という記事が朝日新聞に載った。その説明を読んだのだが、説明段階 f の「地球の自転なしで棒が円運動をする」というところがなかなかわかりにくかった。それがわかれば後はなんてことはないが、ついでに量的に遠心力と月の引力との差がどれくらい出るのかを数値として示してくれれば、もっとよかったのだが。
それにしても普通の新聞でこれだけ詳しく説明をしてあるのを始めてみた。この記事を書いた高橋真理子さん、ありがとう。
説明 a の月に近い方の潮が引かれるのはわかるが、なぜその反対側も満潮になるだろうという疑問は私も学生のときに、友人と議論してよく分からなかった覚えがある。海水は液体なので慣性があり、固体の地球部分とは違うからではないかという風に議論が落ち着いたのではなかったかと思う。
満潮になる時間が少し月の引力が大きいはずの時間からすこし遅れるのはやはり海水が液体であるから慣性があるからであろう。潮汐力による海面の盛り上がりは50センチ程度だそうだが、瀬戸内海では干満の差は2メートルを超えるとか。
これはドイツ人の R 氏から折に触れて聞くところでは北海沿岸では10メートルの干満差があるという。これをdas Wattenmeer(ヴァッテン メーア)というと何回もこのブログで述べたことがある(注)。もっともあまり日常生活において、普通に使うドイツ語ではないのですぐに忘れてしまう。
フランスの観光地モン・サン・ミッシェルでも同じように約10メートルの干満差がある。だから、干潮のときには遠くまで砂浜が続くが、潮が満ちてくるとウマが駆けるくらいの速さで満ちてくる。
遠くまで潮が引いていたときにその干潟の沖遠くまで、散歩にでも出ていると潮が満ちてくると、そのあまりの速さに溺れてしまう人が出るとか聞く。
藤田紀夫さんと「FNの高校物理学」のことをこのブログで紹介したことがあったので、だから昨日は日曜日であるにもかかわらず185人の検索があった。この「FNの高校物理学」を紹介したブログが検索されたということである。
(注)Wattenmeerは一般の名詞なのか固有名詞なのかちょっとわからない。独和辞典には「(特に北海沿岸の)干潟のある海岸」とある。Watteとは「海岸の一部でどろに覆われており、干潮のときには水がまったくひいている」と独々辞典にあった。
(2017.6.9付記) 日本でも有明海が干潟のできるところとして有名である。先日、NHKのテレビで放送があったが、干満の差が6mだとのことである。