11月の子規の俳句を挙げておこう。
いまさきほども妻が来年のカレンダーが来たのでもう来年が来たとかつぶやいていた。
さてそれはともかくとして
野の茶屋に蜜柑並べし小春かな (子規)
tea stall in the field
tangerines in a row
Indian summer (Shiki, 1896)
さて、ミカンはorangesというのかと思ったが、tangerinesは知らなかった。
mandarinという語は知っていたが。これを知ったのはドイツのフライブルクでのドイツ語の研修のときにイタリアから来た化学者Rollaが大学のメンザで小型のオレンジが出て来たのを見たときにオオ、マンダリーノと喜んだが、このときにはじめてマンダリンという語を聞いたのであった。
mandarinoはmandarinの縮小語尾-inoがついている。mandarinoはイタリア語
で小さい物に付く縮小語尾である。物理を学んだ者はニュートリノ(neutrino)
という質量の小さくて電気的に中性の他の粒子とあまり相互作用しない粒子が
あるのを知っているだろう。