物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

『理科が危ない』

2023-11-09 11:46:21 | 物理学
「江沢洋博士の著作目録」の一環として私のもっている江沢洋さんが関係した著作を仕事場にもって来て、少しづつ「著作目録」の編集を始めている。

その一環として『理科が危ない』と『理科を歩む』を持ってきた。そのときに『理科が危ない』の一部を読んで関心をもったので、全部をはじめて読んでみた。

『理科が危ない』は江沢洋さんが2001年6月30日に新曜社から出版した本の1冊である。

この本はずいぶん以前から持っていたのだが、以前には一部を読んだだけで、全部を読んだことはなかった。

ここでは「教育論の七つの誤り」から知ったことを以下に書く。

江沢さんは理科、特に、学校における物理の履修者が1994年には13.3%となっているということを示している。1970年には93.8%であったにもかかわらずである。

その間にもちろん週休2日制が一般になっているとかもあるが、1990年には34.3%であったのに。これでは江沢さんでなくても心配するのは当然であろう。

日本ではこの30年ほどを「日本の空白の30年」とか言うが、これは日本の経済がだんだんしりすぼみになっていることで如実に示されている。

あからさまには江沢さんは述べていないが、総合理科のようなあいまいな科目がこのような経済の不活発を起こしているといってもいいのではなかろうか。

日本の経済政策とか政治の政策を根本から考えなおす政治家や官僚がでて来ない限り、日本は救われないのだ。これは根本的には教育政策に深くかかわっている。

日本の政治家の罪はとても深いということを再度申しておく。

付記すると江沢洋さんが述べているような科学雑誌「自然」ほどの影響力はまったくないが、私はメールで無料配布のある種の雑誌「数学・物理通信」を発行している。またこれは名古屋大学の谷村省吾先生によって彼のインターネットのサイトにすべてのバックナンバーをそこに見ることができる。

これはあまりいい言葉ではないが、ゲリラ的な方法である。もっと正規軍のようなきちんとした雑誌の発行が必要なことはいうまでもない。

「窮理」という小冊子風の雑誌を発行している、伊崎さんという方もおられるが、まだなかなか一般に知られているとは思えない。

それとこれは編集者(伊崎)の意図とは大きく離れているのかもしれないが、なかなか往時の雑誌「自然」ほどにはインパクトを今のところ持ちえていないようにも思われる。しかし、将来的にはこの雑誌が大変貌を遂げる望みがないわけではない。

因数分解の水道方式

2023-11-08 11:50:16 | 数学
算数の水道方式で有名な民間教育団体「数学教育協議会」でも因数分解の水道方式はあまり聞いたことがないテーマかもしれない。

たまたまだが、私の以前に所属していた愛数協には故矢野寛(ゆたか)先生が書かれたものに「因数分解の水道方式」という論文がある。それも2回も書かれている。とはいっても2回目は1回目の修正版であったと思う。

いま私もそれを考えてみようとしているのだが、自分で新しく考える力はないので、矢野先生の考察を詳しく読んで、そのことをエッセイとして綴ってみたいと考えている。

実は『算数・数学なっとく事典』(日本評論社)に金田倫光さんが「因数分解だいきらい」というユーモアに満ちた項目を書かれている。そのはじめに一つすこし難しい式の因数分解の問題が出ていた。

金田さんの後の説明にはその式の因数分解の解答はなかったので、どのように因数分解できるのだろうと気になった。しばらくして因数分解はできたのだが、それはいわゆる因数分解の水道方式にしたがった方式ではなくて、私の従来行ってきたような因数分解の方法によってであった。

それでもう一度、故矢野先生の方法で因数分解できないかと考えてみた。その後、その方法でも因数分解できたのだが、この機会に因数分解の水道方式について考えてみたいと思うようになった。

これは私の今後の課題である。

昨日は友人への手紙で時間をとられた

2023-11-07 12:26:38 | 本と雑誌
昨日は友人への手紙で時間をとられた。午前中は友人への返事を書くので。なにしろ3ページも白紙に手紙を書いたので。

文章を書くことは嫌いではない。それがたとえ儀礼に満ちた返事の手紙であったにしても。もっともそれで時間をとられたことはあまりよくはなかった。

決まった仕事があるわけではないが、それでも自分の時間を少しでも持ちたいと思っているから。昨日も午後は自分の前に書いたエッセイを推敲しようとしたが、どうも気が入らなかった。

これは阪神タイガースの38年ぶりの日本一と関係があるのだろうか。ある経済学者の推定では阪神タイガースの優勝は1000億円以上の経済効果があるというからすごいものである。



『望郷のソネット』

2023-11-06 15:11:19 | 本と雑誌
『望郷のソネット』という著書を中学校、高校の時代の友人のS君から送ってもらった。副題に「寺山修司の原風景」と題されている。

10月23日の私たちの高校同窓会で最近会って話し合ったばかりである。

本質的に寺山修司が何者か私は知らない。演劇人とか映画人とかまたは詩人であろうか。さきほど試みにアマゾンコムで寺山修司を検索して見たら、その著作は49ページにわたってあるらしかった。

それほど長生きをした作家でもないのにその著作の広がりはとてつもなく大きいらしい。

S君は大学を出てから、出版社に入り、そこで寺山修司の担当の編集者になった。現在は彼は演劇に入れ込んでいる。

今日の「出社」は遅くなった

2023-11-04 15:01:02 | 本と雑誌
今日の「出社」は遅くなった。これは妻が午前中は医療生協の会議に出ていたためである。

だから必然的に正午前に書いているブログが15時過ぎの今となっている。「江沢洋博士の著作目録」について自宅の書棚にあるいくつかの書名とか発行所だとかを午前中に書き出していたのを先刻記入してそれから自分のブログで人様が読まれた分を自分でも再度読んでからおもむろに自分自身のブログにとりかかっているという次第である。

先日も述べたように「江沢洋博士の著作目録」は私のもっている本の中でも数十冊はあると思うので、そのうちの書棚から取り出しやすいものだけ取り出してメモしてきたものを先ほど記入したのである。

だから著作目録の作成の作業はそんなに簡単に終わる作業ではない。それに私ももっていないし、大学の図書館にもないような本も40冊くらいはありそうだ。

それらの書誌情報を得るのが地方にいる者には厄介なことである。首都圏に住んでいるのならば、国会図書館に行けば、ほとんどの書誌情報は得られるのだが。

何でもインターネットですむ時代だとは言うが、なかなかそうはいかないのが現状である。単に書名を探すだけなら、インターネットで十分だろうが。

ここら辺のギャップの存在を皆さんはわかっておられるのだろうか。


国会図書館のディジタル・ソース

2023-11-03 12:47:23 | 本と雑誌
国会図書館の図書がディジタル資料として館外の一般の私たちにもアクセスしやすくなったということは一般に知られるようになってきた。

今日の朝日新聞にもそのことが記事として出ていた。何の登録もしなくても簡単に読めるようになった書籍もあれば、登録すれば、読めるようになった書籍も多いらしい。

これは昔のことで遠山啓博士の著作目録を作成していたころでもう十年くらいも前のことだが、館内の端末で彼の書いた受験参考書をディジタル資料として参照したことがある。ページ数とか発行年月日とかを知るためである。

大学受験の参考書としても面白いことが書いてあるのではないかとも思うが、中身を詳しく読んだわけではない。そういった受験参考書のあるものは古本として購入したものもあるけれども。

受験参考書もある段階ではよく読まれるのであろうが、その段階を過ぎると誰でも関心を寄せないのが通常であろう。だからいけないということはない。

ただ私はそういう中でもひょっとしたら、数学として役立つことがありはしないかと思っている一人である。

『線型代数入門』

2023-11-03 12:19:35 | 数学
松坂和夫『線型代数入門』(岩波書店)はちょっと難しそうなので、ずっと以前に購入していたのだが、読んだことはなかった。

線形代数のベクトル空間のところを学んでいるのだが、なかなかどの線形代数の本を読んでももう一つわからないので、この本を取り出して少し読んでみた。

私にも読めるということを発見して驚きだった。第2章の1節と3節をほぼ読んだ。2節は当面飛ばして読んでいる。ここは行列のことが書いてあるのでまあ後で読んだのでいいだろう。

この後ろの部分が私にも理解可能かどうかはまだ読んでいないのでわからない。しかし、たぶん読めるのではなかろうか。どこが他の本とちがうのか私にはよくはわからない。

この本は1980年の初版発行である。私の購入した版は1992年の第10刷である。

線形代数の本も山のように出版されている。私のもっている本でも10冊を越えるであろう。その中にも世間的にも定評があり、標準的と言われている佐武一郎『線形代数学』(裳華房)とか斎藤正彦『線型代数入門』(東京大学出版会)とかもある。

もっともこれらの本をあまり詳しく読んだことがないので、私にも理解可能なのかもしれないが、ちょっと見た印象ではあまりわかるとは思われない。これはこれらの本がわるいのでなく、私の能力の問題であろう。


今日できることは今日せよ

2023-11-02 12:11:27 | 本と雑誌
今日できることは今日せよ。明日にでも眼科に行こうかと妻に言ったら、「今日できることは今日しなさい」と言われて近所の眼科に行った。

明日来ようかと思ったのですが、と窓口で言ったら、明日は祝日でお休みですと言われた。「あれ、何の祝日と?」と言ったら、文化の日だという。もう11月に入ったことを認識していなかった。

そういえば、中学校の頃に一生懸命に覚えた英語のことわざのひとつに

 Never put off till tomorrow what you can do today

というのがあった。もう70年くらい前に覚えた英語のことわざである。

最近は物忘れがひどくて、会話が成立しなくなることが多いが、こんなに昔覚えたことをまだ覚えているなんて不思議なものだ。



『読む数学』

2023-11-01 11:17:53 | 本と雑誌
『読む数学』(ベレ出版)という本がある。

この本は私が『四元数の発見』(海鳴社)を書いてその1部を兄に送ったときに、お前の本はわらないが、『読む数学』ー通読できる数学用語事典ー、は読むことができると言われたことがあった。

この兄も数年前に亡くなってしまった。それはともかくとして、わかりやすいと定評のある私の本よりもわかりやすい本はどんな本だろうと思って購入したらしい。

いま、ぱらぱらっとこの本をめくってみると確かに私の本のように数式一杯の本ではないが、結構難しいことを取り扱っている。

ただ、数式がないことがやさしいことではないことはだれにでもわかっているはずなのに。