田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 114 キタキツネ物語

2014-01-16 22:27:51 | 映画観賞・感想

 1978年に制作され観客動員230万人という大ヒットになったオリジナル版の「キタキツネ物語」を観る機会を得た。ドキュメンタリーということで大反響を呼んだ映画であるが、そこには隠された秘密もあったようだ…。

                  

 1月14日(火)夜、札幌学院大社会連携センターにおいて、北海道エコネットワークという環境に関する団体が創立22周年というなんとも区切りの悪い周年の記念事業として「竹田津実さんの講演と映画会」が開催され参加した。
 そこで本日と明日にわたってその様子をレポートすることにしますが、今回は映画編で、明日は講演編ということにします。

 映画は流氷の彼方から姿を現した男キツネのフレップがオホーツクの砂丘でレイラと出会い恋におち、カップルが成立するところから始まる。やがてカップルの間に5匹の子ギツネが誕生し、そのファミリーの一年を追いかけるという展開である。
 野生の生物たちにとって自然は厳しい…。
 懸命な子育てをする中、次々と他の生物たちが彼らを襲う。それに必死で抵抗する二匹の親ギツネ。しかし、目が見えない一匹の子ギツネはそうした生存競争から脱落し死んでいく…。
 そして自然以上に厳しいのが、彼らにとっては“人間”なのだ。
 まず、トラばさみによって子ギツネの一匹を失う。続いて子ギツネたちのために必死に餌を探していた母ギツネのレイラが餌に爆薬を仕掛けた囮をくわえてしまい爆死する。次は人間たちハンターによって子ギツネが討ち取られる。というように次々と人間の仕業によって彼らは死んでいく。
 映画はキツネの視点から人間の残酷さを映しだす。

 映画の中で子ギツネがトラばさみにかかったシーン、そして母ギツネが爆死するシーンがあるが、私は実際にはキツネたちは死んではいないと思って見ていた。それは動物監督として竹田津氏が参加していたからだ。誰よりもキタキツネを愛し、長い間観察し続けてきた原作者であり獣医師の竹田津氏が映画制作に参加していてキツネを殺すはずがないと…。
 その答えは、その後の竹田津氏の講演の中で明らかにされたので、明日レポートすることにします。

               

 映画は美しくも雄大なオホーツクの自然をバックに、キタキツネの親子の微笑ましいシーン映すが、同時にキツネたち野生生物のおかれた厳しい現実も映し出す映画だった。
 この映画が当時多くの方々から支持された理由は、ドキュメンタリータッチでありながら、キタキツネ一家の子育てや子別れなど、ストーリー仕立てになっていたところが感情移入することができ支持されたのではないか、と思ったのだが…。
 私は確か過去に一度見ていたはずだがすっかり記憶が遠ざかっていて、初めて観るようにスクリーンに釘付けになって最後まで観ることができた映画だった。