物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

五捨五入

2021-05-03 16:15:06 | 本と雑誌
この歳になっても不眠症になったことはない、私だが、昨夜は昼の間にコタツで昼寝をしたせいか、昨夜めずらしく眠れなかったので、起き出して自分が昔書いた本を取り出して読んでみた。

最近、同じことを書こうとしていることとかもあるのだが、我ながら昔もけっこう面白いことを書いていたのではないかという気がした。

残念ながら私にはなかなかテクスト風の本は書けないので、いつもエッセイ風の文章のあつまりではあるのだが。

部分的には昔とりあつかったテーマを最近またまた重複して2度3度と取り上げる傾向にあるのはしかたがない。

昨夜読み返した文章の一つに「五捨五入」という文章があった。短いエッセイで、日本の小学校の算数では「四捨五入」というけれど、数値計算を連続して行うような時には「四捨五入」よりも「五捨五入」のほうがいいのではないかという、私が大学で応用数学の授業で学んだ占部教授の意見を述べたものである。

そして、これを私が大学を定年退職を記念して出版した『数学散歩』(国土社)の5番目のエッセイかに収録した。ところがこの本を定年退職の記念パーティー来てくれた数少ない卒業生の一人から、その直後にメールをもらった。

それは、アメリカの工業規格では実は四捨五入ではなく五捨五入が実際に採用されているということであった。彼は神戸にある、S社の教育担当の社員にその当時なっていたが、アメリカからの注文仕様では五捨五入が使われており、注文を受けた技術者はこれがなぜだか理解できず、「アメリカは遅れている」と教育担当のK君にクレームを述べたのだという。

それで K 君は応対に困って「カスタマーの要求だから従ってください」としか言えなかったという。彼は私の本を読んで、五捨五入の方が計算誤差が少ないために精度が上がるのだ、とようやく悟った。それで自社の技術者にようやく納得させる自信ができたと書いていた。

いや、これには私のほうがびっくりしてしまった。「アメリカでの工業規格が五捨五入を採用している」とは私は知らなかった。

ひょっとしたら、アメリカ留学の経験もある占部教授はそのことも講義中に話したのかもしれないが、私の知る限りではそういうことは聞かなかったような気がする。

単にアカデミックな話と思っていた五捨五入が、実はアカデミックな話ではなく、アメリカの工業規格では標準として採用されていたのである。

学問もここまで行かなくては本物ではあるまい。

(2021.8.17付記) 
最近このブログを読んでくれた方がおられたので、付記する。この五捨五入のエッセイは「数学・物理通信」11巻3号で読むことができる。インターネットで検索してみてください。すぐに名古屋大学の谷村先生のサイトにすべての「数学・物理通信」のバックナンバーがあります。



『サイン、コサイン、タンジェント』読了

2021-05-03 15:42:17 | 本と雑誌
『サイン、コサイン、タンジェント』(ニュートンプレス)を読了した。たかだか1505ぺージとかそんなものなのに結構時間がかかった。

これは夜の就寝前とかの数十分とか使って読んだのだから時間がかかったのである。それによくわからないところもあった。地震の振動解析の話は専門家の方が書かれていて、あまり詳しくはわからなかった。

それはある程度は三角関数のフーリエ変換にかかわり、専門研究にかかわるので仕方がないところもあろう。

それとこの本は数値に頼った説明もあり、もうちょっと数式を使った話をした方がよいのだがと思うところもあった。

だが、イラストがきちんと描かれているとかの長所もあった。第一、私はあまり本を最初から最後のページまできちんと読むことはきわめてすくない。

わかったことばかりではないが、まがりなりにも表表紙から裏表紙まで読んだ数少ない本の一つとなった。

100%わかったなどとはいわないが、それでもほとんどはわかったつもりである。そんなことは私の歳になれば、当然でもあろう。

それでほかの三角関数の本も読んでみたくなった。

憲法集会に参加した

2021-05-03 15:35:34 | 本と雑誌
5月3日なので、憲法集会に参加した。とはいってもオンラインによる参加である。

zoomによる参加が140人を越えたとの報告が主催者側からあった。確かに画面で見たら、1画面25人だが、それが6画面はあった。

私はパソコンでの参加だったが、妻はスマホで参加した。

八法亭みややっこさんの話はおもしろかった。ちょっと長々とした話であったが、弁護士としてだけではなく、噺家としても話はおもしろかった。