von et. verschont bleibenといういい方(Redewendugnen)は知らなかった。いま辞書で調べたら、「事(3格)の被害を受けずに済む」という訳語があった(注)。
こういういい方は必要が出てくるまで知ることはないものである。一昨日だがドイツ語のクラスについて、R氏からクラスの中止の要請があった。
それによると
Lieber Herr ・・・,
obwohl Matsuyama meistens von Taifunen verschont bleibt, scheint es diesmal doch so zu sein, dass der Taifun diese Woche doch sehr an uns vorbeikommt und wir doch etwas abbekommen.
Nach den Wetterberichten, die wir heute gesehen haben, geht es wohl schon am Donnerstag nachmittag auch schon mit dem Wind los. Um nicht die Sicherheit aller zu gef"ahrden, w"urde ich folgendes vorschlagen: ・・・
というような文章だった。
ここにタイトルのvon Taifunen verschont bleibtといういい方が出てくる。冒頭でも述べたが、この意味は「台風の被害はこれまで受けることがなかったが」というような意味であった。
もちろん、このようないい方はまったく知らなかったので、今回初めて知ったというわけである。von et verschont bleibenといういい方はどの独和辞典にでも出ているわけではなく、かなり収録語数の多い独和辞典でないと出ていない。
またabbekommenという語も知らなかった。辞書を引いてみると「損害を被る」というような意味である。abbekommenというところがはじめabbeとkommenと見たので変だなと思ってよく見たら、前綴りabにbekommenがついたものであった。
歳をとっても覚えることは多い。
(注)verschontは動詞verschonenの過去分詞である。このことばの前綴りverをとり除くとschonenという部分がある。ここでschonenという語を思い出す人はドイツ語をかなり学んでいる人であろう。
Schonen Sie sich !とは「お体を大切に」という意味である。これは再帰動詞としての用法だが、他動詞としてのschonenは「(人・健康などを)大事にする、いたわる、(物を)大切に扱う」という意味がある。またet.はetwasの省略形である。etだけ見れば、フランス語のet (英語のand)とまちがえる可能性がある。
妻はverschonenという語を聞いてschonという語を思い出したようだ。このschonは副詞で「もう」だとか「すでに」という意味に使われる普通の語だが、いろいろの場合にとてもよく使われる。