女性の社会進出が要望されるが、政治の社会ではなかなか女性の社会進出がままならない。
男性社会だと思われる、物理学会だが、今期の会長は女性であるらしい。これで3人目の女性会長の出現である。だから物理学会では女性会長はもうそれほど珍しくはない。
一人目は社会活動でもよく知られた、米澤富美子さんであり、朝日新聞の書評委員等も務められたし、『人物で語る物理入門』上、下(岩波新書)の著書でも知られている。残念ながら数年前に亡くなられた。
二人目はカリスマ性のある、坂東昌子さんでこの人は湯川秀樹先生の研究室の出身だが、助手の時代だったか、大学院の最高学年の時代だったかに、もっと学生を指導するようにと湯川先生に年下の院生を連れて直談判におよんだとかでとてもカリスマ性のある、豪快な方である。
お二人とも優れた研究者でもあったし、周りの物理学者からも人望も厚い方であった。
たまたまだが、お二人には私も面識があった。そして、米澤さんが物理学会の会長さんをされていたとき、私も1年間物理学会の委員をしたという経験がある。
もっとも、だからと言って女性の社会進出が一般的になっているとまではなかなかいうことができないのは残念である。これからも大いに努力を要することであろう。