イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

ボランティアを見直してみる!(中年の危機と世話 5/10)

2011-12-06 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 サラリーマン生活を辞めたのは8年前である。その後やりたいことをやる(生活のための仕事はあるが)生活になったのは良いが、毎日が日曜日ではなく、毎日が月曜日のような感じになりつつある。

 身体も、だんだん下降気味であり、いつの間にか身体に疲れがたまりがちである。この一カ月そんな感じであったが、昨日風邪で寝込んでしまった(熱はなかったので大したことはないようだが)。病気もちょっとした休養で、時間に余裕があるときは有難いものだ。

 さて、師走となり、忘年会の本格シーズンだ。その中で、8年前には考えられなかったメンバーの忘年会が一つある。それは、地元のボランティア仲間の忘年会。

 8年前会社を辞めて、生き甲斐の心理学を応用する仕事を始めようと福祉・介護の世界の門をたたいたことがある。その時、まずは勉強と資格でもと、某福祉専門学校の試験を受けた。その時の作文の課題がボランティアだった。

 まったく、ボランティアの経験がなかったので作文もうまく書けなかったことがショックだった。試験で落ちたあと、公的機関で勉強することになったが、ボランティアについては、それからときどき考えたりした(仕事として福祉・介護を始めたが)。

 ボランティアとは何か?特に日本では、災害のボランティアを契機に変わりつつあるものの、かつては世界的に見て、異常なほど活動が少なかった。

 その理由は、何か良く分からなかったが、日本文化の特徴と心理学者エリクソンの人格形成理論から考えてみると、すっきりする。

 35歳から60歳は世話、生殖性、停滞感の時代といわれる。当然ながら世話がキーワードだ。しかし、日本は甘えの構造(土居健郎著)で、会社等で無償の世話(ボランティア?)が行われていることが大きく、それが欧米型のボランティアを阻害していた。

 しかし、欧米型のマルチナショナルな企業文化(終身雇用ではなく)の影響を受け始めたり、少子化等の社会の変化の中で、世話の対象が少しずつ変わってきているように感じる。身近な自分が所属する世界以外に飛び込む人が増え始めてきているのではと思う(東日本大震災の被災地ボランティアなど)。

 ついでながら、欧米のマルチナショナルな企業文化を語る人は多いが、欧米のNGOやNPOについて知る人は少ない(ベルリンの壁崩壊後のNGOやNPOは?私も良く知らないが)。最近読んだ本に感動したものがある「職業は武装解除」(瀬谷ルミ子著 朝日新聞社出版)。

 中年の停滞感で悩む時に、きっとこの本は何かやくにたつと思う(何も武装解除の仕事が良いとは言わないが)。

 中年の危機と世話 5/10

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還暦を生き抜いてきたひとのノウハウ!(中年の危機と世話 4/10)

2011-12-05 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 小学校の同窓会が箱根で行われた。ちょうど参加者が還暦をほぼ迎えたこともあり、還暦祝いの楽しい催しもあり、その後強羅から芦ノ湖までロープウェイを乗り継ぎ、良く晴れ風もほとんどない絶好の観光日和のなか美しい富士山や箱根を楽しんだ。

 約2日間、50年前の旧交を温め、さまざまな経験をされた友達の近況談(秘密なのです)や楽しい蘊蓄をお聴きした。20人近くの方々の還暦経験は考えてみれば驚異である。

 60年の人生といっても、戦後まだ物資も不足する中で生を受け、高度経済成長時代に育ち、そして、学園紛争等の時代を生き抜き、バブリーな時代を潜り抜け、そして一転してベルリンの壁崩壊後の情報時代を生き抜く。日本史の中でも、これほど変化の激しい時代を経験したのは少ないと思う。

 考え方ひとつなのであるが、よくぞ皆さん(私も含め)生き抜いてこられたと思う。

 一人ひとり、生き抜くノウハウはそれぞれと思うが、この同窓会で気付いた共通の特性を考えてみた。

 1.自分は自分という柱があるかんじ(それぞれ何のために生きているかというポイントを忘れず、自分を大事にしているようだ)。

 2.経済力をはじめ、生きるため現実吟味力が健全。

 3.他人への温かい配慮が身についている(若いとなかなかできないけどね!)

 4.みんな自己開示が上手。

 考えてみれば理論的にも、健全な自己実現の道のための3つのポイント(アイデンティティ統合、現実吟味力、防衛機制)をおさえているなあ!

 同窓会は人生の宝だなと思う。今度は、もっと集まればなぁ!

 中年の危機と世話 4/10

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中年の大混乱も回答は自分の中に!(中年の危機と世話 3/10)

2011-12-03 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 小学校の高学年のころであった。どういうわけか、ミレーの少年少女用の伝記を読んで感動した。ミレーの真実を求めるストイックな姿勢に惹かれたのだと思う。その本の中に、確か晩鐘の絵があった。タイトルが「アンジェラスの鐘」となっていて、その絵は「アンジェラスの鐘」と覚えてしまった。

 そして、ある日、小学校の道徳の時間か何かで、ミレーが話題になった。有名な絵画の名前を知っている人は?との先生の問いに、勇んで「アンジェラスの鐘」と回答したが、正解は「晩鐘」といわれがっかりした記憶がある。

 同じような経験は、それだけでなく、別のところでもあった。当時地学部で宇宙の知識がある程度詳しかったが、それに関することだった。

 世の中には回答が一つとは限らない。また、いくら正解を言っても報われないときがある、そんなことを学んだのだった。

 さて、大人になると、さまざまな問題の回答は見方によって変わり、どれが正解かはなかなか判らないことを知る。そして、自分の様々な問題に直面すると、人に頼ったり、深く考えないで刷り込まれた見方で回答を得ても、何か腑に落ちない・・・と気付くようになる。自分のことは最終的には自分で決める。

 様々な現象の中で、自分の問題は当事者である自分の中に最適解がある(隠れている)という知見は、生き甲斐の心理学に限らず、現代の心理学の常識ではないかと思う。

 今、自分の中にある停滞感。それと、無理をしない範囲で向き合う。そこから何かが始まると思う。人のせい(感情転移の防衛機制)にするのではなく、他人の問題をおせっかいにも追いかける(これも防衛機制か)のではなく・・・ちょっとは自分の問題として考え直すのが悔いを残さない道のようだ。

 2011年。東日本大震災があり、福島原発問題があり、そして私にとっては還暦。NPO等の仕事にも、大きな時代の流れのなかで変化が求められている。

中年の危機と世話 3/10

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秋の奈良・京都、一人旅のハイライト(写真)

2011-12-02 | 旅・雑記帳

11月下旬に2泊3日の一人旅をしました(オジサンなので絵になるか疑問?)。東福寺、泉湧寺、三条大橋、三輪山周辺から桜井、談山神社、新薬師寺、春日大社(含む、万葉植物園)、興福寺です。ほんの一部ですがお楽しみください!

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紅葉の季節の本当の≪世話≫!(中年の危機と世話 2/10)

2011-12-02 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 先日の二泊三日の奈良・京都の旅では、紅葉の美しさを堪能した。超有名な東福寺、談山神社の紅葉。知る人ぞ知る、泉湧寺の御座所庭園。そして、それらを見た後で絶句した春日大社の万葉植物園の紅葉。

 それらの紅葉は、実力のある庭師によって端正に≪世話≫されてこそ、維持され育成されてきた美なのであろう。

 さて、≪世話≫とは何だろうか?大人になってくると、その成熟に合わせて、他者を育てる喜びを味わうようになる。その対象が配偶者であったり、子供や仕事の仲間であったり、時には紅葉のような人間以外が対象になることもあるかもしれない。

 ≪世話≫はエリクソン流に考えると、≪愛≫、≪忠誠心≫、≪技能≫、≪目的志向性≫、≪意志力≫、≪希望≫のそれぞれの段階を踏まえて初めて達成できる側面もあるので、結構難しい。

 ≪技能≫をもっていない庭師が≪世話≫を味わうのは結構大変だろう。自分の人生でも、家でも何もしていないで、しかもボランティア等の経験もなく福祉・介護の世界に入ったころは、≪世話≫の喜びを知るには程遠かった。

 ≪愛≫の深い意味を知らないで、浅い人間関係で≪世話≫をしても、何か条件付きのような世俗的レベルで、他者の世話も自分の世話もうまくできていなかったようだ。ある経験をきっかけに、自分の哲学・宗教を深め、自分の感情生活をより理解してこそ、≪世話≫も深まってきたようだ。

 今回、美しい紅葉を見つつ、何か不安を感じていることが多かった。楽しい知人との語らいの中に、東日本大震災の話題がでたり、巡った寺社仏閣でも募金箱が置いてあったりすると、心が疼く。

 先日も、活動をされている方から福島の被災地の話をお聴きした。セシウム汚染の関係で、除染活動の一環として、美しい杉などが伐採されていたとのこと。美しい自然も紅葉も、考えてみれば考えてみれば、たくさんの偶然が重なった恩寵のようなもの。今の世界の現実は厳しい。

 私にとっての≪世話≫。欲張りだが、≪愛≫、≪忠誠心≫、≪技能≫、≪目的志向性≫、≪意志力≫、≪希望≫をフル装備し、しかも身の丈にあった活動によって達成したいものである。これはどういう活動何だろうか?

 何処か自分の中にある停滞感。倦怠感、マンネリ感、無力感、自己満足への嫌悪感・・・。停滞感の反対は何だろうか?生殖性、創出感、緊張感、有能感、満足感・・・基本的には停滞感は、こうしたポジティブな感情の反対だと理論は教えてくれる。感情の羅針盤を使いつつ、≪世話≫を目指していけば、停滞感を乗り越えることができよう。

 愛は訓練といわれるが、世話も訓練なのだろう。

(写真は万葉自然園でのもの)

 中年の危機と世話 2/10

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