【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【岡田克也】【東京6区】「りっけんは多様性を大事にする」と枝野りっけんに寄せる、現職3期・落合貴之さん「自民議員は戦争を煽るなら当事国に乗り込んで直談判すべきだ」

2023年08月30日 20時48分20秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
[写真]東京6区の小田急「経堂」駅前で街頭演説した岡田克也・立憲民主党幹事長、きょう2023年8月30日、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の岡田克也幹事長は、きょう令和5年2023年8月30日、東京6区(世田谷区の一部)の小田急「経堂」駅前で街頭演説し、「立憲はまず多様性を大事にする。共に支え合う社会をつくる」と語り、枝野幸男前代表が2017年に立憲民主党を結党した当時の考え方に寄せました。

 東京6区の区域内は、前回の第49回衆院選でも東京6区だった地域。落合貴之さんが小選挙区連勝で、3回目の当選をしました。また、東京5・6・7・8・9区の「環状八号線」は「市民と野党の共同候補」が芸術的な完勝をおさめました。美酒に酔っている人はもういないと思いますが。


[写真]岡田克也さんと落合貴之さん。

 岡田さんは「立憲はまず多様性を大事にする。性的少数者、外国人、女性。ひとりひとりが生きがいを持って生活できる社会をつくるのが立憲だ。そして、二つ目に、政治は困っている人に寄り添う、共に支え合う社会をつくる」と強調。自らも含む財政再建派に考慮したのか「三つめは、未来に責任を持つ政治だ」と強調しました。そして「今の政治が行き詰まっているからぶっ壊そうという維新に期待する人もいるだろうが、それでは良くならない」と語りました。

 党内では「2017年の立憲では、女性のボランティアが増えた。自分は、そのときから6年連続当選しているので、大きな塊よりも、代表や幹事長には2017年のオリジナルりっけんの現場を聞き取ってほしい」(当選3回生)との声があがっていました。

 落合さんは初出馬はみんなの党の公認で初出馬し、維新の党、民進党、立憲民主党と「江田憲司グループ」として移動。岡田幹事長も2020年立憲合流組のため、「環八」で唯一のみんなの党の在籍経験がある落合さんの前で、あえて、「オリジナルりっけん」の旗色の強い演説をしたと思われます。



 落合貴之さんは「今の政権の何が間違っているか。5種類ぐらいを20分で話したい」と切り出し、「アベノミクスで、賃金が物価を上回った年が一度もない。購買力が10年で16%下がったから、生活は貧しくなった」と説明しました。そして「戦争を覚悟すべきと煽りながら、相手国に行って体を張って、議論する人がいない。政治家の仕事は国民の生命、財産を守ることなのに、税金で給料をもらいながら、国民を煽っている」と自民政権を痛烈に批判しました。


 落合さんは岡田さんの演説後に「最後に3分。幹事長のもとで副幹事長をしているが、なかなか政党支持率が上がらないから、こういうときこそ、中長期的な取り組みをしたい。私は年末で(在職)10年になるが、私より年下の議員はうちの党には5人しかいない」とし、公募に応じてほしいと呼びかけ、3回生の矜持を見せました。

 落合さんの演説は、新人は書き起こしてコピーするよう推奨したいほど、上手かった。

 東京6区には、自民現職の越智隆雄さん、維新新人の河村建一さんも立候補を予定しています。
 

 なお自民現職の越智さんは、前回の最終日の夜7時に、選挙区外での合同演説会に駆り出されて「迷惑だ」という趣旨に聞こえる演説を岸田文雄総裁到着前にしました。また「今回の選挙で後援会員を回ったが、森友・加計問題では自民党内から声を上げる」と確約しつつも、比例復活にとどまりました。この2年弱で、越智さんが党内で吠えたという報道を、私は見ていません。

 
[写真]自民党の越智さん、おととしの第49回衆院選で、東京・三軒茶屋で、宮崎信行撮影。

[写真]維新の河村さん、きょねん7月、宮崎信行撮影。
 

 ところで、経堂駅北口に降りてから見覚えのある場所だと気づきました。1年1カ月前の第26回参院選。公明党の竹谷とし子さん(定数6で2位相対得票率12%弱で当選)の応援で、山口那津男党代表を迎える演説会。公明党世田谷支部員とみられる男性に、商業施設から出てきた西東京支部員だとする女性公明党員が口論している動画。筆者は、公明党員同士の口論動画は初めてのスクープだとしましたが、再生回数は200回程度にとどまっています。

【スクープ】公明党員同士(世田谷支部員と西東京支部員)の口論を、本人たちの許可を得て撮影した映像、20220628 宮崎信行撮影。


 この動画で、女性が「社交界からお金を借りた」と言っていますが、遠山清彦議員が銀座高級クラブに出入りして金融機関幹部とのコネクションをつくり、政策金融公庫から不正な融資を引っ張ったが、西東京市の社宅の再開発では、自分たちの居場所が狭くなるかもしれないので、そういう非議員に配慮した政治を、公明党国会議員団にしてほしいと語る内容です。
 

 世田谷というのは銀行員らしき人も多く、アベノミクス量的金融緩和が生んだ、東京の光と影は、各政党の内部にも分裂を呼びました。解散が延びれば延びるほど、大海原をゆく日本丸の行方は分からなくなりそうです。
以上です。



「NTT法・電気事業法改正案」は来年夏とりまとめ、法案提出は2024年秋以降だが、NTT株の政府から民間への売却に限った法案は来年2月前倒しもあるか

2023年08月30日 09時01分44秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]NTTファミリーとして日本の情報通信テレコムの機器開発やシステム・エンジニアリングを担う「NEC(日本電気)」ビル、きょねん、都内で、宮崎信行撮影。

 総務省総合通信基盤局はきのう「NTT法及び電気通信事業法」の令和2年改正法の「3年後見直し規定」にもとづく法改正を含んだ検討を、電気通信審議会に諮問しました。とりまとめのメドは、来年2024年夏ごろ。

 自民党の萩生田政調会長の特命チーム内では防衛財源確保法にもとづく「2年目から10年目までの財源」として、政府所有のNTT株の民間への売却が検討されています。このからみで、「NTT法廃止法案」などに発展することもあります。

 仮にその法案が出る場合は、来年2024年2月に前倒しして出される可能性もあります。

 答申そのものは、「2030年頃にめざすべき情報通信インフラの将来像」。配布された資料には、「我が国は、少子高齢化・生産年齢人口の減少、景気の長期低迷による経済的地位の低下などの構造的な課題を抱えている」というテレコム特有の悲観的な資本主義の現状の認識を押し通しています。

 そのうえで、「我が国の社会経済活動を支える情報通信インフラの整備・維持のあり方」「低廉・多様で安心・安全なサービスを確保するための競争ルール等の整備」「国際競争力強化等に向けた先端的・基盤的技術の研究開発の推進・成果普及」ーーについて法改正も含めて検討するよう求めました。

 日経新聞によると、中韓の同種の企業体と比べて、NTTの年間の特許申請状況は10分の1というお寒い現状のようです。日本経済の成長のためには、イノベーションが日本国内で起きる必要は必ずしもなく、先行者利得の囲い込みが大事です。

 ところで、話は変わりますが、「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記」は、2007年8月の開設以来、NTTの100%子会社「NTTレゾナント」が運営するポータルサイト「goo」を使って配信してきました。先月2023年7月1日をもって、NTTレゾナントがNTTドコモと合併したため、NTTドコモの運営に代わりました。ニュースリリースでは「経営資源の強化と意思決定の迅速化」のためで、「資源の強化」と「迅速化」であって「効率化」という言葉はありませんので、リストラの心配なないと、私は見ました。「NTT本体」でなく、NTTの100%子会社「NTTドコモ」との合併ですが、お会いしたことはありませんが「goo」エンジニアの賃金がNTT本体正社員と均等待遇だと願います。今回の「NTTドコモ」への運営主体の変更は、とくだん、筆者の言論活動にもたらす影響はゼロとみられます。

以上です。

【閣法】自転車の取り締まりで「切符」行政罰を導入か「道路交通法改正案」2024年通常国会提出へ警察庁調整

2023年08月30日 08時33分24秒 | 既に提出された【法案】
[写真]国家公安委員会・警察庁が入る庁舎、東京都千代田区霞が関、6年前、宮崎信行撮影。

 「道路交通法改正案」を来年令和6年通常国会に提出する準備を警察庁が始めました。

 今月3日の「国家公安委員会定例会議」では「良好な自転車交通秩序を実現させるための方策に関する有識者検討会」を設置しました。

 谷大臣は同日のの記者会見で「交通ルールを無視する自転車利用者に対して厳しい批判が寄せられており、交通の安全を確保するためには、良好な自転車交通秩序を実現することが重要だと思っております。交通事故件数のトータルは減っていますが、残念ながら自転車と歩行者の事故はむしろ増えている、そういう状況にあります。そこで、本検討会では、自転車に対する交通安全教育や交通規制の在り方のほか、自転車に関する交通反則通告制度の導入も含め、これらも含め効果的な違反処理の在り方について議論していただくということにしております」と語りました。

 これまでの白い帽子の交通部警察官が「切符」を切り罰金納付を促していたしくみを、自動車だけでなく自転車にも広げることになりそうです。

 仮に納付しない場合は、刑事手続きに移行することになりそうです。

 ながらスマホ、両耳イヤホンでの走行の是非も議論されるかもしれません。

 これらをまとめて、2024年1月に召集される通常国会に道路交通法改正案が提出されるはこびとなりそうです。

 また、電動キックボードの規制を求める声もSNSなどで上がっており、政府原案を審議する国会審議で質問通告が出そうです。

 以上です。

【閣法】農水省が大臣記者会見を改竄「9月中旬」を落とす「食料・農業・農村基本法改正案」の最終答申とりまとめ時期、「森山自民」が国会空洞化で揉んでから国会に提出の意図か

2023年08月30日 07時21分57秒 | 既に提出された【法案】
[写真]農林水産省、おととし7月、宮崎信行撮影。

 先々月6月に中間とりまとめがあり、来年2月ごろに国会提出されるとみられる「食料・農業・農村基本法改正案」に向けた農林水産省審議会の最終答申が、来月9月中旬という異様に早いタイミングとなる可能性が出てきました。

 野村哲郎農相がきのう2023年8月29日に語ったことが、閣議後会見のYouTube動画で確認できます。

 YouTubeで野村さんはこう言っています。
 「この審議会の最終答申の取りまとめというのが、おおよそ9月の半ばぐらいになるのではないかということでまだ日程ははっきりしておりませんが、この辺までには何とかとりまとめたいということで事務方の方整理をさせていただいています
 と話しています。

 ちなみに、同省のホームページの文字版で農相の発言は、
 「この審議会の最終答申の取りまとめというのが、まだ日程ははっきりしていませんが、この辺までには何とか取りまとめたいということで、事務方で整理をさせていただいています
 とあります。

 「9月の半ば」を落とす意図的な改竄を農水省がしたようです。

 ま、たまたま気づいたので、このような書き方をしました。この件は、ここまでにしましょう。

 それはさておき、来月9月半ばに最終答申を出してしまい、その後は、森山裕さんら自民党農林水産族が100日程度揉んでから、法案を出すというはこびになりそうで、野党不在の国会の空洞化で基本法改正が進みそうです。

 6月の中間とりまとめに対する省への意見として農相は(1)適正な価格形成に向けた食料システム全体でのしくみ(2)物流の効率化(3)人口減少下における農地・農業インフラの維持ーーだったと会見で語りました。

 一方、立憲民主党の「NC(泉次の内閣)」も6月に中間とりまとめを出しました。これに基づき、金子恵美NC農相、田名部匡代・座長、徳永エリさんらたまたま女性中心の「農林水産キャラバン」も全国を回っており、7月27日の岡山県を皮切りに、きょう8月30日には、京都府の日本海側の福知山市、舞鶴市の2会場で「車座集会」を開きます。同党の機関紙は、、岡山県・北海道の会合で、行政から「高収益作物への転換や6次産業化を進めている」農業者から「今の収入では息子に継がせられない」との声が出たと報じています。私は「1営農者辺り現金収入を一定以上にすれば続けられる」という自民農政の思想が優れていると考えています。

 なお、「食料・農業・農村基本法改正案」では、「有事の増産の要請に応じた農業者には補助金を出す」という趣旨の条項が入る見込みです。基本法と別に、「有事の増産命令を出せる新法」も準備されているようで、骨太の国会審議が期待されます。

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【閣法】「共同親権法案」が来年通常国会に早々に提出との日程感が浮上、さすれば「自民党岩盤保守層との大熟議法務委員会」になるかも

2023年08月30日 06時44分08秒 | 既に提出された【法案】
[写真]法務省・検察庁の向かい側(皇居桜田門傍)に立つ筆者、おととしの11月。

 きのうの法制審議会家族法制部会第30回部会から「離婚後の共同親権」を盛り込んだ「たたき台」の検討が始まりました。

 これについて、「共同親権を盛り込んだ民法改正法案」を、来年の通常国会に早々提出して成立させる日程感が与党にあることが分かりました。

 読売新聞がイラストで示した今後の予定では来年通常国会に提出されるとし、東京新聞は与党内で提出を求める声があるが政府与党で異論があると報じました。

 きのう、令和5年2023年8月29日の「法制審議会家族法制部会第30回会議」に法務省民事局はA4判7ページの「家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台(1)」を提示。この中で「子との関係での父母の責務を明確するための規律を整備するものとする」「父母双方が親権者となるときは親権は父母が共同して行うものとする」とし、共同親権が本則だと受け取れる案を出しました。そのうえで「ただし、次に掲げるときは、その一方が行うものとする」とし「他の一方が親権を行うことができないとき、この利益のため急迫の事情があるとき」は例外として単独親権にできるとの文章が提示されました。

 たたき台は、養育費の先取特権を新設することも机上にあげました。民法第306条第2号の雇用関係の先取特権に次ぐ順位とすべきだとしています。民法の根幹部分に改め文が入ることになるかもしれません。

 さらに「法定養育費」を新設し、「費用の分担の定めをすることなく協議離婚をした場合に対応する仕組み」として、一定の要件・離婚から一定の期間・
法定養育費を請求できるとしました。拒むには、「その支払いによってその生活が著しく窮迫することを証明」する必要があるとしました。こちらは、執行官法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法に改め文が入ることも予想されます。

 いずれにせよ、(1)共同親権を本則とする(2)養育費の先取特権を加える(3)法定養育費を入れるーーの3点について、法務省民事局は「タカ派」のたたき台を出してきた印象があります。

 第49回衆院選と第26回参院選を終えた「黄金の3年間」を2年間残す、岸田文雄自公政権ですが、先の第211回通常国会で「LGBT理解増進法」で岩盤保守層が自民支持から剥がれ落ちたとみられます。共同親権に関しても、岩盤保守層から「女性などの親が不倫をしなければそもそも離婚後の単独親権・共同親権の議論が不要だ」といった保守的な意見がこだまして、自民党支持から剥がれることも想定されます。が、そのことが来年9月の自民党総裁選で岸田さんに不利に働くともいえないことから、与党主流派も来年の前半に一気に決めてしまった方がいいとの思惑があるのでしょう。

 が、法務委員会をめぐっては去年葉梨康弘法相が辞任。先の通常国会では、後任の斎藤健法相のもとで2年前の廃案と大きく変わらない「改正入管難民法」が成立し、国会内外を通じたシュプレヒコールは「原発60年超」「防衛財源」の審議をも凌駕しました。

 前々の法相の古川禎久さんが設けた外国人技能実習生法の見直しの勉強会のとりまとめの国会審議も控えていることから、衆参法務委員会が、共謀から5年以上、炎上警報のなか運営されることにもなりそうです。

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