【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

石川知裕さん「鳩山さんに入れました」→「そういう次元でない」岡田克也さん

2009年05月25日 23時39分03秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]TBSのニュースサイト「News-i(アイ)」からキャプチャーさせてもらいました。

 東京放送(TBS)さんのニュースサイトに岡田幹事長の初遊説と農業視察のもようが載っています。どうやら1週間ほど載るようなので、ぜひみてください。

 この中で、一新会所属の当選1回生、石川知裕さん(北海道11区)が岡田幹事長に「岡田幹事長すみません。代表選挙、鳩山さんに入れてしまいました」と街頭演説中に頭を下げると、岡田幹事長が右手をさしのべて握手している姿が映っています。そして、このシーンの前のホテルの記者会見の映像だと思いますが、岡田幹事長が「党として勝たなければいけない仲間ですから、代表選で投票したとかしないとか、そういう次元の話ではない」と語っている姿が映っています。

 この翌日のNHK日曜討論では、自民党の石原伸晃幹事長代理が農業者戸別所得補償について「コメだけで1兆円だったはずが、いつの間にか1兆5000億円になっている」と指摘したのに対して、「コメだけではなく・・・」「コメ、小麦、大豆、馬鈴薯・・・」「林業漁業を入れて1兆5000億円」と言い返すと、石原代理はしどろもどろ、岡田さんの農政通ぶりと自民党の農政無知が明らかになりました。

 代表選に関しては石川さんは国会議員、僕は投票資格のないサポーターですし、石川さんは一新会及び北海道連所属ですから、初めから「鳩山陣営」なのは明らかなので、あまり会話せずにおりました。私には石川さんが初めから当選を確信しているように見えたので、ひょっとしたら「岡田」で大逆転が可能だと思ったのです。やはり組織の前にかないませんでしたが、そんなことはどうでもいいのです。

 どうでもいいのです。が、石川さんは自分の選挙では、そういう甘い態度は絶対に見せないでほしいと願うのです。

「岡田幹事長、イメージチェンジに注目」 News i - TBSの動画ニュースサイト

 新体制発足から26日で1週間。さいたま市長選挙で幸先の良いスタートを切った民主党ですが、新体制の要、岡田幹事長がこれまでの「堅物」からイメージチェンジできるのかが注目されています。

 贈り物は送り返す。酒の席ではきっちり割り勘。「堅物」と評される岡田幹事長が週末、笑顔を振りまいたのは、北海道・帯広でした。

 「なんとかしてこの国の政治、変えなきゃいけない」(民主党 岡田克也幹事長)

 およそ2000人が集まり、期待の高さをうかがわせましたが、応援を受けた議員は先日の代表選挙を巡り、壇上でこんなことを打ち明けました。

 「岡田幹事長すみません。代表選挙、鳩山さんに入れてしまいました」(民主党 石川知裕衆院議員)

 小沢代表代行の秘書を務め、鳩山氏に投票した石川議員が戸惑いを隠せない中、岡田氏は党内融和をアピールです。

 「党として勝たなければいけない仲間ですから、代表選で投票したとかしないとか、そういう次元の話ではない」(岡田幹事長)

 笑顔を滅多に見せない事から「笑わん殿下」とも渾名される岡田氏が笑顔で応対するのも、全ては民主党の悲願のため。

 したためたのは座右の銘「大器晩成」ではなく、「政権交代」の四文字。目標実現のため、笑顔で党内融和を保つことが出来るのか、「笑わん殿下」のイメージ戦略が試されています。(25日18:09)


定数80削減をめぐる記者の不勉強→鳩山代表は懇談取材をやめるべきだ

2009年05月25日 21時55分42秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
 民主党の鳩山代表が衆院定数80削減(比例区180→100)に言及したことについて「2007年の参院選マニフェストにも盛り込まれていた」と報道していますが、実際には前回の衆院選のマニフェストの冒頭にも「衆院定数80削減」は盛り込まれています。

↓証拠です。2005年の第44回衆院選岡田民主党のマニフェスト

前回の衆院選の民主党マニフェスト
http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/images/Manifesto_2005.pdf

 では、なぜ新聞記者は「2007年の参院選マニフェスト」と書いて、「2005年の衆院選マニフェスト」と書かないのでしょうか?

 マスゴミによるねつ造でしょうか?

 違います。忙しくて調べる時間、勉強している時間がないのです。

 そこで、鳩山代表にお願いしたいのです。

 十全ビルにある外事務所(そとじむしょ)や大田区の自宅での取材を禁止したらどうでしょうか。各社共通で党本部、国会内、議員会館内の事務所、出張先に限定してあげたら番記者の体も楽になるし、勉強もできるし、離婚率は減り、出産率は高まります。私が政治部記者をやっていたころは、ハイヤーで移動できましたが、今は十全→党本部・国会は歩かなければいけませんが、かなり急な上り坂です。友愛という意味を私は不勉強でよく分からないのですが、そういう意味なのではないでしょうか?

 外事務所は小沢さんも持っていますが、岡田さん、輿石さん、菅さんは持っていません。“3月20日の出来事”に関して、懇談取材は大いに効果を発しましたが、もうあなたは代表・ネクスト総理です。これからも外事務所、自宅での取材を通して現実の政治を動かすという手法は、自民党の金丸元副総裁を彷彿とさせます。

 一方、岡田幹事長25日、参院の定数削減に踏み込みました。岡田さんらしい信賞必罰です。参院民主党の輿石東会長らが、「民主党・新緑風会」に振り込まれる立法事務費の党本部への上納に関して、岡田さんに警戒感を持っていることから、参院民主党を牽制している面もあるでしょう。岡田さんは静かに人を斬る怖い人です。どちらかというと僕もそういう性格なので、岡田さんが好きだという面があります。平常時ならあまり総理には向かないかもしれません。参院民主党を敵に回して大丈夫かと思いますが、次の代表選(2010年9月)が第22回参院選(2010年7月)の後に来ることも計算しているでしょう。

 鳩山さんと岡田さんの並び立つ両雄を追いかけるのは大変です。新聞社はどこも経営が厳しく人員削減が進んでいます。反マスコミならぬ半マスコミの小生としては、鳩山代表には番記者の体を気遣ってやってほしいと思います。

時事ドットコム:定数削減、参院も必要=公約盛り込みに意欲-岡田氏


 民主党の岡田克也幹事長は25日、名古屋市内で講演し、国会議員の定数削減には参院も含めるべきだとの考えを表明した。岡田氏は、参院で行われている各党による選挙制度改革論議について「定数削減の視点も当然必要だ」と強調。党内で議論した上で、世襲制限や企業・団体献金禁止と併せて次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込みたいとの意向を示した。 
 民主党は2007年の参院選マニフェストに、衆院の比例代表定数を80削減して100にすることを明記した。鳩山由紀夫代表は次期衆院選でも同様の公約を掲げる考えを示しているが、参院の定数削減にも言及したのは鳩山執行部では岡田氏が初めて。
 しかし、参院での与野党逆転は民主党の「力の源泉」となっており、参院側から岡田発言に反発する声も出そうだ。(2009/05/25-16:27)

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フルネーム 小沢一郎 菅直人 金丸信


公取、国交省の公用車談合で排除勧告へ 川内博史さんの告発から1年

2009年05月25日 12時32分35秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会

[写真]2008年6月11日、国交省の談合を衆院で直接告発した川内博史さん。

 2008年第169通常国会カテゴリーの後日談。これを書いているのは2009年の5月25日です。やりました。民主党国会対策筆頭副委員長ことガソリン値下げ隊長の川内博史さん(鹿児島1区)がまた、日本を変えました。

 読売の土曜朝刊が1面トップで「公取、国交省公用車談合で10社に30億円課徴金、職員関与か?排除措置命令へ」と伝え、朝日新聞も夕刊1面で追いかけました。すべては2008年6月11日の衆院国土交通委員会での川内博史さんの質問から始まりました。

きっかけは“ガソリン値下げ隊長”だった 公取動く、国交省の公用車談合問題 川内博史さん
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/8978ff8ae0ff1a92133db733847ff5b7

 2008年6月11日の第169通常国会の国土交通委員会第24回目の審議中に川内さんが公正取引委員会に直接、申告したものです。

 国会議員が委員会審議中に公取事務総長に直接、談合を摘発(申告)したのは、憲政史上初めてとみられます。川内さんが日本を大きく変えたのはガソリン値下げ隊長として、揮発油税の暫定税率撤廃により、ガソリン25円程度の値下げに成功した2008年4月以来、1年2ヶ月ぶり2度目になります。

 足尾銅山鉱毒事件の解決のため、田中正造は衆議院議員を辞して、明治天皇に直訴しました。国交省税金パクリ事件の解決のため、川内博史は衆議院議員として公取に告発しました。私たちのデモクラシーはわずかずつですが、前進しているようです。

 鹿児島県内全5選挙区では、過去4回の小選挙区、延べ20回、民主党は0勝です。一方、山口では第2区で平岡秀夫さんが小選挙区の議席を獲得しています。平岡さんの所は「防州」とも言いますが、広域的な意味では「長州」です。このほか、高知でも民主党は議席を獲得したことがありますが、今はありません。佐賀では原口一博さんが小選挙区で勝ったことがありますが、肥前は明治14年の政変で大隈重信が失脚(下野)しています。

 ですから、鹿児島1区で川内さんが保岡興治元法相に勝つかどうかは注目しています。歴史には色々な解釈があります。鹿児島の方はあまりその辺は嫌かもしれません。私は「官僚制と中央集権からの脱却」という意味では、第45回衆院選は明治維新というよりも関ヶ原の合戦以来のたたかいだと思います。そういう風に言うと、お前は東日本の人間だから関ヶ原の合戦だというんだろう。そう言われるかもしれません。私は他人に歴史の解釈を押しつけたりしません。

 ただ一つ申し上げたいのは、川内隊長が昨年4月に続き、また日本を変えたということだけです。田中正造は衆院議員をやめて天皇に直訴しました。ガソリン値下げ隊と委員会で直接言っちゃう、というそれはそれはシンプルな方法で日本を変える隊長を、僕は格好いいと思います。前へ前へと突撃する隊長の幼稚さこそ、がんじがらめの複雑な現代日本に必要だと考えます。

公用車談合、10社に課徴金30億円…国交省職員関与か : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 国土交通省が発注する公用車の運転・管理業務をめぐり、天下り先3社などが談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は、独占禁止法違反(不当な取引制限)で3社を含む約10社に排除措置命令と課徴金納付命令を出す方針を固めた。

 週明けにも各社に事前通知する。課徴金の総額は30億円以上とみられる。また、同省の複数の出先機関で、職員が談合に関与していた疑いも出ており、公取委では官製談合防止法に基づく国交省への改善措置要求も行う方針。

 関係者によると、談合行為を認定されるのは、日本道路興運(東京)、日本総合サービス(同)、北協連絡車管理(札幌市、北協)など。各社は2008年度までの数年間、国交省の地方整備局や国道事務所などが発注する公用車業務の入札で談合を繰り返し、事前に受注予定者を決めていた疑いが持たれている。

 国交省の資料では昨年2月時点で、日本道路興運に25人、日本総合サービスに16人、北協には14人の同省OBが天下っていた。公取委では排除措置命令書で、大手の日本道路興運や日本総合サービスに天下った同省OBが談合を主導した事実を盛り込む方向で調整している。

 命令書には、現役職員の関与は明記されない見通しだが、一部の出先機関では職員が談合に関与しているケースもあり、官製談合防止法に基づき同省に改善措置を求める方針だ。

 この問題で公取委が立ち入り検査に入ったのは昨年7月。国交省によると、問題が発覚する直前の08年度、全国の出先機関が個別に439件の公用車業務を発注。約8割は指名競争入札で、日本道路興運が146件、日本総合サービスが97件、北協が75件受注し、受注割合は3社だけで全体の72%を占め、全体の平均落札率は92・6%だった。問題発覚後はすべての公用車業務を一般競争入札に切り替え、09年度の平均落札率は62・1%に下がった。

【議事録】

衆院国土交通委員会 2008年6月11日
169 - 衆 - 国土交通委員会 - 24号

政府参考人(抜粋)
 国土交通省大臣官房長        宿利正史君
 公正取引委員会事務総局審査局長 山田務君

○川内委員 さらに、もう一つ聞かせていただきます。公用車の運転業務委託について質問させていただきます。(略)

 七十二の国道事務所が五年間で三百六十回入札を、契約をしているわけでございますが、この中で、各事務所の五年間の契約のうち、契約会社がかわった事務所は幾つありますか。三百六十回の入札の中で前年と契約会社がかわった入札は何回ありましたでしょうか。

○宿利政府参考人(国交省官房長) (略)十六年から十九年度までの四年間について確認をいたしますと、委託業者が前年度とかわった事務所は一事務所であります。

○川内委員 七十二の事務所の中で契約先の会社がかわったのは一事務所。
 さらに、入札は三百六十回行われているわけでございますけれども、契約会社がかわった入札は三百六十回の入札のうち何回ありますか。

○宿利政府参考人 前年度とかわったという意味では、かわった瞬間でありますから、一回ということであります。

○川内委員 三百六十回の入札のうち一回しか契約先の会社がかわっていない。(略)
 さらに伺いますが、この一覧表の平均落札率を年度ごとに教えていただきたいと思います。

○宿利政府参考人 この七十二事務所の各年度の平均落札率ですが、開示されているものの平均ということになりますけれども、平成十五年度が九九・四%、平成十六年度が九八・八%、平成十七年度が九八・三%、平成十八年度が九七・三%、平成十九年度が九七・〇%であります。

○川内委員 ほとんど一〇〇%に近い九〇%台の後半です。
 もう一つ、入札の期日でございますけれども、(略)いつ入札が行われたかということをお答えいただきたいと思います。

○宿利政府参考人 (略)九州地方整備局の佐賀国道事務所と九州技術事務所が平成十八年三月三十一日ということであります。

○川内委員 大臣、これはどういうことかというと、ほとんど年度末に入札を行って、新しい業務は、契約は四月一日からスタートするんですね(略)

○冬柴国交相 いろいろと御指摘をいただいたところでありますし、最近、新聞紙上で、このような契約の中で談合を疑わせるような記事が出ました。しかも具体的な名前が挙げられました。私は、直ちにそれについて調査をいたしまして、公正取引委員会にも報告をいたしました。(略)

○川内委員 (略)この国土交通省の全国の国道事務所などの車両管理業務委託契約について、日本道路興運株式会社や日本総合サービスなどによる入札は、談合、すなわち独占禁止法で禁止されている不当な取引制限であると私は思料いたします。なぜかなら、平均落札率が異常に高い、さらには入札の期日も年度末に集中をしている、そして同じ会社が独占的に受注を続けている、これらの三点の事実によって、不当な取引制限に当たるのではないかということを思料するわけでございます。
 独占禁止法第四十五条に基づいて、この事実を公正取引委員会に申告したいというふうに思いますが、公正取引委員会として受理していただけますでしょうか。

○山田政府参考人(公正取引委員会事務総局審査局長) ただいま御指摘なさった件につきましては、公正取引委員会として申告としてお受けいたします。


川内博史さんを見つめるおじさん(東京・上野公園)。東京の銅像ですので・・・鹿児島の方怒らないでください。怒ったらごめんなさい<(_ _)>深謝します<(_ _)>