[写真]法案廃案決定後に大臣との面会のため法務省に入るウィシュマさんご遺族や弁護士ら、NHKニュース7から。
終盤国会最大の焦点となった「入管難民法改正案」(204閣法36号)を廃案にすると、午後12時半、自民党幹事長が伝達しました。良かったです。スリランカ人女性ウィシュマさんのご遺族はおとといの葬儀、きのうの名古屋入管訪問に続き、きょうは上川陽子法務大臣と面会しました。今この日本にいる人のうち当事者は8万人、ご家族を含めても1000人に1人しかならない問題ですが、議員会館前の整然としたシットイン抗議運動を見て、私も知らない日本があるのだと反省しました。
2018年臨時国会の大混乱にもかかわらず、入管難民法改正案が再び提出された経緯には、佐々木聖子初代・出入国在留管理庁長官の存在抜きには語れません。法務省キャリアとして入管行政一筋30年の佐々木さんは、「外国人技能実習生」の法案を先導し、入管局長から初代庁長官に。このときに、入省年次が2つ下が次長になっています。当たり前のようですが、東大の同級生で生まれ年月も同じ男性です。なぜ2つ下かというと、司法試験合格の検察官採用だから司法修習の2年分遅くなっています。このキャリアが絶対に事務次官になれない、最高で民事局長という法務省において、佐々木さんが検察官の同級生を次長として従えたことに達成感があったのでしょう。圧倒的な知識、自民党法務族の支持を受ける佐々木さんが、前回は外国人技能実習生でしたが収容施設に関する改正法を成立させて長官を定年退職したかったことは想像に難くありません。過去の入管局長も「日大教授」などになっていますが、年収は7桁。黒川弘務さん一人のキャラクターではいあんとなった国家公務員法改正案はことしわずか3時間の質疑で全会一致で可決し、参議院で審議中。前科者事務次官をかかえる法務省が今年も騒ぎを起こしたことになります。もちろん、高校卒業後刑務官一筋42年間の職員はストレスに耐えて、立派にやっている人ばかりだと思います。新卒で公安調査庁採用者は暇すぎて人生を考え直しているかもしれませんが、転勤は多いです。検察官一筋で、初めて定員わずか61名の法務省刑事局に配属された人も、「法改正」に燃えていることでしょう。きょねんらい、厚労の大坪医系技官、人事院の松尾・現事務総長、総務省の山田・元首相秘書官ら女性官僚ばかり叩いているように自分で感じますが、佐々木聖子初代長官の野望がついえた、というのが真相だと、私は思います。次は男性の、経産省の新原浩朗・経済産業政策局長をターゲットにします。
【衆議院本会議 きょう令和3年2021年5月18日(火)】
直前の自民・立憲幹事長・国対委員長会談のため、遅れて始まりました。「法務委員長解任決議案」は立憲などが取り下げたので上程されず。
情報監視審査会の年次報告が松野博一会長からなされました。2014年は派閥領袖級でしたが、法務委員長と同じく清和会から会長が出ています。
「改正ストーカー規制法」(204閣法41号参先議)が全会一致で可決し、成立しました。
「日英原子力協定承認案」(204条約8号)が共産党反対、自公立など賛成で、「太平洋まぐろ類保存条約承認案」(204条約9号)が全会一致、「国際航路標識機関条約承認案」(204条約10号)も全会一致で承認されました。承認案は参議院での審議が必要となりますが、岡田克也衆議院外務委員の通常国会が終わりました。
「著作権法改正案」(204閣法57号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。けさの日経新聞報道のようにテレビのインターネット同時配信の著作権処理簡略化の内容が入っていますが、衆議院での審議は図書館からの学術書スマホ送信の方に集中しました。
「ドローン規制の航空法改正案」(204閣法60号)は共反対、自公立維国の賛成多数で参議院に送られました。
「特商法及び預託法改正案」(204閣法54号衆修正)は、立共反対、自公維国の賛成多数で「修正」され参議院に送られました。修正協議では、立憲・共産も賛成しました。憲政史にないトリッキーな修正となりました。「書面交付の電子化規定は、その施行日を2年後に先延ばし、附則に施行後2年見直し規定を設ける」という修正。当然、2023年・2024年には施行されることになるでしょうが、こういうプログラム規定は再改正しようとすれば簡単にできます。この修正協議が、法務委員会での階猛筆頭理事の10項目の修正要求という異常な高いボールを投げて、金曜19時過ぎに決裂させるという国会戦術になり、きょうの入管難民法改正案廃案を勝ち取ったのです。安住淳国対2年間の芸術の結晶です。
【衆議院総務委員会 同日】
黒川前科者のせいで国家・地方公務員全員(特別職自衛官除く)が巻き添えになった「地方公務員法改正案」(204閣法53号)が全会一致で修正議決されました。立憲は、武内則夫・道下大樹・神谷裕の「自治労ないし北海道連トリオ」が登場。定年を65歳に引き上げる内容です。
【参議院内閣委員会 同日】
「子ども子育て支援法及び児童手当法改正案」(204閣法14号)の審議。なお、残り1か月弱の当委員会では吊るされているのかもしれませんが「障害者差別解消法改正案」(204閣法59号)と「国家公務員法改正案」(204閣法63号)が残っています。さらに衆議院では「重要施設及び国境離島土地利用状況の調査及び規制に関する法律案」(204閣法62号)が衆・委員会で審議入りしていません。参議院内閣委員会の会期末混乱の予兆が出てきました。
【参議院法務委員会 同日】
「少年法・更生保護法・少年院法改正案」(204閣法14号)を午前10時から審議し、ウィシュマさんのビデオの開示を求めるなど、昼の衆議院での「入管法廃案」をバックアップしました。
【参議院外交防衛委員会 同日】
きょう現在フランス軍が初めて日本で共同演習中ですが、「日印ACSA承認案」(204条約3号)が採決され、立憲・共産・維新・沖縄の風が反対し、自民・公明・国民が賛成して承認すべきだと決まりました。
「日EU航空協定承認案」(204条約4号)は全会一致で承認すべきだと決まりました。
【参議院財政金融委員会 同日】
いつもと違い、密を避けるために、第一委員会室で開かれました。いつもと同じ本館であることに変わりはなく、この委員会は分館で開いていけないという決まりでもあるのでしょうか。
「銀行法・金融機能強化法・預金保険法改正案」(204閣法52号)が採決され、共産のみ反対し、自民・公明・立憲・国民・維新・古い党が賛成して可決すべきだと決まりました。
【参議院厚生労働委員会 同日】
三原じゅん子厚生労働副大臣が先週の委員会遅刻を謝罪。省内での外部有識者を交えたオンライン会議を優先し、国会に出向かなかったと経緯を説明し、平謝り。「木曜日午後1時に参・厚労委が開かれていない5月」など絶対ないのが国会ですから、副大臣・政務官室もかなり深刻な反省が必要です。その後、一般質疑のみで散会しました。
【参議院農林水産委員会 同日】
一般質疑のみ。衆で審議中の法案が後日回ってきます。
【参議院国土交通委員会 同日】
「長期優良住宅普及促進法改正案」(204閣法25号)が趣旨説明。
【参議院環境委員会 同日】
「温対法改正案」(204閣法47号)の参考人質疑。大臣は体調が回復して公務に復帰している、と発表されていますので、次回は対政府質疑でしょう。
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ちょうど一年前が、検察庁法を含む国家公務員法改正案の廃案の二階・福山会談でした。
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