札幌学院大学が開催するコミュニティカレッジを再び受講した。テーマは「大学的北海道ガイド」と称し、7月に3回講座として開講され、このほど閉講した。期待した割にはやや肩透かしをくったかな?というのが正直な感想である。
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※ 札幌学院大学の先生たちが発刊したという「北海道ガイド」の表紙です。
札幌学院大学のコミュニティカレッジを昨年くらいから興味を抱いた講座を積極的に受講するようにしている。というのも、開講している学院大学のサテライト(社会連携センター)が大通公園に面していて、通いやすいからである。
今年度も5月に開講された「アイヌ民族の碑が訴えていること」に次いで、この「大学的北海道ガイド」が2度目の受講である。講座スケジュールは以下の通りだった。
◇7月03日(水) 「北海道の大地と自然」
◇7月10日(水) 「十勝の魅力」
◇7月17日(水) 「北海道における最果て感~知床と宗谷の楽しみ方~」
以上、三講である。
講座案内で次のような文章が目に留まった。
「旅行ガイドブックでもなく専門職でもない、北海道をガイドする本を大学人が書き下ろしました」
大学の先生がどのように北海道をガイドするのだろう?との興味から受講を決めた。
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※ 第一講目の小出教授が講義をしているところです。
三講のうち、大学人的ガイドかな?と思われたのは一講目の「北海道の大地と自然」である。講師の小出氏の専門である地質学の側面から、山脈と火山列の生成の違いについて触れた後、北海道の山の特徴について解説した。
それによると、最近はマスコミでもよく取り上げられるように、日本列島は2つの海洋プレートと2つの大陸プレートがぶつかり合っているという複雑な地形であるが、このことが地震の多発地帯になるとともに、火山列ができる地形でもあるということである。
現在の北海道は海洋プレートの沈み込み帯にあり、火山列が道東の知床岬から樽前山、有珠山を結ぶよう東西に連なっているが、日高山脈のところで途切れているという。
この日高山脈は現在の火山列が形成される前に列島が盛り上がり山脈となったために、火山列が途切れることになった、という説明であった。(学問的にはもっともっと複雑なものだとは思うが、素人に分かりやすく説明してくれたものと思う)
聴いていた私には「なるほど」と納得感のある講座だった。
ところが他の二つの講座がいただけない。
「十勝の魅力」は、北海道の開拓の歴史について述べるだけで、いっこうに十勝の魅力を語ろうとしないのだ。講座の最後に刺身のつま程度にちょっと触れるだけでは、講座名に期待して集まった受講生は私同様肩透かしをくった思いだったのではないだろうか?
そして「北海道における最果て感」である。聴いていて「どこが旅行ガイドブックと違うのか?」と突っ込みを入れたくなるほど、単なる知床を紹介するだけの講座だったと言っても良い内容だった。
「最果て感」という言葉ついても、私はいま一つピンとこなかった。「最果て」という語感には「寂寥」という感じが伴うものだと私は思う。その点からいくと、いつも観光客で賑わっている知床に私はそれほど「最果て感」というものを感じない。むしろ、オホーツク沿岸の枝幸町から猿払村にかけての寒々とした風景にこそ「最果て感」のようなものを感じるのだが…。
総じて今回の講座には「肩透かし感」を抱いたというのが偽らざる気持ちだ。一緒に受講したH氏、S氏とも話をしたのだが、受講する我々の側もいろいろな講座を受講することによって多少耳が肥えてきたということもあるのかもしれない。
講座内容を吟味しつつ、これからもいろいろな講座を受講したいと思っている。