『四元数の発見』の修正箇所と追加分の原稿をつくっている。だから忙しい。
それに9月に発行予定だった「数学・物理通信」12巻6号の発行準備をしなけばならないのだが、こちらの方にはなかなか時間がとれない。
すでに私の原稿には査読してくれたSさんからの意見が帰って来ているのにそれを直す時間がとれないのだ。
今回の修正とかとは関係がないが、『四元数の発見』を改訂する箇所の書き換えもかなり進んでいるが、まだ6章のところがその改訂の構想もたっていない。
要するに一番の難題は、四元数とベクトル空間の知識についてどのくらい適当に記述するかということが私には解決されていない(付記参照)。
線形代数の本ではないのだが、四元数は4次元の計量ベクトル空間をなすといってもよい。同様に複素数も複素数の側面と2次元の計量ベクトル空間としての側面もある。
もっとも今回の増刷にあたってはそのことは考慮していない。これは改訂版とはいちおう別のことだとの認識を出版社も私も共有しているからである。
『数学・物理通信」の最新号に私の書いた一番古い四元数についてのエッセイを転載しようとしている。それを読んで下さったSさんからもコメントをもらった。
字句の訂正の指摘だけでなく、本質的な指摘もある。それでそのコメントにどう答えるべきかも考えて、補遺をつけるのがよさそうだと思っている。
もっとも、これらはすでに私がすでに四元数について書いていることとも関係しているのだが。
(2024.4.28付記)
四元数とベクトル空間については「数学・物理通信」で最近書いたので、私の持っていた課題の少なくとも半分はクリアした。
これでお茶を濁すつもりだが、本当のところはわからない。もうちょっとベクトル空間の説明をきちんとすべきなのかどうか。きちんとした説明はポントリャーギンの本に書かれている。