宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

【長妻質問】国税庁、社保庁に職員派遣 「消えた年金」照合作業

2007年12月12日 21時41分16秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

(写真は産経、長妻昭さん)

 12月12日の衆院厚生労働委員会を委員室で傍聴しました。
 遅くなりましたが、厚労委名物「長妻質問」からエントリします。

【追記 2007-12-29】
 投稿日時を12月12日に変えました。実際の投稿日時は12月27日です。
【追記おわり】


 相変わらずのてんこ盛りの内容でしたから、報道から漏れていた部分を紹介します。この部分は日曜日のTVで菅直人代表代行も話していました。

 小ネタですが、かなり重要な小ネタです。

 「消えた年金記録」の補修作業。
 社保庁は官民あわせて14人の応援しか頼んでいないという体たらく。

 で、この14人のうち11人は民間からなのですが、残りの3人は国税庁職員です。

○社保庁改革での二大政党の公約を整理します。

 自民党は社保庁解体→分割のうえ公法人「にっぽん年金機構」に改組。
  (年金改革関連法成立済み)

 民主党は社保庁解体→国税庁と合併→「歳入庁」設立です。
  (第21回参院選マニフェスト)

 つまり、社保庁解体は二大政党とも賛成なのですが、その後のあり方が違う。

○国税庁のねらい

 というわけで、私は国税庁が3人を派遣しているのは、民主党案が成案化することも考えての行動だと思います。

 また、想像の域を出ませんが、国税庁としては、社保庁の記録の中から、ある程度、「情報」を取ろうという考え方もあるのでは。

 国税庁は、法人、個人とも年間のおカネの動きをおさえています。国税・地方税ともまずは税務署に申告するのは、ご承知の方も多いでしょう。
 また与党の有力政治家でも、国税庁のデータには戦々恐々という人もなかにはいるようです。

 大多数の真面目に働いている人でも、必要経費算定のために領収書を国税庁に提出しているわけですから、まあ「こわい」ですよね。

 というわけで、国税庁の考え方は分かりませんが、国税庁職員が社保庁に派遣されている(人数の問題ではありません)ということは留意すべきだと思います。

【国会傍聴記 2007-12-12 衆院厚生労働委員会】

長妻昭委員 
(前略)

 先ほど舛添大臣から人繰りの話がありましたけれども、私どもも、福田総理に対して、今回の年金の記録問題は国家の危機だ、国家プロジェクトでやらなきゃいけないということを申し上げておりました

 私は、社保庁が、いろいろオール・ジャパンでほかの省庁からも集め、民間にも守秘義務をかけてきちっと体制を整える、こういうことをずっと申し上げておりましたが、
 先ほど聞きましたら、社保庁は、今回の消えた年金問題で応援を頼んだのは、国税庁の三人と民間の十一人、合計十四人の応援しか頼んでいない、こういうことが情報としてあったんですが、これは事実でございますか。

坂野社保庁長官(役人) 現在、私どもに民間あるいは他省庁から御支援に来ていただいている方は、御指摘のとおり、民間企業からは十一名、国税庁から三名、計十四名でございます。(略)

 また、民間能力の活用につきましては、民間委託あるいは派遣職員の活用等の工夫も私どもとしては行っておるところでございます。

長妻委員 これは、紙台帳あるいは五千万件の記録の対応にしても、今、ほかの役所からは三人、民間からは十一人ということで、十四人の応援ということで、これはけたが違う。

 本当は、全省庁あるいは本当に民間に守秘義務をかけて国家プロジェクトとしてやらないとこれは追いつかないということをずっと申し上げているんですが、何でこんなお寒い、小ぢんまりした小部隊、社保庁だけが問題を抱え込んでやろうやろうとする。

 こういう体制をつくるのは政治家のリーダーシップだということで、舛添大臣にぜひきちっとした体制を組んでいただきたいということも強くお願いします。(後略)

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【関連エントリ】
「消えた年金記録」に関する当ブログ内のエントリはこちらから一覧できます(クリックしてください)


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