【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「科学的根拠」を質疑答弁へ、福島原発処理水放出で閉会中審査で合意 国対委員長ら

2023年08月24日 19時54分11秒 | 閉会中審査
[写真]安住淳さん、きょねん10月、国会内で、宮崎信行撮影。

 自民と立憲の衆参国対委員長は、きょう2023年8月24日から始まった東電福島原発「処理水」の放出について閉会中審査をすることで合意しました。

 9月上旬開催の見通し。

 安住淳国対委員長は、首相、経産相、農相、外相、復興相の出席を要求。今後は、岸田首相出席が必要な予算委員会かそれ以外かを与党が官邸と相談する段取りとなりそうです。

 科学的根拠を説明することが問われます。最近の政治は、任期が半分以上あるのに「今やれば10議席減少にとどまるから首相は解散するのではないか」「立憲の公認内定が150人に満たないので、150議席をとれるわけがない」など科学的根拠があやふやな発言がまかり通る時代になってしまいました。慶応大学・早稲田大学などの文系の入学試験に数学がなく、コミュ力だけで自民党政権、官邸、五輪組織委員会らを牛耳っているからでしょう。財務、厚労両省も、税率と保険料率を変更したとき、再分配による国民負担率がどうなるか答弁することができないと認めています。

 今回の長い夏休みでは、マイナ保険証でデジタル相・厚労相・総務相、線状降水帯豪雨で防災相に対する閉会中審査が衆参で3時間程度ずつ合計4回開かれました。
 
【参議院総務委員会理事懇談会 きょう令和5年2023年8月24日(木)】
 「NHKプラス」が予算が認められていない「BS1」のコンテンツのインターネット配信の設備投資を発注した問題を理事懇談会で審議しました。これとは別に、自民党内の野田聖子元郵政相を座長としたチームは、NHKニュースのテキスト配信をいったんやめさせる内容をとりまとめました。政府内の検討チームは11月に向けて議論するはこび。

 元日銀理事の稲葉氏が突然NHK会長になりましたが、岸田首相の親戚の宮沢洋一元税調会長の国立中学の同級生だったというオチでした。中立的第三者機関と思われてきた「NHK」への官邸介入は岸田政権で露骨さを増しており、NHKへの横やりも活発化してくるかもしれません。

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「森友は災害だった」失言を謝罪した石井啓一さん来年9月のトリプル党首選で公明党代表有力も足元をすくわれることも

2023年08月24日 06時56分50秒 | 第50回衆院選(2025年11月より前)
[写真]森友問題にあたっていた当時の石井啓一国土交通大臣、6年前の2017年の10月、茨城・つくばで、宮崎信行撮影。

 来年9月の、自民・立憲・公明のトリプル党首選で、次期公明党代表に就任することが有力視される、石井啓一幹事長(衆議院・埼玉14区候補予定者)が、きのうの講演で失言し、けさ「X」(旧ツイッター)で謝罪しました。

 石井さんは「閣僚時代の一番の災害は森友事件に関わったこと」との昨日の私の発言が取り上げられています。 自分の身に降りかかった災いという意味で災害と表現しましたが、自然災害と比較した事は適切でなかったと思います。 不愉快に思われた方にお詫び申し上げます」と投稿しました。

 東京新聞が否定的なニュアンスを含んだ雑報を載せたり、朝日新聞は評価なしに「発言録」として扱ったりしました。

 朝日の発言録によると、石井さんはきのう2023年8月23日の都内での講演で「2015年10月に国土交通相に就任しました。私の閣僚時代もいろんな災害がございまして、熊本地震ですとか九州北部豪雨、西日本豪雨、北海道胆振東部地震などいろんな災害が起きましたけれども、私にとって一番災害だったのは森友事件に関わってしまったということでございます。
 近畿財務局から大阪航空局に元々の地主なんだからゴミの量を算出してくれと言われて算出したのが運の尽きで、私が森友学園に忖度(そんたく)をして実際より多いゴミの量を算出をして値引きをしたんじゃないかと野党に追及をされ、縷々ゴミの算出の根拠を説明せざるを得なかったということがありまして、閣僚時代はもう足かけ3年、国会の度に森友で追及されるという思い出もございます」と語りました。

 国土交通省・気象庁が「震度7が2度来る」ことを完全に想定外だった熊本地震と森友学園問題の飛び火を災害とする不適切な発言です。

 土地の値引きをめぐって、近畿財務局が大阪航空局に対して「地下にゴミが埋まっていて、ダンプカー数千台で運んだことにしてくれ」と荒唐無稽な提案をして口止め。これをめぐる国会質問では、正義感で勢い余った共産党の宮本岳志さんから石井さんに対して録音テープを提供するから聞いて仲間に入ってくれという趣旨に聞こえる国会審議が交わされるなど、混乱しました。

 党の政調会長・幹事長として、自ら連立政権合意を結んでおきながら、安倍晋三首相に忖度した自民党政権からもらった災害だとの認識は党内外で批判がでるのがひっしです。

 とはいえ、どこまでもついて行きます下駄の雪とも評される公明党が参加した連立政権の構造に変化を与えることは容易ではなく、政治が漂流した状態が続きます。

 石井さんが第50回衆院選の埼玉14区で当選して、近畿全敗した場合は、来年9月より早く「石井代表」になる可能性もありますので、党内外から足元をすくわれないための慎重運転になることも考えらえます。

 山口那津男代表はベトナム訪問中で、国家主席と会談した当日で、日本にいませんでした。

 以上です。