続けてだが、今日も多和田葉子さんの朝日新聞連載の小説の今日の掲載分から。
主人公が学んでいる、太極拳のレッスンで先生が指導の文句として「野生の馬のたてがみをわける」ように手を挙げてとかなんとかあるところにドイツ語で
Maehnen des Wildpferdes teilen (メ―ネン デス ヴィルドプフェルデス タイレン)
というのが出て来た。Maehneというのは辞書を引いてみたら、これが「たてがみ」であった。もちろん、馬のたてがみは複数だから、Maehnenと複数の語尾 n がついている。
今日は他にもピータンという中華料理の卵も出て来た。これは「千歳の卵(たち)」というドイツ語では呼ばれているらしい。tausendejaerige Eierとあった。
ちなみに「千歳の卵(たち)」の訳でわざと(たち)とつけたこれは日本語では複数と単数との区別がないので、ときどき数学の本の中などで複数を明示するために複数には(たち)という語をつける人があるのにならったものである。