ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

二階幹事長と首相が会談し「検察庁法改正案」の今国会先送りを決定、野党「法案を取り下げるべきだ」

2020年05月18日 16時59分55秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]自民党本部隣のコンビニ、4年前2016年、宮崎信行撮影。

 自民党の森山裕国対委員長は、午後4時頃から、安住淳国対委員長に会い、「国家公務員法・国会職員法・検察庁法など改正案」(201閣法52号)の審議をやめて、6月17日の会期末に「継続審査」にしたいと伝えました。審議に入っていない「地方公務員法改正案」(201閣法53号)も継続審査にする見通し。

 これに先立ち、午後3時頃、二階俊博幹事長と林幹雄幹事長代理が首相官邸を訪問し、安倍晋三首相と会いました。月曜5時の定例自民党役員会の2時間前に、幹事長が総裁と打合せに官邸を訪れる行為は、実は極めて異例。急転直下の政治判断だっとうかがわせます。会談では「国民の声に十分耳を傾けて、理解なしに前に進むことはできない」 との判断で一致した、と報じられました。

 映像ディレクターらがつくる任意団体が主催してYouTubeでの緊急各党首記者会見では、枝野幸男代表は「我々の想定を超える世論があった。有識者のほか、中谷元議員のように与党議員からもさらに声を上げてほしい」「継続審査ではなく法案を取り下げるべきだ」と語りました。志位和夫・共産党委員長は「日本の民主主義の底力を示した」と述べました。

 新型コロナウイルス感染症による外出自粛要請を受けて、Twitterデモが起きました。芸能人・ミュージシャンでも、ほんとうに有名な人ばかり参加しました。この声で政治を変えたことになります。突然の関心激増で、先週の審議では、黒川弘務さん(65歳)は「68歳まで検事総長ができる」という法改正になることが初めて分かっていました。

 見て見ぬふりをした法務省・検察庁職員。やむを得ないでしょう。しかし、昨年私が東京地裁で経験した光景。保釈中の身で傍聴席から被告人席に立った被告が、薬物で執行猶予付きの有罪判決。法廷を出た後に、エレベーター前で私にボタンを押して「どうぞどうぞ」。善行を積めば懲役の期間は短くなりますが、執行猶予期間は短くなりません。こういうことは庶民は分からない。それをあたりまえにして居丈高になっている検察官はいっぱいいるでしょう。そこで見えている世間がすべての世間ではない。東京一括採用、公訴独占主義、起訴便宜主義で、日本の検察官が信頼されない存在であるということを直視すべきです。

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インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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