四元数の話題が私の頭の中で少し落ち着いて来たので、つぎに私のよくわからないテーマであるベクトル解析に関心が移って来ている。
これの一番納得できていないところはストークスの定理とガウスの定理である。ガウスの定理の方はストークスの定理ほどわからないわけではない、こちらはかなり直観的にわかるところがある。
つぎの問題点はrot Aの意味である。しかし、これはかなり多くの書籍で説明がすでにされている。
最後の問題はベクトル積である。これは私もなんどもこれについて書いて来たので、解決すみかも知れないが。
しかし、なんでこんな変な成分をもったベクトルを考えるのかということがある。ベクトル積は普通のベクトルではなく、軸性ベクトルと言われるものであり、鏡映変換したときの性質が普通のベクトルである、極性ベクトルとは異なっている(注)。
ベクトル積のベクトルは、たとえばだが、その第1成分には成分1という数字が入ってこないという難点があり、これをよしとしなかったLevi-CivitaがLevi-Civitaの記号を導入したといういきさつもある。これも私の勝手な推測であり、歴史的事実かどうかはわからない。
ベクトルの話のはじめは四元数からベクトルの二つの積、スカラー積とベクトル積の導入をするということからはじめたい。そこをどのようにはじめるのか。まだアイディアが私にあるわけではない。
線形代数でいう、ベクトル空間でのベクトルと物理でいうところのベクトルとはちょっと違うという注意もいる。
物理でいうべクトルは計量ベクトル空間のベクトルであるが、一般のベクトルはもっと意味が広い。また計量ベクトルは、それをテンソルに一般化されるということもある。
これはベクトル解析ではなく、線形代数のテーマかもしれないが、ベクトル空間の公理がどのような推論で出てきたのかについての私なりの推測もある。これも歴史的な事実とはかならずしも同じではないかもしれない。
(注)物理ではこのベクトル積で表される物理量はいくつかある。たとえば、力のモーメントとか角運動量とかはこのベクトル積で表される。並進運動のニュートンの運動方程式から剛体の回転運動の基礎方程式が導かれる。
これは並進運動のニュートンの運動方程式と剛体の回転運動の基礎方程式の間の法則の類似性を示すことともなる。