1953年制作というから今から半世紀以上も前の作品である。映画ファンならずとも多くの人に愛されたオードリー・ヘップバーンのデビュー作である。「懐かしのシネマ上映会」で「ローマの休日」を観た。
私は、映画はできるだけ映画館で観たいと思っている。
暗い空間で、大画面に集中して、自分をストーリーの中に没入して観たいと思っているからだ。
例えば、この「ローマの休日」などかなり廉価のDVDが出回っているだろうし、レンタル店では格安で借りられるだろう。しかし、私は大画面を選んだ。
2月11日(祝)コンベンションセンターで「懐かしシネマ上映会」で「ローマの休日」が上映されると知り、東札幌まで足を運んだ。
コンベンションセンターとしては初の試みということだったが、中高年を中心に多くの映画ファンが集まっていた。
ストーリーはあまりにも有名だが、某国の王女アンはヨーロッパ各国を親善訪問中だったが、あまりにも窮屈な日程を嫌いローマ滞在中に宿舎から逃げ出し、ローマ市内に遊ぶのだがその中で儚い恋も経験したが、自らの宿命に逆らえず王女の還っていくというストーリーである。それはまさに一時のローマの休日だった。
コロッセオ、トレビの泉、スペイン広場…、ローマの名所が次々と画面に現れる。ローマを旅した者なら誰もが訪れるであろう名所がふんだんに織り込まれている。私もまた1968年学生時代にヨーロッパを彷徨していたので懐かしさと共に画面に見入った。特に映画の中で王女を追う某国の秘密警察と大立ち回りを演ずるテヴィレ河畔に建つサンタンジェロ城はヒッチハイクでローマ市内に入ったときに初めて目にした記憶に残る建物で忘れがたかった。
オードリー・ヘップバーンはこのとき24歳。彼女にとってデビュー作であり、出世作となったこの作品で、彼女の魅力が余すところなく画面に映し出されている。
きらきらとした妖精のような輝きを放つオードリー…。
お茶目に愛くるしく振る舞うオードリー…。
気品に満ちながらもあどけない微笑みを浮かべるオードリー…。
そのどの表情もが、世界の映画ファンを虜にした。
白黒映画なのに、いや白黒映画だったからなおのこと、彼女の魅力は際立っていた。
いや~。私は今映画館で観る(この映画を観たのは正式の映画館ではなかったのですが)映画の魅力にどっぷりとはまっています。