ベクトルにおける回転rot Aの意味を広田良吾さんが書いていると思って昨日書棚の奥から、『差分方程式講義』(サイエンス社)という本を取り出してきた。
この本の付録に「離散空間でのベクトル解析」というところがあり、昨夜寝る前にちょっと読んでショックを受けた。
忠実な数学的な証明ではないが、ベクトルにおける回転rot Aの意味を生き生きと伝えている。この回転rot Aの意味を私が始めて読んだのは長沼伸一郎『物理数学の直観的方法』(通商産業研究社)であった。
その後、注意して見ているとぼつぼつこのことに言及してある書籍に出会うようになった。
しかし、ガウスの定理やストークスの定理の直観的な説明と共に書かれたこれらの広田さんの説明には大げさに言うとショックを受けた。
こういう本はあまりない。いつだったか愛媛大学に広田さんが集中講義にこられたことがあったが、その講義の後でこの話を物理の百々先生にされていた。
このときにはあまり感激した覚えがないのだが、あまりよくはわかっていなかったためらしい。
広田さんの説明は微分ではなく差分法にもとづいたものであるが、私もこの説明をいつかしたいと思っている。