食後のフルーツに柿がしばしば出される季節となった。小さい柿だが甘い。明るい色の柿と少し濃い色の柿とが出てくる。どちらも甘くて美味しい。そういえば、松山出身の子規は柿好きであったという。
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
法隆寺は奈良でも交通の便があまりよくないのでバスで訪れるところだ。
私も1回だけ法隆寺を訪れたことがある。季節は秋だったか春だったかはたまた夏だったか覚えていないが、法隆寺の境内にこの子規の句の石碑があったと記憶している。私は子規の代表作はこの句だと思っている。
奈良でも薬師寺付近はそれほど訪れるのに交通は不便ではないが,それでも市内の東大寺ほどの人ごみではない。それで薬師寺界隈の雰囲気が好きだ。ここにも佐々木信綱の
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲
という短歌がある。「の」が何回も繰り返されている短歌でいまごろのワープロソフトのワードなら、修正勧告が出るような短歌である。でもその「の」の繰り返しがなんともいえぬ味を出している。