[画像]“箇所付け事件”を謝罪する馬淵澄夫国交副大臣、2010年2月4日衆院予算委=ネット中継からキャプチャー。
【衆院予算委員会 2010年2月4日】
衆院予算委が午後6時50分過ぎ、大幅に遅れてスタート。
菅直人・財務大臣による、「平成22年度一般会計」「同特別会計」「同政府関係機関」の3つの予算案の趣旨説明、野田佳彦財務副大臣、古川元久・内閣府副大臣の補足説明が行われ、ことしも予算審議が本格スタートしました。
これに先立ち委員会の冒頭で、平野博文官房長官と馬淵澄夫国交副大臣が発言しました。
民主党本部が民主党県連に対して、公共事業の箇所付けを事前に内示した問題への謝罪です。この問題で委員会の開会が遅れました。
平野官房長官は「予算の箇所付けを行ったとの報道はあるが、政府としては箇所付けをしていない」と述べ、またしても、マスコミに責任転嫁する未練がましい態度を示しました。「政府としては箇所付けをしていない」というのは事実なのかも知れませんね。
そのうえで、これにかかわった疑いを持たれている馬淵澄夫・国土交通副大臣らについて、近く処分することを予算委員に約束しました。続いて、馬淵副大臣が答弁席に立ち、短く謝罪しました。
それにしても、極めて残念な出来事でした。
このように箇所付けを事前に漏らして、締め付けるような政党は、とうてい支持できません。
おそらく小沢一郎・民主党幹事長の発案でしょう。それを細野豪志・党副幹事長と馬淵副大臣が怖くて小沢さんを止められなかったのではないでしょうか? いずれにしろ、「政府が調査する」と平野官房長官が明言しましたので、その結果を待ちたいと思います。
【追記 2010年3月2日】
「箇所付け」のGoogle、Yahoo検索ワードでこのエントリーを見てくださる方が多いようなので、この後に書いた関連エントリーを紹介させていただきます。
箇所付け事件で審議紛糾 衆院予算委は一般質疑に入る(2月10日)
阿久津幸彦・民主党副幹事長の参考人招致を要求(2月15日)
箇所付けペーパーを作成したのは役所(2月20日)
[箇所付け]衆院予算審議大詰めで鳩山首相、前原国交相を処分へ(3月1日)
【追記終わり】
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/1e6d2622763734b86c2ad91eb187b311
【政府4演説に対する代表質問 2010年2月1日~3日 衆参本会議】
1月29日の鳩山由紀夫首相の施政方針演説は、唐突にガンジーの話が出てくるなど不出来なものでした。
しかし、それを受けて、衆参で2月1日~3日に行われた代表質問は内容が濃いものとなり、私は存分に満足しました。
特に与野党の実力者の振る舞いから、二大政党制の幕開けを感じることができたのがうれしかったです。
2月1日の衆院本会議では自民党の石原伸晃さんと民主党の岡田克也外相の同期当選対決がありました。石原元国交相がアフガニスタン支援は「小切手外交だ」「大盤振る舞いだ」と挑発すると、答弁に立った岡田外相は、議員席からヤジを飛ばす石原元国交相をにらみつけ、仁王立ちになり、およそ10秒沈黙した後、左手で「静粛にしてください」と制しました。(冒頭の写真)
[画像]岡田外相の答弁を聞く、石原元国交相ら自民党=衆院インターネット中継からキャプチャー
岡田外相は、アフガニスタン支援のうちの「20億ドルは麻生政権のもとで決定されたものであります」と、畳みかけました。
これまでは与党の大臣は、少しでも早く予算を通して欲しいと野党を牽制することは見られませんでした。石原質問では、「国民は政権交代ある二大政党制をのぞんだのであって、民主党をのぞんだのではない」という昨年夏の総選挙の的確な総括がありました。
岡田さんとしても、早ければ3年以内に、自民党に政権を奪われてしまうかもしれないという考えがあるはずです。
1990年の第39回総選挙で、岡田克也さんは自民党公認候補として、石原伸晃さんは公認漏れの無所属候補として初当選をしました。その後一貫して自民党にいる石原さんは行革担当大臣、国交大臣、政調会長とつねに日の当たる坂道を昇ってきました。一方の岡田さんは、石原大臣に大きく水をあけられ、政務次官すら経験することなく野党一筋15年に耐えてきました。
施政方針演説の後、岡田外相が登壇し、外交演説を始めると、民主党の「小沢チルドレン」、最近では別名「フラワーロック隊」とも揶揄されていますが、「小沢チルドレン」からの拍手が少なくなりました。岡田外相のことを個人的に知る議員は少ないし、拍手をすると、一新会から叱られると思ったのでしょう。しかし、20分間の演説の後半になると、拍手はどんどん大きくなっていき、間の手も増えました。ひな壇の菅直人副総理がそれを悔しそうに見ていました。小沢チルドレンにも生活があります。次の選挙で落選したら無職です。鳩山総理のイマイチな演説の後、岡田さんが良い演説をしたので、岡田さんに次の選挙などでの活路を見いだしたのでしょう。
◇
これに先立ち質問に立った谷垣禎一・自民党総裁は、民主党の「小沢独裁」を批判。「国民にとってこの4カ月余りの新婚旅行はいかがなものだったでしょうか」「仲人がいつの間にか影のように寄り添い、旅行計画は好き放題に変えられ、約束されたおみやげも買えませんでした」とレトリックを交えて指摘しました。これは谷垣さんの言うとおりだと、私は思います。
谷垣さんは「総理、小沢独裁と呼ばれる現状にあって、あなたは本当にこの国の為政者なんですか」と呼びかけました。
2月2日の参院本会議では、参院らしさがありました。参院自民党の谷川秀善幹事長が答弁者として総理の他に、同じ参院議員で、関西出身の直嶋正行・経産相を指名しました。
その一方で、輿石東・民主党参院議員会長が岡田外相に2問質問するという異例の出来事がありました。輿石さんは国から参院会派へ振り込まれていた立法事務費を党本部に上納するよう岡田さんに言われて大げんかになったことがあり、不仲で知られています。輿石さんは7月に改選を迎え、落選の可能性もあるので、岡田さんに秋波を送ったのかもしれません。
2月2日の衆院本会議2日目では、公明党の井上義久幹事長がガンジーについて熱弁。高校時代に伝記を読み発憤し、大学で学びながら、セツルメント活動をしたということですから、「昨年12月インドに行きました」だけの鳩山演説が許せなかったのでしょう。ただ、ここは国会論戦の難しいところ。ガンジーで攻めて攻めて、「ガンジー解散」にはなりません。持ち時間の中で、自分の志をぶちながら、いやみったらしく与党を攻めなければいけないんですね。井上幹事長は赤松広隆農相に、本会議で取り上げるほどとは思えない質問をしました。赤松さんは野党・民主党の選対委員長時代から、たびたび公明党との協力に言及しており、赤松さんと公明党の距離感の近さが実証されました。これはこれで、赤松さんの力なんだなあ。僕も少し大人になりましたよ。
与党・社民党の重野安正幹事長は、社民党党首の福島みずほ国務大臣にたくさん質問しました。そして、答弁に立った前原誠司・国交大臣は「(社民党の)辻元清美副大臣を中心にやってもらっています」とリップサービスをしました。
みんなの党の渡辺喜美代表が「国債整理基金に積みます必要がないのではないか」への菅財務相の答弁は、官僚原稿棒読みだし、内容も納得できないし、そもそも理解していないのがハッキリしていました。この財政状況では、国債整理基金の積み増しは必要なく、それを“フローの埋蔵金”として使うべきだと思います。これは予算審議の中で、また書いていこうと思います。
2月3日の参院本会議2日目は、2人の質問者が「友人の自殺」に触れるという異例の展開となりました。とくに自民党議員から「建設業の友人の自殺」を引き合いに「コンクリートから人へ」の撤回を迫るというなんとも難しい提案がありました。こういうときこそ、人間として信頼できる強いリーダーシップが必要だと思います。
吉田茂さん、佐藤栄作さん、中曽根康弘さんら戦後長期政権を実現した首相はみんな性格が悪いです。そして、性格が良い首相は短命政権になります。その例は羽田孜さんです。岡田さんは当選2回生としてそれを目の当たりにしています。
岡田さんには、どんどんどんどん、嫌なやつになってほしいと思います。追いかけていく人は必ずいますから。
[画像]岡田外相の外交演説(衆院本会議)=ネット中継からキャプチャ
【衆院本会議および参院本会議 2010-1-29 政府4演説】
政府4演説は衆院本会議と参院本会議で同じ内容が読み上げられます。
[画像]岡田外相の外交演説(参院本会議)=ネット中継からキャプチャ
岡田克也外相の外交演説は、衆参とも20分間でしたが、衆参とも全く同じ場面で水を含みました。これぞホントにロボコップ(笑)ですね。外交交渉では、水を含むことで相手に動揺を知られる可能性もあります。初めから原稿にタイミングが書き込んであったのでしょう。「ロボコップ」「バズライトイヤー」に例えられる岡田さんの人間としての強さを感じました。
岡田さんは外交演説で、
①現場を知ること
②常に原点に立ち返り検討すること
③分かりやすい言葉で国民の皆さんに伝えること
という、「岡田3原則」と呼ぶべきであろう、3つの原則を示しました。
外相は「国民の理解と信頼があって初めて、外交は力強さを備えることができる」と強調。これは外交に限らず、孔子が2500年前に言った「民(たみ)信なくんば立たず」と言われる政治の根本原理です。
そして、
「私は、新たな国際協調の時代にあって、人々が希望を感じることができる日本外交を、日本国外務省の総力を挙げて展開していく決意です」と述べました。
岡田演説を下の概念図にまとめました。
私たち国民が岡田さんに「理解と信頼」を与えると、岡田さんから「希望」がもらえる、ということになります。
[画像]岡田外交の概念図
私は1月12日付のエントリーで、ハワイでエリソン・オニヅカ宇宙飛行士のお墓参りをした岡田さんに「そろそろ、勇気をもらってばかりではなく、国民に希望と勇気を与えられる政治家に脱皮しなきゃいけないですね」とブログを通じて伝えました。
今、「きぼう」など国際宇宙ステーションにいる野口聡一・宇宙飛行士は1月31日(JST)、オニヅカさんの故郷「ハワイ島」と日本の「富士山」の上空から、つぶやきと写真をツイッターで届けてくれました。
[画像]野口聡一宇宙飛行士のツイッター。この画像は報道用に情報をコラージュしたものです。
きょう2月1日は、コロンビア事故があった日なんですね。忘れていました。アメリカとすべての自由主義社会の希望が打ち砕かれた日です。これからは、忘れないようにしようと思います。
岡田さんは「日本の平和と豊かさは、世界の平和と繁栄、そして、それを実現するための国際協調の中でこそ実現が可能です」としたうえで、
「私たちは内向きになることなく、常に視野を世界に広げ、為すべきことを為し、自ら率先して国を開いていくことが必要です」と語りかけました。
私は小沢一郎幹事長を人間として「信頼」できません。また、鳩山由紀夫さんも「偽装献金」で「信頼」を大きく傷つけてしまいました。だから彼らから「希望」を感じることがないのでしょう。
私は岡田3原則
①現場を知ること(脱官僚)
②常に原点に立ち返り検討すること(君子は本を務む)
③分かりやすい言葉で国民の皆さんに伝えること(ディスクロージャー)
そして、その正統性は、政権交代を総選挙で選んだ国民が与えたとしっかりと国会で説明できる岡田克也こそ日本のリーダーにふさわしいと考えております。
日本にはまだまだ力があります。「きぼう」が、「野口聡一さん」がその証拠です。信頼に基づく透明な政治で日本を建て直していきましょう。
[第174通常国会における外交演説全文]
第174回国会の開会に当たり、外交の基本方針について所信を申し述べます。
(ハイチへの哀悼と支援策)
まず冒頭、先にハイチで発生した地震において犠牲となった方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災者の方々にお見舞いを申し上げます。我が国としては、これまでに国際緊急援助隊による医療活動などの緊急支援を行っているほか、総額約7,000万ドルに及ぶ緊急・復興支援や国連平和維持活動(PKO)への参加意思も表明したところです。今後とも震災国としての経験と技術を活かし、ハイチの復旧・復興に積極的に貢献してまいります。
(基本方針)
国際社会は、米国のオバマ大統領の登場を一つのきっかけに、新たな協調の時代を迎えています。日本の平和と豊かさは、世界の平和と繁栄、そして、それを実現するための国際協調の中でこそ実現が可能です。
現実の国際社会の中で、私たちは様々な課題に直面しています。その解決に向けて、私たちは内向きになることなく、常に視野を世界に広げ、為すべきことを為し、自ら率先して国を開いていくことが必要です。日本が積極的に行動し、構想を示すこと、それによって世界の期待に応えることが求められています。
昨年9月、私は外務大臣に就任するに当たり、政権交代という変化を大きな機会ととらえ、国民の理解と信頼に基づく外交を実現していきたいと強調しました。このため私は、一つひとつの外交案件への対応に当たり、第一に現場を知ること、第二に常に原点に立ち返り検討すること、第三に分かりやすい言葉で国民の皆さんに伝えること、という三つの原則を特に重んじてきました。
私は先の総選挙を戦い、日本全国を回るなかで、新しい政治に対する国民の皆さんの強い期待を実感しました。今後とも、全力で新しい外交に取り組む決意です。
以上申し上げたうえで、本年、日本外交が取り組むべき課題として、第一に各国・地域との関係の強化、そして、第二に地球規模の課題への取り組み、それぞれに対する基本的な考え方について、国民の皆さんにご説明します。
(各国・地域との関係の強化)
日米同盟は、日本外交の基軸であり、日本自身の安全の基礎であり、アジア太平洋地域の公共財として、その平和と繁栄に大きく寄与しています。本年は、現行日米安保条約締結五十周年に当たります。私は、今月12日にハワイで行ったクリントン国務長官との会談で、同盟関係を更に深化させていくための協議プロセスを開始することで合意しました。今後30年から50年先を見据えて、日米同盟が日本の安全、そして、アジア太平洋と地球規模の平和と繁栄のために果たす役割を日米両国で再確認する1年にしたいと考えています。その際、在日米軍が日本の安全を確保する抑止力として重要な役割を果たしていることについて、国民の皆さんに率直に語り、そのご理解を深めてまいりたいと思います。
普天間飛行場の移設については、日米合意の重みを十分認識したうえで、米軍基地が果たしている役割、沖縄の負担軽減などの諸点を十分に勘案し、5月末までに政府として具体的な移設先を決定します。その上で、日米地位協定や在日米軍駐留経費負担の問題についても取り組んでいきます。
先のクリントン国務長官との会談では、北朝鮮、ミャンマーといったアジア太平洋地域情勢のほか、アフガニスタン、イラン、核軍縮・不拡散といったグローバルな課題についても両国の協力を話し合いました。今後とも、このような幅広い問題について連携し、日米同盟を深化させてまいります。
アジア太平洋地域における外交を積極的に推進し、この地域と一体で、共に成長し、繁栄していくことを目指します。日本が有する資金、技術、知恵を活用し、世界の成長センターであるアジアの発展を促し、その活力と需要を日本の成長につなげていきます。
基本的価値を共有する隣国である韓国とは、歴史を直視したうえで、成熟したパートナーとして未来志向の関係を強化してまいります。また、日韓経済連携協定(EPA)交渉の早期再開を目指します。
中国とは、「戦略的互恵関係」の内容を充実、具体化させるとともに、東シナ海における資源開発や食の安全などの両国間の懸案に取り組みます。国際的な地位を高める中国が、地域と国際社会においてより一層の透明性を持って、責任ある役割を果たすことを期待します。
東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との間では、統合に向けた域内の連携強化や格差是正を積極的に支援すると同時に、ASEAN議長国であるベトナムや、民主主義の普及など国際的な課題に積極的に取り組んでいるインドネシアなどとの二国間関係を強化してまいります。特にメコン地域とは、昨年11月の首脳会議の成果を着実にフォローアップし、協力関係を深化させてまいります。ミャンマーにおいて開かれた公正な選挙が実施され、民主化プロセスが進むよう、同国との対話を強化してまいります。
オーストラリアは、アジア太平洋地域の戦略的パートナーであり、安全保障や経済関係を始めとする様々な分野における関係を深化させてまいります。
インドとは、昨年末の鳩山総理の訪問の成果も踏まえ、安全保障や経済を始め幅広い分野で連携し、両国間の「戦略的グローバル・パートナーシップ」を発展させてまいります。
私たちの政権は、東アジア共同体構想という長期的なビジョンを掲げています。具体的には、貿易・投資、金融、環境、エネルギー、開発、災害救援、教育、人の交流、感染症などの分野で、開放的で透明性の高い地域協力を推進してまいります。
本年、日本はアジア太平洋経済協力会議(APEC)の議長を務めます。来年の議長である米国とも緊密に連携し、アジア太平洋地域の更なる繁栄に向け、新しい時代にふさわしいAPECを構想してまいります。
ロシアとの関係では、昨年末の私のロシア訪問も踏まえ、政治と経済を車の両輪のように前進させつつ、北方領土問題を最終的に解決して平和条約を締結するため、精力的に取り組みます。アジア太平洋地域におけるパートナーとして、新しい日露関係を構築してまいりたいと考えます。
北朝鮮については、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、日朝平壌宣言に基づき不幸な過去を清算して、国交正常化を図る方針です。六者会合の早期再開と北朝鮮の核放棄に向けて関係国と緊密に連携しつつ、同時に国連安全保障理事会決議に基づく措置や日本独自の措置を着実に実施してまいります。日本が主導して採択された国連安保理決議第1874号において求められている貨物検査を的確に実施できるよう、政府として関連法案の早期成立を期します。
基本的価値を共有する欧州は、グローバルな課題への対応や、政治・経済いずれにおいても、日本にとって重要なパートナーです。統合を深める欧州連合(EU)や、欧州各国との連携を深めるべく、外相間でも緊密に連携してまいります。
経済成長を背景に中南米で発言力を増すブラジルやメキシコ、中東や中央アジアと歴史的・地理的関係の深いトルコなど、新興経済国との連携を強化します。
アフガニスタンとパキスタンの安定は、国際社会全体にとって最重要課題の一つであり、私も自ら現地を訪問するなど、力を入れて取り組んでまいりました。アフガニスタンについては、今後とも国際社会と連携しつつ、アフガニスタン自身の治安能力の向上、元タリバーン兵士の再統合、同国の持続的・自立的発展のための支援を柱として、おおむね5年間で最大約50億ドル程度までの規模の支援を行います。同時に、カルザイ大統領の新政権に対し、ガバナンスの向上及び汚職対策を強く求めてまいります。パキスタンについては、昨年の支援国会合で約束した最大10億ドルの支援を迅速に実施してまいります。
イランについては、主要関係国と緊密に連携し、同国の原子力開発が平和目的に限定されるよう、核問題の外交的解決に努力してまいります。中東和平については、包括的和平が早期に実現するよう、和平交渉のための国際的努力を支持し、パレスチナ支援を含めて取り組んでまいります。
世界経済危機や気候変動はアフリカの人々に大きな影響をもたらしています。貧困やエイズ、結核、マラリアなどに苦しむアフリカの人々への支援は重要です。第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)の公約である「アフリカ向けODA倍増」の実現に向け、必要な事業を着実に進め、アフリカの開発と成長を後押しすると同時に、貿易・投資の分野での協力を拡げてまいります。
(地球規模の課題に対するリーダーシップの発揮)
続いて、地球規模の課題に対する積極的なリーダーシップの発揮について、ご説明します。
(核軍縮・不拡散)
オバマ米国大統領のプラハ演説は、核軍縮に向けた世界の流れを大きく変えました。日本は、この流れをより確実なものとするため、意味ある役割を果たさねばなりません。
本年は、核セキュリティ・サミットや核不拡散条約(NPT)運用検討会議が予定され、「核兵器のない世界」に向けて重要な1年となります。米露両国による新たな核軍縮条約の早期締結を強く期待します。NPT運用検討会議では、核軍縮、核不拡散、原子力の平和的利用それぞれの分野において、前向きな合意を達成できるよう、リーダーシップを発揮します。
私は、「核兵器のない世界」を実現するための第一歩となる具体的な手段として、核兵器を持たない国に対する核兵器の使用を禁止すること、そして、核兵器保有の目的を核兵器使用の抑止のみに限定することといった考え方に注目しています。これらの点を含め、オーストラリアや米国など関係国とも議論を深めてまいります。
(気候変動)
気候変動問題は人類にとっての危機であり、その解決は次の世代への責任です。昨年末の国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)の結果は、主要排出国の国際的関与を得るなど、一定の前進はありました。今後これを踏まえ、COP16において、公平かつ実効的な国際的枠組みを構築する新たな法的文書を採択するべく、米国、EU、国連などとも連携しながら、国際交渉を主導してまいります。「鳩山イニシアティブ」に基づき、排出削減などの気候変動対策に取り組む途上国や気候変動の悪影響に対し脆弱な途上国に対する支援を行ってまいります。気候変動問題の解決に向けて、まさに日本の外交力が問われています。
(世界経済)
世界経済はいまだ回復の途上にあります。保護主義の台頭を防ぎつつ、世界経済の回復と持続的成長を確かなものとするため、他の主要経済国と連携して取り組んでまいります。世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンド交渉や、インド、EUなどとのEPA交渉を政治主導で加速化します。
(政府開発援助)
グローバル化が進む国際社会においては、飢餓や病気に苦しみ、人間としての尊厳を保てないような苦しい生活を営んでいる人々が数多く存在しているという、厳しい現実があります。同じ人間としての共感を持って、人間の安全保障の実現に向け、途上国の人づくり、国づくりを支援してまいります。極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育の完全普及、ジェンダーの平等の推進、乳幼児の死亡率削減、妊産婦の健康の改善、HIV/エイズやマラリアなどの蔓延防止、などのミレニアム開発目標の達成に向けて、国際機関や非政府組織(NGO)とも連携しながら取り組んでまいります。
同時に、現在の開発援助について国民の共感が十分には得られていないとの認識の下、政府開発援助(ODA)の在り方について本年夏までをめどに基本的見直しを行います。それによって、国民の理解と支持の下、ODAをより戦略的かつ効果的に実施してまいります。
(海賊、テロ、国連平和維持活動)
海洋国家・貿易国家である日本にとって、海上航行の安全確保は極めて重要な課題です。自衛隊による海賊対処行動やソマリア及びその周辺国への支援は、日本国民の生命及び財産の保護、海上輸送の安全確保の観点から重要な役割を果たしており、この活動を継続してまいります。
テロリズムは我が国国民やその経済活動にとって脅威であり、その原因の一つとなっている貧困の問題や国家の再建支援に力を入れてまいります。イエメン、ソマリア、スーダンなどの平和と安定に貢献します。
国連平和維持活動については、カンボジアや東ティモールなどでのすばらしい実績があるものの、最近の日本の貢献は十分な水準であるとは言えません。平和の維持及び構築に向け、より積極的な役割を果たすべく、冒頭述べましたハイチのミッションに加えて、更なる貢献について検討してまいります。
(外交を展開する上での枠組み作り)
世界は多極化しており、その中で、国際的な合意形成のメカニズムの再構築が必要です。日本として、これに積極的に関与します。
新興経済国を含む主要経済国からなるG20の存在感が高まっている一方で、G8も自由と民主主義という基本的価値を共有する主要先進国の集まりとして引き続き重要な役割を果たしています。これらの枠組みでの議論を通じ、世界経済やグローバルな問題についての国際協調をリードします。
日本は国連を重視し、積極的に活用し、その実効性と効率性を高めることに貢献してまいります。そのためにも、日本の常任理事国入りを含む安全保障理事会改革の早期実現に取り組みます。国際機関における邦人職員を増強し、人的貢献を高めます。
(むすび)
私は就任以来、国民の理解と信頼に支えられた外交の必要性を強調してまいりました。国民の理解と信頼があって初めて、外交は力強さを備えることができるのです。
私が外務大臣就任直後に、「密約」をめぐる問題について調査を命じたのも、このためです。外務省内の調査はすでに終了し、現在、外部有識者による検証を行っています。なるべく早く、その事実関係を明確にしたうえで、外交文書の公開ルールの改革も含め、国民の皆さんにご説明したいと考えています。
納税者の視点も重要です。このため、外務省所管の独立行政法人や公益法人の改革に取り組むとともに、独立行政法人評価委員会や外務人事審議会などの第三者機関が本来の役割を果たすことができるよう、その在り方を検討します。
このような自己改革の努力を行うことによって、国民の理解と信頼を得たうえで、いままで述べてきた様々な課題に正面から取り組み、積極的な外交を展開してまいります。
私は、日本の総合的な外交力を高めたいと考えています。そのために、外交官が使命感を持って行動できるよう、外交実施体制を強化します。また、外交は政府だけで行うものではありません。COP15では、政府代表団にNGOのメンバーが加わりました。私は、広い意味での外交を実現するに当たり、NGO、地方自治体、民間企業・団体、文化交流に携わる人々の役割に大きく期待しています。
世界の人々の平和で豊かな生活の実現のために、そして、日本国民が平和で豊かな生活を実感できるために、国民の理解と信頼に支えられた力強い外交が必要です。私は、新たな国際協調の時代にあって、人々が希望を感じることができる日本外交を、日本国外務省の総力を挙げて展開していく決意です。
議員各位、そして国民の皆さんのご支援とご協力をお願い申し上げます。
[写真]江本孟紀・元参院議員(民主党ホームページから)
今から17年前の第126通常国会の議事録を紹介したいと思います。
17年前の参院予算委員会で、江本孟紀・参院議員と、宮澤自民党内閣の後藤田正晴・法務大臣(警察庁長官を経て政界入り)との間で「麻雀問答」が繰り広げられたことがあります。
江本さんは「かけマージャンのことなんですけれども」「世間一般にやられておりますので」「大体どの程度ならいいかなということをお聞きしておいた方が皆さんもやりやすい」「ぜひお願いしたいと思います」と質問しました。
後藤田法相はまず、「江本さんはどれくらいかけているんですか」と聞きました。これは国会の答弁ですが、なんだか職務質問にも似ています。江本さんは「私は十年前からやめております」と答えました。うまいなあ、と思います。
後藤田法相は、「易しいようで実際ここ(国会)でお答えするのは非常に難しいんです」と述べ、「こう書いてあるんです」と刑法185条を読み上げます。そして「これ以上は答えられないんです。お許し願いたいと思います」と低姿勢で締めくくりました。カミソリ後藤田が平身低頭。
江本さんも「どうもありがとうございました。いまいちよくわからないんですけれども、まあなるべく捕まらないようにみんな気をつけたいと思います」とうまく質疑をまとめました。
彼らのような人物を私たちの社会では「紳士」と呼びます。紳士と呼ばれると、クラブでお酒を飲んだり、けんかの仲裁をしたりすることが許されます。
政治資金規正法という禁固も含む罰則付きの法律を作ったのは立法府です。その実力者である小沢一郎さんが「このような形式的なミスにつきましては、今までのほとんどのケースで報告の修正あるいは訂正ということで許されてきた」と発言した。
これを擁護した民主党議員の一連の発言は、法治国家を脅かす大変危険な発言です。過去の議事録を読んでみると、今の政治家の質は落ちているのかなあ、という気がします。
[写真]後藤田正晴・元法務大臣
法律を作るのは立法府(国会)です。
法律を運用するのは行政府(役所)。例えば、おまわりさんの職務質問では、弾力的に法律を運用する裁量権が、お役人さんには法律により与えられています。職務質問は警察官職務執行法(警職法)に則ります。警職法は乱闘国会で成立したのですが、現在はチャンとした正統性を持つ法律です。
行政府の裁量が法律違反かどうか。これは司法府(裁判所)の判断です。私の日経新聞の同期入社の元社員「Mちゃん」が週刊誌の報道に憲法違反があるとして、最高裁に特別抗告したことがあります。現代史に残る宰相の孫で、民主党スター議員夫婦の娘です。
政権政党である民主党の小沢一郎幹事長を含む議員が、法律の運用面での解釈に関して発言すべきではありません。「政治資金規正法(規正法)の虚偽記入は、これまでは事後の訂正で済んでいた」「虚偽記入で逮捕するのは行き過ぎ」といった発言です。
私は法治国家の原則からして、国会議員(立法者)が法律の運用(行政)に口出しするのは好ましくないと思います。
法律の運用(行政)が、法律が認めた行政者の裁量権を超えたかどうかは、裁判(司法)が判断すべき問題で、政治家の「口先介入」は大変危険な行為だと考えます。
(以下、議事録から抜粋引用はじめ)
第126通常国会 参院予算委員会 8号会議録
出席者 内閣総理大臣 宮澤 喜一君
法 務 大 臣 後藤田正晴君
外 務 大 臣 渡辺美智雄君
大 蔵 大 臣 林 義郎君
農林水産大臣 田名部匡省君
通商産業大臣 森 喜朗君
郵 政 大 臣 小泉純一郎君
国 務 大 臣 鹿野 道彦君
(総務庁長官)
平成05年03月24日
○江本孟紀君 どうもありがとうございます。
最後ですけれども、きょうは通産大臣それから建設大臣にもお伺いしたいことがあったんですけれども、最後に法務大臣に一言お聞きしたいことがございます。
かけマージャンのことなんですけれども、いろんなところでいろんなかけマージャンをしておりますけれども、だれがやったやらないということではなくて、世間一般にやられておりますので、大体どの範囲ならいいのかということをぜひお聞きしたいと思います。
我々野球界の出身者なんかは、かなりマージャン賭博事件とかいろんなことで永久追放処分になったり、二十三年前にそういう事件があってそのまままだ永久追放になったりとか、スポーツ界なんかでは非常に厳しい処分をされておりますが、しかし世間一般ではかけないでただ積み木だけするということはあり得ないので、大体どの程度ならいいかなということをお聞きしておいた方が皆さんもやりやすいと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 江本さんはどれくらいかけているんですか。
○江本孟紀君 私は十年前からやめております。
○委員長(遠藤要君) 一問一答は許しません。
○国務大臣(後藤田正晴君) まことにどこまでが賭博になりどこまでならばばくちにならないのか、境目は何だ、こういう御質問ですが、易しいようで実際ここでお答えするのは非常に難しいんです。だから、こういうところでのお答えだとすれば、刑法百八十五条で、偶然の勝敗にお金や物をかけてそれの取得を争う、これはばくちになるわけですね。ところが、そのただし書きに、娯楽の程度であればいい、こう書いてあるんです。それはどういうことかと言えば、社交儀礼の範囲内であれば私は賭博にはならないのではないかなと、これ以上は答えられないんです。お許し願いたいと思います。
○江本孟紀君 どうもありがとうございました。いまいちよくわからないんですけれども、まあなるべく捕まらないようにみんな気をつけたいと思います。
そういうことで、きょうは質問させていただきましてどうもありがとうございました。これで終わらせていただきます。
(議事録からの抜粋引用終わり)
このエントリー記事の本文は以上です。
検索ワードの解析によると、「2次補正 子ども手当」の検索でこのブログを訪問してくださる方が増えています。「子ども手当」は、来週から始まる「2010年度一般会計予算案」という議案に盛り込まれます。衆院での審議は2月末まで、参院での可決・成立は3月中旬~下旬になる見通しです。念のため。【追記おわり】
◇
【参院本会議 2010-1-28】
麻生自民党内閣が編成し、第1次補正をした2009年度予算から、ムダづかいを削減し、税収減を盛り込み、雇用対策を追加した「2009年度(平成21年度)第2次補正予算(一般会計と特別会計)」が28日、成立しました。
28日は参院予算委員会で締めくくり質疑が行われ、賛成多数で可決。参院総務委と厚労委での関連法案の可決とあわせて午後4時の参院本会議に緊急上程されました。
予算案は、参院だけにある押しボタン投票システムで採決し、
投票総数224
賛成 142
反対 82
の賛成多数で、可決・成立しました。
「当初」・「補正」・「暫定」を問わず、民主党が政権党として予算を成立させたのは、1998年4月の結党以来、12年目にして初めてのことです。
これに先立つ、賛成討論に立った大島九州男参院議員は、ノー原稿で演説し、議場が大いに沸きました。大島さんは原稿は持たず、お守りだけ携えて登壇。何も見ずに、予算審議のあり方、参院の存在意義、現下の経済情勢などを雄弁に語りました。
きょうの大島演説は具体的な内容・数字が多く、後で出来上がる「参議院本会議録」を読んでも内容の濃い物になっていると予測します。ノー原稿で演説する議員はたまにいますが、後で読むと散漫な議事録になっている傾向があります。しかし、大島さん、ひそかに練習して、原稿を暗唱できるようにしていたんでしょう。
大島さんは福岡県直方市議を経て、2003年の第43回衆院選、2005年の第44回衆院選に挑戦。小選挙区で麻生太郎さん(後に首相)を相手にするという無謀な闘いで敗北。2007年の第21回参院選(逆転の夏)の全国比例で、参院議員に初当選。与党になった昨秋の臨時国会から予算委理事を務めています。
手前味噌の私事で恐縮ですが、大島さんは学生時代東京に出て来られていて、私の高校(日大二高)の12年先輩にあたります。大島さんの卒業担任の塚田明克先生は、私にとっても6年間、国語を習った思い出深い先生です。わが母校では昨年来、漫才師のオードリー両君の活躍に盛り上がっており、大島先輩が民主党史に残る討論に起用されるという出来事が加わり、嬉しい限りです。政権交代が実現して、その後の予算成立の賛成討論が大島先輩だなんて夢じゃ無かろか(>_<)
麻生太郎と一騎打ちで闘い、参院本会議場でノー原稿で弁じる。大島九州男先輩のことを、後輩の一人として誇りに思います。
私が勤め人になったころには、「アフター・ファイブ」という言葉は死語となっていました。
菅直人副総理が19日、財務省改革として「勤務時間の柔軟化」などに取り組むと発表したそうです。
私は政権交代前に、友人の霞が関キャリア官僚に「民主党のマニフェストに国会待機の廃止というのを盛り込んだらいい。政権をとれなきゃ民主党マニフェストは無効になる。政権をとれたら、困るのは野党・自民党だからいずれにしろ入れたらいい」という話をすると、大絶賛されました。
残念ながら、2009年マニフェストに「国会待機の廃止」は盛り込まれませんでした。これが入っていたら、昨年9月からの「政治主導と脱官僚」は上手くいっていたかもしれません。政務三役は、官僚から情報をもらい、指示を出す。「霞が関をぶっ壊す」のではなく、霞が関を使いこなす。
この「菅提案」は、各府省の30代・40代は絶賛していると思います。官僚に限らず、会社員もそうでしょう。
資源のない日本で、労働者の拘束時間が長くなるのはある程度、やむを得ませんが、だからこそ、「効率の良い労働」が必要です。支持政党・省益を越えて、私たちの「失われた時間」を取り戻そうではありませんか。
35歳の僕は、上手いこと、大企業を退職して、自立できたました。まだ「脱出」できていない、勤め人として頑張ってくれている仲間のためにも、「脱出成功組」が菅提案を応援していくことを、ここに宣言します。
asahi.com(朝日新聞社):「平日にデートできる省に」 菅財務相、改革に着手 - 政治
「平日にデートができる財務省に」。菅直人副総理兼財務相は19日、勤務時間の柔軟化や縦割り意識の解消といった財務省改革に着手したと発表した。官僚主導の打破を掲げる菅氏だが、「自主的なところから出てくるものを見守りたい」と述べ、まず「官」の側の変革を促す。
閣議後の記者会見で、取り組みの具体策を説明した。省内の中堅若手を募って丹呉泰健事務次官のもとにチームを設け、「政治主導」のもとでの役人のあり方▽空きポストへの省内外を対象にした公募制度▽双方向の人事評価--などを検討する。
「平日にデート」とうたった「働き方」については、残業の減少や、業務の効率化を目指す。閣僚らの答弁の準備で、深夜まで省内に「待機」させられがちな国会のあり方に対しても、「(問題点を)挙げてほしい」とした。
チームは、財務省への出向者や地方勤務の職員、外部の識者らからも意見を聴取。3月中に中間報告を、4月末までに改革案をまとめる。
検討項目の多くは、昨年6月前後に菅氏が聞き取り調査した英国の財務省の例を参考にした。財務省は官庁の中の官庁と言われており、菅氏は「財務省が一つのモデルを示せれば、霞が関全体を変える大きな一歩になるのではないか」とみている。(北沢卓也)
陸山会事件に関する、小沢一郎さんの発言で、情勢により重要と思われる発言を抜き出してみました。
2010年1月16日 日比谷公会堂 民主党2010年度定期大会
小沢幹事長あいさつ
(前略)
私どもの事務所も、もちろん収支報告に当たりまして計算の間違いやら、あるいは記載の間違いやら、それはあったかと思います。しかしながら、このような形式的なミスにつきましては、今までのほとんどのケースで報告の修正あるいは訂正ということで許されてきたものであります。
(中略)
私どもは、この資金について何ら不正なお金を使っておるわけではありません。このことについて実は、今月の初めごろだったでしょうか、検察当局から私のほうに弁護士を介して「このお金はどういうものですか」という問い合わせがありました。私は別に隠し立てするお金ではありませんでしたので、はっきりと、これは私どもが積み立ててきた個人の資金でございまして、金融機関の名前、支店名、それもはっきりと申し上げて、どうぞ検察当局でお調べください、そう返答をいたしておったのでございます。
そしてその翌日、あるいは翌々日だったかと思いますけれども、検察当局から「その預金口座の書類は入手した」、そういう返答が弁護士を通じてありました。
したがいまして、私は「あぁ、これでこの資金についての疑いは晴れた」と、そのように考えて、安心して、「よかったなあ」と思っていたところでございました。
(後略)
2010年1月23日 ホテルニューオータニ 被疑者聴取後の記者会見
「陸山会への貸付等に関する経緯の説明 衆議院議員 小沢一郎」と題するペーパー
本日は、午後2時ころより午後6時30分ころまで東京地検特捜部の要請を受けて事情説明をいたしました。
(中略)
収支報告書の記載について
私は、本件不動産に関する収支報告書の記載については全く把握していませんでした。また、収支報告書の記載内容について、相談されたり、報告を受けたこともありません。
(後略)
【衆院予算委員会 今年度第2次補正予算案の基本的質疑初日 2010-1-21】
多くの読者にとってはむかつくことを書かせて頂きます。
実は、政権交代のずっと前から気付いていたのですが、民主党議員の95%は、地方の出身です。東京どころか県庁所在地出身も極めて少ない。自民党は逆に東京出身者が極端に多い。これは2世・3世が多いというのが理由ということになります。
私たち東京出身者は子供の頃から、たくさんの人、陽の当たる坂道の頂点で輝いている人から、坂道を転げ落ちて消えていく人まで、たくさんの人々と袖擦れ合って生きてきました。まして私の場合は、下町の商家の育ちですから、紅白歌合戦に7年連続で出場する歌手の一家から、倒産した直後にがんで亡くなる人、生まれ故郷の孤島に帰り酒を飲んで凍死する運命の人まで、たくさん目の当たりにしてきました。次第に、人間の顔を見ると、だいたいその人がどういう人生を歩んできた人なのかが分かるようになりました。
あるいはTVは大きな情報源ですが、後楽園球場から自転車で30分の距離に住んでいるんですが、日本テレビが毎晩後楽園はお祭りが開かれているように報じているのを見て、小学生の頃から、そこにギャップというよりも、「嘘」を感じていました。
政権交代後の通常国会の衆院予算委員会基本的質疑の初日(21日)には民主党から松原仁さん、海江田万里さん、吉田公一さんと東京っ子が3人連続して登場し、それぞれの持ち味を出しました。
ところが、この後登場した伴野豊さんは、「この委員会が始まってから入った情報があります。質疑通告していませんが聞きます」と質問を切り出しました。私はてっきり、災害発生や、マーケットで何かあったのか、と思ったら、読売新聞20日付夕刊の「政治資金収支報告書の虚偽記入は小沢一郎さんに報告されていた」という記事について、法務省刑事局が「誤報だ」と回答している事実関係がある、と千葉景子法相に問い質しました。千葉法相は「そのような事実はない」として、伴野さんの質問は空振りになりました。
伴野さんは東海市出身。愛知県連代表として、名古屋市長選・衆院選15選挙区でパーフェクト勝利をなし遂げただけに気持ちが大きくなっていたのでしょうが、仮に法務省刑事局が読売新聞の報道を否定したら、それはそれで、捜査情報の漏洩になります。伴野さんはいったい、何を浮ついていたのでしょうか。
そして、伴野さんは当選4回生の長妻昭厚労相に対して、「私たち、同期の出世頭だ。この世界、やっかみも多いだろうから、気をつけて下さい」と余計な一言。ちなみに長妻さんも東京っ子で、情報の出し入れに長けた東京っ子は常にいじめられる宿命を帯びながら、この日本で生きていかなければならないのです。
ガセネタに浮つき、同期の出世頭を妬む。これはまさに田舎者の極みでしかない。これこそが、東京一極集中と地方の衰退を招いた要因でしょう。本当に伴野議員の振るまいには憤りを感じざるを得ません。
伴野質問には「かつての公営企業金融公庫が旧勘定と新勘定を分けたように、国債発行残も政権交代前後で旧勘定と新勘定に分けたらどうだ」というとても良い指摘があっただけに残念です。
さて、午後の自民党の質問はあまり面白くなかったのですが、柴山昌彦さんに対して、仙谷由人・国務大臣が、「大変お若いので一直線に質問している」と答弁しました。
[画像]44歳の自民党・柴山昌彦議員
ところが、自民党のホープと目される柴山昌彦さんは見た目は若いが、44歳です。44歳の弁護士に向かって「大変お若い」とは何事でしょうか。社会全般でも、国会内に限定しても44歳は若くない。
自民党議員が大臣をやっていたころは、野党議員に対して、「先生の選挙区である○○県は・・・」「先生は長年この問題に取り組まれてきましたから、釈迦に説法かと存じますが・・・」などと、たとえその朝、調べたにしても、相手を持ち上げながら、法案の早期成立をお願いしたものです。
仙谷大臣が自民党のエースとされる柴山議員の年齢を事前に調べていなかったのは、まちがいないでしょう。柴山さんは秋の臨時国会でも全閣僚出席の予算委に立っています。
このように民主党議員の情報収集能力の弱さが際立っています。私はこのような民主党の体たらくに、大変失望しています。
asahi.com(朝日新聞社):小沢氏をなぜ批判しない? 仙谷氏「当時は野党だった」 - 政治
21日の衆院予算委員会で野党の若手議員が「反小沢派」と見られている仙谷由人国家戦略兼行政刷新相らに、なぜ小沢一郎氏を批判しないのかと迫った。閣内に亀裂を生じさせようという狙いが見え見えだったため、仙谷氏らは慎重な答弁に終始した。
仙谷氏は昨年春の西松事件の際、当時代表だった小沢氏に辞任を促した。弁護士資格を持つ自民党の柴山昌彦衆院議員がこのことを取り上げると、仙谷氏は「当時は野党の一代議士で、選挙に勝つための政治判断で発言するのは当たり前。今は行政府の一員で、自らの発言を律しなければならない」と答弁。柴山氏がなお食い下がると、「大変お若いので一直線に質問している」とはぐらかした。
柴山氏は続けて、小沢氏の説明責任を求めている前原誠司国交相や社民党出身の福島瑞穂少子化担当相にも答弁を求めたが、2人とも踏み込んだ発言を避けた。最後は鳩山由紀夫首相が「小沢氏は『潔白だと示したい』と言っている。検察からそのような話(事情聴取)があると側聞しているから、そうなるのが望ましい」と引き取った。(山尾有紀恵)
[画像]自民党の大島理森幹事長=衆議院インターネット審議中継からキャプチャーして、一部トリミングさせてもらった画像です。
【衆議院本会議 2010-1-19 財務大臣の財政演説に対する各党代表質問】
なかなか慌ただしく、また少しゆっくりしたいので、国会の方に気が回りません。ご容赦下さい。
ところで、この通常国会でアレ?と思ったことがあります。
自民党が審議復帰していることです。2009年末の第173臨時国会では、衆議院財務金融委員会で、民主党側が職権で委員会を設定した(立てた)ことに反発して、自民党、公明党、みんなの党の野党3党は審議拒否しました。その後、公明党と「みん党」は審議復帰しましたが、自民党は一部の委員会を除き、審議拒否したまま、第173国会&2009年国会は終わりました。
ところが、年が明け、第174通常国会が始まると、冒頭から自民党は出席しています。しかも、審議復帰の条件闘争として、「衆院予算委での集中審議」「党首討論(QT)」の開催を求めていたはずですが、QTの日程も決まっていないのに、自民党幹事長が代表質問に登壇しました。
おそらく、このエントリーで私が指摘するまで、国会議員もマスコミも国民も、ほとんどこのことを疑問に思っていなかったでしょう。
「忘却」は自民党が50年間、政権を持続させた最大の武器です。熱しやすく冷めやすい世論をうまく使って、しれっと審議復帰している。ここに自民党の手強さを感じます。
第174通常国会は延長してもしなくても、必ず直後に第22回参院選を迎えます。
民主党が闘う相手は自民党です。
「民主党vs検察」などという構図を作ってしまい、参院選で自民党に負けては元も子もありません。
民主党議員はまだまだ二大政党というものを理解していないなあ、と失望しつつあります。危機管理(最悪の事態を想定してそこから逆算する)も出来ていない、情報収集(検察が「鹿島」を捜査した意味合いが分かっていない)も出来ていない。
このままでは、参院選は自民党が勝つでしょう。
仮に検察と闘いたいならば、「国会vs検察」という構図で、超党派議員で闘えばいいでしょう。
「民主党が検察に負ける」か「民主党が検察に勝って自民党に負ける」のか。
私は、今のままでは、そのいずれかだと思います。
[写真]第174通常国会の開会式で式辞を述べる横路孝弘衆議院議長
第174通常国会が2010年1月18日(月)召集されました。午後1時から参院本会議場で開会式が開かれました。
会派別勢力は次の通りです。
衆議院
(与党)
「民主党・無所属クラブ」311
「社民党・市民連合」 7
「国民新党」 3
(野党)
「自民党・改革クラブ」 119
「公明党」 21
「共産党」 9
「みんなの党」 5
「国守の会」 3
無所属 2
[定数480、過半数241、3分の2数320]
参議院
(与党)
「民主党・新緑風会、国民新・日本」 120
「社民党・護憲連合」 5
(野党)
「自民党・改革クラブ」 82
「公明党」 21
「共産党」 7
無所属 7
[定数242、実質過半数121=参院では議長は採決に加わらないので]
◇
内閣は18日、平成21年度(2009年度)第2次補正予算案を国会に提出しました。麻生自民党内閣が組んだ予算を、民主党内閣が補正するもので、2・6兆円のムダづかい執行凍結(歳出の減額補正)を含むものです。緊急雇用対策など7兆2000億円の追加歳出(歳出の増額補正)がありますが、税収見積もりの下方修正(歳入の減額補正)もあるので、帳尻(歳出入の総額)はわずか846億円増えるだけ、という予算となっています。実は、このところ、バタバタしていましたので、補正予算書をまだ入手しておらず、詳しいことはまだ把握していません。
◇
内閣は18日、石川知裕衆議院議員が政治資金規正法違反容疑で東京地検に逮捕、拘置されたことを横路孝弘衆議院議長に通知しました。何とも落ち着かない召集日で、僕は今国会はかなりゆっくりペースで見ることにします。
◇
衆議院議長の式辞と天皇陛下のお言葉は次の通りです。(衆議院ホームページhttp://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/kaikaishiki174.htmlから)
衆議院議長は、次の式辞を述べました。
今日、わが国をめぐる内外の諸情勢はまことにきびしく、緊急に解決すべき幾多の重要問題があります。
このときにあたり、われわれは、わが国をとりまく現状を深く認識し、内政、外交の各般にわたり、必要な施策を強力に推進し、もって国民生活の安定向上を図るとともに、諸外国との相互理解と協力を一層深め、世界の平和と繁栄に寄与していかなければなりません。
本年は、わが国の議会開設百二十周年の記念すべき年にあたります。この際、われわれは先人の築いてきた議会政治の足跡をあらためて顧みるとともに、議会制民主主義の更なる発展のため、たゆみない努力を払わなければなりません。
ここに、開会式にあたり、われわれに課せられた重大な使命にかんがみ、日本国憲法に基づき、おのおの最善をつくしてその任務を遂行し、もって国民の信託にこたえようとするものであります。
国会が、永年にわたり、国民生活の安定と向上、世界の平和と繁栄のため、たゆみない努力を続けていることを、うれしく思います。
ここに、国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、その使命を十分に果たし、国民の信託にこたえることを切に希望します。
鳩山代表は、「小沢幹事長の体制でここまでやってきた」「選挙も厳しい中を乗り越えてきたと。それがありますから」と語りました。小沢さんへの功績や恩義があるということでしょう。これは私も同感です。それは分かっているんです。その上で、「私としては今はその考えはありません」としました。
なお、小沢さんが幹事長になったのは、政権交代後の昨年9月です。
◇
NHKニュース7の映像によると、記者とのやりとりは次の通り。
記者 幹事長という人事を見直す考えはあるんでしょうか?
総理 「うん、それは今はありません。私としては。小沢幹事長の体制でここまでやってきたと。選挙も厳しい中を乗り越えてきたと。それもありますから。私としては今はその考えはありません」
◇
1月13日に小沢一郎さんに関する資料を集めたのですから、資料の目録を作っている間に1月18日(通常国会召集日)を迎えることになります。第174通常国会は、議案と捜査の“並行審議”という二頭立ての馬車に乗ることが確実な情勢です。
小沢幹事長が続投した場合のメリットはあります。それはより本物を見極めやすくなると言うことです。力のある大臣、例えば、前原誠司国交大臣は淡々と仕事を続けるでしょう。長妻昭厚労大臣も「我、関せず」で仕事をするでしょう。元来、長妻さんは全く党内政局に関心がない人です。菅直人副総理、原口一博総務大臣も情報を仕入れながら素知らぬ顔で元気に振る舞うでしょう。
その一方で、各種選挙では、力のない候補が逆風を浴びて落選するし、若手議員なんかはブログも書けないという体たらくに陥りながら、次の選挙を迎えことになるかもしれません。本物がより早くそれにふさわしいポジションに行き、偽物がより早く消えていきます。変化の激しい時代、歴史の変わり目はいつもそうです。第22回参院選で民主党が大敗しても、ねじれ国会になるだけで、民主党政権そのものの存在は第46回衆院選に持ち越されます。
智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈です。とかく「世論」というのは難しいですね。昨今、小沢さんの「国民の生活が第一」という言葉を痛々しく感じるのは、私だけではないでしょう。こんなものは理論や理屈ではどうにもなりません。
ところで、私は「小沢一郎さんの友人」を知りません。たんにメディアで知られていないだけなんでしょうか。小沢さんは今は愛妻家です。3人の子供も溺愛ではなくそれこそ「子煩悩」です。犬と小鳥が好きです。
「小沢さんの唯一信じられる友達はお金(土地含む)だけだった」ということではない、そう祈りたいです。
国会や赤坂を散歩してきたんですが、人々は落ち着いておりました。「想定内」だったということでしょう。
信なくんば立たず。法律を作るのが政治家の仕事です。政治家は法律に基づいて行政をする仕事をするのではなく、信頼と道徳に基づいて法律を作る仕事です。
小沢一郎さんは現時点で「推定無罪」です。これは法治国家では、必ず守られねばならない原則です。
しかし、小沢さんが幹事長や衆議院議員として仕事をすると、国、国民、民主党の力が出てきません。出る杭を打つ日本社会ですが、政治家は政策で出るべきであって、政治献金は「ほどほど」にすべきです。過ぎたるは及ばざるが如し。日中草の根交流はとても良いことですが、「650人」とか極端なんですよ。
民主党の最高意思決定機関である「党大会」が16日、日比谷公会堂で開かれますから、これを前に幹事長を退くべきです。
さらに、国会での混乱を避けるため、18日の通常国会召集日に衆議院議員辞職願を届け出て、政界を引退すべきです。
小沢一郎さんは、1週間ほど前から「任意での事情聴取」に応じる気配を見せていませんでした。その一方で、囲碁に興じたり、名古屋を訪れたりしていることなどから、裁判官の令状を取って、調べているのでしょう。
もはや小沢ではない。ノーモア小沢の声を挙げましょう。立つ鳥跡を濁さず。
何か、上手くいかないですね・・・。民主党政権を覆う、この重苦しい雰囲気は何なんでしょうか。
もしも、民主党政権がダメになったら・・・どうなるか?
岡田克也幹事長が昨年6月、語っています。
【岡田克也】「もし民主党政権がダメになったら・・・」.wmv
http://www.youtube.com/watch?v=VjNlBF6NuIU
◇
第174通常国会→第22回参院選を控えて、YouTubeサイトを再度、開設しました。
http://www.youtube.com/miyazakinobuyuki
前回は、著作権に関して、警告3回来て、サイトが消滅しました。私自身、著作権に守られて生活をしてきた人間であり、深く反省しております。今後は、著作権法をしっかり守って、私宮崎信行に著作権が帰属する動画だけで、YouTubeサイトを運営していきます。そうでないと、岡田さんをはじめ、私が応援する人も「法律やルールを守らない人間だ」と思われてしまいますから。
動画はまず、YouTubeにアップしますが、その後に、こちらのgooブログに貼り付けます。こちらのブログを見て頂ければ、動画は見ることができます。
メーンはこのブログ「国会傍聴記by下町の太陽」です。
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog
会員制有料ブログは次のアドレスです。(http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65)現在8人にご購読いただいています。集計によると、個人の方で、幅広い年齢層の男性が多いようです。名前などは特にこちらに伝わらないようになっています。ただ、「アクセス解析」も来ないので、反響がつかめない点がありますので、直接「miyazaki@wa2.so-net.ne.jp」までメールください。有料ブログは開設後、しばらく迷いがあったのですが、まずは「今後の政治日程」をしっかりと書いていこうと思います。月額840円です。クレジットカードのご用意をお願いします。
基本的に書きたくてしょうがない人間なので、どんどんツイッターでつぶやいています。
http://twitter.com/kokkaiblog
です。アカウント名に統一感がないのがなんですが、ぜひブックマークしてください。
ことしは英国議会選挙もありますし、与党としての民主党の国会審議をしっかり見ていこうと思います。「半年以内に日本雑誌協会会員の雑誌に署名入り記事2つ以上」という要件を満たせず、総務相、外相などの記者会見に出られない状態が続いています。私の場合は基本的に国会ですが、大事な時の会見には出たいので、雑誌記事執筆や講演なども積極的に承っていこうと思っています。なお、記者会見の出席要件に関しては、多くの方にご協力とご配慮をいただいていることを、面と向かって言うのも何なので、この場でお礼申し上げます。
政権交代で身も心もだいぶ元気になりましたので、「民主党支持フリージャーナリスト」というのを、押し出していきたいと考えております。