田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

PMF GALAコンサート2017

2017-08-01 18:21:57 | ステージ & エンターテイメント
 2017PMFのキタラでの最終日を締め括るGALAコンサート。今年も行ってきました! PMFアカデミー生にとっては集大成のコンサート、豪華出演陣とともにPMFの最後を飾る素晴らしいコンサートを今年も楽しむことができた。 

 ※ キタラのコンサートは全て写真はNGである。したがって、今回掲載の写真は全てウェブ上から拝借したものである。

                
               
 7月29日(金)午後、札幌コンサートホールKitaraにおいてPMF GALAコンサートが開催され、参加する機会を得た。
 PMFのGARAコンサートは、2014年、2015年に続いて3度目の鑑賞となる。(昨年は諸事情のため断念した)
GARAコンサートとは、日本語では「記念演奏会」とか「祝祭音楽会」などの意味があるそうで、文字どおりPMFの最後を飾る記念のコンサートという位置づけである。
 
 今回のGALAコンサートで演奏された曲目と演奏陣を羅列すると、

 ◆モーツァルト/エクスルーターテ・ユピラーテk.165から「アレグロ」「アレルヤ」
  ◇天羽明恵(ソプラノ)
  ◇ダニエル・マツカワ(指揮)
  ◇PMFオーケストラ

 ◆モーツァルト/弦楽五重奏曲 第5番 ニ短調k.593から第4楽章 アレグロ
  ◇ライナー・キュッヘル(第1ヴァイオリン/PMFウィーン)
  ◇伊藤瑳紀(第2ヴァイオリン)
  ◇ナユン・キム(第1ヴィオラ)
  ◇ジャンクル・ルー(第2ヴィオラ)
  ◇ライアン・ドナヒュー(チェロ)

 ◆ヴォーカル・アカデミーによるオペラ・アリア
  ◇黒田詩織(ソプラノ) ※ 曲目省略
  ◇アンナ・ミガロス(ソプラノ)
  ◇サミュエル・ヒンクル(バリトン)
  ◇チョンファ・キム(バリトン)
  ◇岩淵慶子(PMFピアニスト)

 ◆PMF賛歌  ホルスト/ジュピター
  ◇ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
  ◇PMFオーケストラ
  ◇札幌大谷大学芸術学部音楽学科合唱団

                 
                 会場のいたるところにこうしたGALAコンサートを祝するデコレーションがなされていました。

 ◆ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲(ドレスデン版)
  ◇ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
  ◇PMFオーケストラ

 ◆ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26
  ◇ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
  ◇ダニエル・ロザコヴィッチ(ヴァイオリン)
  ◇PMFオーケストラ

 ◆シューベルト/交響曲 第8番 ハ長調 D.944「ザ・グレイト」
  ◇ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
  ◇PMFアメリカ
  ◇PMFオーケストラ

 という豪華版だった。
 注釈を付けると、天羽明恵はプロの歌手で本コンサートのMCも兼ねた。ライナー・キュッヘルは私の一昨日のレポどおり、ウィーフィルの至宝と言われた名ヴァイオリニストである。キュッヘルと演奏した他の方はPMFのアカデミー生だと思われる。
 演奏陣の中で、PMFオーケストラとヴォーカル・アカデミーの人たちは今回のPMFの指導対象であるアカデミー生である。
 PMFアメリカというのは、アメリカから来日した指導陣である。

                 
                 ※ 指揮者ゲルギエフですが、写真のようにダイナミックに動くのは稀でした。

 さて、今回のGALAコンサートで、私なりに印象に残ったことを三点だけ記すことにする。
 一つは、今年のPMFの顔でもある、指揮を務めたワレリー・ゲルギエフである。彼はPMFの芸術監督として3シーズン目を迎えている。ゲルギエフはロシア人で、当年64歳であるが、その経歴は華々しい、世界各国の名だたるオーケストラで指揮をする世界的指揮者である。
 彼の指揮ぶりが興味深かった。まず彼の指揮棒が一般的なものより短いのだ。私から見ると耳かき程度にしか見えないのだが、それを親指と人差し指に挟み、軽く手首を動かす程度の指揮ぶりなのだ。よく見ると、親指、人差し指以外の指も細かく動かしている。
ゲルギエフが大きく動くのは、曲調が転換するときと、曲が盛り上がりを見せたときくらいで、他は右手を細かく動かして指揮をしているといった感じなのである。それはきっとゲルギエフの型なのだろう。とても興味深い指揮ぶりだった。

                 
                 ※ ロザコヴィッチの近影ですが、日々成長している彼の印象は写真より成長した若者の姿でした。

 二つ目は、ヴァイオリンのソリスト・ダニエル・ロザコヴィッチである。資料によると、まだ若干16歳ということだったが、堂々とした演奏ぶりが印象深かった。彼は6歳からヴァイオリンを習い始めて2年後には室内管弦楽団との共演を果たしたという典型的な天才である。その後も評価はうなぎのぼりで、これまで世界各国のオーケストラと共演し名声を高めているようだ。
 今回のコンサートでも堂々とした素晴らしい演奏ぶりは会場の喝采を呼んだ。

 もう一人、私が注目したのはヴォーカル・アカデミー生の韓国人のチョンファ・キムである。堂々たるの体躯を活かした豊かな声量は他のヴォーカリストたちを圧倒し、存在感を存分に発揮したように思え、将来性を感じさせるものだった。

 と今年のGALAコンサートも、5時間余りに渡り、たっぷりとクラシック音楽の良さを堪能させてもらった。