。通常の建設工機に依存する任務ではありますが、砲兵攪乱射撃等想定しなければならない。

 師団主後方連絡線を維持する場合、施設小隊1個に器材小隊の建機増加支援を加えた場合15kmから20kmの後方連絡線維持が可能です。無論、主後方連絡線である為に複数の連絡線構築が必要とはなりますが、この能力が例えば震災や豪雪災害にも応用されている訳だ。

 架橋、建設工兵の重要な任務です。渡河任務と重複するように見えますが全く別もので、渡河任務は戦闘行動の一環として行われるもので、攻撃目標となる為に任務完了後速やかに撤収しなければなりません。しかし架橋は補給部隊の常続的連絡線としての任務をもつ。

 特に渡河任務と異なり架橋は持続性が需要視されるため、那珂川や木曽川等の川幅の長大な大河へも架橋が必要となり、師団施設や旅団施設の戦闘工兵部隊よりも器材が大型化します。通行車両数も多く、この為、綿密な測量と連絡線との連接性も配慮せねばならない。

 施設建設、駐屯地や車両デポ等の建設を行い野外集積地や野戦整備工場建設等もこの施設建設に含まれます。デポ等は一箇所区で対応できるものではありませんし、一カ所に集積し航空攻撃や迂回攻撃を受けた場合の損害は計り知れませんので当然、分散配置されます。

 施設建設は後方に配置され、更にデポや集積地等は連絡線等通路で結ばれますし、その途中に架線があれば架橋し連絡線を確たるものとします。施設建設は応急か恒久の違いはあれ建設会社に近く、この建機を駆使し任務に当る事から建設工兵と呼ばれる所以ですね。

 国際貢献任務において自衛隊は1992年のカンボジア派遣を契機として確たる地位を構築する事が出来ましたが、その任務は建設工兵としての能力が、カンボジアPKO、国連カンボジア活動UNTACから導入された国家再建などのインフラ整備任務需要と重なった為です。

 PKO任務は近年、その役割の拡大に合わせて国家再建などの任務に加え、紛争地域への展開による文民保護という地域防護任務が求められ、我が国としては派遣の主力は建設工兵部隊である為、需要は完全に合致しませんが、インフラ整備能力は高く評価されています。

北大路機関:はるな くらま
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【くらま】日本DDH物語 《第二三回》米海軍エセックス級対潜空母の中古取得への関心

2017-09-09 20:00:23 | 先端軍事テクノロジー
■エセックス級とHSS-2/S-2
 海上防衛、着実な防衛力整備とともにそれ以上の度合いで増大する脅威へ、アメリカから中古空母導入を求める声が内外より在りました。

 第二次防衛力整備計画において海上自衛隊は着実な防衛力整備を進める一方、23000t型対潜空母構想等、幾つかの国産航空母艦導入への研究が進められたのは前述のとおりですが、海上自衛隊ではアメリカ海軍が第二次世界大戦中に大量建造した大型空母エセックス級の供与を受ける可能性が研究されたという。当時は中古空母が世界中に輸出された時期です。

 第一次防衛力整備鋭角当時、海上自衛隊は沿岸対潜哨戒任務に充てるべくS-2艦上対潜哨戒機をアメリカより導入しましたが、この際に運用研修を行ったのはエセックス級空母の対潜空母プリンストンで、海上自衛官による発着艦訓練も実施しています。回転翼航空機を除けば、海上自衛官が実際に空母へ発着艦を行ったのは極めて異例といえるでしょう。

 S-2艦上対潜哨戒機の導入を敢えて対潜空母艦上において実施した背景には、将来の艦上での対潜哨戒機運用を念頭としていたとも考えられています。海上自衛隊の前身である海上警備隊当時には基準排水量7800tのボーグ級護衛空母をアメリカより供与をうける構想があり、実際に海上自衛隊発足後には当時の長澤浩海幕長が護衛空母の視察を行いました。

 エセックス級対潜空母の供与打診への研究はボーグ級護衛空母に続くアメリカからの供与打診となりますが、これには一つの根拠がありました。それはアメリカ海軍が第二次世界大戦中に大量生産したエセックス級空母が当時としては大型であったものの、戦後のジェット機時代の到来と共に船体規模が不充分となり、より大型の空母が建造されてゆきます。

 エセックス,ヨークタウン,イントレピッド,ホーネット,フランクリン,タイコンデロガ,ランドルフ,レキシントン,バンカーヒル,ワスプ,ハンコック,ベニントン,ボクサー,ボノムリシャール,レイテ,キアサージ,オリスカニー,アンティータム,プリンストン,シャングリラ,レイクシャンプレイン,タラワ,ヴァリーフォージ,フィリピンシー,エセックス級の数は本当に多い。

 基準排水量27000tという航空母艦を太平洋戦争開戦後にこれだけ量産し、並行して護衛空母を100隻以上と巡洋艦に駆逐艦に潜水艦に揚陸艦に輸送船と戦艦まで量産したアメリカを相手に、日本はよくぞ4年近く戦い抜いたと思いつつ、エセックス級空母は近代化改修により基準排水量33000tへ増大、戦後のジェット機時代へも部分的に対応してゆきました。

 SCB-125改修と呼ばれる近代化改修により、エセックス級は艦首部分が閉鎖型全通飛行甲板となり、イギリスが開発した短距離発艦用の蒸気カタパルトと発艦と着艦を同時並行するアングルドデッキ構造へ改修しました。この近代化改修によりエセックス級は練習空母として1991年まで現役に留まる事となりました。一部は強襲揚陸艦へも改修されています。

 海上自衛隊は1960年代に入りアメリカ海軍において除籍が始まったエセックス級に注目したものと考えられますが、しかしその実現は難しかったかもしれません。こういうのも、エセックス級の乗員数は3200名と多く、海上自衛隊の規模では一隻で全隊員の一割以上を必要とする事になるばかりか、艦載機100機以上を搭載出来る能力も過剰と云えました。

 S-2艦上対潜哨戒機とHSS-2ヘリコプターを海上自衛隊中から掻き集めても、エセックス級は大型過ぎます。当時は第二次大戦型航空母艦が南米やオセアニア諸国等へ輸出されていましたが、20000t以下の空母が基本で、エセックス級のような大型艦供与の実例はありません。こうした研究の一方、ヘリコプター搭載護衛艦という研究が並行されていました。

北大路機関:はるな くらま
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平成二十九年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2017.09.09/09.10)

2017-09-08 20:07:35 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 北朝鮮情勢の緊迫化と太陽表面爆発の電磁波影響が懸念される中、皆様いかがお過ごしでしょうか、今週末行事の紹介です。

 三沢基地航空祭、北部航空方面隊司令部が置かれる北日本防空の最重要基地の航空祭です。来年度予算概算要求に初のF-35飛行隊として第302飛行隊が百里基地より移駐する事が発表され、現在の第3航空団編成では最後の航空祭となります。三沢基地はアメリカ空軍第35戦闘航空団やE-2C早期警戒機運用の空中警戒管制部隊も展開、様々な展示が連続です。

 三沢基地へは第三セクター鉄道である青い森鉄道三沢駅より臨時バスの運行が予定され、三沢市内には宿泊施設が限られている事から青森市を含め周辺都市より多数来場者で賑わう航空祭です。F-2,E-2C,F-16の基地ですが、外来機が凄く、ほぼ三沢基地以外日本では参加しないB-52戦略爆撃機やB-1B戦略爆撃機、RQ-4無人偵察機等過去には参加しました。

 木更津駐屯地創設49周年・第45回木更津航空祭、千葉県木更津の第1ヘリコプター団や第4対戦車ヘリコプター隊が駐屯する陸上自衛隊の飛行場施設です。CH-47J/JA輸送ヘリコプターだけで30機以上が配備され、70機以上のヘリコプターや固定翼航空機が配備される陸上自衛隊最大規模の航空部隊駐屯地です、特に秋空の大編隊が一番の見どころでしょう。

 第5施設団創設56周年小郡駐屯地祭、西部方面隊の方面隊直轄の建設工兵部隊で、隷下に小郡駐屯地第9施設群と飯塚駐屯地第2施設群、第103施設器材隊や第303水際障害中隊及び第305ダンプ車両中隊が置かれています。重架橋器材など方面隊施設部隊以外観られない装備があり、また、75式装甲ドーザや92式地雷原処理車等も集中装備されています。

 竹松駐屯地創設65周年記念行事、第7高射特科群が駐屯する陸上自衛隊の駐屯地です。第7高射特科群は飯塚駐屯地の第2高射特科団隷下部隊ですが特筆すべきはホーク改善Ⅲ型地対空誘導弾を配備しており、訓練展示ではホークミサイル3連装発射装置が4基並び、仮設敵接近方向へ向けてホークミサイルが一斉に指向する迫力の展示が観られる点でしょう。

 函館駐屯地創設67周年記念行事、ミグ25函館亡命事件40周年として昨年検証報道番組にて有名となった第28普通科連隊の函館駐屯地です。第11旅団隷下の普通科連隊で、1976年にソ連最新鋭超音速戦闘機MiG-25が突如函館空港へ強行着陸し操縦士が亡命を申請、ソ連軍特殊部隊がMiG-25奪還へ強襲するとの情報に基づき臨戦態勢を執った精鋭部隊です。

 標津分屯地創設60周年記念行事、第302沿岸監視隊の分屯地です。第302沿岸監視隊は北部方面情報隊隷下の沿岸監視部隊で根室海峡の警戒監視を主任務とし、羅臼分室と併せ北方領土のロシア軍部隊が北海道へ侵攻する徴候を警戒します。沿岸監視部隊、展示は全く想像がつきませんが、高倍率望遠鏡や暗視装置、沿岸監視レーダー等を装備する部隊です。

 レーダーサイト行事では、三重県の第1警戒群笠取山分屯基地開庁60周年記念行事、島根県の第7警戒隊が展開する高尾山分屯基地開庁61周年記念行事、長崎県五島市の第15警戒隊が展開する福江島分屯基地開庁63周年記念行事、と今週末は三箇所で一般公開が行われます。外来機による飛行展示や施設見学に装備品展示など、分屯基地より個性が表れる。

 さて撮影の話題、自衛隊関連行事撮影へ展開する婆愛に、自衛隊駐屯地は郊外や緑あふれる場所にあることもおおく、より簡単にいうならば交通難所に位置している事例も多くあります。すると交通手段が地元の方の主流の自動車で展開するか、バスなどに限られてしまうのですが、バスの本数も京都市バス205系統や12系統のようにどんどこやってくるとは限りません。

 自衛隊駐屯地近くの観光、という自衛隊行事に留まらない散策は、長すぎるバスの待ち時間や行事終了後一番混雑する時間帯を帰る人たちが一通り帰路に就いた後にバスを利用できるよう、時間をあける、という意味でも重要です。待ち時間削減は疲労度を緩和してくれますので、早く帰宅して休むよりも帰宅にかかる疲労度を抑える、という意味ですね。

 駐屯地周辺の観光地、といいますと隊員さんに聞いてみる、というのも一つの手ですが、駐屯地の曹友会が運営するホームページなどに周辺観光の情報があったりします、遠方から家族が遊びに来た単身赴任のかたや、転属先の観光地などの情報を紹介する、という意味での情報ですが、これは中々情報量が多く、一度ご覧になってみてはどうでしょうか。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・9月9日:標津分屯地創設60周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/5d/01_unit/butai/06_shibetu.html
・9月10日:函館駐屯地創設67周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/11d/jgsdf-post/images/hakodate/
・9月10日:三沢基地航空祭2017…http://www.mod.go.jp/asdf/misawa/
・9月10日:第45回木更津航空祭…http://www.mod.go.jp/gsdf/crf/heridan/
・9月9日:笠取山分屯基地開庁60周年記念行事…http://www.mod.go.jp/asdf/kasatoriyama/
・9月10日:高尾山分屯基地開庁61周年記念行事…http://www.mod.go.jp/asdf/wacw/html/force.html
・9月9日:第5施設団創設56周年小郡駐屯地祭…http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/link/5ebhp/bugaihp1.html
・9月10日:福江島分屯基地開庁63周年記念行事…http://www.mod.go.jp/asdf/wacw/html/force.html
・9月9日:竹松駐屯地創設65周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/link/takematsu/index.htm

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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イージスアショア導入へ疑問(4):THAAD部隊緊急展開要請とOJT方式教育並行緊急取得案

2017-09-07 23:59:53 | 先端軍事テクノロジー
■THAAD部隊展開と緊急調達
 イージスアショアの場合は時間を要するという問題を前回に提示しました。

 北朝鮮の弾道ミサイル部隊発射試験準備へミサイル部隊が平壌近郊を移動しているとの情報と共に、自衛隊の出雲駐屯地や海田市駐屯地、松山駐屯地と高知駐屯地へのPAC-3部隊展開は継続されています。これは以前より予告のグアム方面への発射実験に備えるものですが、加えて3日の核実験は従来より急ぎ迎撃態勢整備が求められるようなってきました。

 THAAD,日本が緊急に弾道ミサイル防衛システムを取得する場合、このアメリカ陸軍防空砲兵部隊が運用する終末段階高高度迎撃用ミサイルの取得が、方法によっては最も早く整備できる可能性があります。これは日米間で緊急取得への交渉を行い、米陸軍装備品を陸軍防空砲兵部隊の日本展開と、OJT方式での自衛隊要員教育を経て譲渡する、というもの。

 在日米軍へTHAADを配備しつつ、米陸軍防空砲兵要員の指導下に自衛隊のTHAAD運用準備隊要員を派遣し、実際に日本本土ミサイル防衛を実行しつつ、運用手順の教導を受け、一定水準以上に演練すると同時に教導から協同運用へ移行、その後に日本展開THAADシステム一式を有償軍事供与の形でアメリカより買取り、自衛隊が運用するという提案です。

 アメリカ陸軍第11防空砲兵旅団第4防空砲兵連隊第4大隊へ最初のTHAADミサイルが配備されたのが2009年、この後に技術研究と運用研究を重ねていますが、このTHAADというミサイル自体が既に陸軍配備から8年を経ている装備という点です。即ち、米陸軍でのTHAAD運用経験者に層が形成され、OJT方式で日本に配備しつつ教育を行う余裕はある。

 在韓米軍第35防空砲兵旅団へ第11防空砲兵旅団第2防空砲兵連隊よりTHAAD部隊が展開していますが、理想としては在韓米軍方式で第五空軍及び国連軍広報司令部の置かれる首都圏近郊の日米共用横田基地へTHAAD部隊の展開を要請、地形上レーダーの設置には余地がありますが、横田に展開する事で首都圏と東北南部、東海地方東部を防護できます。

 京阪神中京地区は、既にTHAADレーダー部分にあたるXバンドレーダーAN/TRY-2が配備される京都の経ヶ岬分屯基地へ米陸軍部隊の展開を要請する事で達成可能です。大都市からは若干距離がありますが、防空範囲は250kmと充分圏内であり、更に死活的に重要な若狭湾原子力発電所集中地域をミサイル攻撃から防護するには最適の位置と云えましょう。

 1250億円を要し、2箇所に配置するだけで2500億円を要し、日本全土を防衛するには5箇所に分けねばならないTHAADですが、ミサイル防衛装備としては理想的な装備です。移動式ですのでTHAADシステム本体が飽和攻撃の標的とされた場合には移動が可能で、ゲリラコマンドー対処の面からも有利、動く事が出来ないイージスアショアと対照的です。

 AN/TRY-2の最大2000km以遠のミサイルを検知するという強力なレーダー波が環境面へ影響を及ぼすと韓国では配備へ根強い反対がありましたが、THAADの日本における優位性は、既に前述の経ヶ岬分屯基地と青森県の車力分屯基地へAN/TRY-2が配備され、車力分屯基地での運用は2006年に開始され11年以上を経るも、健康被害の報道はありません。

 イージスアショアと比較したばあい、THAADは射程面で限界があり、更に弾道ミサイル迎撃専用である事から発射装置そのものに現在のところ汎用性がなく対航空機用へ応用する事は出来ません。しかし、終末段階の迎撃専用という部分で中間段階を迎撃するイージスアショアのスタンダードSM-3よりも確実な防護が可能であり、何よりも米陸軍の既存装備緊急取得を要請する場合、C-17輸送機へ搭載したならば、横田基地等へ直接即座に配備できるという点は大きな利点と云えましょう。

北大路機関:はるな くらま
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イージスアショア導入へ疑問(3):米イージス巡洋艦タイコンデロガ級緊急貸与要請の提案

2017-09-06 23:24:31 | 先端軍事テクノロジー
■イージスアショア建設年数
 イージスアショア導入へ疑問、その所用期間についての視点です、建設を来年度予算に盛り込み、いつから稼働できるか、ということ。

 イージスアショア、運用するスタンダードSM-3迎撃範囲は1100kmに達します。弾道ミサイルの中間段階を迎撃し、現在の終末段階を担うペトリオットミサイルPAC-3の射程が20kmしかなく迎撃範囲が非常に限られ、改良型のペトリオットPAC-3-MSEを導入した場合でも迎撃範囲は30kmとなり、とてもではありませんが日本全土の防空は不可能です。

 ミサイル防衛ですが、極めて切迫し、この能力を強化しなければなりません。そして弾道ミサイルを迎撃する事が自衛隊にできるかという認識、この能力が国民の一般的な理解として十分機能すると判断されるならば、北朝鮮核戦力による威嚇や恫喝を前にしての安易な日本核保有論や国家主権を核恫喝を前に捻じ曲げられる状況を回避する事が出来ます。

 北朝鮮が3日に実施した六度目の核実験は引き起こした核爆発は120ktとされ、落下した場合は爆心地から15km圏内に致命的被害が生じ、大都市中心部に布陣したペトリオットPAC-3の射程圏外に落下した場合でも、その被害は看過できないものとなるでしょう。そして北朝鮮は更なる強力な核戦力の実用化を目指しており、現状は脅威の最大値ではない。

 しかし、イージスアショアを来年度予算として事項要求が通った場合でも、新年度から用地選定を開始し、SPY-1レーダーの警戒範囲や配置周辺住民への協力要請、アメリカへのイージスシステム発注と建設は、どれだけ早くとも来年度着手では運用開始は2022年以降となってしまうでしょう。それまで、ミサイル脅威へ現行体制で対応できるのでしょうか。

 タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦やアーレイバーク級ミサイル駆逐艦の緊急貸与や、中古譲渡をアメリカ政府に対し緊急に検討する、その為の予算は来年度予算概算要求を待つのではなく補正予算を緊急に計上し、迅速に緊急調達する、とり急ぎミサイル防衛力を整備するには新装備調達よりも、中古品の緊急調達という選択肢を検討すべきかもしれません。

 アーレイバーク級であれタイコンデロガ級であれ、日本にはイージスシステムの運用基盤はあっても、アメリカ製艦船の運用基盤はありません。また、電子戦装置はじめ様々な米海軍仕様装備をそのまま自衛隊に譲渡する訳にはいかず、日本仕様へと換装する必要が生じる事は確かで、またイージスシステムの初期ベースラインはミサイル防衛に対応しない。

 それでも、イージスアショアを新規に建設するよりは中古艦艇を舞鶴沖と新潟港沖に遊弋させ、SM-3ミサイルによる警戒態勢を執る方が、迅速に実施出来る筈です。湾口付近に係留させるならば、航海要員を大幅に縮小する事が出来ますし、イージスアショアの代用として領海内に配置するならば、対水上戦闘や対潜戦闘への器材に関する要員教育は省ける。

 THAADミサイルシステムの緊急調達は、これに続く次善の選択肢です。米陸軍が運用するTHAADのうち、日本へ緊急供与する事が可能な射撃中隊があれば、この緊急有償譲渡を要請し、C-17輸送機により横田基地へ直接搬送し、航空自衛隊へ譲渡する、イージスアショアとは別系統のミサイルですが、中古品取得ならばこちらも迅速に装備化できましょう。

 勿論イージスアショアに絶対反対、という意味ではありません。海上自衛隊は1993年よりイージス艦の運用を継続している訳ですから、イージスシステムの運用に演練した要員は多数養成してきました。この為、建設期間中にイージス艦において要員増勢訓練教育を行えば迅速に戦力化もできましょう。しかしそれ以上に脅威は切迫しており、中古装備を迅速に取得する施策は検討されるべきと考えます。

北大路機関:はるな くらま
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イージスアショア導入へ疑問(2):SM-6ミサイルのペトリオット&12式地対艦誘導弾の後継

2017-09-05 23:40:18 | 先端軍事テクノロジー
■国家防衛システムへの賭け
 イージスアショアについて、否定的な視点を前回示しましたが、今回は場合によっては重要な国家防衛システムとなる可能性を検証してみました。

 SAM-X,としてイージス艦より運用するRIM-174スタンダードSM-6艦対空ミサイル、防衛省がイージスアショアを日本国内に建設する場合、この運用についても可能となる事を示しています。スタンダードSM-6は弾道ミサイル迎撃に用いるスタンダードSM-3のロケットモーターを流用しており、最大射程496kmと非常に広範囲を防空する事が可能です。

 イージスアショアを自衛隊が導入する場合、これはかなりの費用を要するものですがイージス艦が艦隊防空を念頭に開発された点から、航空自衛隊のペトリオットミサイルを運用する高射群の任務をかなりの部分で代替出来る事を意味します。SM-6は共同交戦能力によりデータリンクと結ばれたイージス艦等やE-2D早期警戒機による標定と照準が可能です。

 スタンダードSM-6について特筆すべきはイージス艦弾道ミサイル防衛任務に際し、現在運用しているスタンダードSM-3では対応しない週末段階のミサイル迎撃能力を付与する改良型の開発が進められている点です。また、スタンダードSM-6は対艦攻撃任務にも対応しており、遠距離の経空目標から弾道ミサイル終末迎撃に対艦攻撃までまさに多用途に担う。

 ペトリオットの後継をどうするのか、SAM-Xとして航空自衛隊はこの問題に遠からず直面します。MIM-104ペトリオットはアメリカが広域防空用ミサイルとして1981年に開発したもので、設計開始は1969年と半世紀近く前に開発開始となりました。勿論順次近代化が行われ、例えばPAC-1は速度マッハ2.8でしたがPAC-2ではマッハ4.1へ改善されました。

 MIM-104D-PAC-2/GEMではレーダーシーカー部分の新型化により低空小型目標への対処能力向上により巡航ミサイル迎撃能力を強化すると共に、弾頭感度と瞬発性を向上させ短距離弾道弾への限定的な対処能力を付与、イラク戦争前の2002年より配備開始となりました。現在、PAAC-4として更なる改良が模索されていますが、後継研究も進められています。

 S-400ミサイル、ロシア軍が配備する射程400kmの地対空ミサイルで、S-400を筆頭にロシアの新世代地対空ミサイルは300km以上の射程を有する地対空ミサイルが開発されており、ミサイル通しの射程を競う事は比較として一考余地がありますが、ペトリオットミサイルの射程100km前後という能力は今日的に視て、防空範囲の面で陳腐化は否めません。

 PAAC-4としてペトリオット改良型が模索されていますが、現在検討されているのがアメリカとイスラエルがホークミサイルとペトリオットミサイル後継として開発しイスラエル軍が運用するデイヴィットスリング地対空ミサイルです。これは射程300kmあり、MIM-104とは別物ですが、ペトリオット製造のレイセオン社ではシステムの統合を検討しています。

 RIM-174スタンダードSM-6は、射程の面でデイヴィットスリングを凌駕していますし、海上自衛隊も来年度予算概算応急にて試験弾の調達を開始します。仮にこのシステムをペトリオットミサイルの後継となるSAM-Xとして運用するならば、イージスアショアの導入は地対空ミサイル装備体系という全体的に視て、費用面で理想的な施策ともなるでしょう。

 SA-N-7/3K90ガドフライ対空ミサイルやSA-N-9/9K330トール地対空ミサイルというように、艦対空ミサイルを陸上型とした事例はロシア軍装備を見ますと多く、ソ連時代には標準的でした。ペトリオットミサイルの後継としてイージス艦のミサイルシステムごと陸上機動式を開発する案は一見突飛に見えますが、アメリカ以外では実用例が多く存在する。

 アスター15/30対空ミサイルシステム、フランスが開発した対空ミサイルも艦載型と陸上型が存在しており、フランスに加え、イギリスとイタリアにも採用されています。アメリカを見ますと、サイドワインダー空対空ミサイルの地上発射型であるチャパラルを対艦ミサイル脅威暫定対応へ駆逐艦に搭載した逆の事例が挙げられる程度ですが、世界的には多い。

 スタンダードSM-6はMk41垂直発射装置から運用されていますが、例えば輸送車に搭載し射撃時に垂直に展開する方式、自衛隊の03式中距離地対空誘導弾が用いる方式を採用している方式です。問題となるのはレーダーシステムの適合性ですが、イージス艦に四面搭載のSPY-1Dレーダーを四分割、もしくは索敵角度を限定し運用する方法が考えられます。

 AN/MPQ-53、ペトリオットミサイルのレーダー部分ですが、SPY-1Dレーダーの分割地上型を仮に開発するとしたならば、こうした方式が考えられるかもしれません。この他、SPY-1Fレーダーとしてより軽量な、ノルウェー海軍のフリチョフナンセン級ミサイルフリゲイト搭載型で、素子数縮小で探知距離は落ちるものの小型レーダーも開発されています。

 12式地対艦誘導弾システムとスタンダードSM-6を対艦ミサイルとして比較した場合、スタンダードSM-6には12式地対艦誘導弾システムのような地形追随能力はありません、しかし、射程は遥かに長くGPS誘導により対地攻撃が可能であると共にミサイル速度がマッハ3.5と極めて早く、島嶼部では12式地対艦誘導弾システム以上に威力を発揮しましょう。

 イージスアショアは、現時点ではSM-6ミサイル防衛型が開発段階で週末段階に対応しないSM-3を搭載するのみ、移動できない為の脆弱性等、欠点が目立ちますがSM-6ミサイルと併用する事で、“国家防衛システム”として機能し得る余地があります。また多額の予算を必要としますが、イージスシステム陸上機動型を開発できれば多くの装備の後継を担える。

 此れには条件があります、イージスシステムの陸上機動型はそもそもメーカーも提案していません。日本一国で開発費を負担するにはリスクが大きく、技術面でもアメリカの理解と協力が不可欠で、ペトリオット後継を模索するアメリカのPAAC-4計画へ日本政府が政府主導でアメリカ政府にイージス陸上機動型を促す外交努力が非常に重要となるでしょう。

 航空自衛隊のペトリオットミサイル、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾システムと03式中距離地対空誘導弾、これらの後継を一手に担える可能性があります。勿論、特に03式中距離地対空誘導弾とは運用特性と低空目標対処能力に差異がある為全て置き換えられるかは疑問符が付きますが、補給体系効率化の利点の一方、国産開発技術は障壁に遭いましょう。

 しかし、これらを国家戦略という高い視点から踏まえた場合、イージスアショアは有用な選択肢といえるのかもしれません。思えばイージス艦こんごう、海上自衛隊が最初のイージス艦を導入したのは1993年で、アメリカ海軍に続いて世界で第二の導入国でした。きわめて高価ですが運用基盤と教育体系を構築したのです。日本国家防衛の骨幹装備として、国運を賭ける価値はある装備とも言えましょう。

北大路機関:はるな くらま
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イージスアショア導入へ疑問(1):あさひ型護衛艦派生小型イージス艦の量産という選択肢

2017-09-04 23:24:36 | 先端軍事テクノロジー
■あまつかぜ型イージス艦案
 北朝鮮の昨日実施された核実験は70キロトンに達する威力といわれ、重大な脅威であると痛感しました。

 あさひ型護衛艦の公試が開始され、5000t型護衛艦が長崎から洋上での試験を繰り返しているようです。あきづき型護衛艦と同じ基準排水量5000t、満載排水量7000tの護衛艦ですが搭載するレーダーが新型となり艦橋構造物に集約されている事で重厚な艦容となっており、しかも当初予測の倍に当たる32セルのミサイル垂直発射装置が搭載されたと判明しました。

 あきづき型に続く護衛艦あさひ型を見ますと、基準排水量5000t程度の護衛艦にSPY-1DレーダーとスタンダードSM-3迎撃ミサイルを搭載する小型イージス艦、初のターターシステム艦となった護衛艦の二代目という位置づけで、あまつかぜ型イージス艦とでもいいましょうか、これを、護衛艦隊直轄のミサイル護衛艦として整備出来ないか、と考えてしまいます。勿論本型は対潜戦闘を念頭とした設計であり、そのままレーダーを載せ替えるだけでは完成しない事は当然ですが。

 イージスアショア、政府は北朝鮮の相次ぐ核実験によりミサイル防衛を確実とするべく、現在のペトリオットミサイルPAC-3よりも遥かに広範囲の防空が可能となるイージスアショア、陸上型イージスシステムの調達を念頭として来年度予算に事項要求を盛り込みました。事項要求とは実施事項が明示され、予算を度外視し確実に整備事業を行う要求です。

 しかし、イージスアショアを導入するくらいならば、小型のイージス艦を3隻から5隻程度増強した方が長期的にいいのではないでしょうか。海上自衛隊のイージス艦は、こんごう型4隻が満載排水量9500t、あたご型2隻満載排水量10000tの大型艦ですが、世界にはスペインのアルバロデバサン級という満載排水量5800tのイージス艦が整備されています。

 現在の陸上迎撃はペトリオットPAC-3で、20km圏内の弾道ミサイルを迎撃するもので、対航空機用で100kmの射程をもつPAC-2の発射装置に搭載できる弾道ミサイル迎撃用の新型ミサイルを搭載したもので、航空機は揚力により飛行する為に爆発の破片などで機体形状を破壊変形させれば墜落しますが、宇宙空間から落ちてくる弾道ミサイルは無理です。

 PAC-3はこの為、弾道ミサイルの弾頭部分に直撃させる事で高高度にて無害化できます。しかし、基地や指揮中枢を防空するもので、都市防空等の広範囲を防衛するための装備ではありません。迎撃範囲20kmでは狭すぎるとして改良型のPAC-3MSEが30kmまで延伸していますが、アメリカでは都市防空に射程250kmのTHAADミサイルを使用しています。

 防衛省が導入の意向を示しているイージスアショアは射程1100kmのスタンダードSM-3迎撃ミサイルを運用する陸上のイージス艦です。海上自衛隊は6隻のイージス艦を保有し4隻が弾道ミサイル迎撃改修を実施、残る2隻が改修中で更に2隻の8200t型イージス艦が予算計上されていますが、更に二カ所程度陸上にイージスシステムを置くという構想です。

 THAADは一式1250億円程度を要し、しかも射程が250kmですので日本全土を防空するには4セットから5セットが必要となります。対してイージスアショアの整備費用は700億円程度、1基で本州全域を、2基あれば北海道から沖縄まで日本全土を防空可能です。こう書きますとイージスアショアがコスト面で有利に見えますが、実は重大な問題がある。

 イージスアショアは放物線を描く弾道ミサイルの中間段階を迎撃する、サッカーでいうならばミッドフィールダーに当ります。対してTHAADはTが終末や終点を意味するターミナルを示し、サッカーでいうならばディフェンダーとゴールキーパーを兼ねるものです。いかに優秀なミッドフィールダーが居ても、ゴール前ががら空きでは試合は心もとない。

 ミサイル防衛に際し海上自衛隊のイージス艦が日本海に展開するものの、東京湾でミサイル防衛に当らないのはイージス艦のSM-3ミサイルが長射程であるものの、一定以下の高度では迎撃が出来ない構造となっている為です。SM-3迎撃能力はキネティック弾頭という日米共同開発の特殊弾頭ですが、これは一種宇宙空間で弾道弾を追うグローブのようなもの。

 弾道ミサイルは短距離弾道弾で秒速3km、中距離弾道弾で秒速8kmという極超音速で飛行していますので、軌道修正姿勢制御装置を用い宇宙空間に正確に弾道の進路上に浮遊させる迎撃弾頭がまちかまえていれば、弾道ミサイルは電柱に激突する暴走オートバイと同じ運命を辿ります。この為、高度160kmという成層圏の上の電離層で迎撃を行う方式を採る。

 スタンダードSM-3の迎撃下限高度は70kmとされ、この高度を下回る場合は迎撃できません。すると、移動できないイージスアショアそのものがミサイル攻撃された場合の脆弱性がありますし、仮に北朝鮮が潜水艦発射弾道弾等、意図しない方向からミサイルを発射した場合には、イージスアショアは考えられている程の正確な迎撃能力を発揮出来ません。

 しかしイージス艦ならばどうか、イージス艦は独力航行出来、というよりも極めて高度な機動力を持つ水上戦闘艦です。勿論、イージスアショアよりも機関部はじめ各種装備を搭載する分、建造費は大きくなりますが、迎撃高度の問題から弾道ミサイルの中間段階を迎撃するという本質上、洋上に配置すべき装備です。能力的に実質終末迎撃を担えるのか。

 北朝鮮の核実験が昨日実施された爆発規模が非常に大きく70キロトン程度と考えられています。この為、この規模の核爆弾が地上で爆発した場合の爆発半径はPAC-3の迎撃圏外に落下した場合でも影響が及びます。更に強力な核爆弾の開発を北朝鮮は進める意思を示しており、この点から現状の迎撃態勢が不充分という点でミサイル防衛強化が必要でしょう。

 しかし、イージスアショアという結論には異論があります。勿論絶対反対ではありません、イージスシステムのSM-3派生型に当たる対航空機用長射程のSM-6ミサイルをペトリオットミサイルPAC-2の後継として採用し、SPY-1レーダー牽引型を開発し、自衛隊のミサイル体系をペトリオットからスタンダード陸上型へ切替えるならば方法として賛同し得ます。それ以外ならば、無理をせずあまつかぜ型イージス艦というような汎用護衛艦の艦名を冠する程度の小型イージス艦の量産とPAC-3MSEにより当面の脅威へ対処すべきでしょう。

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北朝鮮核実験,六度目地下核実験M6.1北朝鮮北東部咸鏡北道吉州郡豊渓里付近で突如実施

2017-09-03 19:00:34 | 防衛・安全保障
■北朝鮮水爆開発懸念の現実化
 北朝鮮が六度目の核実験を実施しました、自衛隊はT-4による空中放射線測定を開始しました。マグニチュード6.1の地震を引き起こし、爆発の規模が前回よりも遥かに大きく重大な懸念をせざるを得ません。

 本日1229時、気象庁は北朝鮮北東部にて通常の地震波形とは異なる地震波を1回観測しました。震源の深さは地表付近、この振動のエネルギーはマグニチュード換算6.1と計測しています。この振動特徴は過去の核実験波形と共通点が多く、これら情報を総合分析し、気象庁は北朝鮮で何らかの、しかし大規模な人工爆発があった可能性があると発表しました。

 火星12号型弾道ミサイルの太平洋への発射により、北朝鮮に対して現在国連の安全保障理事会が実施した拘束力ある安保理決議により大規模な経済制裁が加えられていますが、北海道上空を飛翔したミサイルにより石油禁輸を含めた更なる経済制裁の必要可否が討議されている中、これまで5回実施された核実験の6回目の強行が危惧されていた最中のこと。

 地下核実験ではないか、今回の地震が観測された北朝鮮北東部、正確な位置は北緯41.3度、東経129.1度付近には4年前に核実験を実施した核実験場があります。気象庁の報告を受け、安倍総理大臣は、北朝鮮情報収集分析の徹底、核実験に伴う放射性物質の影響のモニタリング態勢強化、不測事態に備え国民の安全安心確保に万全を期す事を指示しています。

 オーストリアウィーンの国際核実験監視網CTBTOは北朝鮮で異常な揺れを観測したと発表、アメリカUSGS地質調査所もM6.3の揺れ観測、ロシア科学アカデミーは揺れが大きくロシアハサン地区でM4.5を観測、極東支部韓国軍の合同参謀本部は北朝鮮北東部咸鏡北道吉州郡豊渓里付近で人工的な揺れが観測、6回目の核実験と推定されると発表しました。

 政府はNSC国家安全保障回帰を緊急招集し、河野外相が日本政府として北朝鮮が核実験と断定、と発表しています。北朝鮮が核実験を実施したとの断定に併せ原子力規制庁は全国各地での大気中における放射性物質量異常への監視を強化しました。また、航空自衛隊も大気中放射性物質量測定へ全国の基地より集塵器搭載T-4練習機を緊急発進させています。

 航空自衛隊の大気圏内放射性物質は集塵装置搭載のT-4練習機により実施され、北朝鮮から各物質漏洩の際には最初に到達する東北地方の三沢基地、日本海沿岸で対岸に北朝鮮を睨む北陸の小松基地、朝鮮半島に最も近い戦闘機部隊基地である九州の築城基地一定空域を旋回し、大気中に放射性物質が浮遊していないかを集塵装置の内容物から分析する訳です。

 放射線量に異常なし、環境省は核実験の振動検知から一時間後に放射性物質拡散情報を発表しました。地下核実験は大気中に放射性物質漏洩の危険は少ないのですが、漏洩すれば48時間で東北地方に届きます。原子力規制庁と併せ全国に配置される約300箇所の観測施設にて放射線量に関する監視を続けるとしています。現時点でも異常の発表はありません。

 水爆実験行い成功した、北朝鮮国営朝鮮中央テレビは日本時間1530時に特別重大報道として核実験の成功を誇示しました。気象庁は今回の地震規模について、過去の地震と比べても10倍は大きい、との分析結果を公表しました。前回の核実験はマグニチュード5.3であり、今回の核実験で観測されたマグニチュード6.1は前回の核実験を遥かに上回るものです。

 日本の安全保障面から最大の関心事は、今回実験の核爆発装置は前回の広島型原爆程度の核爆発よりも遥かに大きく、この核爆発装置が日本を射程に収め320発程度が実戦配備されているノドン弾道ミサイルへ搭載できる程度に小型化されるのはいつか、という事です。既に小型化が達成の可能性も否定できず、国民の存亡にかかわる事態といえるでしょう。

 中国の動向が注視されています。北朝鮮の隣国で陸上国境を接している中国は経済制裁実行の要諦に位置しますが、これまで中国政府は北朝鮮の核開発及びミサイル開発を批判しつつ、影響力の大きな経済制裁に対しては難色を示してきました。しかし、現在中国では世界人口半分を占めるBRICS新興五か国首脳会談が開催中であり、この最中に突如核実験を実施された事で、弾道ミサイル実験とは次元の異なる行動を行った事となります。

 水爆実験を行ったと発表した北朝鮮ですが、水爆の起爆には原爆を用いる為、不完全核融合という原爆の核分裂が水爆の三重水素を核融合へ到達する前に熱量を使い果たす事例があり、過去北朝鮮は水爆実験が核融合に至らなかったとされる失敗事例もありました、しかし今回の核実験は規模が大きく、威力については各国で分析中、結果を待ちましょう。

 北朝鮮はアメリカ本土を標的とする大陸間弾道弾の開発を継続的に進めており、加えて核開発を同時並行し実施している事から、最終的にアメリカ本土へ水爆を到達させる能力を獲得するまで、核開発とミサイル開発は継続される可能性が高いのです。今回の実験を受け更なる経済制裁の強化模索は必至で、加えて先週、北朝鮮政府が経済制裁に賛同する欧州諸国をミサイルで恫喝する声明を発表、朝鮮半島情勢の緊迫度は高まり続けています。

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【くらま】日本DDH物語 《第二二回》三次防目指す護衛艦隊&航空集団一九七〇の陣容

2017-09-02 20:08:38 | 先端軍事テクノロジー
■第三次防衛力整備計画前夜
 日本DDH物語、第二二回は航空母艦計画を構想する一方で着実な防衛力整備が行われていた第三次防衛力整備計画策定中のの編成を見てみましょう。

 海上自衛隊の陣容は1970年にはアメリカとの同盟体制を維持しつつ専守防衛への必要な防衛力整備を進展させていました。航空母艦導入への幾つもの研究と並行して着実な防衛力整備を煤得ていた訳です。ヘリコプター搭載護衛艦は一隻もありませんし、ミサイル運用能力は特殊な護衛艦にのみ整備されていたものですが、以下に概要を見てみましょう。

 護衛艦隊は横須賀基地に旗艦あきづき、てるづき、を配置していました。護衛艦隊司令部は同じく横須賀基地に司令部を置く自衛艦隊隷下にあり、護衛艦隊隷下の護衛艦には全て戦後の国産護衛艦が揃い、アメリカ海軍供与の第二次大戦型駆逐艦はありません。しかし、当時横須賀の練習艦隊には新鋭かとり、とともに、大戦艦あさひ、はつひ、が居ました。

 第1護衛隊群は横須賀を拠点とし、旗艦あまつかぜ、以下3個護衛隊を有しています。呉基地第1護衛隊に護衛艦たかつき、きくづき、横須賀基地第8護衛隊に護衛艦いそなみ、しきなみ、呉基地第22護衛隊に護衛艦みねぐも、なつぐも、むらくも、以上8隻を基幹としていました。護衛艦あまつかぜ、はターターシステム搭載の唯一のミサイル護衛艦です。

 第2護衛隊群は佐世保基地に拠点を置き、旗艦もちづき、以下2個護衛隊より編成されていました。第11護衛隊は呉基地に配置され護衛艦たかなみ、おおなみ、まきなみ、の3隻を基幹、第21護衛隊は佐世保を母港としまして護衛艦やまぐも、まきぐも、あさぐも、の3隻を基幹としており、7隻の護衛隊群です。現在の護衛艦の先代の艦名が並んでいますね。

 第3護衛隊群は、舞鶴基地に司令部を置き旗艦に護衛艦ながつき、護衛艦ゆきかぜ、以下2個護衛隊を有していました。横須賀基地の第9護衛隊に護衛艦あやなみ、うらなみ、舞鶴基地の第10護衛隊に護衛艦むらさめ、ゆうだち、はるさめ、以上7隻の陣容です。1970年当時の護衛艦隊には現在呉基地に置かれる第4護衛隊群はまだ、編成されていません。

 航空集団は司令部を下総航空基地に置き、5個航空群と1個航空隊を隷下においています。下総航空基地は現在航空教育集団司令部が置かれている基地ですが、当時はまだ神奈川県の厚木基地が米軍より返還されておらず、現在の日米共同基地となっていないばかりか、米軍専用で1970年当時にも厚木基地には海上自衛隊の部隊は配置されていませんでした。

 第1航空群は鹿屋航空基地に置かれ第1航空隊にP-2V7対潜哨戒機10機と鹿屋航空基地隊へS-62救難機2機が配置されていました。第2航空群は八戸航空基地に置かれ、第2航空隊にP-2V7対潜哨戒機10機、第2航空隊にP-2V7対潜哨戒機10機、第13航空隊にS-2F1対潜哨戒機10機、八戸航空基地隊へS-62救難機2機が配置、ソ連を警戒し最大の編成だ。

 第3航空群は徳島航空基地、第11航空隊にS-2F1対潜哨戒機10機、第12航空隊にS-2F1対潜哨戒機10機、徳島航空基地隊へS-62救難機2機、現在の徳島よりも大規模でした。第4航空群は下総航空基地で、第3航空隊P-2V7対潜哨戒機10機、第14航空隊S-2F1対潜哨戒機10機、下総航空基地隊S-62救難機2機、硫黄島分遣隊と南鳥島派遣隊など。

 第21航空群は館山航空基地に置かれ航空集団唯一の対潜ヘリコプター部隊、ヘリコプターは地方隊の管区である沿岸用という発想であった時代です。第101航空隊にHSS-2対潜ヘリコプター9機と小松島航空隊にHSS-1N対潜ヘリコプター8機が配備されていました。実験航空部隊である第51航空隊は下総航空基地配置で対潜飛行艇PS-1や新型のP-2J対潜哨戒機が試験中で、更に潜水艦隊や地方隊等、防衛力整備をすすめました。

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平成二十九年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2017.09.02/09.03)

2017-09-01 20:10:01 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 防災の日という本日、台風15号が父島に50年に一度という豪雨を降らせ、明日以降北方に転進する予報が出された中、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 第5旅団創設13周年帯広駐屯地祭、第3施設団創設65周年南恵庭駐屯地祭、土曜日に帯広が66周年を迎え日曜日に南恵庭が65周年を迎える、北海道が実に熱い週末を迎えます。金曜日の最終までに札幌や千歳空港から釧路行特急へ乗車したならば、土曜日に第5旅団創設記念行事を撮影し、日曜日に千歳空港や札幌に近い南恵庭駐屯地祭に行く事が出来る。

 帯広駐屯地の第5旅団は道東地区の防衛警備及び災害派遣を担う自衛隊の旅団で、北方領土が返還された際にはこの地域も警備区域に含みます。釧路湿原が広がる道東は防衛上難しい位置にあり、この為、90式戦車を筆頭に自走榴弾砲や装甲車等、高度に機械化されると共にAH-1S対戦車ヘリコプターを装備する第1対戦車ヘリコプター隊も駐屯しています。

 南恵庭駐屯地には第3施設団本部及び本部付隊と第7師団隷下の第73戦車連隊等が駐屯しています。第3施設団創設65周年記念行事とあるように、第3施設団は北部方面施設隊へ一旦縮小改編を受け、2017年3月、つまり半年前ですが、第3施設団へ再編される事となりました。そして正確には本年は再編の年度ですが、65周年として伝統は継承されました。

 第3施設団は北部方面隊直轄の建設工兵部隊で、南恵庭に隷下の第105施設器材隊と第303ダンプ車両中隊を置くと共に第13施設群と第14施設群を岩見沢駐屯地と幌別駐屯地に倶知安駐屯地や上富良野駐屯地および釧路駐屯地に駐屯させています。この他、第73戦車連隊は90式戦車5個中隊を隷下に有し、施設団と協同、観閲行進と訓練展示の迫力も凄い。

 テレビチャンネルの衛星デジタル放送多局化という多極化時代にあって、昨今衛星放送を中心に夕方の時間帯から目立つのは旅行番組や現地を巡る歴史番組です。制作費を抑えて、しかし今までにない風景を高画質で紹介するには適した題材、ということなのでしょう。特に昔のような番組そのものに大がかりなセットをくむ余裕は年々なくなってきていますからね。

 ここで、自衛隊関連行事での周辺観光とあわせてみてみますと、旅行番組などで紹介される風景にも引けを取らない、もしくは主要都市から駐屯地までの道程が旅行番組で紹介されることもあり、ついつい見入ってしまいます。特に駐屯地のあたりへ向け、番組でカメラが歩みを進めますと、もう一歩進めば自衛隊駐屯地見えてくるのになあ、という場所もある。

 テレビに先回りしたぜ、という感慨に浸るよりは、むしろなるほどあの基地や駐屯地の周りにはこうした観光地があったのか、と驚かされる場合も多く、こうしたテレビ番組を下調べとして、行事へ行ってはどうでしょう。遠出するのだから散策しないと勿体ない、自衛隊行事に留まらない、地域観光、と行動の範囲を広めてみるのも、いいかもしれません。

 台風15号について、最後にもう一度です。小笠原父島で50年に1度の大雨に厳重警戒を、との報道があり大変心配されます。中心の気圧は955hp、中心付近の最大風速は40mで最大瞬間風速は60mに達し、中心から半径170kmが暴風圏内となっています。現在停滞していますが、この為に小笠原諸島父島では48時間に320mmという豪雨が降り注ぎ、しかも停滞し豪雨が続いています。

 北海道方面へ、明日2日から転進し、しかも北上を開始すると現在の停滞している状況から一気に55km/hまで速度を上げるとの予報が出ており、東北地方と北海道へは豪雨災害が懸念されます。予報では明日土曜日に北上を開始し、三日には三陸沖に、四日月曜日には根室沖から予報円西よりを進めば北海道東部上陸の可能性もあります、備えは厳重にすべきでしょう。


■駐屯地祭・基地祭・航空祭

9月2日: 第5旅団創設13周年帯広駐屯地祭…http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/5d/
9月3日: 第3施設団創設65周年南恵庭駐屯地祭…http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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