ドイツのベーシックカーup!に試乗した後。やはり日本のベーシックカーを確認せずにはいられない。
そこで我々取材班3名が向かったのは、スズキのお店。最近フルモデルチェンジした「ワゴンR」に触れてみることに。
それにしても、ワゴンRがもう5代目になるとは・・・月日の流れるのは、速いものである。
↑2008年登場の4代目ワゴンR
↑2012年登場の5代目ワゴンR
・・・まあ、よっぽどクルマ好きの人でない限り、外観から新旧ワゴンRを見分けることは難しいであろう。写真を赤丸で囲ったあたりが、大きな識別ポイントである。
とはいえ、このように「外観を大きく変えずに内容を進化させる方向」の変更を、私は支持したい。
スイフトとともに、スズキのポリシーを感じさせるフルモデルチェンジであると思う。
夕日を浴びる、「フィズブルーパールメタリック」のカラーのワゴンR。
面の微妙な張りや抑揚が、意外なくらいに美しい。
試乗させていただいたのは、「FX Limited」(4WD・CVT:税込車両本体価格136万7100円)であった。
先代ワゴンRと比べて、大いに進化したのが、このメーターパネル。なんてったって、先代には、タコメータが無かったのだから・・・
インパネ全体を見回すと、旧型からの流用と思われる部品がそこここに散見される。新旧のカタログを見比べてみるもの、また、一興であろう。
走らせると、パートスロットルでは問題なく、いたってフツーに走る。ステアリングが革巻なのも、手汗をかきやすい私にとって、見逃せないチャームポイント。街乗りなら、これで十分と思わせる。 だがしかし、フルスロットルを与えると、まるでクラッチの滑ったMT車のように、エンジン音だけが高まって加速が付いてこない。このCVTについては、あまりいい印象を持てなかったというのが、正直なところだ。できればこのクルマもMTで乗りたい私なのだが、今回のモデルチェンジで、ついにそれはカタログ落ちしてしまった・・・
とはいえ、まっとうに広い視界と、そのスペースユーティリティは、初代登場時から変わらない、このクルマの大きな美点である。完全停止する前にアイドリングストップが働くのも、低燃費実現のために健気に仕事をしている感じがして、可愛らしい。
それに加え「エネチャージ」搭載で、燃費はかなり向上したという。カタログ上のJC08モード燃費は、FF車で28.8km/L、4WD車でも27.8km/Lである。特に4WD化に伴う燃費の落ち込みが少ない点に、私は注目したい。
このクルマを降りる時、メーターパネルに「エコスコア」が表示された。私の得点は、100点満点の60点・・・まあ、そんなもんだろう。
今や日本の国民車ともいえる、この「ワゴンR」。たくさん売れているんだから、私のようなオジン向けに、MTを残してほしかった・・・追加設定に、期待します。