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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

旅で感情を通して観光する!(旅と真善美① 2/10)

2013-08-29 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 明日は、四ツ谷で勉強会が開催される。サブテーマが「旅に出よう!」である。そんなこともあり、旅について思索している。そして、先日行ったNPOCULL主催の「奈良の旅」の事前資料をパラパラ眺めている。

 この資料はU先生が臨床心理学の知見、比較宗教学の知見を元に書かれた奈良の旅のちょっとしたガイドブックであり、とても勉強になる。このガイドブックは観光パンフレットのように、ここはこういう歴史があって云々。というだけでなく、そこで湧き起るだろう感情を大切にしている不思議な資料だ。しかし、よく考えれば、歴史的なスポットは何らかの真・善・美と繋がっているが、それを今味わうのは個々の感情であり、実は感情が主役なのである。そして、感情がストレス曲線から幸福曲線に変換されるなど、不思議な経験も起こる。

 この資料は、U先生の熱い想いが溢れているだけでなく、奈良の旅に至るまでの学友の数年に渡る歴史と心理学の勉強の努力が塗り込められているようだ。

 実際、奈良旅行のルートを決めるにあたっても、学友のかつての熱い旅の経験がとても活かされている。

 奈良の旅は、ロジャースの命題4にあるように、NPOの学友の渇望となり、ついに実現する。あの時の感動は忘れられない。

 天智天皇や藤原鎌足、天武天皇や持統天皇、鑑真、聖武天皇や光明皇后・・・彼らが想い悩み、そして生き抜いた土地で、千年以上の時間を経て味わう私たちの湧き起る感情。理性も大事だが感情は本当に大事。

 ちょっと蛇足だが、感情というのは、実に大切な働きがある。脳科学の大学者、アントニオ・R・ダマシオの本を私は愛読しているが、その中に物理的に脳を損傷し感情を喪失した方の話が出ている。脳の損傷にもかかわらず運良く知的な活動、理性は全く問題がなかった。しかし、感情を喪失したために、健全な社会生活が全く送れなくなってしまったという。

 臨床心理学でも、自分の感情が把握できなくなったとき(防衛機制などで)の問題が指摘されている、例えば人生に極めて大事な真善美も判断できなくなったりする悲劇である。

 今回の奈良の旅は、現地で湧き起る感情を体験することを目的にした不思議な旅でもあった。その中から、頭だけでは理解できない真・善・美が垣間見られたように思うのは私だけであろうか。

 旅と真善美① 2/10

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