「高校数学+α」という本を以前に購入してもっている。553ページにも及ぶ大著であるが、この本も購入時に期待して買ったほどではなかった。
まえがきで「負×負=正となるように数学がつくられている。文句があるか」といったことが書いてあるが、これは頂けない。というのはこれのいい説明は遠山啓の「数学入門」に載っているからである。
しかし、昨日「理系数学サマリー」について書いた苦情のいくつかはこの本にはあてはまらない。というのは部分積分の公式は二つの関数の積の微分公式から導くと書いてあるし、三角関数の半角の公式も導き方を書いている。
また、最近私が書き上げた数学エッセイの主題である、グラフの平行移動についてもその理由をちゃんと書いてある。
ただ対数の意味は書いていない。指数関数の逆関数として対数関数を導入するという方法はオーソドックスなものであるが、もう一工夫が欲しい。テイラー展開も説明は悪くない。