「三角関数の還元公式の導出 3」という数学エッセイを書いている。三角関数cos xとかsin xとかをπとかπ/2とかだけx軸の右方向または左方向に平行移動するとき、もとのcos xとかsin xでどう表されるかという問題である。
普通にはそういうグラフを用いた還元公式の導出はどの三角関数の本にもほとんど書かれていない。1冊そういうことに触れた本があったが、あまり詳しくは書かれていなかった。
普通にはどうしているか。原点を中心にした半径1の円を描いてその円内に三角形を描いてそれをπとかπ/2とだけ原点の周りに回転する。そこでの円上の点の座標から、三角関数の還元公式を導出する。
もっとも私がこの方法でないグラフの平行移動による三角関数の還元公式の導出を知ったのは、大学に勤務していたときの同僚だった、Kさんに教わったことである。それも「直接こうやるんだよ」と教わったわけではなく、Kさんが学生を指導していたのを、聞いて知ったのである。
(2023.2.26付記)
「三角関数の還元公式の導出 3」は「数学・物理通信」12巻4号に掲載してある。インタネットで「数学・物理通信」で検索をしたら出てくる。
名古屋大学情報工学研究科の谷村先生のサイトに「数学・物理通信」のすべてのバック・ナンバーはあります。谷村先生いつもありがとうございます。