宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「自公維3党協議を骨太の方針に反映させて」維新幹事長に首相「頻度上げる」補完勢力のまま6月22日の会期末突入へ

2025年03月06日 16時55分23秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]参議院本館3階の会派控室から見る皇居側「憲政記念館」、今から8年前の2017年5月、宮崎信行撮影。

 参議院の自公幹部は、高額療養費の多数回該当者を除く引き上げについて異論を唱えましたが、参では自公が過半数のため、修正されずに予算は成立するとみられます。

【参議院予算委員会 きょう令和7年2025年3月6日(木)】
 テレビ中継の後、委員派遣の報告がありました。衆では地方公聴会に該当します。このため「令和7年度予算案」の審議はきょうで3日目とします。

 基本的質疑2日目で、1巡目の後半。

 維新は、猪瀬直樹参議院幹事長と金子道仁文部科学部会長が質問しました。猪瀬さんは、批判もある自公維3党首の高校無償化と社会保険料2兆円規模削減検討を正当化。小泉純一郎首相以降の官邸主導による新自由主義の象徴であるプログラム文書「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる骨太の方針に反映させるよう求めました。

 猪瀬さんは「令和7年の予算編成過程でなるべく早く実現できるように、次の令和8年度予算に反映するように」「政府の骨太方針というのは、6月にたいだい骨太の方針であるから、それまでに3党の協議会が設置されて、協議を始めて、どういうところがまだあるのかということを明らかにしていかなければならないわけですが、そうすると、政府の骨太方針に反映させるためには、もう3月もう来週ぐらいから始めて、5月中旬まで10週間しかないから、そうすると毎週1回やって10回ぐらいやらないと骨太方針に反映されることができない」と語りました。

 石破茂首相(自民党総裁)は「国民負担を軽減するための具体策について令和7年末までの診療報酬改定を含む予算編成過程で論点の十分な検討を行い、早期に実現可能なものについては骨太方針2025に記載をし、令和8年度以降の予算に反映させる」「合意内容を踏まえて、協議体の進め方について政府がとやかく申し上げるべきではございませんが、10週間しかございません、時間は限られておるわけでございますから、開催頻度というものを上げるということは、適切にご判断をいただけることだ」と後押ししました。

 このため、6月22日(日)の会期末に前後した時期に閣議決定される骨太の方針に、自公維3党協議が反映されることになりました。ですから、自公維補完勢力は6月22日(日)の都議選投票日に前後した時期まで続くことになりました。

 また、ガソリン税旧暫定税率の租税特別措置法改正に関して、吉村洋文代表が、自公立維国5党の協議体の設置を促しましたが、古川元久さん、重徳和彦さんが相次いで拒否を表明しました。旧暫定税率も、「自公国の3党幹事長合意にもとづく税調」から「自公維3党首合意にもとづく政調」に議論の場が動きそうです。

 そうすると、6月の骨太、7月の参院選、11月の自民税調まで少なくとも9か月は、自公維の期限付き大連立の状況となります。

 参院選をめぐっては、矢田わか子・首相補佐官の地元「パナソニック労働組合」がある連合大阪では、大阪4人区「維維自公」の改選で、立憲民主党と国民民主党から1人ずつ立てて2人当選させられとの楽観的主戦論が一部で浮上し関係者が火消しに追われています。が、意外にも維新が買ったことがない近畿2府4県の中の1人区3県(滋賀・奈良・和歌山)も含めて参院選で番狂わせがあるかもしれません。壮大なギャンブルを続ける政党だという印象です。

【衆議院】
 議院運営委員会理事会を開き、重要広範議案の残り3本「能動的サイバー防衛法」「給特法」を中心とした本会議での趣旨説明と代表質問の話し合いがなされました。

【立憲政調】
 厚生労働部門会議で、提出予定法律案件名・要旨調にある「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」を提出できるかどうか、省と30分間やりとりしました。

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