高校野球南北海道大会決勝戦、小樽北照 対 駒大苫小牧戦は10 対 4で北照の勝利! 結果だけを見る北照の圧勝のように見えるがさにあらず、甲子園を掴むに相応しい素晴らしい熱戦となった…。
高校野球の私の夏は終えたと思っていたのだが、やはりどこかでは気になっていた。円山球場に駆け付けることはなかったが、テレビの前で一投一打も見逃すまいと試合の行方を追った。
決勝戦は、昨年秋の秋季北海道大会,今年春の春季北海道大会に続いて、小樽北照 対 駒大苫小牧 の対戦となった。ということは、今期の世代においては両校の実力が他校より頭一つ飛び出ていたということを示していると云えそうだ。
試合は前半、北照大串、駒大石井の両エースがそれぞれ持ち味を発揮して3回までを零点に抑えた。
試合が動いたのは4回の駒大の攻撃だった。相手にミスに乗じて連打を重ね2点を先取した。その後も1死2・3塁という押せ押せムードの中で、次打者が鋭いライナーを打った。しかし、この打球が投手大串の差し出したグラブにすっぽりと収まり、ランナーも打球の勢いにつられて離塁していたためダブルプレーとなった。ここが一つの勝負のあやだった。
北照が駒大石井に襲いかかったのは6回だった。今度は駒大のミスに北照が乗じる形で3点を奪い、形勢を逆転した。さらには8回にも石井から1点を奪い2点差とし、流れは北照に傾きかけたかに見えた。ここで特徴的なのは、6回の3点目、8回の得点と2度にわたってスクイズで得点したことだ。ベンチの冷静な采配を感ずる。
反対に、この頃には前日に120数球で完投したという石井の球の勢いに陰りが見えていたのではなかったろうか? この石井に対してベンチはどう見ていたのだろうか?
駒大苫小牧の粘りはここからだった。8回裏、ここでも北照のエラーが絡む形で駒大が劣勢を押し返すように見事2点を奪い、試合を振り出しに戻した。
両チームの気迫と気迫がぶつかり合う素晴らしい試合展開となり、勝利がどちらに微笑むのか、この時点ではまったく分からなくなった。ムードとしては劣勢から同点に追いついた駒大の方が意気が上がっていたと思われる。
ところが9回、意外な勝負のあやが待っていた。
北照は7番に代打(名前は忘れた)を送ったが、ベンチの期待に応えてセンター前へライナーのヒットを打った。次打者の大串は当然送りバントをしたが、これが小フライとなった。それを捕球しようと投手石井は猛然と突っ込んだが惜しくも捕球できず、しかも慌てて悪送球をしてしまい、ランナーは3塁まで進み、無死1・3塁となった。駒大絶体絶命のピンチである。
おそらく石井はこの時点でいっぱいいっぱいだったのではないだろうか?次打者にあえなくレフト前にクリーンヒットを放たれてしまった。
ここでようやくベンチは動き、石井から吉尾にスイッチしたが北照の勢いを止めるどころか、火に油を注ぐ形となった。結果、この回だけで北照は6点をもぎ取り、試合を決してしまった。
駒大苫小牧は現楽天の田中投手を擁して全国準優勝をして以来、甲子園への進出を果たしていない。ただ、この2~3年の戦いぶりを見ていると、近いうちに甲子園に駒を進める駒大苫小牧の姿を見ることができる予感がする。
※ 優勝インタビューに答える北照のエース大串君です。
さて、見事春夏連続で甲子園進出を果たした小樽北照であるが、甲子園ではどのように戦ってくれるだろうか?
気になったのが失策の多さである。(この試合で4個)その失策が相手の得点に絡んでいるのである。投手力も打力も特別に傑出した力を持つわけではない北照にとって、失策を重ねて相手に得点を許すようでは甲子園では勝ち抜けない。
監督も選手も「春の忘れ物を取りに行く」と表現していたが、レベルが上がっている夏の大会を勝ち抜くことはそれほど簡単なことではないだろう。
これからの長くはない時間の中で、一人ひとりのさらなるレベルアップを図り、甲子園で勝ち抜いていく北照の姿を期待したい。
※ 写真はテレビの画面を写しました。
高校野球の私の夏は終えたと思っていたのだが、やはりどこかでは気になっていた。円山球場に駆け付けることはなかったが、テレビの前で一投一打も見逃すまいと試合の行方を追った。
決勝戦は、昨年秋の秋季北海道大会,今年春の春季北海道大会に続いて、小樽北照 対 駒大苫小牧 の対戦となった。ということは、今期の世代においては両校の実力が他校より頭一つ飛び出ていたということを示していると云えそうだ。
試合は前半、北照大串、駒大石井の両エースがそれぞれ持ち味を発揮して3回までを零点に抑えた。
試合が動いたのは4回の駒大の攻撃だった。相手にミスに乗じて連打を重ね2点を先取した。その後も1死2・3塁という押せ押せムードの中で、次打者が鋭いライナーを打った。しかし、この打球が投手大串の差し出したグラブにすっぽりと収まり、ランナーも打球の勢いにつられて離塁していたためダブルプレーとなった。ここが一つの勝負のあやだった。
北照が駒大石井に襲いかかったのは6回だった。今度は駒大のミスに北照が乗じる形で3点を奪い、形勢を逆転した。さらには8回にも石井から1点を奪い2点差とし、流れは北照に傾きかけたかに見えた。ここで特徴的なのは、6回の3点目、8回の得点と2度にわたってスクイズで得点したことだ。ベンチの冷静な采配を感ずる。
反対に、この頃には前日に120数球で完投したという石井の球の勢いに陰りが見えていたのではなかったろうか? この石井に対してベンチはどう見ていたのだろうか?
駒大苫小牧の粘りはここからだった。8回裏、ここでも北照のエラーが絡む形で駒大が劣勢を押し返すように見事2点を奪い、試合を振り出しに戻した。
両チームの気迫と気迫がぶつかり合う素晴らしい試合展開となり、勝利がどちらに微笑むのか、この時点ではまったく分からなくなった。ムードとしては劣勢から同点に追いついた駒大の方が意気が上がっていたと思われる。
ところが9回、意外な勝負のあやが待っていた。
北照は7番に代打(名前は忘れた)を送ったが、ベンチの期待に応えてセンター前へライナーのヒットを打った。次打者の大串は当然送りバントをしたが、これが小フライとなった。それを捕球しようと投手石井は猛然と突っ込んだが惜しくも捕球できず、しかも慌てて悪送球をしてしまい、ランナーは3塁まで進み、無死1・3塁となった。駒大絶体絶命のピンチである。
おそらく石井はこの時点でいっぱいいっぱいだったのではないだろうか?次打者にあえなくレフト前にクリーンヒットを放たれてしまった。
ここでようやくベンチは動き、石井から吉尾にスイッチしたが北照の勢いを止めるどころか、火に油を注ぐ形となった。結果、この回だけで北照は6点をもぎ取り、試合を決してしまった。
駒大苫小牧は現楽天の田中投手を擁して全国準優勝をして以来、甲子園への進出を果たしていない。ただ、この2~3年の戦いぶりを見ていると、近いうちに甲子園に駒を進める駒大苫小牧の姿を見ることができる予感がする。
※ 優勝インタビューに答える北照のエース大串君です。
さて、見事春夏連続で甲子園進出を果たした小樽北照であるが、甲子園ではどのように戦ってくれるだろうか?
気になったのが失策の多さである。(この試合で4個)その失策が相手の得点に絡んでいるのである。投手力も打力も特別に傑出した力を持つわけではない北照にとって、失策を重ねて相手に得点を許すようでは甲子園では勝ち抜けない。
監督も選手も「春の忘れ物を取りに行く」と表現していたが、レベルが上がっている夏の大会を勝ち抜くことはそれほど簡単なことではないだろう。
これからの長くはない時間の中で、一人ひとりのさらなるレベルアップを図り、甲子園で勝ち抜いていく北照の姿を期待したい。
※ 写真はテレビの画面を写しました。