イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

仮面を被るか、自然体でいくか・・・(人間とは何だろう 6/10 )

2019-05-10 | 第四章「愛とゆるし」
  発見された仮面の最古のものは9000年前のものと言われているが、日本でも縄文中期の土面が見つかっている4000年前くらいか。最近国宝に認定された「仮面の女神」は縄文後期(3200年前?)のものであるが、世界的に高い評価を受けている土偶である。実際の土偶を観察すると仮面をつけていることがはっきり分かる。写真は昨年の長野県長和町のイベントで撮らせていただいた縄文のビーナスと仮面のビーナスのかわいい人形であるが、あのときの楽しい巨大なビーナス達の感動は忘れがたい。
 日本の仮面は能の仮面が有名であるが、当然ながら縄文時代にもあった。土面が縄文中期のものが一番古い遺物のようであるが、木製品やヒョウタンなどの面は、残りにくいがそれ以前にもあったと考えるべきだろう。そして、縄文後期に土面や仮面土偶などがたくさん現れる。中期に比べより洗練された文化で、さらに仮面文化が花開いていくのは何故か。大きな気候変動の中で生活が厳しくなっていく時期である。本音が語りにくい時代だったのかもしれない。
 さて、昨日は無防備の話をさせて頂いたが、こころを疲れさせないもう一つのキーワードは自然体のようだ。仮面を被り違うペルソナになる。それにより、本当の気持ちと違ったこと、見栄、・・・いろいろできるわけであるが、結構、疲れるのが問題である。大事な人に本当のことが言えない、何となく、様々なネガティブな感情が蠢く。劣等感、罪悪感、自己混乱感・・・
 
 仮面は時と場合で重要な働きをするが、どうだろうか。仮面を被るより、すっぴんで行った方が良いことは私の経験では結構多い。本音を大事な人に伝え・・なるべく自然体モードにすると、もちろん去る人はでてくるが、逆に近寄ってくれる方もでてくる。このあたりが不思議なもので、全体的にはより良い方向にいくようにも思う。もちろん、時と場合によると思うが。
 
人間とは何だろう 6/10
 

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晴れ時々ムボウビ(無防備)・・・(人間とは何だろう 5/10)

2019-05-09 | 第二章「五感と体感」
 情報社会が到来し、ますます日常の仕事では緊張が強いられるようになってきているようだ。しかし、人間は常に緊張していると心も疲れていく。気がつかない内に疲労困憊してしまう。そして、良い仕事、特に質的な面ではできなくなる。
 そこで息抜きなのであるが、より無防備になってリラックスできるとかなり違う。お風呂や食事、趣味、楽しいビデオなどいろいろあると思うが、15分とか1時間といった、ある程度まとまった時間が必要なことが多い。それから、豪華な無防備・リラックスではないが、ちょっとベンダーマシンで缶コーヒーを買ったり、トイレ休憩をするなど、5分くらいの息抜きもあるかもしれない。
 
 さらに緊張を強いられる折衝の時間、発表の時間。そういった中でも、人知れず5秒といった時間でも、緊張の反対の無防備・リラックスの時間を持つこともできるように思う。
 
 U先生から学んだことの一つに、人のこころは自由でいられるということがある。過去のことを考えると後悔とか嫌な思い出などに囚われてしまう。将来も不安に満ちている。ただ一つ今ここという次元。そこでは過去も未来もなく自由でいられる世界がひろがる。今ここの現在は五感・体感に満ちている世界である。そして過去でも未来でもないので以外に健康な世界である。そして、無防備で居られることも。
 無防備は愛との関係が深い。愛されるのは良いが日常の中では結構難しい。ただ、愛を信じると無防備の構えになりやすいと思う。
 
人間とは何だろう 5/10
 

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峠を越える (人間とは何だろう 4/10)

2019-05-08 | 第四章「愛とゆるし」

 縄文に熱中する前に、持統天皇のことに思いを馳せた時があった。中でも見たくてたまらない光景があった。それは持統天皇が壬申の乱の時に大津京から天武天皇と一緒に吉野に逃れるのだが、明日香から芋峠を越えて吉野に入る時の景色である。持統天皇は後に政権をとり即位されてから吉野に30回以上行幸する。吉野は縄文の雰囲気が残る特別な地であったのだろうが、お二人の万葉集の句をを読んでいて、芋峠を越えるときの風景と心情がとても気になったのだ。

 さて、日常の中での様々な人間関係に思いを馳せると、峠を越えるというイメージがでてくる。人間関係(特に大切な人との)において何かストレス(相手の嫌な面)を感じることが起こる。そして、私の限界かなというときにどうしても批判したり、こちらの思いをストレートに言ってしまいがちだが、そうすれば当然ながら相手は去って行く。そこをこらえて相手の立場を受容(賛同するのではないが)していくと、ふと別の光景が見えていく。相手が直接の問題は兎に角、ぐっと親近感を持ってくれることだ。

 感情の世界は神秘的でもある。 

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野生の感覚を意識する (人間とは何だろう 3/10)

2019-05-07 | 第一章「意識と知覚」

 かつて大阪で暮らしていたときに郊外の山・箕面に行き猿の集団に出会ったことがあった。車の中に居たのだが、傍若無人に車のボンネットの上に登ってきた。後から知ったが、野生の猿に観光客が変に餌付けをしたりして、猿が人間をなめるようになったためだそうだ。

 通常は森の中でも、人間も野生動物も互いを意識し避けるのが当たり前なのだが、最近はいろいろ変な事が起こりがちのようだ。

 さて、サバイバルもそうだが傾聴でも感情を大事にする。感情は物事を処理する場合にとても重要なのだ。ところが、私たちの日常では、感情を押さえ理性優先になりがちである。社会生活を円満に送る上では、いちいち今の感情を伝えることは危険でもあるからだが、感情への対応の仕方を学んでいないためにへんに抑圧・抑制しがちなのだろう。とはいえ、感情を無視し続けるとこころの健康・判断力や対人関係・・・いろいろと問題を起こす。湧いてくる感情はいったんは意識する必要があると考えるほうが良いようだ。

 では、どうしたらよいか。例えば私は先日、動物園に行った。そして、動物と出会うのだが、その時に湧いてくる感情を意識する。感情でも、U先生に教えていただいたが、「好きか嫌いか、怖いか怖くないか」といった原初感情は分かりやすい。オオカミ、アオダイショウ、ニホンザル、・・・いろいろ見学したが、好きか嫌いかは微妙だったが、動物はだいたい怖い。そんな感じであった。

 瞬間的にこうした原初感情は湧くようだが、個人に備わった特性があるので、それは千差万別のようだ。それから、時間と共に感情も変わってくるようにも思う。今回の発見はアオダイショウへの感情だった。縄文時代の勉強をしていくと蛇がよく出てくるので馴染んできたのかもしれない(笑)。それから蛇の特徴である手足がないことが、逆に働き変幻自在に身体を動かす能力だ。

 人間とは何だろう 3/10

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人間はどんなタマネギか?(人間とは何だろう 3/10)

2019-05-06 | 第二章「五感と体感」

 世の中にはまさかということがある。本人は余り変わらないのに環境のせいで全然違う評価を受けたりする。7歳の時にアラスカで暮らし翌年日本に戻るという中で、そんな体験をした。高校の時もある意味そうかもしれない。ちょうど高校紛争が2-3年生のころに吹き荒れたが、使用前・使用後のように学校の雰囲気が激変した。不条理なことが起こるのは、人生の常かもしれない。

 テレビや新聞は最近余り見ないが、官僚が留置所に入ったりえん罪と分かったりする、そんなときの世間(マスコミ?)の対応の変化に驚いてしまう。おそらくご本人はご本人でさほど変わりがないのにである。

 学生時代のころに読んだカフカの「審判」を思い出す。たしか大学生のときは「審判」の演劇も観た記憶がある。

 さて、このところ自炊をよくしたので、タマネギのことを思い出し、その写真を撮った(ブログ)。U先生が心理学でのいろいろな人間観を教えてくれるときに例えで使われた。タマネギをむいてむいていくと何も無いという立場。むいてむいていくと何かが出てくるという立場だったと思う。その何かとは何か。

 U先生が欧米の大学の研究室で臨床心理学を学ぶときに一番大事にされていたという、比較宗教学の公式がある。これは厳密な方程式や数学ではなく。概念を表すのに便利だくらいに気楽に考えていただきたい。

A=B(X+Y)

 A:生身の人間

 B:タマネギの中の何かに相当する。亡くなったくときに身体から離脱する純霊(愛そのもの)。人間の尊厳と言ってもよいかもしれない。

 X:生まれてからインプットされる経験。生育史。

 Y:物理的な身体。

 ごちゃごちゃと書きましたが、自分にとって大事な人とコミュニケーションをとるとき、一般に大きな問題を背負って苦悩している人は、荒れ狂って居る場合が多い。自分で何をしているのか分からないという状態もあるかもしれない。そんなときにどう接するか。それはやはり人間の中にタマネギのようになにもないと観るのではなく何かを信じる事だと思う。もちろん、対応する私たちは社会的な制約があるのでいろいろ葛藤はあるが、大事な人への接し方はそれしかないように思う。

 これは他者もそうだが、自分自身ということもある。自問自答する中で自分のBを信じることというか。

人間とは何だろう 3/10

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