医療の現場もいろいろと改革を進めているようだ。札幌医科大学大学院の先端医学公開講座を受講した。
1月25日(土)午後、かでるホール(北2西7)で「総合診察を知っていますか?」というテーマの公開講座が開催され受講しました。
講座は札医大大学院の地域医療総合医学を専門としている山本和利教授が「こんなふうに話を聴きます」、若林崇雄大准教授が「こんな診療をします」と題されてそれぞれお話されたが、内容的にはお二人のお話には通ずることの多いお話だった受け取りました。

※ 講演をする山本和利教授です。
「総合診療」を一言で表すと、これまでの「医師中心の医療」から「患者中心の医療」に変えていく変革の糸口にしようとする診療方法のようだ。
つまり、これまでの医療は必然性もあり徐々に専門化していったが、そのためともすれば患者は置き去りにされ、医師が自らの専門性に立脚した診察・医療が行われていたきらいがあったという。そのことの反省から、患者の悩みや背景を十分に聴き取ったうえで、最善の治療方法について患者と相談し、患者の納得いく治療方法を紹介していく、とする診療方法ということである。
もう少し詳しく言うと、「総合診療医」は単に疾患や病を探求するだけではなく、患者の悩みや背景など患者を全人的に理解することに努め、医師と患者との共通基盤を確立することに意を注ぐという。その上で相談しながら治療方法を決定するそうだ。
そして「総合診療医」は年齢・性別・臓器を問わず、よくある疾患についての専門的な知識を有し、一般住民に起こりうる健康問題の80~90%に対応できる医師であり、残り10数%の専門的知識を必要とする疾患については専門医に紹介するというのが総合診療医だと若林准教授は説明した。

※ 歯切れの良い講演をされた若林崇雄大准教授です。
実はイギリスでは病気を患った場合は、まず総合診療医にかかることが制度として義務付けられているという。その上で専門医の紹介を受けるそうだ。私も以前にスゥエーデンの医療制度についての講演を聴いたことがあるが、その際にも同様のことを紹介されたことを思い出していた。
現在、日本では原則どこの病院で受診することが可能なフリーアクセス制というある意味で世界に例のない素晴らしい制度を誇ってきた。しかし、どうやらその制度が制度疲労に陥ってきたことがこうした総合診療という仕組みが生まれる背景にはあるように思われた。
総合診療の理念は、お話を聴くかぎり私たち患者にとって悪い仕組みとは思われない。問題は長い間日本に根付いてきた慣習を拭い去り、直ぐにそうした仕組みが定着するかどうかという問題である。特に医師たちの意識改革が求められているような気がする。
関係者の努力で、「総合診療」という考え方や仕組みが日本の中に定着することを望みたいものと思ったのですが…。
1月25日(土)午後、かでるホール(北2西7)で「総合診察を知っていますか?」というテーマの公開講座が開催され受講しました。
講座は札医大大学院の地域医療総合医学を専門としている山本和利教授が「こんなふうに話を聴きます」、若林崇雄大准教授が「こんな診療をします」と題されてそれぞれお話されたが、内容的にはお二人のお話には通ずることの多いお話だった受け取りました。

※ 講演をする山本和利教授です。
「総合診療」を一言で表すと、これまでの「医師中心の医療」から「患者中心の医療」に変えていく変革の糸口にしようとする診療方法のようだ。
つまり、これまでの医療は必然性もあり徐々に専門化していったが、そのためともすれば患者は置き去りにされ、医師が自らの専門性に立脚した診察・医療が行われていたきらいがあったという。そのことの反省から、患者の悩みや背景を十分に聴き取ったうえで、最善の治療方法について患者と相談し、患者の納得いく治療方法を紹介していく、とする診療方法ということである。
もう少し詳しく言うと、「総合診療医」は単に疾患や病を探求するだけではなく、患者の悩みや背景など患者を全人的に理解することに努め、医師と患者との共通基盤を確立することに意を注ぐという。その上で相談しながら治療方法を決定するそうだ。
そして「総合診療医」は年齢・性別・臓器を問わず、よくある疾患についての専門的な知識を有し、一般住民に起こりうる健康問題の80~90%に対応できる医師であり、残り10数%の専門的知識を必要とする疾患については専門医に紹介するというのが総合診療医だと若林准教授は説明した。

※ 歯切れの良い講演をされた若林崇雄大准教授です。
実はイギリスでは病気を患った場合は、まず総合診療医にかかることが制度として義務付けられているという。その上で専門医の紹介を受けるそうだ。私も以前にスゥエーデンの医療制度についての講演を聴いたことがあるが、その際にも同様のことを紹介されたことを思い出していた。
現在、日本では原則どこの病院で受診することが可能なフリーアクセス制というある意味で世界に例のない素晴らしい制度を誇ってきた。しかし、どうやらその制度が制度疲労に陥ってきたことがこうした総合診療という仕組みが生まれる背景にはあるように思われた。
総合診療の理念は、お話を聴くかぎり私たち患者にとって悪い仕組みとは思われない。問題は長い間日本に根付いてきた慣習を拭い去り、直ぐにそうした仕組みが定着するかどうかという問題である。特に医師たちの意識改革が求められているような気がする。
関係者の努力で、「総合診療」という考え方や仕組みが日本の中に定着することを望みたいものと思ったのですが…。