ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【11/17】「種苗法改正案」は施行日のみ与党修正で「上がり法案」第1号、参・法務委では生殖補助医療の母子の民法特例法案審議入り

2020年11月17日 18時41分58秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]国会正門前の青信号、先々月2020年9月、宮崎信行撮影。

 議長からの付託を受けて委員会で審査し報告書を添えて本会議に上程する法案を「上がり法案」といいますが、今国会での「上がり法案」第一号は、「種苗法改正案」(201閣法37号)で「修正」議決されました。農林水産省関連だけ今国会で2本法案があるという、国対政治的な理由での、第一号となりました。

 このため、議員立法が活発化しそうですが、参議院法務委員会で「生殖補助医療による母と子の親子関係に関する民法特例法案」(203参法13号)が公明党の秋野公造新・参議院国会対策委員長から趣旨説明されました。

 「被災者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)も審議入り。解散日程、3次補正予算案、次期・防衛大綱など、政局は野党不在の様相を呈しています。

【衆議院農林水産委員会 令和2年2020年11月17日(火)】

 「種苗法改正案」(201閣法37号)。質疑の後、与党が施行日の一部を変える修正案を提出。続いて、立憲民主党の亀井亜紀子さんが修正案を出しました。趣旨説明や討論で、亀井さんは「平成28年2016年11月の規制改革会議の報告書により、主要農作物種子法が改正された」とし、改正種子法を批判しました。そのうえで、種苗の海外流出を避けるうえで国内での登録制度を充実することはお門違いだとして、水際対策と種苗の自家培養などの規制は分けて考えるべきだと主張しました。

 採決では、野党の修正案は否決。与党の修正案と、それを含んだ政府案は可決されました。立憲民主党は修正案にも政府原案にも反対しました。

【参議院法務委員会 同日】

 大臣所信に対する一般質疑があり、再々登板の上川陽子法相の答弁は慎重さが目立ちました。法務省は局によっては、要領を得ない長い答弁をする政府参考人も多く、局によって採用ルートが違う官庁だと、答弁要領も局によって違うことを感じました。

 今国会から参議院国会対策委員長になった、公明党の秋野公造さんが登場。2016年ごろから議連でうちあわせていた生殖補助医療の卵子を提供した代理女性が「母」と民法で位置づけられる特例法案の筆頭発議者として趣旨説明をしました。質疑は次回(以降)。正式なタイトルは「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案」(203参法13号)です。

【衆議院災害対策に関する特別委員会 同日】

 「被災者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)が小此木八郎防災相が趣旨説明して審議入りしました。質疑は次回。この先、小此木大臣が突如、菅義偉さんを実際はどう思っているか堰を切ったように激白しだす展開があればおもしろいのですが、なさそうです。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種法など改正案」(203閣法1号)の参考人質疑がありました。内閣官房参与や、日本医師会常務理事らが各々の党から推薦されて出席しました。

【衆議院国土交通委員会 同日】
【衆議院環境委員会 同日】

 ともに、大臣所信に対する一般質疑がありました。

【衆議院財務金融委員会 同日】

 続投した、麻生太郎財務大臣兼金融担当大臣の所信的あいさつ。おそらく国会議員史上糸山さんや笹川さんを超えた総資産100億円近くを持つ、元栄太一郎・財務政務官(自民党参議院議員)もあいさつしました。

 最後に委員長が森友学園に関する衆議院予備的調査について報告しました。会計検査院には虚偽の公文書をぬけぬけと提出した財務省ですが、衆議院調査局には、5つほど新しい公文書を提出したようです。立憲民主党衆議院議員が精査して今後の質問に活用する方針。

【参議院第1種常任委員会 同日】

 上述した参議院法務委員会のほか8つの委員会が開かれました。また、野党が委員長ポストを持つ委員会のうち2つも理事懇談会が開かれ、すべて店開きの予定が立ちました。

●参議院外交防衛委員会は定例日ですが今日は開催されませんでした。

●参議院経済産業委員会理事懇談会
●参議院国土交通委員会理事懇談会

 立憲民主党の有田芳生さん、江崎孝さんが委員長として理事懇談会を開き、大臣の所信的あいさつを聞く委員会を開くことで与野党が合意しました。

【参議院内閣委員会 同日】

 大臣の所信的あいさつに対する一般質疑。立憲民主党の塩村あやかさんは、「子宮頚がんはHPVというウイルスを阻害するワクチンを接種すると、5割から7割予防できる、とされている。しかし、副作用の情報を受けて、厚生労働省が平成25年2013年から、勧奨しなくなったら、接種率が1%になった」としました。内閣委ですので、橋本聖子さんが男女共同参画相の立場で答弁し「健診の受診率を上げたい。第5次男女共同参画基本計画を早期に策定したい」とまったく向き合わない答弁で終わりました。子宮頸がんワクチンについて、私は、推進した参議院議員が所属していた公明党神奈川県本部の地方議員に「あれはなんだったんですか」と聞いたら、「けっきょく製薬会社の問題というよりも、男女問わずフリーセックス批判論者がたたいているんです」とのことでした。組織政党の人が「フリーセックス」とか言うのでほんの一瞬たじろいでしまいました。たしかにそうなんだろうと思います。きょうの国会審議でも「名古屋市立大学の調査によると」と権威が登場して、名古屋市立大学はおそらく名古屋市にあるんでしょうが、総理大臣が嘘をつく国で、名古屋市の市立大学の先生が言っている、といってもなんらかの勢力が裏から働きかけているかもしれません。「松あきらと子宮頸がんワクチン」も「菅直人と丸山ワクチン」も真相はいまだに分かりません。但し、私は「東大の先生、ハーバードの先生がこう言っている」とは言わないけど、意外と素直に「厚労省と都庁が言っているから大丈夫だ」と予防接種を受けたいと考えています。

【参議院文教科学委員会 同日】

 大臣の所信に対する一般質疑の中で、立憲民主党会派の横沢高徳さんは「来日中のIOCバッハ会長が、東京オリンピック・パラリンピックはトンネルの先の光にしたいとして、安倍前・菅現首相らがコロナに打ち勝ったあかしにする、としている。しかし、もともと復興五輪ではなかったのか。地元・岩手に帰ると、復興五輪ではなくコロナ五輪になってしまったのかと言われる」と指摘しました。これに対して、萩生田光一・文部科学大臣は「たしかにコロナで一年延期したので、コロナに打ち勝ったあかし、とリーダーたちは言っているが、閣議で決定したわけではない。閣議決定は復興五輪だ」と答弁しました。

●参議院総務委員会 同日
●参議院厚生労働委員会 同日
●参議院環境委員会 同日

 大臣所信に対する一般質疑がありました。

●参議院財政金融委員会 同日

 麻生太郎大臣の所信的あいさつがありました。

【国対 同日】

 安住淳・立憲民主党国会対策委員長は、小川淳也議運筆頭理事のコロナ感染について2週間隔離が必要なことから、今国会の議運理事からは外す考えを記者団に示しました。各党の国対、正副議長、事務局に連絡をしたとしました。先週末から月曜日夜までの4日間国会には登院していないものの、党内外の接触者についてていねいに確認をして考えを言明しました。

●明日の予定

 参議院はあすも本会議は無い見通し。野党政調も今後の政府提出法案で大きく反対することはありません。議員立法の機運が高まっています。

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【追記・小川淳也事務所発表つき】衆議院議運野党筆頭理事がコロナ感染、2020年コロナ国会「センセイがたの万能感」の先に

2020年11月17日 14時24分28秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]衆議院別館(第一別館・手前)と総務省(奥)、ことし8月、宮崎信行撮影。

 新型コロナウイルス感染症で、一時は解散の思惑も交錯した第203回臨時国会の衆議院議院運営委員会野党側筆頭理事が、感染症に感染して、検査で陽性だったことが分かりました。しばらく戦線離脱となりそうです。

【追記 午後4時半】

 小川淳也衆院議員の事務所は17日午後、小川氏が前日夜発熱があり、同日病院で抗原検査を受けたところ陽性が判明し、入院している、と発表しました。発表では「小川の容体は安定している」とし、濃厚接触者は保健所と確認作業中だとしました。保健所の指示で議員会館の消毒を実施する予定だ、と伝えました。小川事務所は「事務所一同としても、本人の回復を願っております。皆様のご理解をよろしくお願い申し上げます」とコメントしました。

 筆者からも、小川さんのご快癒を願っております。

【追記終わり】

 今国会の会期末は12月5日(土)ですが、きょう現在は衆議院は参議院に法案を一本も送っていません。日程闘争では、野党は衆参予算委員会の集中審議を勝ち取っており、衆議院議運委の今後の与野党対立は限定的だと考えられます。当選3期の次席理事が補うことになりそうです。

 小選挙区の対抗馬が閣僚となり、県内2区には高校大学の同窓生で国会議員としては後輩が予算委の常連から党首となり、昨年の通常国会では「王子」と呼ばれましたが、コロナ対策では、衆議院本会議場の光景に、SNSでは「密をさけておらず、国会議員は自分はコロナにかからないという万能感があるのではないか」という趣旨の認識が共感を浴びていたことがあります。

 以上です。
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【11/16】「生殖補助医療の民法特例法案」提出も国民「親を知る権利は2年後見直しで」でいいのか「種苗法改正案」はあす昼過ぎにも採決の公算

2020年11月16日 20時39分07秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]秋が映える参議院議員会館(右)先月2020年10月末、宮崎信行撮影。

 衆参とも、きょう令和2年2020年11月16日(月)の審議はありませんでした。

 RCEPがきのう署名され、来年の通常国会に承認案が提出される公算となりました。

 「種苗法改正案」(201閣法37号)はあす政府原案のみで審議し、昼にかけて採決や修正などをめぐる与野党攻防に。

 各々、TPP、改正種子法のときのような世論の反発はなく、私としては妥当なところだと考えます。

 そして、議員立法「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案」(203参法13号)が提出されました。早ければ、あすの参議院法務委員会の一般質疑後に趣旨説明されるかもしれません。筆者はまだ法案本文は見ていませんが、報道や議員SNSによると、第三子が提供した卵子や精子による生殖補助医療で生まれた子の親子関係を明確化する内容。

しかし、「子供が親を知る権利」の創設については、2年後見直し規定にするなどおきざり。民法については第820条「監護権」という権利が子の虐待の「権利」になってしまっているとして2年後見直し規定がついており来年期限がくると思いますが、政府内で検討しているという話は聞きません。「子が親を知る権利」を2年後見直し規定にしていいのかどうかは、政党の政策調査会でもめました。しかし、そのまま参議院に提出されました。

 提案型野党を標榜する、国民民主党の参議院議員団に、IR実施法など「採決で自民党の賛成多数で押し切られるのならば、野党が主導して附帯決議をつけて、よりましなものにすることが得策だ」との世論がここ4年ほどあります。しかし、正常採決だろうが、強行採決だろうが、政府提出法案が自民党の賛成多数で可決されるという結末は、全員が初めから知っているのです。そんなことはみんな分かっていて、せめて野党が抵抗してうっぷんをはらしてもらいたいと思っているのです。附帯決議案の調整に乗ることは採決の日程交渉に応じていることであり、この戦術面や政権交代ある政治をめざそうとする一定の勢力が存在する中、矢田わか子さんや伊藤孝恵さんの考え方は間違っている、と考えます。別に女性だから叩きやすいと差別して攻撃しているのではありません。森裕子さんや、蓮舫さんの言っていることの方が正しい、と主張しています。

 法令検索をすると、「精子」という言葉は、2つの法律にしか出てきません。「卵子」は法律上存在しません。受精卵・未受精卵という法令用語になるようです。この、「精子」とは父なのか物(ぶつ)なのか、という究極の定義が、2年後見直し規定以降にゆだねられていいのでしょうか。政府提出法案の附帯決議よりも、参議院議員立法というもっと重い匕首(あいくち)を自分で自分の喉元に突き付けた、自称・良識の府「参議院」の2020年の残り会期3週間の攻防が始まります。

 なお急に話が変わりますが、参議院法務委員として長年活躍し、現在は維新衆議院奈良1区総支部長の前川清成さんが、「弁護士」の肩書で、今月4日、「ここが知りたい! Q&A相続入門」を出版しました。

●あすの予定

 あすは、参議院の常任委員会でいっせいに、一般質疑があります。参議院の委員にとっては手ぐすね引いて待っていた機会ですから、新大臣から来年をうらなう、役所の姿勢を聞けそうです。野党が持つ3委員会のうち、環境委員会は大臣所信があり、国交、経産は先送りとなりますが、今国会で法案はかかりません。

 衆議院では、定例日のうち参議院に一般質疑とかぶらない委員会は、全部開かれます。また、政府提出法案も、農水以外はすべて審議入りしそうです。本会議は開かれません。

 衆参とも、議員立法が活発な臨時国会となりそうです。「超党派」の美名の下に、変な理念法や予算の歳出だけを求めた法律案が通らないよう、国会クラスタみんなで注意したいところです。

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立憲民主党、種苗法改正案で修正案を決定「自家増殖」は現行法維持または別途契約が必要

2020年11月13日 18時30分34秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]立憲民主党の泉健太政調会長(左端)と田名部匡代農林水産部会長(右端)、ことし2020年9月15日、都内で宮崎信行撮影。

 立憲民主党はきのう、衆議院農林水産委員会で審議中の「種苗法改正案」(201閣法37号)について、修正案を決定しました。

 政務調査会(泉健太会長)の審議会に、農林水産部会(田名部匡代部会長)がはかり、修正協議を一任することになりました。

 立憲は、法案について「育成者権者の保護は全く異論はない」と断じて、外資売却の陰謀論とは一線を画しました。そのうえで、ただ一つの懸念として「自家増殖を行っている有機農業などの農業者に影響が及ぶとの懸念があり配慮が必要だ」との部会意見を採用しました。

 修正案では、(1)現行法21条2項を改正せず維持し、育成者権者の許諾なく自家増殖できるようにする(2)日本農林規格(JIS)で栽培する農業者に限り、育成者権者が契約を望まない限りは、権利者の効力が及ばないことととするーーの2つの修正案のうちどちらかを採用するよう与党に迫ることにしました。

 また「小泉自民部会長・金丸未来投資会議座長」時代の一連のJA改革で成立した、農業競争力強化法(平成29年法律35号)のうち、その第8条4項を削る、とする附則案や、附帯決議案も決定しました。

 削るとした、農業競争力強化法の当該条項は、

 「種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること 」

 とした部分。批判が続く、改正種子法とあわせて、種子法・種苗法による開発で、なるべく県立農業試験場への予算配分を戻すよう配慮した考え方のようです。

 この記事は、2020年11月17日(火)の午前9時半からの衆議院農林水産委員会で採用されなければ、後で読んでも、まったく意味をなさない内容ですので、あらかじめ、お断りしておきます。

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【11/13】「祝日法・東京オリパラ」審議入り、給与法案もすべて、2020年国会は盛り上がらず閉幕ムード

2020年11月13日 18時03分38秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
 残り会期3週間。会期内成立の一つのめどであるきょう、衆議院で給与法案など5議案が委員会で審議入りしました。当初会期内成立の公算。

【衆議院外務委員会 令和2年2020年11月13日(金)】

 岡田克也さんが一般質疑(国際情勢に関する件)で質問に立ち「エスパー国防長官が解任されて、突発的なことが起きる可能性もある」と指摘しました。

 この後、「日英EPA承認案」(203条約1号)が審議入り。次回は18日(水)9時から。

 国際約束では、毎日新聞が最初に報じたように、15日(日)にRCEPが15か国で署名へ、17日(火)豪首相が来日し、日豪円滑化協定が署名されることになりそうです。日豪では法務省関係の国内法の整備が必要になるようです。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種法など改正案」(203閣法1号)の審議が続きました。

 全世界で最多を更新し続けるHIVウイルスはわが国では世界水準より高い8割の感染者が同性性交で感染していることから、同性愛差別などを引き起こしてきました。しかし、それ以前に、厚生省薬務局の怠慢により、非加熱製剤による薬害感染が起きていましたが、役所は隠蔽しました。この隠ぺいを説いたのが、菅直人厚生大臣でした。

 その、菅さんが厚生労働委質疑に登場。「保健所について、自分の選挙区がある東京は固定資産税の税源と交付を調整しているから所在に偏りはないが、地方では保健所の設置に偏りがある場合がある」と指摘しました。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「一般職国家公務員法給与法案」(203閣法5号)と「特別職国家公務員法給与法案」(203閣法6号)が審議入りしました。次回は18日(水)9時半。

【衆議院安全保障委員会 同日】

 「防衛省自衛隊職員給与法案」(203閣法7号)が趣旨説明されました。防大生・防衛医科大生のみが対象の法案。これに先立つ一般質疑では、午前中は外務委員会に出ていた茂木外相が午後1時半から安全保障委員会に移って答弁しました。次回は19日(木)9時。

【衆議院文部科学委員会 同日】

 橋本聖子五輪相が「祝日法及び東京オリンピック・パラリンピック特別措置法改正案」(201閣法56号)を趣旨説明しました。次回は18日(水)9時から。

 当ニュースサイトで、6月9日付記事「祝日法と東京オリパラ特措法の改正案が先送りの公算、2021年の3祝日変更は五輪延期なら変更せずか」で、五輪中止で無ければ、秋の臨時国会は絶対にあると予言してきました。完全に的中しました。この記事は、きょう現在もよくアクセスされています。それはいいのですが、執筆の依頼とか全然来なくて、きょうも東洋経済オンラインを見たら、その道25年の週刊誌記者がペンネームで石破茂さんの記事を書いていました。住宅ローンボーナス払いなどで厳しい方が多いのでしょう。

【衆議院法務委員会 同日】

 所信表明に対する一般質疑がありました。今国会で、議員立法で「民法特例法案」が審議されるかもしれません。この委員会の次回は未定。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 毎国会のように野党の国会対策で、大臣所信が他の委員会よりも遅れて開催されます。また、先代に続く財務省出身の古谷・公正取引委員長が新任であいさつしました。

[画像]あいさつする、古谷・新公正取引委員会委員長、きょう、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 古谷さんは官邸官僚として菅義偉さんの信頼が篤く、内政面のとりまとめに活躍しましたが、首相交代よりも前に、公取委員長栄転が決まっていました。今後、厚労省マターのフリーランス労働や、金融庁マターの地銀合併、国交省マターのバス事業者合併などで、公取の影響力が高まることもありそうです。次回は、19日(水)9時。

●参議院本会議は定例日ですが、議案が送られていないので、ありませんでした。

 これにより、審議入りしていない政府提出法案は「地方公務員法改正案」(201閣法53号)、「被災者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)、「特定水産動植物等の国内流通の適正化法案」(203閣法4号)の3本だけとなりました。このうち、201閣法53号は来年へ継続。203閣法2号は今国会で成立させる必要があり木曜日が定例日である衆議院災害対策特別委員会で審議成立のはこび。203閣法4号は種苗法改正案(201閣法37号)が参議院に送られてから審議入りする見通しで今国会ではもっとも綱渡りの運営を迫られます。

 2012年の2000万票がスイングする大山鳴動、2013年の量的金融緩和、2014年の解釈改憲と、2015年の平和安全法制と改正労働者派遣法で、一線を越えてしまったようです。第3次補正予算のばらまきに期待するしかない世情でしょう。

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【11/12】嗚呼山形県連・・・玉木雄一郎国民民主党代表が参考人に質問し「種苗法改正案どういうわけかネットで広がってしまった」、「日英」「郵便法」審議入り、野党が持つ参議院3委員長は日程闘争に

2020年11月12日 18時19分50秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[画像]玉木雄一郎国民民主党代表、きょう、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 「日英EPA」(203条約1号)「郵便法改正案」(203閣法3号)が審議入り。「種苗法改正案」(201閣法37号)では、参考人質疑で、党首の玉木雄一郎さんが質問する、やや異例な姿もありました。参議院は常任委員会で大臣所信的あいさつを聞きましたが、野党が委員長ポストを持つ3つの委員会は開かれず。池田内閣時代から続く「日教組方式」の参議院日程闘争の気配が出てきました。

【衆議院農林水産委員会 令和2年2020年11月12日(木)】

 前々会から続く「種苗法改正案」(201閣法37号)が初めて質疑されました。

 立憲民主党の篠原孝さんは、自家培養は今のまま認めて、すべての空港で種苗を調べるなど水際対策を強化して、種苗が海外に行かないよう、他国の法律・条約を参考にして新たな立法を模索すべきだと主張しました。

 国民民主党代表の玉木雄一郎さんは一人で農林水産委員となりました。玉木さんは「参考人のお二人(ここまでの)長時間ありがとうございます。お仲間の農家では、法案についてどれくらい知られていますか」と質問。参考人は「きょねんの9月の農水省の検討会に呼んでいただいて、どういうわけか、ネットで広がってしまって、困ったこともありました。いろいろな人にどうなっているの、と聞かれて。それは良かった、と思いますが」と答えました。

 その分野の有識者である参考人には、若手議員がその政党の推薦の人に配慮しながらも、全員の参考人に率直で一般的な問いをするのが常套です。党首の衆議院委員会での参考人質疑登場は異例で、社民党の福島みずほさんが参議院厚生労働委員会で登場することもありますが、政権交代を念頭においた国民民主党の党首が農水委で参考人質疑で質問するのは、見慣れない光景です。2か月前の二大政党の大政局では、私はネットメディアのストレートニュースで圧倒的に勝ち続けました。会社組織のニュースメディアも「無料媒体」ながら国会速報が少なくなり、政治アナリスト個人のメディアも閲覧数が減っているようです。とくに「国民民主党の事務局長と経理局事務部長も立憲民主党に移籍する」とした結党前々夜の記事は、大反響で、ページビュー数のみならず、全国の組織に影響を与えたようです。なお、聞かれるのですが、2カ月経って、国民の「部長」は新・立憲で「部次長」の立場になっているようですが、そこまでしてでも、裏方さんが新・立憲に移ったということは、どんなに偉い国会議員の行動よりも雄弁だったわけです。

 しかし、山形県では、舟山康江さん率いる国民民主党山形県連が大々的に発足。80年前の、満蒙開拓団では、山形県、長野県で、情報過疎の犠牲者が大量に出ており、東北日本海側の秋田県から、現代日本最大の情報通、菅義偉首相が輩出したのとは、違った光景となりました。長野県社長と山形県監査役(非常勤)で組んでいた私の会社の元監査役が良い病院を選んで癌が治ってしまった情報通ぶりと合わせて、山形県連のかなしさに思いを馳せました。今SNSを見たら、合宿をしたそうで、それはいいのですが、かなりの苦境にあるようです。嗚呼悲しき国民民主党、嗚呼悲しき山形県連といったところで、国民民主党の将来に悲観している地方議員も多いでしょう。まあ、合宿するのはいいのではないでしょうか。有権者に今必要なのはまずは情報。現在では、与党議員すら見えない官邸内の情報の見える化や公文書を改ざんさせないことです。柿沼正明・前衆議院議員からも電話がかかってきて「宮崎さんが2009年民主党初当選組の面倒をみてやってください」と懇願されていることもあり、玉木さんがんばってください。

 次回は11月17日(火)午前9時半。まず、質疑。その後、同日中に採決かも。野党が修正案を出すことも予想されます。

【衆議院本会議 同日】

 「日英EPA承認案」(203条約1号)が茂木外相から趣旨説明され、外相、農相、経産相が答弁しました。5人が質問。立憲民主党は阿久津幸彦さん(外務委筆頭理事、東京11区総支部長)が質問。国民民主党からは山尾志桜里さんが登壇しました。

 政府は、与野党の質問に対して、英国のEU離脱をめぐる軋轢で「英欧のEPA」が1月に発効しないと、日本企業のEUでの活動に影響が大きいとしました。RCEPなどの自由貿易協定の交渉には明るい見通しがあると政府は強調しました。きょうは首相が登壇しないため、学術会議の質問はあまりありませんでした。

【衆議院総務委員会 同日】

 「郵便法など改正案」(203閣法3号)が趣旨説明され「3日以内を4日以内とする」と審議入りしました。次回の審議は、現時点で未定。

 提出に関する報道では、時事通信が「日本新聞協会が反対している」とし、同協会のホームページに要望書がはっきり載っていますが、新聞社はどこも新聞協会の反対について報じてきませんでした。趣旨説明によると「公布後6か月以内の政令で定める日に施行する」とのことで、新聞協会は来年4月前後までに土日付新聞の配達について「ネット版無料」というような結論を出さないといけないようです。

 これに先立ち、大臣所信的あいさつに関する一般質疑がありました。なお、大臣所信について当ニュースサイトでどこよりも詳しく報じましたが、ページビュー数はさっぱりでした。自民党の務台俊介さんは、「地方交付税は武田スペシャル交付税特別加算をやったらどうか」としましたが、武田良太大臣は応じず、前年と同水準以上をめざすとだけ答弁しました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

  小此木八郎防災担当大臣が所信的あいさつをし、「半壊住宅も対象にした被災者生活再建支援法改正案(203閣法2号)を提出した、令和2年7月豪雨から対象にする」としました。先日、内閣委で言及しなかったと書きましたが、災害対策特別委で言及しました。小此木さんは「災害対策本部を発災前から設置できるようにする」とし、来年の通常国会に提出されるはこびの災害対策基本法改正案についての検討状況も発言しました。

●衆議院経済産業委員会の理事懇談会が開かれました
●衆議院憲法審査会の幹事懇談会が開かれました。

【参議院第一種常任委員会 同日】

 参議院第一種常任委員会は10あります。そのうち7委員会で大臣の所信的あいさつを聞きました。質疑は次回。

●参議院経済産業委員会は開催されず
●参議院国土交通委員会は開催されず
●参議院環境委員会は開催されず

 野党議員に割り振られた3つの委員会が開かれず。そのうち経済産業は上述の通り衆で理事懇にとどまっており衆の委員会が開かれていませんが、国交、環境は衆では開かれたのに、参では開かれませんでした。この3つの委員会は今国会で法案は一つもかからない見通しです。来年にかけては、国交委でいわゆる一部業界だけの関心事となる「業法」(宅建業法改正案)と、環境委で小泉大臣肝いりの「温対法改正案」「自然公園法改正案」が提出される見通しです。これも見据えて、池田内閣以来半世紀以上の参議院野党の日程闘争をリードしてきた、日教組の、水岡俊一・参議院議員会長らの闘争路線が再燃する兆しが出てきました。近い将来の3年間、参議院副議長として、皇居内で、副総理よりも前で天皇陛下をお迎えするわけだから、そのモチベーションで日教組組織内参議院議員が会期末闘争をリードする政治はつづくわけです。

【参議院情報監視審査会 同日】

 特定秘密保護法や国会法にもとづく年次報告書を決定。直ちに、議長に提出しました。

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【11/11】「種苗法改正案」が初めて委員会で審議入りあすも質疑、院外での反対運動不発で野党「自家培養」修正で採決容認のかまえ、ワクチンも委員会審議入り

2020年11月11日 17時00分57秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]農林水産省、5年前の2015年、撮影。

 先の通常国会で話題になった「検察庁法改正案」は提出されませんが、「種苗法改正案」(201閣法37号)は継続して、本会議は省略されて、さきほど農林水産委員会で審議入りしました。委員会審議入り第1号となりました。

【衆議院農林水産委員会 令和2年2020年11月11日(水)】

 野上農相の所信的あいさつに対する一般質疑がありました。

 この後、「種苗法改正案」(201閣法37号)趣旨説明がありました。参考人質疑を開くことで合意。あす(11/12)木曜日午前9時からさっそく審議されます。

 この法案は種苗法の改正条項だけであり、束ね法案ではありません。しかし、登録品種の海外流出防止の規定と、国内での自家増殖の規定という、種苗メーカーの上から目線の改正で、国内農家には打撃になりかねません。登録品種制度は今もあり、先日の官報では、タキイ種苗、サカタのタネ、カネコ種苗などの、「なんとか太郎」だとか「t-103」だとかいうような名前の品種が、ビジネスにならなかったのか会社側の申し出で登録を廃止するとした告示が官報でされました。

 日本農業を政府が主導して海外に売り渡す法案だとの主張が院外でされています。野党内で絶対反対の意見への配慮を主張する声もありますが、この5か月間、韓国による日本の果樹種苗の侵害が相次ぎ、大臣が記者会見で法案成立の必要性を説くことが複数回ありました。農水省と結託した針小棒大な報道だったのかもしれませんが、もともとの情報そのものが捏造だという陰謀論はさすがにありません。種苗の自家増殖は、登録品種の権利者の例外から外す規定には野党内で反発が強く、これまでと経済的な負担が変わらないにする本則の改正や附帯決議などをつけることで、野党が早々に採決に応じる公算が高まっています。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 長妻昭さんが筆頭理事になり、理事会が5分ほど遅れました。大臣所信に対する一般質疑。自民党の菅原一秀さんは「コロナは北海道で1日200人、東京で週平均100人超え。休業補償がなければ知事が要求しても実効性がないから、罰則入れてでも特措法を改正したらどうか」と働きかけました。田村厚労相は「西村大臣の所管だが、いろいろ議論があるのは承知している。補償金というよりも支援金でもいいかもしれない」と応じました。

 長妻昭さんは、農林水産省の宮内秀樹副大臣の出席を要求。「GoToイートでの、感染者は何人か」と問いました。とかしきなおみさんは「宮内さんは、農水で、副大臣でいいですか」と聞きながら、指名。宮内副大臣は最終的に「11店舗15名だ」と答えましたが、しどろもどろになりました。長妻さんは「ちゃんと質問通告しているのに、ちぐはぐだ」とし、宮内副大臣の答弁をたしなめました。

 西村ちなみさんは、先日の2つの最高裁判決に言及。「労働契約法旧20条の創設にかかわった者として、反省している」とし、非正規を前提とした待遇の均等化は画竜点睛を欠いていたとの認識を示しました。そのうえで西村さんは「大臣教えてください」とし「長期雇用を前提として女性の賃金に格差があっていいのか」とすると、田村さんは「性別で格差があってはいけないが、役職、勤務年数、労働時間で賃金に差が出るのはやむをえない。一定の長時間労働をしないとキャリア形成できない職業もある」としました。西村さんは「ILO100号条約男女間の同一労働同一賃金は国内法では労働基準法第4条に反映されていると官僚は説明するが、納得しない。判例やガイドラインの積み重ねでは限界がある」とし、抜本的な法改正に意欲をにじませました。

  最後に、本会議できのう審議された「新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種法など改正案」(203閣法1号)趣旨説明されました。質疑は次回13日(金)午前9時から。

【衆議院内閣委員会 同日】

 各大臣の所信表明に対する一般質疑がありました。日本学術会議からは福井事務局長が出席しました。岸本周平さんは平井デジタル相と問答し、「日本はデジタル人材を内製化せず外注にしてしまった」ことを反省しました。次回は13日(金)午前9時。

【衆議院外務委員会 同日】

 あべ俊子委員長が就任あいさつ。政調会長になった公明党の竹内譲さんが理事を外れ、新しい理事に、伊藤信太郎さん、鈴木貴子さんらが就任。野党の筆頭理事は阿久津幸彦さん。鷲尾英一郎外務副大臣は「2人の副大臣のうち主に私が衆議院の外務委を担当する」とあいさつしました。

 茂木外相の所信的あいさつでは「日英EPA(203条約1号)の今国会での審議をよろしくお願いします」とし、「WTO改革にも取り組む」と語りました。次回は13日(金)午前9時。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 あかま二郎委員長があいさつ。フェースシールドの下の縁が黒いので、いっしゅん、インカムマイクかと見間違えました。赤羽一嘉国土交通大臣を指名。「GoToトラベルは延べ3138万人が利用した」としました。大西英男副大臣のあいさつでは、応援する声が委員室であがりました。次回は17日(火)午前9時。

【衆議院文部科学委員会 同日】

 萩生田光一・文科相が「国立大学は社会変革を先導する役割であり、教育、研究、ガバナンスの一体改革が必要だ」と所信的あいさつ。橋本五輪相も所信を述べました。この後、橋本さんは読み間違えがあったとして訂正を求めました。きのうは環境委員会でも女性の副大臣の読み間違えがありました。女性の閣僚は1割しかいませんが、女性の大臣・副大臣の読み間違えが目立っています。次回は13日(金)午前9時。

●衆議院財務金融委員会は理事懇談会。

●参議院本会議は議案がなく開かれませんでした。

【参議院憲法審査会 同日】

 林芳正会長が開き、「幹事が9名から10名に増員された」と告げました。新しい幹事に、藤末健三さん、那谷屋正義さん、白真勲さん、矢田わかこさんらが任命されました。そのうえで、「野党第一党から会長代理を指名できる」として、那谷屋正義さんを指名しました。

 参議院野党は衆議院での立憲民主党発足により、福山哲郎会長・蓮舫幹事長・芝博一国会対策委員長らの「選挙区組」が主導権を握りました。しかし、合併野党で、日教組から水岡俊一会長が当選し、総評系にカウントされる難波奨二さんが国対委員長に就任。憲法審査会会長代行には白真勲さん(比例だが非労組組織推薦)ではなく、日教組(横浜市教祖)の那谷屋正義さんが就任。那谷屋さんは、福山・蓮舫体制で国対委員長から参議院環境委員長に「左遷」された遺恨があります。私としても「福山・蓮舫」について一つだけ頭に浮かぶことがありますが、それは言葉にはしませんが、参議院副議長室を過去半世紀の半分くらい占拠した日教組組織内議員のつかさつかさの配置がなされたのはとても残念です。自虐史観で、憲法改悪に体を張って抵抗するでしょうから、それはいいのですが、「韓国に謝罪する義務」などろ持ち込まないようにしてほしいところです。

●あすの予定

 衆議院本会議で日英EPA(203条約1号)が審議入り、山尾志桜里さんらが外相、農相に質問します。

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【11/10】大臣所信的あいさつで武田良太総務相は19分「個人情報保護法一体化も」と意気込む、法相「性犯罪」法案提出は明言せず、「ワクチン」審議入り、第3次補正予算案編成指示

2020年11月10日 17時40分34秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]武田良太総務大臣、2020年11月10日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

●大臣の所信的あいさつを当ニュースサイトは詳報

 先週の予算委員会に続き、衆議院の5つの委員会で、「大臣の所信的あいさつ」がありました。あまり報道されませんが、来年に向けての法案策定に向けた、各大臣の意気込みが明言されます。武田良太総務大臣は19分間に及び、前大臣の13分(昨秋)、16分(今春)を大きく上回り「内閣のデジタル化」と「総務省の個人情報保護法3本一本化」などで意気込みました。上川法相は性犯罪被害の刑法改正案の国会提出には言及しませんでしたが、再犯防止の検討を加えました。今国会重要法案が2本かかる野上農相は、簡単に触れただけで、答弁が難航することもありそうです。

●テレビ入り集中審議決まる

【与野党国会対策委員長会談 令和2年2020年11月10日(火)】

 今月下旬に衆参の予算委員会のテレビ入り集中審議(総理、財務プラス要求大臣)の開催が決まりました。

●第3次補正予算案編成指示

【閣議 きょう】

 「令和2年度第3次補正案」の編成が首相から正式に指示されました。感染拡大防止、経済構造の転換、減災防災・国土強靭化の3本柱。

●予防接種法改正案が審議入り

【衆議院本会議 きょう】

 「予防接種法など改正案」(203閣法1号)が審議入りしました。首相とともに壇上に立った田村厚労相は「感染拡大に向けて各国がワクチンを開発している。検疫法34条の水際対策を進めており、延長が必要だ」と趣旨説明。代表質問に立った立憲民主党の中島克仁さんは「日本学術会議の問題について首相の説明が必要だ」としながら「死亡リスクとともに綱渡りが続いている医療関係者への配慮もすべきだ」と迫りました。

 これに先立ち、大島議長は、松尾明弘衆議院議員を紹介。次に、天皇陛下と皇嗣殿下への賀詞を各々に直接手渡したことを報告。国土審議会委員などの各種委員の選挙をしました。

●マスク再び要求

【衆議院議院運営委員会 きょう】

 先月28日にいったん緩めた壇上でのマスク着用を再び義務付けることで合意しました。

●会計検査院の国会同意人事で質疑

【参議院議院運営委員会 きょう】

 衆に続き、岡村肇・会計検査院検査官候補の再任に関する所信聴取と質疑がありました。議運は、経験のある理事と、若手の委員で構成されており、若手の質問は、人物よりも機構に関する質問が中心。共産党の順になると、理事で当選2回の倉林明子さんが「森友学園公有地売却問題で、財務省の改竄問題がなぜ起こったのか」と切り出しました。岡村さんの答弁では、提出された時点で改ざんされていたので見抜けなかったということのようです。2017年当時の岡村さんは「事務総局次長」の立場だったようです。

●総務大臣は今国会の「郵便法」通常国会の「個人情報保護法一本化」意欲

【衆議院総務委員会 きょう】

 上述の通り、武田良太総務大臣が所信的あいさつをしました。これに対する一般質疑は、あさって12日(木)8時半から。武田さんは「国及び地方公務員の定年引き上げに関して通常国会に法案(201閣法53号)を提出した」と事実だけ述べました。今国会で審議されない見通し。「郵便法改正案(203閣法3号)を今国会に提出した。速やかな成立をお願いしたい」と求めました。

 武田さんは「菅内閣がめざす社会像は縦割り打破でデジタル化を進める」とし「社会全体のデジタル変革のために新たな日常に向けて行政のデジタル化をすすめるため、各府省が共通して進めるシステムづくりを主導して、地方団体におけるデジタル化の共通基盤の標準化について年内に計画をまとめる」としました。

 武田さんは来年の通常国会を念頭に、「個人情報保護法(平成15年法律57、58、59号)では内閣官房と連携して、国、独法、民間の制度の一元化に向けた検討と歩調を合わせて、地方団体の制度んいついて全国的な共通ルールづくりを法律にはかる」とし、個人情報保護法一本化の法案を通常国会に提出することを前のめりで語りました。「過疎法」(平成12年法律15号)について武田さんは「過疎法の期限切れをみすえた新たな過疎対策を進める」としました。過疎法の延長は議員立法のことも多く、延長も念頭に与党内の調整が進むのでしょうか。来年の通常国会冒頭で審議されるはこびの「令和3年度地方財政計画」について、「一般財源総額は実質的に前年と同水準を確保する」と意気込みました。

 総務省の副大臣、政務官合計5名は全員自民党の男性議員で、元佐賀県知事の古川康さん、世襲議員としては異例の親子二代東大法学部卒で元自治官僚の宮路琢馬さんらがあいさつしました。

●野上農相今国会2法案淡々と宮内副大臣もあいさつ

【衆議院農林水産委員会 きょう】

 重要法案が2本かかる、今国会最大の焦点となる農水委ですが、参議院自民党の国会対策幹部や官房副長官をつとめながらも農林水産行政の経験に乏しいと指摘される、野上浩太郎農相。所信的あいさつでは「種苗法改正案」(201閣法37号)と「特定水産動植物の国内流通の適正化に関する法律案」(203閣法4号)に簡単に触れただけでした。「中央高速にかかる緑橋(東京)」の手抜き工事への干渉が報じられ、野党が合同ヒアリングを立ち上げた、宮内秀樹・農林水産副大臣(福岡4区)もあいさつしました。次回はあす11日(水)午前10時。

●岸防衛相は給与法案の成立求める

【衆議院安全保障委員会 きょう】

 岸信夫防衛相らの大臣が所信的あいさつをしました。岸さんは「防衛省職員給与法案」(203閣法7号)を提出したことについて「月給はすえおくが期末手当は減額する人事院勧告を実施するため、防衛大学と防衛医科大学の学生の期末手当を改定する」とし、防衛省・自衛隊職員の期末手当は内閣委にかかる他の法律(案)で規定されるため、今回の法律案は防大生・防衛医大生のみに適用されるものだと明かしました。次回は、13日(金)午後1時半。

●小泉環境相は通常国会への「温対法改正案」「自然公園法改正案」提出明言

【衆議院環境委員会 きょう】

 石原宏高・新委員長(東京3区)が小泉環境大臣を二度も父親の名前と間違え「すいません、小泉チルドレンなもんですから」と照れました。小泉環境相は所信的あいさつで「菅首相が2050年カーボンニュートラルを宣言した、私が今まで訴えてきたことでうれしく思う」とし「来年は環境省発足50年」とし、パリ協定復帰を念頭に、バイデン新大統領が就任すれば気候変動政策が大きく変わるとの分析を踏み込んで披露しました。

 小泉さんは「地球温暖化対策推進法(平成20年法律117号)の改正に向けた検討を行う。私が就任したとき7自治体に過ぎなかったゼロカーボンシティは今は170地方自治体人口8000万人となった」とし「再生エネルギーの推進やエネルギーの地産地消」と連携し、「温対法改正案」の通常国会提出に大きく踏み出しました。また「国立公園でのワーケーション、リモートワークをすすめる」とし「自然公園法(昭和32年法律16号)の改正に向けて検討する」としました。今週の衆議院での審議はなく、次回は来週17日(火)となりました。

●法相は安全運転で「入管難民法」「性犯罪刑法」「少年法」強調せず

【衆議院法務委員会 同日】

 上川法相は、あまり改正法案提出には前向きではないようです。3度目の就任とあってか「法務行政のデジタル化、IT化を進めるため、全国の職員と対話する」ことを初めに強調しました。性犯罪に関する改正刑法の量刑見直し3年後規定のプログラムが動いていることについて、上川さんは「これまで必ずしも広く知られていなかった、性暴力の被害が明らかになっている」としながら、法案については「令和4年までの性暴力性犯罪者対策の刑事法に対する検討」にとどまりました。ただ、前法相があまり言及しなかった「性犯罪防止にもスピード感をもってとりくむ」と述べ、同省刑事局だけではおさまらない性犯罪の予防・治療・再発防止にも包括的に取り組み意向を示しました。

 また、当ニュースサイトではまだ報じていませんが、法制審議会に諮問した「仲裁法制は法律改正に向けて検討を始めた」としましたが、これは早くても再来年2022年以降の提出となります。法制審議会に関しては「所有者不明土地の問題は政府全体で取り組んでいるが、法制審で、不動産登記法と民法の改正に向けた作業を進める」としました。来年の通常国会に提出されると思われる少年法改正案についても「罪を犯した18歳、19歳に対する法整備も民法の成年年齢引き上げにあわせて制度を具体化する」との安全運転な発言にとどまりました。

 今国会での提出も検討しており、来年の通常国会に提出されることが確実な、「入管難民法改正案」(当サイト内関連記事)についても、「ことし7月の収容・送還に向けた報告書をふまえた関係法案の国会提出に向けた検討をすすめ、被収容者の人権に配慮し、難民認定についても関係法律の整備を進める」とし、報告書にもとづく一括改正法案の作業を進めることにし、今国会への前倒し提出についての発言はありませんでした。次回は13日(金)午前9時半。

●あすの予定

 衆議院では内閣、厚生労働、農林水産がさっそく一般質疑。外務委も所信的あいさつで議案がかかる委員会はすべて店開きとなります。議案はありませんが、「GoTo」「宮内・現農水副大臣の口利き疑惑」のある国土交通委員会でも所信的あいさつがあり、短い会期ですが、暇な委員会は意外となさそうです。参議院は憲法審査会があります。

 あす(11/11)の衆議院農林水産委員会では午後2時頃から、玉木雄一郎国民民主党代表が登場し「香川県の鳥インフルエンザ」と「高収益作物次期作転換奨励金の予算不足」にするどく迫る予定。

 ◇

 我ながら、「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記」の、この一つの記事は、圧倒的な、すごい情報量だね。以上です。

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【11/9】吉岡会長「中央高速の緑橋は鉄筋無しだ」、大西元会長「2014年から推薦名簿を事前に官邸に持参か」らが続々野党に告発「義侠心で自主的に立ち入り禁止の札を立てた」

2020年11月09日 18時06分27秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]都道に「国会前」の標識がある国土交通省、とはいえ、この場所から国会正門まで歩いて10分程度かかる、きょねん、宮崎信行撮影。

 ゆうべの記事で、国対委員長会談はないと書いてしまいましたが、与野党国対委員長会談があり、予算委員会の集中審議を求め、あす午前10時までに回答を待つことになりました。

 但し、法案審議の前提になる委員会の日程調整は進められ、火曜日が定例日で今国会で法案が付託される見通しの理事懇談会がすべてありました。

 野党合同ヒアリングでは、「第1回中央高速・鉄筋無しの緑橋問題」「第9回学術会議任命拒否問題」があり、ともに菅官邸を向こうに回した当事者の告発がありました。

【衆議院 きょう令和2年2020年11月9日(月)】

 大臣の所信的あいさつの日程に関して、あす火曜日が定例日だとされる、総務委員会、法務委員会、厚生労働委員会、農林水産委員会、環境委員会、安全保障委員会の6つの理事懇談会がありました。火曜日が定例日のうち、今国会で法案が審議される予定の総務・農水・安保の各委員会はすべて日程協議が始まったことになりました。財務金融、国土交通は法案の付託見通しがなく理事懇はありませんでした。

【参議院 きょう】

 議院運営委員会理事会がありました。あす、委員会を開き、国会同意人事の候補者の所信聴取があります。

【野党合同ヒアリング きょう】

 「第1回高速道路耐震偽装問題」で、吉岡建築設計の吉岡会長が登場。座長は広田一衆議院議員(西武グループ総本山・コクド元社員で元参議院国土交通委員長)。

 吉岡建築設計の吉岡会長は、中日本高速道路(ネクスコ中日本)の中央高速をまたぐ跨線橋「緑橋」について、元請けの大島産業(福岡県宗像市)が鉄筋が無い耐震偽装工事をしたことから、国土交通省、日野市などに電話をしたものの「二次下請けだ」という趣旨で相手にされず、弁護士の友人と相談したうえで義侠心から「立ち入り禁止」の看板を自主的に設置。「つかまったらどうしようかと思ったが、つかまったらかえって経緯がわかるからいいや」と会長マインド。後日、日野市から看板で「撤去してください」と返され「真面目さ」が噛み合わず告発にいたった、としました。

 会合では宮内秀樹・農林水産副大臣(衆・福岡4区、自民党二階派)が議員会館で国交省職員同席のうえネクスコに「文書に乱暴な言葉遣いがあった」と因縁をつけて叱り、担当者を配置転換させて、選挙区内にある大島産業を守ろうとした疑惑も取り上げられました。国交省は「なんの文書か」を明かしませんでした。

 私が好意的にデータベースをみたところ、吉岡さんの会社は、私が考える理想の中小企業の鑑で、毎年黒字を出している半世紀以上の優良企業のようで、日野市ではなく三鷹市に所在しています。ここ2年間は倍々ゲームで売上高を増やしています。過去の売上高からすると、逆に四分の一にもなりうる大波の業界のようですが、その時も常に黒字を出しています。吉岡さんは100%株主とみられ、取締役は吉岡姓の2人のみ。従業員1人当たりの平均売上高は、上場企業をしのぐでしょう。国交省はそういう財務も調べずに、二次下請けだとバカにしたのでしょう。

 「第9回日本学術会議」では、大西隆・元会長が登場。前々回の2014年の改選から、安倍晋三首相率いる官邸に、事前に推薦名簿の説明に行っていたようだ、と明かしました。

 菅首相・自民党総裁は縦割り打破を言いますが、縦割りを打破して見えない官邸と、多過ぎて知らない魔の2012年初当選組が、水面下でうごめいた実像が白日の下にさらされつつあります。

●あすの予定

 本会議で「新型コロナウイルスワクチン2法の予防接種法など改正案」(203閣法1号)が質疑。菅義偉首相が本会議壇上に立ちます。大臣所信は、上述の法案がかかる、衆議院総務、農水、安保委員会と、法務、環境委員会などが開かれます。参・議運委の国会同意人事はインターネット中継される見通しで、西岡武夫さんが議運委員長のときに始まった慣行が続きます。

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【11/6】菅首相は「学術会議個別の人事お答えしない」で杉田副長官をかばいながら乗り切ったか、衆・内閣委と厚生労働委は大臣所信演説で「コロナ」「デジタル」

2020年11月06日 17時59分45秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]財務省前に立つ筆者、おととし8月。

 衆参予算委員会が終わりました。第203回臨時国会序盤の焦点となった「日本学術会議」ですが、菅首相は「個別の人事には答えられない」で押し切った印象。首相が杉田官房副長官をかばいながら、少しずつ答弁が変わったようですが、野党は世論の応援が少なかったこともあり攻め切れませんでした。衆議院では法案審議が予定されている、内閣委員会と厚生労働委員会で大臣の所信表明があり、「コロナ」「デジタル」が強調されました。

【衆議院議院運営委員会 きょう令和2年2020年11月6日(金)】

 非公開で行われ、岡村肇さんの所信表明とそれに対する質疑がありました。報道によると、立憲民主党の青柳陽一郎さんの「森友学園問題を再調査することがあるか」との問いに「必要な検査を行ったので、再調査しない」と答弁したようです。きのうの記事で少しあやふやだったかもしれませんが、岡村さんは会計検査院プロパーで、おととしから既に検査官になっています。今回は2度目の任期に向けた国会同意人事案で、院長含みだと考えらえます。野党はこれから政調部会を開いて、賛否を話し合うことになっています。

【衆議院内閣委員会 同日】

 定例日の金曜日に開かれました。次回の定例日の来週水曜日(11/11)午前9時から質疑があります。

 まず、自民党宏池会所属で岸田前政調会長のもと副会長をつとめ懐刀とされた、木原誠二さんが委員長就任あいさつ。

 続いて、各大臣の所信的あいさつ。今月から来年6月に向けての法案提出を念頭にした肩書で紹介します。まず加藤官房長官。

 続いて、小此木防災相は、国家公安委員長の立場で「コロナ禍で現場で働く人に感謝」し「菅内閣がすすめるデジタル改革でのマイナンバーカードの運転免許証への適用」について断定調で進めることを明言しました。また、「刑法犯認知件数は引き続き減少している」とあかしました。首相と縁の深い議員とあってか、「我が国で初めて行われるカジノ事業が健全になるようカジノ委員会の厳粛な規制方針をつくる」と述べました。今国会提出済みの「被災者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)について大臣の言及はありませんでした。

 次に河野国家公務員制度相は「人事院勧告をふまえた給与法案の成立に自尽力する」と語りました。きょう持ち回り給与関係閣僚会議で人勧実施が決まりました。坂本地方創生相は、農業特区には言及せず。西村経済再生相も所信的あいさつ。

 平井デジタル改革相は「コロナ禍でデジタル改革の遅れが明らかになった。デジタル改革関連法案ワーキンググループを立ち上げた。年末までにデジタル改革の基本方針をまとめる。基本法の改正と組織の在り方を法案化するとともに、法案成立前にできることをする」としました。

 橋本五輪相は祝日法及びオリパラ特措法改正案’(201閣法56号)に言及せず。井上消費者・宇宙政策相も、ジャパンライフを念頭に置いた預託法改正案策定作業について言及しませんでした。この後、官房副長官らのあいさつがありました。人事院総裁が人事院勧告を説明。散会しました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 とかしきなおみ委員長が就任あいさつ。理事に、菅原一秀さん、橋本岳さん、長妻昭さん、中島克仁さんらが選任されました。

 田村厚労相の所信的あいさつでは「再び就任して2か月」「最優先課題は新型コロナウイルス感染症対策だ」と語りましたが「軽症者と重症者でめりはりのある対応をする」とし知事が現在は65歳以上を入院させることを義務付けた感染症法などの改正を頭に入れていることをにじませました。田村さんは「円滑な接種の体制の整備や水際対策のために、「予防接種法改正案」(203閣法1号)を今国会に提出します」と話し直後に「提出しています」と言い換えました。また、「雇用調整助成金や個人向け貸付などこれまでに前例のない対策をしてきた」としながらも「新日常にそって対応する」と語り、延長に対してニュートラルな姿勢を示しました。

 次回の定例日は水曜日となります。火曜日(11/10)の本会議で、203閣法1号が審議入りする見通しですが、水曜日の委員会について与野党が合意していないようで、とかしき委員長は「次回は(衆議院)公報をもってお知らせします」とだけ連絡して、散会しました。

【参議院予算委員会 同日】

 菅内閣最初の基本的質疑2日目、最終日。

 森裕子筆頭理事があばれたようで、23分間遅れて始まりました。自民党の中西祐介さんがマクロ経済について、首相の考えを問いました。首相は「次世代型のグリーン社会とデジタル化を主導し、世界でも安心安全なまちづくりをする」と語り、要するに首相にはとりたてて、やりたい政策はないんだと思います。

 公明党の西田実仁・参議院議員会長は「5月の国会質疑以降、ワクチンの確保について公明党が主導的な役割を果たした」とし、予備費と肩代わりの法案(203閣法1号)が無ければ英アストラゼネカとの契約ができなかったかのようなニュアンスを出しましたが、首相は「公明党からのご提言も踏まえた」とかわしました。衆議院では「人間の安全保障」とサービスした首相ですが、ワクチンについてはそれほどの貢献はなかったのでしょうか。ところで、公明党はよくワクチンということを言いますが、製薬会社と何か関係があるのでしょうか。

 同じく公明党の石川博崇さんは「核兵器禁止条約がようやく発効するが、すべての保有国と非核保有国の橋渡しを日本がすべきだ。日本も締約国会議にオブザーバー参加する」と、平和の党としてはやや苦しい立ち位置を示しました。公明党はカメレオン。

 国民民主党の舟山康江さんは「成長戦略会議ができたが、設置根拠はなにか」と問いました。西村・経済再生相は「設置根拠は総理決裁であって、法律に基かない。経済財政諮問会議がまず大きな方針を示し、成長戦略会議が具体策を練る」とし、諮問会議のを親とした、下の会議であることを強調。舟山さんは「いつもの顔触れが入っている。例えば、竹中平蔵さんだ」と指摘。首相は「経団連などの充て職もある」とかわし、西村さんは「以前よりも人数を少なくした」とし廃止した未来投資会議よりも人数が少ないとしました。

 国民民主党の矢田わか子さんは、三原じゅん子厚生労働副大臣、上川法相、橋本男女共同参画相ら女性に対する質問が多かったです。但し、雇用調整助成金については、三原副大臣のあとに、田村厚労大臣が立ち、企業からの申請が基本だとの考えを強調しました。

 30分弱遅れで、ラストバッターの共産党の小池晃さんが本会議に続いて登場。日本学術会議から始めました。この後、衆議院と違って、参議院では中小企業対策などの他の質問もしました。

【閣議 きょう】

 答弁書や人事。

【立憲民主党政務調査会 今週】

 「生殖補助医療で生まれた子の母に関する民法特例法案」(議法、未提出)について、野党の一部議員が「子が親を知る権利が不十分だ」とする反対のペーパーを配布。超党派での今国会での議員立法が難航しそうです。

●今後の予定

 あさっては立皇嗣の礼です。

 来週火曜日(11/9)午後1時の衆議院本会議から法案審議。また、今月下旬に予算委員会の集中審議を今月下旬に開くことに、与党国対も前向きとの報道。

 けさの毎日新聞によると、再来週11月15日(日)にリモート会議が開かれ、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)条約に、日本が大筋合意し、署名にまで行く可能性が高まりました。2012年の野田佳彦首相・玄葉光一郎外相・枝野幸男経産相らの首脳会議から交渉が加速。TPP批判を浴びながらも自由貿易への理想を語った玄葉外相は「TPP以上に、それを広げた、RCEP、FTAAPがより大事だ」と夢を語りました。自民党政権下でTPP11が発効し、今回のRCEPは、豪州・ニュージーランドに加えベトナムのみならずASEAN10、そして日中韓3か国が入る15か国の包括的経済連携協定になります。コロナ禍で交渉が加速、インドは当面抜けました。仮に報道通りにRCEP15大筋合意したら中国の知的財産権をめぐる条項がどうなっているかも注目したいところです。

 ところで、きのうの国会でも森裕子さんが取り上げた、持続化給付金ですが、きょう午後1時に、ターミナル駅1分の空きテナントばかりの雑居ビルのセンターに行ってきました。法人税確定申告を終えて申請して半年間に数回直したのですが、どうも、法人事業概況説明書を2年分出したことから「当該年度でない」、売上帳のその頁に法人名がないことから「不鮮明だ」の2つのエラーメッセージが半年近く出続けていたようです。フォーマットとして出された、小学校の答案用紙のような売上帳に数字を書き込んで再申請しました。2週間以内に200万円という話ですので、さすがに「録音させてください」と録音しましたが、十数分後に寝不足の男性が「ルールで録音できません」。「ルールの法的根拠は」と聞いても、法的根拠という言葉を知らないようでした。また、事務局の名称や担当者の名前は「名乗るような者ではない」とのことでした。「中小企業庁に問い合わせますよ」と聞くと、はじめはビビっていましたが、最終的にはそれでいいということでした。小一時間で終えて、帰り際に担当の女性と目を合わせたら、首を傾げながら笑顔で返してくれて、国地方、男女問わず、公務員系のワーカーでは過去にないCMモデルのような風情でした。24時間を超えた時間軸では、永田町霞が関でしぬまで一定の影響力を持ち続けたいのが最大の欲望の私ですので、芸大研究室以外の官公需や補助金は、先代から全く受けてきませんでしたが、さすがに200万円はほしい。寝不足の男性はもとより、モデル風女性の仕事口を、民間は難しくても政府主導でつくっていくことが数年単位で「世界のあこがれ自由な日本」の持続性につながります。なお、振り込まれても、このニュースサイトには書きませんから、あしからず。
 
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【11/5】第203回臨時国会「ワクチン」首相入りで衆・本会議質疑へ、参・予算委の菅首相初登場は森裕子筆頭理事率いる立憲は108分遅れの健闘

2020年11月05日 17時52分09秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]マスク姿の菅義偉さん、先々月2020年9月、宮崎信行撮影。

 参議院予算委員会初日、野党「立憲民主党会派」は108分遅れに追い込みました。

 衆議院では、来週11月10日火曜日午後1時から2時間、「新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種法など改正案」(203閣法1号)について、菅首相、田村厚労相らが登壇して、趣旨説明と各党代表質問をすることに決まりました。一方「日英EPA承認案」(203条約1号)は大臣に対する質疑にとどまりそうです。「ワクチン」は衆参厚生労働委員会で、総理入り質疑も1時間程度かかりそう。予防接種の努力義務規定については、厚労省は政令を柔軟につくれる知恵がある法文の書き方をしていますが、立憲幹部は「国民のみなさんのマスクなどコロナに関する経済との両立についての意見を聞いて、党の国民運動の始まりとしたい」としており、会期内成立は確実ですが、充実した審議が期待できそうです。

 「日英EPA承認案」(203条約1号)は総理はいませんが、茂木外相と岡田克也外務委員の「茂木・岡田論争」がテレビ無しの外務委員会で期待できそうです。

 あす11月6日(金)午前11時、衆議院議院運営委員会を開き、会計検査院検査官候補から、所信を聞くことも決まりました。元事務総長の岡村肇さんになりそうです。参議院予算委員会の裏番組となります。

【衆議院 令和2年2020年11月5日(木)】

 上述の通り、きのうに続き、議運理事会がありました。

【参議院予算委員会 きょう】

 既に午前中に記事を書きましたが、菅内閣初めてのテレビ入り基本的質疑がありました。

 理事を外れた蓮舫さんがトップバッター。筆頭理事の森裕子さんがしめる格好で、立憲だけで午前9時から午後4時1分までかかりました。

 午前の記事と一部重複しますが、蓮舫さんは日本学術会議について細かくプロセスを問いただしました。首相は105名の名簿と99名の名簿が添付された決裁文書にサインしましたが、名簿は見ていないと答弁。おそらくそうなんでしょうが、「杉田官房副長官に懸念を伝えていた」ともしており、赤旗など新聞も報じなかった、闇に埋もれたままだった前回の経緯も含めて検証が必要でしょう。蓮舫さんは10月1日付人事に関する公文書をすべて予算委員会に提出するよう求め、山本順三委員長(自民党)が理事会で協議することを確約しました。

 蓮舫さんは、サービスデザイン推進協議会について、梶山経産相に質問。梶山さんは『先の通常国会でもいろいろご懸念いただいた」と述べました。蓮舫さんは「小泉内閣以降、官から民への流れがある。一般社団法人を迂回して、再委託されている。例えば、2006年の公益法人改革でうまれ所管官庁の許可もいらない一般社団法人であるSIIは、会費5万円で会員になれる」と指摘し、場内から拍手を浴びました。私も2016年夏頃の一連の流れで蓮舫さんにきれていた時期がありますが、蓮舫さんの「仕分けの女王」健在ぶりがうれしかったです。首相は「是正すべきは是正すべきだ」と中身のない答弁をし「それぞれの省庁が責任をもってもらうことだ大事だ」と縦割り排除の内閣方針と違うことをいい「(省庁が発注時に)確認することが大事だ」と工場長のようなことを繰り返しました。蓮舫さんは、国会法105条により、参議院予算委員会が会計検査院に要求するよう求めました。

 マイナポータルをめぐって、武田良太総務大臣が蓮舫さんにタメ口でやりとりすることがありました。武田さんは早大文学部で蓮舫さんと同い年のようですので、蓮舫さんと手塚仁雄さんらとバブルの渋谷の夜の遊び仲間だったのかもしれません。

 白真勲さんは核兵器禁止条約を質問。黒田東彦・日銀総裁にも迫りました。

 無所属改め、立憲民主党の党員となった小西洋之さんは日本学術会議について。

 森さんは筆頭理事らしく、まとめの質問。「自助・共助・公助」と言うが、頑張り切れないひとり親世帯や、12月ボーナス払いができない住宅ローン債務者らを念頭に、生活保護を受けることは恥ずかしくないことだとテレビ入りで首相が明言しろとしました。首相は、自助・共助・公助について「まず、自分でやってみる」と本会議同様の中身のない精神論。おそらく記者会見でもあまり深く考えないで言ったのだと思います。田村厚労相が助太刀し、「働いていただくことは大事だ」と切り出しています。財源論ではなく、コロナ禍での雇用をめぐって、与野党とも世論とずれだしている感じがします。与野党・官僚とも「税金で食うとる奴は極楽」(河村名古屋市長)という感じがしますが、だからといって、減給しても意味がなく、とにかく解散総選挙まで突入するしかないような気がします。

 森さんは、持続化給付金が来年1月15日までなのに、サービス推進協議会が不備解消要求書を送り、2週間たったら打ち切ると通告したことを問題視。梶山経産相が認めました。急に打ち明け話になりますが、筆者も宮崎機械社長の立場でこの書留郵便を受け取っています。3月期決算を5月7日という創業40年来で最短の決算をしながら、何度パソコンで、画像をアップロードしても不備のメールが来ます。売上台帳の鉛筆が薄くて読みづらいのかなとも思いますが、その理由が書かれていないので、明日午後1時から、都内の不備解消会場に行くことにしています。実は祖業の機械販売事業部門を廃業したので、計算上200万円満額が「コロナ等」でもらえることになるのですが、11月まで持ち込んでしまいました。私の会社は過去に「芸大の研究室」以外は、官公需も補助金ももらったことはないと思いますが、安倍内閣発足時の復興特別法人税の廃止と一般会計からの穴埋めで、偶然同業組合系の株式会社が自社ビルを売却したうえで解散した清算金の源泉徴収分が莫大に還付され、反自民党なのに安倍ちゃんありがとうといただきました。今回もたまたま創業者死亡退職による祖業廃業と時期が重なったのですが「コロナ等」ですので、200万円いただけると思います。これも補助金ではないと思います。自由のために、官公需や補助金は受けない考えです。クリスマスキャロルが流れる前にはいただきたいので、明日の午後の予算委員会の記事は遅れるかもしれません。

 委員室に戻って、息子は落選しながらも本人は閣僚待命ポストの「参議院政審会長」についた、二之湯智さんが自民党トップバッター。108分遅れて登場し、80分間の持ち時間(片道方式の往復の想定時間)を60分に短縮しました。第2次特別定額給付金で麻生太郎財務大臣は「一律10万円だったが、今思えば、貧しい方に30万円行った方が可処分所得に回ったのではないか」と語りました。第1次補正予算はこの構想を止めて組み直しとなりました。これにより、岸田文雄・政調会長がつまづき、総裁選で失速しました。ただし、古賀誠さんとの絶交を求めて麻生さんがはしごをはずした印象だったので、この政策論をめぐっては、闇があるなと感じます。富豪の80歳ですが、麻生さん陰湿に感じます。麻生さんと二階さんは派閥を太らせたお金を回収しようとしているのでしょう。

 午後5時過ぎに登場した、自民党の上野通子さんも質問し、午後5時45分ごろ散会しました。

 なお、この秋からも、長年の参議院の伝統と違い、「2人会派」を予算委員会から締め出す慣行は続くようです。私としては国民不在の合従連衡のきっかけとなっていたので、2人会派締め出しは大いに賛同したいところです。

【政府・与野党 きょう】

 政府与野党とも大きな動きはありませんが、政府の法律を与党発議で改正する議員立法の動きが自民党内で活発化しているようです。細かい変な改正がないように目を光らせていく必要があります。

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参議院予算委員会、菅首相が1分前後立ち往生、「菅内閣の女性割合」答弁せず「学術会議の女性割合が1%から38%になり、偏り是正されている」との蓮舫さんの指摘に反論しようとしたか

2020年11月05日 09時50分44秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]蓮舫さん、3年前の2017年9月、宮崎信行撮影。

 「菅内閣の女性の割合は何%か」この質問に、菅首相が1分近く立ち往生する姿が見られました。 

 きょう令和2年2020年11月5日(木)は、菅首相就任後初めての参議院予算委員会。質問のトップバッターの蓮舫さんは、理事を外れたので、早めに質問者席に。立憲民主党などの会派の森裕子筆頭理事が、山本順三・予算委員長や、青木一彦自民党筆頭理事と対峙し、杉田官房副長官の招致などをめぐり紛糾し、1分前後、委員会の開会が遅れました。

 蓮舫さんは、日本学術会議にしぼって質問。初めの40分間に、場内協議で4回以上、審議が止まりました。蓮舫さんは、首相決裁の文書の添付資料として推薦された105人と任命する削られた99人の名簿が付いていたと指摘。首相は決裁したが、見ていないと答弁しました。首相が、大学や出身などに偏りが見られることを問題視していた、と答弁していることに対して、蓮舫さんは「日本学術会議の女性比率は1%から38%に上がっている」と多様性を確保しているとし、「38%は政府の男女共同参画計画の30%目標を上回っている」と強調。そのうえで「あなたの内閣の女性割合は何割ですか」と質問しました。これに対して首相は「見ての通りです」と答えずに、一つ前の質問への反論をしようとしたため、森理事らが「青木さん、なんとかしてよ。衆議院とは違うんだよ」と詰め寄りました。委員長はストップしませんでしたが、首相は答弁席で「いや」などと言いながら1分前後について立ち往生しました。この後、委員長が加藤官房長官を指名。加藤さんが「総理を入れた21名のうち2名ですから、1割弱です」と答弁しました。

 審議は今も続いています。

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【11/4】首相アルファベットの発音以外はまったく安定して衆・予算委乗り切る、反知性主義者カリスマトランプ大統領

2020年11月04日 17時07分40秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]菅首相、宮崎信行撮影。

 政府は「日英EPA」を決定。国会は今週が年内のピークになります。

【衆議院予算委員会 令和2年2020年11月4日(水)】

 菅首相就任にともなう基本的質疑は2日目で、衆議院は終わりました。年内にふたたび集中審議7時間コースをやるよう期待します。

 新聞報道では「学術会議で首相答弁滅裂」という論調で伝えられましたが、私は2日間通じて、菅首相の答弁はきわめて安定していたと感じます。叩き上げだけに「CVID」のアルファベットの読み上げ発音はよくなかったです。また初入閣のうち、井上科技・消費者相、岸防衛相、野上農相の答弁はスムーズ。登場しなかった平沢復興相、坂本地方創生・少子化相はスキャンダルがあり、坂本さんの奥さんと違うお子さんの問題は「お金の始末がついている」ようです。複数の法案をかかえる野上農相と宮内秀樹副大臣など地雷原はありそうですが、組閣後の文春砲と予算委員会は不発に終わった公算です。コロナで有権者も関心を持ちきれない面もあるでしょう。

 前回に続き、新・立憲民主党は合計11名が登場。新党だけに実力者が聞きたいことを聞く形になったようで、11名中9名が学術会議を聞きましたが、「人事なのでコメントを差し控える」の常套句が勝った格好。聞かなかったのは、2名で、8年前のきょう「解散シナリオ」を教えてくれた尊敬する岡田克也さんと、東京での結婚披露宴にお招きいただいた石川香織さんのお二方でした。石川さんの夫からは私に対して「英語が堪能なのに、小沢一郎さんの批判をするのは、もったいない」と、人間は成長しない資本であり、土地機械建物が成長する資本だとする私の資本主義社会観とは違う。

 枝野幸男・立憲民主党代表は、新型コロナウイルス感染症で、シングルマザーのうち1割が収入がまったく途絶え困窮していると指摘。菅首相は「自治体のひとり親家庭の個々のニーズに応じた支援を国も支援する」としました。枝野さんは「調査だけでなく、私たちのところにも直接来ている」とし、4年前の「保育園落ちた」のように、女性の生活に関する声が届いていることを強調しました。

 枝野さんは「閣内不一致ではないか」として、2050年カーボンニュートラルに関する、首相、経済産業相、環境相の認識を確認。梶山経産相は「原発の新増設について予定はない」としましたが、首相は原発と石炭火力発電を「技術革新する」としており、2050年ゼロの前に新設すると見て取れる発言をしています。おそらく生煮えのまま出してしまったのでしょう。また、安倍内閣は、まるっきり閣内不一致が露呈しない内閣でした。田村厚労相と平井デジタル相との関係も含めて、今後も閣内不一致が表面化することもありそうです。

 枝野さんは日本学術会議で、形式的任命になったのは、中曽根首相の答弁以降かと質問。近藤内閣法制局長官が手を上げましたが、まずは、加藤官房長官が答弁し、「あとは法制局長官が答弁します」と語りました。しかし、ここで、枝野さんが法制局長官は政府特別補佐人として登録していない、と強調。金田勝年委員長は指名しましたが、「戻ってください。説明します。質問者に確認したら、登録されていません。お戻りください」として自席に返しました。しかし、これ以外は、ほとんど混乱がなく、時計が止まることもありませんでした。

 また、月曜日の質疑を傍聴した、上西充子・法大教授が自身のツイッターで、ポイントだと思ったが報道されていないと指摘していた、川内さんに対する首相の「理論的には川内さんの言う通り」との答弁について、枝野さんが最後に取り上げました。枝野さんは「欠員は違法状態なのだから、学術会議が6名を推薦してくれないと、任命できず、違法が続きますよね」と指摘し、川内さんの提案の通り、6名を追加の推薦名簿でもらって首相が任命する善後策について問いました。菅さんは「当日もこういう答弁をしている」とし「新たに会員を任命するのは、改めて手続きをする必要がある」と理論をとなえて終わりました。

 2番手の岡田克也さんは、反知性主義者なのか学術会議にはふれず、外交・安保に限りました。岡田克也代表のカウンターパートの小泉純一郎首相は安倍晋三内閣官房副長官を引き連れて平壌を訪問して、日朝平壌宣言に署名し、拉致被害者の一部帰国を実現し、国民運動の政府主催とあわせて安倍さんの2度の首相就任の道を開きました。岡田さんは「北朝鮮との交渉を見ると、残念ながら拉致被害者がかえることはなかった」とし、菅さんは「我が国が自主的なとりくみをしており、今後交渉していく」とし、引き継いだとの認識を示しました。岡田さんが代表を退いた後の2017年の国連総会で、安倍首相が「必要なのは対話でなく圧力だ」と語ったことについて、平和安全法制で消えた「周辺事態」概念も念頭に、武力行使があったら日本が危なかったではないかとにじませました。茂木外相が「諸懸案があったが、包括的に解消する」と答弁しました。年末の新・防衛大綱の前提になる、敵基地攻撃能力の検討について、閣議決定ではないが菅内閣も踏襲するとの答弁があり、岸防衛相も答弁で認めました。

 本多平直さんは、1933年の滝川事件は、京都帝国大学の刑法の教授がなんとか史観だとにらまれ、人事と出版法をつかって弾圧され、戦争につながったとし、首相も答弁で認めました。そして、菅人事について、総務省課長の更迭などで、わざと欠員のままにして、周辺に恐怖心を与えるやり方が見受けられると指摘しました。

 本多さんは、前回の学術会議人事で、杉田和博・内閣官房長副長官と日本学術会議事務局長の官僚コンビで、調整して推薦させず、そのことを官房長官にあげてない可能性があるとし、菅さんは「承知していない」と答弁しました。杉田さんの参考人招致はけっきょく実現しませんでした。

 石川香織さんは、1次補正の高収益次期作転換支援交付金の予算総額が不足して、農林水産省の対応で大混乱が起きていることについて「知らない人からも私に電話がかかってきている」として首相に3次補正での予算追加を直訴。首相は「生産者のみなさんが安定して経営できるよう支援したい」と述べるにとどまりました。

 この後、逢坂誠二さん、後藤祐一さん、辻元清美さんが首相に迫りました。

 共産党の志位和夫さんは、学術会議に特化。

 維新の浦野靖人さんは「まずこの話からしないといけない。日曜日の大阪都構想。負けました。(永田町で)心配されていますが、私たちは元気です。ただ、大阪府議会議員時代からかかわっていた私としても、さすがに3度目はないかと思う」と語り、慰留報道が出た松井一郎代表が党首を辞任することを予算委で明言しました。浦野さんは「辻元さんは選挙に強いので」とし、大阪府内での国政選挙でも10年越しの維新ブームの終息に不安を見せました。この後、ハンコ問題を取り上げ、平井デジタル相は「日本には読み仮名を広く公示するしくみはない」などと答弁し、協力を求めました。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「100兆円の追加経済対策」を提案しました。同党は9月15日の発足に前後して、玉木さんを2期目から支える、元科学技術庁官僚の井山哲政策秘書が党の広報もしていましたが、今週になって、新しい党職員の人が見つかり、引き継ぐとのことです。玉木さんは質問の中で、「学生から悲鳴が聞こえている。大学ごとの対応に任せていてはだめだ」とし萩生田文部科学相のリーダーシップに期待しました。国民民主党さんが学生部で玉木代表や山尾さんらと夜通し討論合宿などをしたら、いい思い出になり、就職で不利にはならなそうですから、学生たちのいい思い出づくりのためにも、玉木党にがんばっていただきたいような気もします。小選挙区では一本化してほしいですが。

【閣議 きょう】

 祝日のため、水曜繰り下げ定例閣議となりました。「日英EPAの承認を求めるの件」が決定され、国会に提出されました。

【衆議院議院運営委員会理事会 きょう】

 開かれましたが、なにか日程が決まることは無かったようです。国会同意人事もあります。

●参議院 

 とくになし。

●明日の予定

 参議院予算委員会が開かれます。 

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【11/2】自民「日本学術会議に在籍したノーベル賞受賞者は6人だけ」立憲に対して首相「官僚を降格させたことは一度も無い」と気色ばむ、3次補正言及や審議中断は無く首相が無難に乗り切った印象【追記有】

2020年11月02日 17時24分54秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
(初投稿は2020-11-02 13:02:58で、午後5時25分追記してタイムスタンプを更新)

[写真]日本学術会議前でサングラス姿になり反知性主義者だと表現する筆者、先週2020年10月下旬撮影。

【衆議院予算委員会 令和2年2020年11月2日(月)】

 菅内閣最初の基本的質疑が始まりました。自民党は3時間割り当てられ、午前の3時間を使って質問しました。

 山際大志郎さんの「ワクチン開発が進んでいる」との問いに、西村康稔コロナ担当相は「コロナ特措法は強制力を持たない緩やかな法律だ」と強調。きのうの日経新聞で田村憲久・厚労相が意欲を見せた感染症法改正も念頭においてか、西村さんは「感染症法との関係をどう考えるか。特措法による国と県の関係のほかに、国と医療機関との関係や、憲法12条と公共の福祉による、強制力の法的整理が必要だ」と語りましたが、再改正の必要性については言及しませんでした。

 大塚拓さんは前置きなく「日本学術会議について、一般の方は初めて耳にした方も多いのではないか」と議題にしました。大塚さんは「ノーベル賞受賞者のうち学術会議に在籍した人は何人か」と問うと、福井・内閣府日本学術会議事務局長(昭和60年旧総理府採用)は「27人のうち6人だ」と答弁しました。

 大塚さんのやりとりでG7のアカデミーでは(1)日本だけがみなし公務員(2)アメリカ・カナダでは会員が会費を納める(3)外国人会員がいないのは日本だけーーなどの特異な実態が明かされました。またコロナに関する提言が日本学術会議からしばらく出てこなかったが、海外では200ページの「ワクチン配分に関する提言」をまとめたアカデミーもあると指摘。

 大塚さんの問いに、文部科学省科学技術・学術政策局長が答弁。法学政治学は8177学者のうち4会員で、電気通信工学では15万3942学者(企業在籍含む)から4会員で、なれる確率が100倍違うとし、現会員の既得権益となっており、年10・5億円の税金を投じる必要がないとしました。

 委員会は午後は公明党が質問を始めました。その後、立憲民主党となり、同党の議員は全員、日本学術会議について質問すると先週末、通告しました。

【追記 午後5時5分】

●「人間の安全保障をおびやかそうとしている」と首相が公明にすり寄る

 午後1時からは公明党。竹内譲・新政調会長が「ワクチンで低所得の人が取り残されることがあってはならない」と質問すると、菅首相はのっけから「新型コロナは人間の安全保障をおびやかそうとしている」とさっそく、公明党や創価学会が大事にする「人間の安全保障」をなぞらえて、公明党にすり寄りました。

 雇用創出について、竹内さんは「地方に交付金を渡して地方で雇用を増やしてもらうことも必要ではないか」と提案しましたが、田村厚労相は「企業の中でやりくりしてもらって、失業のない雇用安定に最善をつくしたい」ととどまりました。竹内さんは「デジタル寺子屋」を提唱。竹内さんは「総理と私は政令指定都市の議員の経験がある。そこで、不妊治療の保険適用は慧眼だ、と公明党として感心した」と上から目線で評価しました。

●公明党、携帯4割値下げ前のめりに首相らも受け止める

 公明党で、東京12区で太田昭宏さんと代替わりする、現在比例の岡本三成さんですが、やや気負いを感じました。「(東京12区の)北区の岩淵水門が決壊すると、荒川が氾濫し、200万人が被災する」と強調し、貯水ダムの暫定的な運用について、赤羽国交大臣に次善策を要請しました。

 岡本さんは「携帯電話は、神崎武法郵政大臣が貸与から買取にして料金を引き下げた。それ以来公明党は取り組んでいる」と太田さんの前の党首の名前まで引き合いに出しました。岡本さんは「携帯電話4割引き下げは政権公約か」とせまると、首相は「進んでいますから、武田総務大臣から答弁させます」と応じるなど公明党へのサービスを見せました。とはいえ、総理や与党が値下げの圧力をかけるのは、大衆迎合的で、本来は賃金が上がる政治をすべきです。

●江田憲司さん、首相に「逆だったんじゃないですか」

 立憲民主党のトップバッターは江田憲司さん。「橋本内閣のころ、総理の初当選(初出馬時は経世会所属)のときにお世話させていただいた」とすると、菅さんは「このような立場で国会論戦をすることになるとは思わなかった。(江田首相と菅議員というように)逆だったんじゃないですか」と述べました。江田さんはそう言われて、おそらくうれしい人なんだろうと忖度します。

 江田さんは、経済政策について所得税の減税と法人税率の30%への引き上げを要求。私はどうしても、経済政策なのに、税率の話になるのか、いまだにまったく相いれません。

 江田さんは日本学術会議の任命漏れの理由を会長に伝えないと、次回の推薦名簿をつくれない、と語りました。なお、江田さんが質問している時間中に、明後日午前9時45分からの岡田克也さんの質問通告に日本学術会議が含まれていないことを確認。安心して堂々と反知性主義を唱えます。

●首相「官僚を降格させたことは一度もない」

 今井雅人さんは、菅さんの内閣法制局長官や自治税務局長の人事に迫りました。これに対して菅さんは「私が官僚の降格人事をした、と言っていたが、私は官僚を降格させたことは一度も無い。これはテレビで全国放送されていますから、訂正してください」と気色ばみ、官僚を左遷したことを認めました。

●辻元筆頭理事止めるも止まらず

 この後、辻元清美筆頭理事が出て、審議を止めようとしましたが、金田勝年委員長は時計を止めませんでした。金田さんは「答弁していると思う。個別の人事については言えない、と言っている。それで答弁していると思いますが」と応じ、野党は不発のままでした。

 川内博史さんは「学術会議の6人漏れの、決裁文書はあるのか」と問いました。「桜を見る会」でもおなじみの内閣府の大塚官房長が総理に代わって答弁を求めて、はぐらかしました。

●死後判明のコロナ患者は54名

 警察庁刑事局長は、警察の検視によって、死亡後に、コロナPCR陽性だったと判明した人について、昨日までに54名だと答弁しました。これまで日本では感染者10万人死者2000人ペースですので、緊急事態宣言中の「陰謀論」はなかったと判断してよい答弁だと考えます。

 奥野総一郎さんは河井克行・案里夫妻について議員辞職を勧告するよう迫りました。菅さんは「我が党に所属する議員が起訴されたのはまことに残念だ。それ以上は公判中なのでさしひかえる」と語りました。

【参議院 同日】

 とくにありませんでした。

【前夜の選挙】

 既に他の記事に書いた通り、いわゆる大阪都構想がゆうべ否決され、松井一郎・維新代表が、3年後の大阪市長満了で、政界引退すると表明しました。

●あさっての予定

 祝日を挟んで、あさって11/4(水)午前8時55分から、衆議院予算委員会基本的質疑2日目になります。9時から枝野代表、9時45分から岡田克也常任顧問です。

【追記おわり】

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【10/30】あら不思議、参議院本会議の傍聴券から議員が消えたコロナ反知性主義吊し上げられる首相の狼狽のもとに

2020年10月30日 17時49分39秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
 菅義偉首相のもとでの衆参本会議が終わり、週明け月曜日8時55分から衆議院予算委員会となります。

【参議院本会議 令和2年2020年10月30日(金)】

 代表質問2日目。

 午後1時半から午後2時半近くまで、先着順公衆傍聴券で、傍聴しました。前回がいつか確認したら2016年5月2日以来ということで、岡田克也代表が落とし穴に落とされ、私が実父の介護で携帯電話を切れない状況が続いたためか、4年5か月ぶりの参議院本会議現地傍聴となりました。

 その間に、傍聴券の半券に変化が。少なくとも2010年10月1日から2016年5月2日までの半券の写真には、議場に議員がいるのですが、きょう持ち帰った半券には、一人も議員がおらず空席。反知性主義の嵐の中で、組織の用心棒のような各党参議院議員に愛想をつかし、もう参議院はAI議員やネット投票で十分だという皮肉が込められているのかもしれません。第一委員会室関係の傍聴券半券はそれ以前から空席だったようです。

 公明党の山口那津男さんは「新たな連立政権合意をかわした」と切り出し「6月に成立した改正社会福祉法による、引きこもり・介護などの複合的リスクに対応する、包括的な、断らない相談支援を含む支援体制整備事業の来年4月の本格スタートにむけて、縦割り打破で全区市町村で行うべきだ」と語りました。

 日曜日の「大阪都・大阪市廃止4特別区新設」住民投票については、当日のうちに開票特番が確定できなさそうな接戦となっている」(反対派の野党筋)そうです。ただし、維新の片山虎之助さんは、「コロナ対策では経済との両立をはかる政権の取り組みを評価したい」と述べ、永田町での対決はさけました。

 国民民主党の小林正夫さんは「労働は国力の源だ」との独自の国家観を示しながらも、AIによる労働災害軽減を働きかけました。私は首相の答弁を議場で直接見ましたが、この後、4人の職員が消毒し、厚労大臣が答弁。そのまま経産大臣が答弁。この後、また消毒がありました。この消毒をする答弁時間のなんらかの基準があるようです。コロナ禍は総力戦ですので、これに関する余計な野次を飛ばす議員は与野党ともいませんでした。

 共産党の小池晃さんは、日本学術会議を追求。これに対する首相の答弁では、議長席から見て最も左側にすわる共産党と、最も右側にすわる国民民主党など野党が野次で応酬。自席に帰った小池さんが維新の石井章さんに「黙っててくださいよ」と野党同士の野次の応酬もあり騒然としました。議長席から見て、真ん中に座る自民党と公明党はだまるだけで、時々いっせいに拍手を送るだけ。またコロナ対策のために、参議院本会議場は最前列まで使って議員同士のソーシャルディスタンスをとっています。そのため、首相から見ると、目の前の席から180度の角度で野次を浴びる格好となります。首相は180度吊し上げに面食らったようで、一瞬だけ後ろを向いて事務総長の方向に手を上げました。小川敏夫副議長と事務総長がお互いの顔を見ましたが、注意はなし。首相はこらえきれなくなったようで、もう一度、事務総長の方角に手を上げると、小川副議長が静粛にするよう注意しました。自民党席はいっせいに拍手をする行為以上のことはしないよう、国対から命じられているようでした。

 小池さんの「国連事務総長は日本は石炭中毒だと言っている」とする問いに、首相は所信表明演説の2050年二酸化炭素ゼロ目標について「石炭火力発電所については、カーボンニュートラルに貢献する技術革新を推進する」と述べ、石炭火力の新増設は認める方針と軌道修正しました。沖縄の基地負担軽減について、官房長官として実績をあげたとして「北部訓練場の返還」を上げましたが、小池さんは自席から「使ってなかっただけだよ」と野次。

 水岡俊一さんは質問の冒頭で、宮内秀樹副大臣(福岡4区、自民党二階派)が旧高速道路公団「ネクスコ」職員を議員会館の自室に呼び、国交省職員同席のもと、「手抜き工事」と報じられた建設会社に対して、パワハラがあったと認めさせ、ネクスコが担当者を異動させた、とする事案について取り上げました。

 自民党の磯崎仁彦さんは「大平首相の楕円の哲学」にもとづき、違う考え方の者を楕円のように包括する政治が理想だと説きました。

【衆議院予算委員会 同日】

 脳こうそくを克服して、法相をつとめた金田勝年さん(自民党二階派)が新しい予算委員長としてあいさつ。理事の人事。週明け月曜日午前8時55分から委員会を開くことを発表しました。

【参議院懲罰委員会 同日】
【参議院国家基本政策委員会 同日】

 理事の選任。

【閣議 同日】

 「被害者生活再建支援法改正案」(203閣法 号)「郵便法及び信書法改正案」(203閣法 号)「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律案」(203閣法 号)の3法案を決定し、国会に提出。

【枝野幸男立憲民主党代表定例記者会見 同日】

 正午から開かれました。JR東海のリニア新幹線建設について「静岡県知事が反対していることは尊重する」とし「リニアに限らず、長距離大規模な運送事業者はコロナ禍でいったん立ち止まって、再検討すべきだ」と語りました。先週はANAの社長が自民党本部の二階俊博幹事長に呼び出されたようで、空運・陸運の苦境が続きます。枝野代表は、「43の県連が立ち上がった」との指摘に対して「正直言って、9月15日の想定よりも何倍もうまくいっている」と頬をゆるませました。

●来週の予定

 衆参予算委員会一色です。念のために書いておきますが、今国会では補正予算はありません。菅首相が追加経済対策をどのタイミングで明言し、とりまとめを指示するかがポイント。政治とカネのスキャンダルもくすぶっており、月曜日午後2時12分の江田憲司・立憲代表代行の質問以降ははいつでも荒れる局面となります。

 与野党内では、生殖補助医療で生まれた子の親に関する民法特例法案の起草の検討や、税制改正、イージス・アショア代替策の新中期防などの閣議決定に向けた議論が中心となります。

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