最近、町内会活動やマンション管理組合の役員のなり手がいないという話をよく耳にする。市民として、一住民として、現状を改革する妙案はないだろうか?そうした課題について話し合う講座に参加してみた。
※ 講座は三つのグループに分かれてそれぞれが交流する形で進められた。
10月5日(金)午後、道民カレッジが主催する「地域活動実践講座」という堅苦しい名称の講座に参加した。
参加するにあたって義務ではなかったが、町内会・自治会・マンション管理組合などの活動についてレポートを提出することを要請された。
そこで私は次のようなレポートを作成し、提出した。
緩やかなマンションコミュニティの形成を
現在のマンションに住まい始めて12年が経過した。
私はマンションに入居する前から「なんとか緩やかなマンションコミュニティを形成できないものか」と考えていた。
そこで私がマンション管理組合の二代目理事長に就任した際に発行し始めた「マンション管理組合だより」第1号に「ゆるやかなマンションコミュニティを」題して次のような一文を載せた。
マンションは数多くの戸数を有しながら、それぞれが独立性の高いプライバシーが保証された住居というのが魅力なのだと思います。
しかし、同じ建物内に住んでいるということは、ある意味で私たちは運命共同体でもあると思います。
そこで、それぞれのプライバシー、独立性を最大限尊重しながらも、必要なコミュニケーションを図って快適なマンションライフを実現し、維持していきたいと思います。そのためマンション内に「緩やかなコミュニティ(共同体意識)」が形成されていくことができればいいなぁ、と願っています。
という一文を載せ、その後一年間前年度理事会では取り組むことのできなかったマンションだよりを毎月発行したり、消防避難訓練を実施したり、茶話会を行ったりして、マンション内に緩やかなコミュニティが形成されるよう図ってきました。
しかし、わずか一年間ではなかなか思うような空気が醸成されるには至りませんでした。
別な形でもいろいろと模索してみましたが、なかなか思うようにはいかず現在に至っています。
ただ、思いの灯は細く長く続いているものです。
過日、ある方から「マンション内にもシニアの方が増えてきました。その方々と何らかの連携を図れないでしょうか?その連携の音頭をとっていただけないでしようか?」という相談が私のところに寄せられました。
私にとっては“渡りに船”の思いです。
どのようにして形にしていくのか、そのことに思いを馳せる今日この頃です。
講座は受講者がグループに分かれて、主催者から示されたテーマについて交流するグループワークを主として進められた。そのテーマとは、①町内会やマンションで活動している事例、②活動していく上での課題、③課題を解決する方策、などについて交流した。
私の属したCグループは7名だったが、その内訳は男性3名、女性4名。年代的には70代が6名、40代の女性が1名という構成で、ほとんどがシニア世代だった。住まいの内訳はマンション住まいが5名、戸建て住宅住まいが2名という内訳だった。
※ 講座には北海道町内会連合会事務局の岩村氏がアドバイザーとして招かれていました。
実状を伺っていて町内会ではさまざまな活動が展開されているようだが、シニア世代の方の中でも積極的に参加されている方は少ないようだった。また、役員のなり手がないという実状を知りながら本人は役員になることをできれば避けたいという本音も伺えた。
そんな中、深刻な話題として近隣住民、あるいはマンション内の住民同士のコミュニケーションがないことを嘆かれる声が多かった。
こうした課題を解決するための考えを交流したのだが、それぞれからさまざまな考えが提出された。司会を担当していた私は次のようにまとめた。
1.町内会、マンション内に趣味のサークルを作って交流を図る。
2.高齢社会の現実から孤立する老人を無くするためのシニア世代の交流の場を作る。
3.活動に無関心な若い世代を批判せず、交流の試みを続けるべきである。
などなどの考えが提出されたが、私は最後に「現役世代は仕事と子育てのために地域活動に無関心になるのはいたしかたない面もある。彼らを批判するのではなく、私たちシニア世代は彼らのモデルとなるような生き方をすることが大切なのではないか。そのことが彼ら現役世代に影響を与え、彼らに余裕ができてきたときに地域活動にも関心を持ってもらえるのではないだろうか」と結んだ。
※ 私たちCグループの方々が、課題解決策をポストイットに書き出し、それを張り出したところです。
地域活動を活性化させる妙案などないのではないかと思う。あるとしたらすでに実践されているはずだ。だから私は良しとすることを息長く、繰り返し繰り返し、何度も実践していくこと、そのことが必ずや緩やかに効果を発揮しだすのではないのか、と思っている。