【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

令和4年度決算承認案に国民民主党が反対した理由は「令和4年7月に安倍晋三首相がお亡くなりになったが統一教会との関係性をいまだに説明していない」から

2024年06月10日 19時30分22秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
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 参議院自民党では参議院改革協議会の選挙制度に関する専門委員会の牧野京夫さん、来夏改選を迎える3期生の元国土交通事務次官、佐藤信秋決算委員長が登場しました。

 ●衆議院は月曜日の審議なし。5月6日以来となります。あすの本会議もありません。

【参議院政治改革特別委員会】
 朝9時スタート。
 「政治資金規正法改正案」(213衆法13号衆議院修正)と、「政党助成法廃止法案など共産2案」(213参法1号・2号)と「国民対案」(213参法11号)が審議されました。

 自民党の牧野京夫さんは質疑で「政党への信頼性を高めるには、透明性を確保することだ大事だ」と主張しました。


[写真]自民党の牧野京夫さん、3年前の2021年9月29日、宮崎信行撮影。

 私の考えは違います。吉田博美元参議院自民党幹事長(故人)以降、合区、特定枠など参議院の選挙制度は複雑怪奇となっています。以前からSNSでは「あの参議を落とせ」「いや、参は半数改選で次は非改選だ」とのやりとり1回で有権者の議論は終わってきました。先週は、蓮舫参議が都知事選告示日に自動失職するかそれ以前に辞職願を出すかの論争がありました。しかし、三木亨前参議について「特定枠で当選した人が、任期途中で、徳島県知事選に出ることは許されない」との議論は広がらず、それが響いたかどうか分かりませんが知事選で落選しました。こんなものは、「三木氏はやめるべき」「やめるべきでない」と二分して討論合戦したって答えが出るわけがありません。もはや話しても無駄なのが日本の民主主義です。平成6年政治改革の「公開」「透明性」も、有権者はそこまで暇ではないので、第三者機関の設置が検討条項に入ったのだと私は考えます。民主主義に大事なのは、透明性ではなく、単純性だと思います。複雑なことが良いと思うのは、日本のインテリの食い扶持確保のためで、希望を持って参入した人だって、地方創生、特別区域が逆に日本の経済成長を妨げていることに気づいて、それでも自分の生活のために言えないでいることはバレバレです。とにかく単純にしなければ、日本の未来はありません。

 共産党の山下芳生さんは「30年前の政治改革では、企業・団体献金の全廃の代わりに政党助成法ができたはずだ」とし、政党助成法の廃止を求めました。

【参議院決算委員会】
 「令和4年度決算承認案」は締めくくり質疑の後に採決され、賛成多数で承認すべきだと決まりました。政府に対する警告決議は全会一致で議決しました。

 テレビ入り・首相入り質疑がありました。まず、自民党の佐藤委員長が質疑。「国税収入が1・4兆円増えたのは国土強靭化投資が安定した経済成長につながったのではないか」と問いましたが、首相は委員長が示した内需と外需の計算のしかたに見解の相違があるとしました。佐藤さんは原発をさらに増やすべきだとして、電源立地交付金による原発建設を求めました。佐藤さんにとっては、閉会後の内閣改造が任期中最後の内閣改造となります。

 共産党の山添拓さんは、午前中の政治改革審議や、あるいは佐藤委員長を意識したのか、国民政治協会への献金で「日建連が割り振りをして、総額いくらでお願いすると、こういうふうにされるのが自民党だということですね」と述べました。山添さんは「総理は、こうした献金によって政策が歪められることはないと常々おっしゃいます。しかし日建連は、政策を要望した上で献金しているわけですね。例えば2021年11月の要望書には、大型工事は財政の単年度主義のため、複数年にわたる工事の発注が難しいとして、予算の別枠計上などを求めています。すると予算編成でその通りの仕組みが実現して、年末の会長のコメントでは、日建連がかねてより要望していた。大変ありがたい」としていると語りました。山添さんは「国土強靭化といって、自民党政権が大型開発を増やしていく中で、日建連の会員企業は、20億円の献金で27兆円の発注を受けている。総理はそれでも、献金とは無関係だとおっしゃいますか」と問いただしました。

 質疑後の討論では、国民民主党の会派である山形選挙区・芳賀道也さんが気を吐きました。

 芳賀さんは「令和4年度決算の承認に反対する第四の理由は、統一教会という反社会的なカルト教団に対する政府与党の対応が不十分なことです。令和4年7月、参議院選挙の最中に安倍元総理が凶弾に倒れお亡くなりになりました。改めて安倍元総理のご冥福をお祈りいたしますが、犯行の動機と報じられている安倍首相と統一教会の関係について国民に十分な説明がされていません」としました。

[写真]芳賀道也さん、3年前の2021年4月2日、宮崎信行撮影。

 採決の後、会計検査院に対して国会法にもとづき(1)国庫補助金等により、独立行政法人基金法人および都道府県に設置造成された基金(2)有償援助、FMSによる防衛装備品等の調達の状況(3)マイナポイント事業の実施状況等ーーの会計検査を行い、その結果を委員会に報告するよう議長を経由して要請することを、全会一致で議決し、散会しました。

以上です。


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