田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

雑がみ再資源化工程見学会 2

2015-09-19 21:41:41 | 環境 & 自然 & 観察会
日本製紙北海道工場 

 広い敷地に、数々の工場群が立ち並ぶ日本製紙北海道工場だった。古紙問屋が集めた雑がみなどの古紙が、本州製紙の「パルプ製造工程」、「新聞用紙製造工程」を経て、新聞用紙に生まれ変わるところを見学した。とはいっても、大きな機械群を見て回るだけだったのだが…。 

 苫小牧の東方、勇払原野に建設された日本製紙苫小牧工場は広~い敷地の中にさまざまな工場群が林立していた。その敷地の面積は札幌ドーム100個分とか…。見学前のガイダンスで説明された方が、ちょっぴり得意そうに「敷地内にはプライベートのゴルフ場もあるんですよ」と語っていた。

          
          ※ 日本製紙北海道工場の全景です。写真上部に原料の木材パルプ運搬船が横付けされる
           専用の埠頭が見えます。その下部の濃い緑の横辺りが社員自慢(?)のゴルフ場かな?
 
 私たちがガイダンスを受けたところは、工場の敷地の東端に立つ「銀環館(ぎんわかん)」という会社の歓迎ホールのような建物で、実際の見学は、またバスに乗って移動するほど敷地は広く、新聞用紙を製造する工場そのものは離れたところに建っていた。
 バスに乗って移動する間、素人にはまったくわけのわからないパイプや機器が剥き出しのようなところを通ったが、私たちが実際に見学した「パルプ製造工程」、「新聞用紙製造工程」の工場は整然とした建物の中にあった。

            
            ※ 歓迎ホール「銀環館」でガイダンスを受ける参加者たちです。

            
            ※ 新聞用紙製造工場まで移動するバスの中から迫力のある工場の一部を写しましたが、写真が斜めですね。

 さてここで、ガイダンスで説明を受けた「古紙(雑がみ)が新聞用紙に生まれ変わる」までを簡単におさらいすることにする。
 【古紙】は〔離解(りかい)〕工程によってドロドロに溶かされ、〔除塵(じょじん〕工程で不純物を取り除き、〔脱インク〕工程により脱色し、さらに〔漂白〕工程を経てDIPという新聞用紙の原料となるパルプが完成する。
 従来の木材からパルプを作るのも基本的には同じ工程と解するが、おそらく古紙の場合よりは工程を省略できるところがあるものと思われる。

            
            ※ パルプ製造工程、新聞用紙製造工程のマシンが入っている工場の外観です。

 そうしてできたパルプ(DIP)を紙に製品化するのが「抄紙機(しょうしき)」というマシンである。その仕組みについても簡単に説明があったが、素人にはブラックボックスのようなものである。

            
            ※ 私たちのように抄紙機の横を通りながら見学する子どもたちですね。

            
 この二つの工程を実際に見たのだが、現代の工場見学はどこでもそうであるが、ただ巨大な機械を眺めるだけであった。唯一我が目で確かめられたのは、水分を含んだ紙がローラーの間を廻りながら乾燥する工程と、最後の製品が出来上がって巻き取られる工程だけだった。
 全てがオートメーション化された工場内には機械の機器を監視する社員をたまあに見かける程度だった。
 それより、私たち見学者のための説明、対応のために10名を超える社員の方が待っていてくれたのに驚いたほどだった。

            
            ※ 抄紙機から出来上がった紙が巻き取られているところです。紙の白さから新聞紙ではないようです。

 日本製紙北海道工場の抄紙機は古紙から生成されたパルプ100パーセントで新聞紙を作ることが可能なマシンだということだったが、現在は雑がみのパルプ95、木材パルプ5の割合で新聞紙を製造しているとのことだった。
 また、北海道工場では毎月660トンの古紙を原料として使用しているとのことだった。

            
            ※ 海外から運ばれてきた原料の木材チップが山積みされているところです。

 新聞紙がリサイクル紙によって製造されていることは薄々理解していたが、ほぼ100パーセント古紙に頼っているという現状をお聞きし、その技術レベルの高さに驚くとともに、古新聞紙、雑がみの回収にこれまで以上に協力しなくてはいけない、と悟らされた今回の工場見学だった。(続きは明日へ)

※ なお、工場内の写真撮影はNGとのお達しから、今回投稿ではウェブ上から一部写真を拝借した。