【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

日独伊三国同盟以来の「日本自衛隊・ドイツ軍の物品役務協定」もあっさり可決・承認の見通し

2024年06月11日 22時38分14秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]参議院の噴泉、7年前の2017年5月、宮崎信行撮影。

 今国会の議案は当初会期内にすべて成立するのが確実なはこびとなりました。逆に言えば、憲法改正発議のためだけに延長するのは不自然だということになります。

【衆議院地域・こども・デジタル特別委員会 きょう令和6年2024年6月11日(火)】

 「子どもの貧困対策法改正案」(213衆法 号)が起草されました。新規立法の時は、自民党の薗浦健太郎さん(議員辞職)らが主導しました。その後平成元年改正法の「5年後見直し規定」に基づき今次改正(こんじかいせい)となりました。タイトルに「貧困の解消」を入れ、ひとり親世帯の養育費の受領率も政府が計算するよう求めています。10年前の新法のプログラムにもとづき厚労省が「こどもの相対的貧困率」を初めて発表しました。

【参・政治改革特別委員会】
 「政治資金規正法改正案」(213衆法13号衆議院修正)と「政党助成法廃止など共産2案」(213参法1・2号)、「国民対案」(213参法11号)が審議されました。
 自民党議員からは「改正後の5万円超公開は厳しい」という趣旨に聞こえる質疑がありました。
 審議が長くなったことに、山口那津男代表から恨み節がマスコミで報じられました。但し、審議が長くなったことで、個人寄付の当事者の考えがにじみ出てきました。

 政治団体の支出先のマスキングで、有権者側からマスキングすべきだとの意見が出てきました。私は性格が悪く、趣味の感覚で、収支報告書を見たり、友人経営の会社の信用情報を見たり、不動産登記の抵当権設定銀行の情報を見たりして、その100分の1もリアルで発言しないでいます。立憲民主党がジェンダー問題に取り組む女性芸能人に党大会で発言してもらったことがあります。そのギャランティーが自宅と思われる住所で公開されていました。その後、その女性芸能人の「ツイキャス」を視聴していて、ぞっとすることがありました。首都圏に住んでいる人は指摘されれば気づくと思いますが、1階のレベルにホームがある「地上駅」はJR東日本では少なく中央線「荻窪駅」、山手線「目白駅」などに限られます。「地上駅」が連続する私鉄は、2つほどの会社に集中しています。その女性芸能人のツイキャスでは「地上駅ホームに入る直前にブレーキをかけながら踏切を渡る電車音」が入っていました。ということは、おぼろげながら、報告書で見た住所は、やはり自宅だったのでしょう。そういうことに気づく私はかなり特殊な部類の人間とはいえとても危険なことだと思います。女性芸能人の自宅住所をマスキングして政治不信につながるとはとうてい思えません。

 政治に金がかかる最大の費目は私設秘書の人件費だと与野党とも一致しているのに、領収書全添付が透明だとする思想も政治家の勝手な都合だと思います。選挙で情報漏れをおそれて一つの法人にまとまった金額を支出することは選挙区に詳しくない有権者も理解するところだと思いますが、そこから再委託している場合もあるし、会社の代表者がその年のうちに個人献金して政治団体の収支が水膨れしているかもしれません。

【参・第1種常任委員会】
 財政金融を除いた全委員会が開かれました。
●内閣委員会では「日本版DBS法案」(213閣法61号)が趣旨説明され、対政府質疑がありました。欧米諸国も英国方式を採用しているが、その英国では性犯罪が劇的に減ったということではないようです。
●総務委員会では「地方自治法改正案」(213閣法31号衆修正)の参考人質疑がありました。東京8区の市民連合で知られる、小原隆治・早大政治経済学術院教授も登場しました。多くの学者の人たちには「閣議決定」「事後の国会報告」を重んじる傾向があるようで、英国の「事後検証法」という法律も紹介されました。但し、批判的な学者ならば「包括的な指示権」の創設そのものに反対すればいいと思うのですが、2008年以降の日・米・欧の3極同時の量的金融緩和による究極のグローバリゼーションの進展の中で、少子高齢化の社会構造などは同じように進展していますが、英国の事例を出されてもピンとこないような知性の漂流を感じました。
●法務委「技能実習に加えて育成就労を新設する入管法改正案」(213閣法58号・59号衆修正)の審議。
●外交防衛委「日独ACSA」(213条約2号)「日・クロアチア航空協定」(213条約6号)「日・オーストラリア社会保障協定」(213条約7号)「日・ブラジル刑事共助協定」(213条約8号)を承認すべきだと決めました。国際社会はドイツ連邦共和国と第三帝国は別の国家だという常識なのでしょうか、とくに反発なく日独ACSAが承認されました。英仏など大西洋は30年に1回は戦争していますから、いまだに80年前の戦争にこだわる日本海が特殊なのでしょう。
●文教科学委「教科書バリアフリー法改正案」(213衆法18号)を可決すべきだと決めました。
●厚生労働委「ハンセン病元患者家族に対する補償金支給法改正案」(213衆法19号)を可決すべきだと決めました。
●農林水産委「増産命令法案」(213閣法27号)「農地法など改正案」(213閣法28号)「スマート農業推進法案」(213閣法48号)の対政府質疑がありました。山形の委員が米収穫量に応じた水田面積の目標を法律に書き込むべきだとしたのに対して、農相(熊本)が必要ないとした流れを受けて、秋田の委員が「冒頭に質問通告なしに確認したいが、私は大事なのは米だと思うが、私の考え方は間違っているでしょうか」と質問する場面がありました。
 法案とは別の動きで、農業統計の一部民間委託が「統計委員会」で決まったのですが、農業統計をふまえてオールジャパンで審議することが始まりつつある今国会だと感じています。
●経済産業委「スマホのアプリのプラットフォーマーの規制法案」(213閣法62号)を可決すべきだと決めました。
●国土交通委「公共事業の品確法改正案」(213衆法17号)を可決すべきだと決めました。
●環境委「温対法改正案」(213閣法42号)を可決すべきだと決めました。

あすも参・政治改革特別委と参・憲法審が開かれます。

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