以下はある方からの要請されて急いで書いたエッセイである。
憲法九条は世界に先駆的な革新的宣言であり、一世紀いや二世紀も先駆するすばらしい思想である。このことを日本人である私たちが気づいていない。
そうではあるが、最近のロシアのウクライナ侵攻は日本の憲法九条の維持にも大きな影響を与えている。日本では不戦の信条の下に「ウクライナはロシアに降伏すべきだ」という意見もあるようだし、また一方でウクライナ国民の尊厳を守るためにあくまで戦うべきだという意見もある。
どちらの意見をとるにしても、日本人としての今までの存在基盤が揺り動かされていることはまちがいがない。そういったこともちろん承知の上で、日本へのロシアの侵攻があったとしたら、お前はどうするかと問われれば、やはりガンディーの「無抵抗不服従」しか私には考えられない。
もちろん、他の人がどうするのか、それはその人の考え方であるが、私の立場からすると、敵国を先制攻撃できる軍事兵器の整備をし、さらには核武装したりなどは絶対に許されることではない。なぜか。地球上において未来に対して持続的に維持可能な社会・世界をつくるためには戦争ほど愚かなものはない。
軍備増強は軍事産業を一時的に潤すだろうが、これは人類ができるだけ長く地球上で生存するためには、もっとも悪い影響しか残さない。戦争は人類にとって無益な資源の浪費である。そういう資源の浪費は厳に慎むべきことである。
プーチンのウクライナ侵攻は、彼個人にとってはNATOの東方進出の脅威の除去を目指すものであったかもしれないが、現在はもうそういう時代ではなく、地球上の人類のできる長い生存が問題になっている時代なのだという認識がなくてはならない。プーチンのマインド・セット(考え方)の古さを正さなくてはならない。