“撤退”というよりは、“断念”という言葉が相応しいとは思うのだが、“撤退”という語感と、そのイメージに強く惹かれるために敢えて“撤退”というタイトル名にした…。
今朝、目を覚ましたのは、なんと午前7時25分だった。すでに行動を始めていなければならない時間だった。
早速、外へ出てみると、空は厚い雲で覆われ、その上ぽつりぽつりと雨が落ちていた。
その瞬間「これはダメだな」と判断した。そう判断した訳は、ねらいとしていた「ウコタキヌプリ」は、私にとってそれほど重要な山と考えていなかったことがある。「雨模様の中であえて登頂を目ざす山でもない」という思いと、先日来の疲れが取れていない私の身体が後押しした。
つまり、登頂を目ざして登り始め、苦闘の末に“断念”したのであれば、“撤退”という言葉は相応しいが、今回の私の場合は闘う前に“断念”してしまったというわけである。
“断念”したからには、後は“帰心矢の如し”で、ひたすら十勝地方を横断し、札幌へと走った。その帰路も間断なく小雨が降り続き、判断が過ちではなかったと思った。
久しぶりに走った十勝路であるが、十勝を走るといつも思うことがある。
十勝こそが、もっとも北海道らしい風景が点在する地方だと…。
特にそのことを感じさせてくれるのが、国道241号線の士幌町から上士幌町辺りを走っているときである。
良い天候ではなかったが、思わず車を止め、その光景にシャッターを切った私だった。
明日から、今回の山行の様子を詳報します。