宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

3日目、高市早苗さんが裏金・統一教会の萩生田光一さんを「私も無役」と党中党で応援、立憲幹部の岡田克也「シラケている場合じゃないよ」と高投票率での議席躍進に向けて裏金追及を重視し経済は後回しの姿勢

2024年10月17日 20時37分09秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
[写真]前回の選挙サンデーで大阪市と堺市内の候補者を集めて雄弁をふるう枝野幸男代表(当時)=3年前の2021年10月24日、大阪・なんばで、宮崎信行撮影=、演説が中心で電話掛け・投票依頼などの動画を発信しなかったことが終盤での不可思議な失速の要因だとする声もある。その一方、辻元清美さんのハコの集会での「それではスマホを出して。あから順に電話をしましょう」との取り組みも職場での非正規格差の現状を知らないとの批判もある。

 第50回衆院選は3日目が終わりました。

 首都圏と大阪府内で、自公の代表的政治家たちの小選挙区での敗北・完全落選が現実味を帯びてきました。

 石破茂総理率いる自民党では、高市早苗さんが萩生田光一さんの東京24区に入りました。高市さんは次のように演説しました。「なぜか今八王子にいます。自分の選挙区も心配でございますけれども、それでも必ず一緒に勝ち抜く」と述べました。総裁からの総務会長打診を断ったにもかかわらずきょうの高市さんは「私もヒラの本当に自民党の中で、ヒラの1人の政治家でございます。でも力を合わせれば、いろんなことができる。私達が生きている今、それは誰かが命がけで守ろうとした未来だった。その未来を私達は生きてます。だからこそ、次の世代に今の日本列島をもっと強く豊かにして、引き渡すその責任を私達は担っています。一緒に責任を果たさせてください。お集まりの温かい温かい皆様どうかおひとりが、1人5人のノルマでお声がけを今日からお願いいたします」と語り、党中党「高市党」を標ぼうしました。

 高市さんは選挙サンデー(20日)の午後1時に、安倍晋三さんが射殺された、大和西大寺駅北口ロータリーで、グレーの背広を着ていた小林茂樹さんとともに演説する予定。福岡8区で15選をめざして立候補している麻生太郎さんのRPG(ロール・プレイング・ゲーム)の主役となりました。

 今回の衆院選では、「裏金」と「賃上げ物価高」のどちらを訴えるべきかの議論が政界にもあります。先週末の公示前の立憲民主党の情勢調査で「小選挙区100前後を固めた」との結果を見た岡田克也常任顧問。三重3区で連続12選をめざして立候補し、「ハコの個人演説会」をあすと来週水曜日の2回開催と前回比倍増で固めます。その合間をぬったきのうの埼玉3区での街頭演説で次のように語りました。

 「立憲民主党の竹内千春に勝たせてください。シラケてる場合じゃないよ。この選挙は大事だよ。一緒に投票に行こう。みなさんから呼びかけていただきたいと思います。今、チャンスを逃せば、もう、また5年、10年と政権交代の可能性は来ないかもしれない。この選挙こそが大事。ぜひみなさん投票に行ってください」と語りました。

[動画]立憲の岡田さんと、竹内千春候補、きのう16日朝、東武スカイツリーライン「北越谷」で宮崎信行撮影。

 「シラケてる」とは、何事にも興味や関心を持てない状態になっていることを言います。政治的無関心層が、裏金問題で、政治家はみな同じと思い低投票率になると、立憲の議席獲得割合が減りかねないとの危機感を示したものです。同党は、投票率が高くなるほど、同党に有利だと分析しており、「政権交代こそ最大の政治改革」とセットで訴える考え。「物価高・賃上げ」「社会保障」「外交・安全保障」といった具体的な経済政策は後回しにすることになります。

 この文脈で序盤情勢調査で、7年前から慶大教授が「オール・フォー・オール」として開催する食事つき勉強会に参加する新人が劣勢になったところがあります。単純な数学として有権者は1億0400万人で、40歳以上が7700万人、39歳以下が2700万人です。なので、若者が政治に関心を持ち70%の投票率になったとしても、年配の25%が投票するだけで過半数になります。これは関心の問題ではなく、人口ピラミッドの単純な数学の問題です。なので、世代間格差をあおる年金制度などは小選挙区の大勢を決しないと考えられます。そもそも、世代間格差というものは、SNSで見るほどには投票行動や政策にはありません。

 立憲だけでなく、初挑戦の日本保守党、日本維新の会、国民民主党、共産党、社民党、れいわ新選組、参政党の各党は比例で倍増以上や小選挙区で現職維持が射程に入ってきました。みんなつくる党は議席獲得はのぞめないものの、選挙後は「11政党体制」という大乱立時代となります。民意の反映の足掛かりが増えたと好意的にとらえることもできますから、「シラケている場合じゃないよ」と的を射た戦術だと考えます。

 東京24区は、無所属前職男性の萩生田さん、立憲新人の有田さん、維新女性の佐藤さん、国民男性の浦川さん、参政女性の與倉さん、無所属男性の畑尻さん6人が立候補しています。

 奈良1区には、自民前職男性の小林さん、立憲前職の馬淵さん、維新新人の高野さん、共産女性の井上さん、参政の林元さんら5人、奈良2区には、自民前職女性の高市さん、立憲新人男性の尾崎さん、維新女性の服部さん、共産の池田さんの4人が立ちました。高市さんの選挙区に維新が対抗馬を出したのは初めて。

 区割りが大きく変わった新・埼玉3区には自民前職男性の黄川田さん、立憲新人女性の竹内さん、維新の石川さん、共産新人男性の馬場さんの4人が立候補しています。三重3区には、立憲前職男性の岡田さん、自民前職の石原さん、維新新人の伊藤さんの3人が立候補しています。岡田さんは今回も小選挙区単独で比例重複はしていません。

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