田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北へ

2014-01-12 16:39:00 | 道内の旅

 列車は、北へ向かって疾走する。
 列車は、白い雪原を疾走する。
 列車は、懐かしの彼の地へ向かって疾走する。

 Mはいま札幌から列車に乗り、北の地を目ざしていた。
 そこはMがこれまでの人生のほとんどを過ごした懐かしの地だった。

 走る列車の窓から北国の冬の景色が次々と飛び去ってゆく。
 どこまでも続く白い雪原。
 雪原の中にすくっと立つ木々は白い雪の中では黒く映る。
 そして時おり顔を見せる川の流れもまた暗い色を映している。
 それはまるで墨絵の世界を見るようだった。

 札幌から網走へ向かう1番列車、特急オホーツク1号。
 一人誰とも話すこともなく、窓から外を眺め続けていると柄にもなく詩心がうずいたようだ。
 Mは昔お世話になった先輩に、共に語らい共に励んだ同輩に、そして叱咤激励した後輩との再会のため網走に向かっていた。

 雪煙りを巻きあげつつ列車は疾走する。
 列車の窓に映る墨絵の世界は次々と新しい絵を見せてくれる。
 北海道独特のこの風景をMはとても貴重なものだと思いつつ窓外を眺め入るのだった…。


※ Mはこの後、網走にて懐かしい人たちとの再会を楽しんだ。そして今日もまた別の人たちとの出会い、今夜もこれから懐かしい出会いを楽しむことになっている。その様子については帰札した後、ゆっくりと報告したいと思っています。