新春にはやはり高座で初笑いを、と思い桂枝光師匠が主宰する「冬のシアターZOO寄席」に足を運びおおいに笑わせてもらった。と同時に冷静に振り返ってみると、辛口批評も述べねばならない現実もあった…。
札幌へ来てからお正月に枝光師匠の落語を楽しむことが多かった。記録を調べてみると、2009~2011年まで3年連続して楽しんでいたのですが、昨年、一昨年は留守したので3年ぶりに楽しんだことになります。
本日4日は、〔昼の部〕と〔夕の部〕の2回開催だったが、私は〔昼の部〕を楽しみました。〔昼の部〕の番組は次のようになっていました。
◇開口一番 極楽亭とん暮
◇お楽しみ 桂 枝 光
◇七段目 桂 宮 治
◇口入屋 桂 枝 光
〔昼の部〕は12時45分開演という少々変則的な開演時間でしたが、開口一番の前の前口上になんと桂枝光師匠自らが登場し、小ネタをいくつか披露して会場を沸かせた後、極楽亭とん暮さんが登場しました。この極楽亭とん暮さんは札幌ではかなり有名なアマチュア落語家のようです。本職は中学校の国語教師ということですが、落ち着いた語り口で前座を務めました。お題は不明なのですが、泥棒の噺を面白おかしく語りました。

お楽しみの桂枝光師匠は時間の大半を小ネタの披露に費やして会場をおおいに沸かせました。枝光さんの小ネタは人々の日常生活をよく観察していてそれを面白可笑しく取り上げる技はさすが噺家!と思わせるものがあります。
また、枝光さんの賑々しい語りも小ネタにはとても向いているように思われます。
続いて登場したのが桂宮治さんです。年齢が37歳と若く、階級は二つ目ということです。桂枝光さんと同じ〔桂〕を名乗っていますが〔落語芸術協会〕所属ということで、桂枝光さんとは直接の関係はないようです。(桂枝光さんは大阪の吉本興業所属です)
宮治さんは非常に早口であるが、よく訓練されているからだろうか、滑舌が素晴らしくクリアな音が耳に届いた。
お題の〔七段目〕は歌舞伎の真似をする場面が多いのだがなかなかの名演ぶりで噺の落ちまで聴衆を集中させて聴かせてくれた。

酉は〔口入屋〕の枝光師匠です。ここで私は枝光落語を辛口に批評しなければならない。というのも、これまで幾度となく枝光落語を聴いてきて感じていたことを今日改めて確認したからです。
枝光さんが本格的な落語を演ずるときに、どうしても枝光さんの滑舌の悪さに触れなければなりません。私の耳がそれほど良くないこともあるのかと思うのですが、彼の話す言葉が良く分からない場合が多いのです。特に枝光さんが力を入れて話すときそれが顕著になるように思います。そうすると、聴いている私の中では想像の絵が描けなくなり、噺を楽しむことができなくなるのです。
今日はそのことともう一つ気付いたことがあります。サービス精神旺盛な枝光さんは話の本筋とは直接関係のない〔くすぐり〕を多用するのが特徴です。しかし、その〔くすぐり〕がまた噺を理解することを妨げているように思われるのです。

※ 羽織袴を付けずに前口上に登場した桂枝光師匠です。
滑舌の悪さについてはおそらく多くの方から指摘され、枝光さん自身も気にされている点ではないかと想像されます。そしてその矯正にも努められていると思うのですが、こればかりは肉体的な問題でもあり、常に付いて回ることなのかなと思われます。
なんとか枝光師匠の素晴らしいキャラクターを損なわずにクリアな話芸を楽しみたいと思うのですが…。
札幌へ来てからお正月に枝光師匠の落語を楽しむことが多かった。記録を調べてみると、2009~2011年まで3年連続して楽しんでいたのですが、昨年、一昨年は留守したので3年ぶりに楽しんだことになります。
本日4日は、〔昼の部〕と〔夕の部〕の2回開催だったが、私は〔昼の部〕を楽しみました。〔昼の部〕の番組は次のようになっていました。
◇開口一番 極楽亭とん暮
◇お楽しみ 桂 枝 光
◇七段目 桂 宮 治
◇口入屋 桂 枝 光
〔昼の部〕は12時45分開演という少々変則的な開演時間でしたが、開口一番の前の前口上になんと桂枝光師匠自らが登場し、小ネタをいくつか披露して会場を沸かせた後、極楽亭とん暮さんが登場しました。この極楽亭とん暮さんは札幌ではかなり有名なアマチュア落語家のようです。本職は中学校の国語教師ということですが、落ち着いた語り口で前座を務めました。お題は不明なのですが、泥棒の噺を面白おかしく語りました。

お楽しみの桂枝光師匠は時間の大半を小ネタの披露に費やして会場をおおいに沸かせました。枝光さんの小ネタは人々の日常生活をよく観察していてそれを面白可笑しく取り上げる技はさすが噺家!と思わせるものがあります。
また、枝光さんの賑々しい語りも小ネタにはとても向いているように思われます。
続いて登場したのが桂宮治さんです。年齢が37歳と若く、階級は二つ目ということです。桂枝光さんと同じ〔桂〕を名乗っていますが〔落語芸術協会〕所属ということで、桂枝光さんとは直接の関係はないようです。(桂枝光さんは大阪の吉本興業所属です)
宮治さんは非常に早口であるが、よく訓練されているからだろうか、滑舌が素晴らしくクリアな音が耳に届いた。
お題の〔七段目〕は歌舞伎の真似をする場面が多いのだがなかなかの名演ぶりで噺の落ちまで聴衆を集中させて聴かせてくれた。

酉は〔口入屋〕の枝光師匠です。ここで私は枝光落語を辛口に批評しなければならない。というのも、これまで幾度となく枝光落語を聴いてきて感じていたことを今日改めて確認したからです。
枝光さんが本格的な落語を演ずるときに、どうしても枝光さんの滑舌の悪さに触れなければなりません。私の耳がそれほど良くないこともあるのかと思うのですが、彼の話す言葉が良く分からない場合が多いのです。特に枝光さんが力を入れて話すときそれが顕著になるように思います。そうすると、聴いている私の中では想像の絵が描けなくなり、噺を楽しむことができなくなるのです。
今日はそのことともう一つ気付いたことがあります。サービス精神旺盛な枝光さんは話の本筋とは直接関係のない〔くすぐり〕を多用するのが特徴です。しかし、その〔くすぐり〕がまた噺を理解することを妨げているように思われるのです。

※ 羽織袴を付けずに前口上に登場した桂枝光師匠です。
滑舌の悪さについてはおそらく多くの方から指摘され、枝光さん自身も気にされている点ではないかと想像されます。そしてその矯正にも努められていると思うのですが、こればかりは肉体的な問題でもあり、常に付いて回ることなのかなと思われます。
なんとか枝光師匠の素晴らしいキャラクターを損なわずにクリアな話芸を楽しみたいと思うのですが…。