11月9日の新聞に星野芳郎氏の逝去が出ていた。一度もお目にかかったことはないが、ある種の影響を私に与えた人である。85歳だったという。
亡くなった私の先生のOさんが星野さんのことを話していたのだが、これは武谷三男氏との関わりがある。Oさんは武谷氏とともに星野さんの車に乗せてもらったことがあるといっていた。
武谷さんによれば、星野氏は非常な秀才で優秀な官僚も星野さんの手にかかればいちころで何でも説得されてしまうほどの有能な人材であるという。それが武谷氏の星野評であったらしい。
小さな車に乗っていながら「マイカー」というベストセラーを出したので武谷さんのからかいの対象になっていたらしい。
私の印象は主に中公新書の「技術と人間」によるところが多いが、岩波新書の「技術革新」とかその他の本にもよっている。
技術を教える方法をこの技術革新の書から学んだ。日本は優れた人をまた一人失った。